カナダの首都オタワ。
しかし、トロントの知名度が高いためにカナダの首都がオタワというのを知らない人もいるのではないでしょうか。
オンタリオ州東部に位置するオタワは、州都であるトロントからは約400km、またお隣ケベック州の最大の都市モントリオール(※州都はケベック・シティ)からは200kmという距離関係にあります。
オンタリオ州は英語圏ですが、オタワはオタワ川を隔ててフランス語圏であるケベックの州に隣接するため、またケベック州のガティノウ市も含め『カナダの首都圏』となり(『オタワ-ガティノウ地区』と呼ばれ、日本なら『東京-横浜』という感覚でしょうか)、こうした立地条件からも英・仏バイリンガルの多い地域であり、だからこそ首都に選ばれた経緯があるようです。
オタワ市の人口は約2016年のデータでは96万人弱(前述のオタワ-ガティノウ地区としては133万人)で、カナダで4番目の都市となります。
首都ということで自ずと行政機関が集まっており、この点が治安と関係がありそうです。
今回はオタワ在住者に治安について、実際のところを聞いてみました。
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オタワの印象
欧州の貧国から移民した筆者の目には、当初かなり平和で落ち着いた雰囲気を感じたものですが、10年経った今でもそれは変わりません。
先ずは概して人が優しく、親切ということです。
ワーキングホリデーその他個人的な理由でカナダを訪れ3か月以上滞在していた邦人の方何人かと接する機会がありましたが、皆さんトロントやモントリオールなど数都市と比べても 断然オタワは素朴で親しみやすい、と言っていました。
身近にあった被害・事件
クレジットカードが戻ってくる!
移住してまだ間もない頃、家族で住んでいたアパートから徒歩5分のところにある公園に行き、5歳の娘を遊ばせている間夫がベンチに財布を置き、そのまま忘れて帰宅したことがありました。
公園を去った時には他に2家族がいました。
夫がクレジットカードはもちろん、身分証明書も州保険証も全て財布に入れているのを知っていたので、私は既に絶望的になっていたのを覚えています。
以前住んだ国は窃盗事件が多く、我々家族も何度か被害者になったこともあるので無理もないと思います。
しかし15分位して戻った夫は財布を手にしていたのです。 これは感激しました。
自転車を盗まれる
それでも盗難にあったことが一度だけあります。
同じアパートの地下駐車場にある『自転車専用置場』で夫の自転車が盗まれたのです。
私のマウンテンバイクと共にチェーンロックでポールに繋いでいたのですが、チェーンは特殊ナイフで切られ、高価な夫の自転車だけ持ち去られたのでした。
地下駐車場には居住者しか入れないシステムになっているので犯人は同アパートの居住者と考えられました。
管理事務所を通し警察に通報しようとも思いましたが、製造番号など自転車のIDとなるものが一切手元に無かったので、どうすることもできませんでした。
自転車置き場の出入り口付近に防犯カメラが設置されていたものの、日にちも時間も特定できないということで管理事務所も何もしてくれなかったのが残念でした。
その他の事件
また、移り住んで1年後の2008年6月の早朝に、徒歩3分位にあるBike Path(自転車専用道路)で30代後半の女性が半裸の状態で死んでいるのが発見されるという事件がありました。
打撲の後があったことから解剖の結果殺人だったということですが、今だに犯人は見つかっていないようです。
また近年は、主に先進国の間でテロ事件が多発しており、オタワはカナダの首都であり、テロの標的にもなりやすいと言えます。
実際2014年に「カナダ議会銃乱射事件」が記憶に新しいです。
犯人はイスラム教に改宗したフランス系カナダ人で、イスラム過激派との関係は認められず単独犯と断定されたようです。
当日ダウンタウンの学校やオフィスは事件直後一斉にLockdown(不審者が侵入した時に備え、敷地内の安全な場所に逃げこみ、部屋をロックして待機すること)となり、娘の小学校は議事堂から10km離れていますが、生徒は終日校舎内に留まっていたそうです。
ついでながら、未成年者の安全確保はかなり高レベルにあると感じます。
ある時駐車場で不審なバッグが発見され、フル装備の警官が生徒を避難させるという騒動があったのですが、これは事件の前のことです。
カナダの治安ランキング(統計)
実際に治安面でどういう統計が出ているか気になり、調べてみることにしました。
先ずはカナダという国自体、世界の『治安ランキング』や『平和度ランキング』をみて2016年は7位で、例年上位を保っているようです。
オタワの国内治安ランキング
そして首都のオタワですが『カナダで一番住んでみたい』など、国内投票でも一番住みたい都市の1位にランキングされています。
更に詳しく、国民投票(カナダ人が抱くイメージ)による治安ランキングの上位5都市とは:
- オタワ(オンタリオ州)
- シャーロットタウン(プリンス・エドワード・アイランド州)
- モンクトン(ニュー・ブランズウィック州)
- セント・ジョンズ(ニューファンドランド・ラブラドール州)
- ケベック・シティ(ケベック州)
では、実際の治安ランキングもオタワが国内1位でしょうか?
カナダ統計局が2016年に発表したCSI(犯罪調査指数)によると;
- トロント(+2%)
- ケベック・シティ(0)
- オタワ(2%)
- モントリオール(-4%)
- シャーロットタウン(-12%)
意外にもトロントが1位でオタワが3位でした!(%は2014年と対比)
※こちらに詳しく掲載されています
オタワで犯罪発生率の高い地域
オタワ警察のウェブサイトにはCrime Map(犯罪分布図)が掲載され、過去14日に起きた事件(殺人、窃盗、家屋侵入、暴行事件など)が調べられます。
圧倒的にダウンタウンに集中しています。
筆者は週一回夕方にダウンタウンで習い事をしているのですが、目的地へはリドー・ショッピングセンターを出て徒歩1分のリドー通りで、この辺は終日人が屯していて夕方以降は雰囲気が非常に悪いです。
浮浪者が多く、行き交う相手もアルコール臭かったり、両脇からFワード(罵る言葉)交じりの会話を聞きながら歩くハメになるので、いつも早歩きか小走りです。
幸いビルの入り口付近には、未成年者含む受講者を守る故か防弾チョッキを付けた二人組の警官が常時立っていて、ビルの中にも(部外者が侵入しないよう)警備員が配置されています。
実際オタワ市内は首都である故か警官が多いと感じます。
オタワの治安まとめ
在オタワ日本大使館の在留邦人向け資料には『オタワにおける犯罪認知件数は全体的には減少傾向にあるが、人口当たりの犯罪件数(犯罪率)で見てみると、2014年には人口10万人当たり3,306件発生したことになり、日本全体の約3.5倍(952 件)と非常に高い水準にある』とあるので、少し驚きました。
巷では、ホームレスを収容する「シェルター」と呼ばれる施設がある付近、また低所得者(世帯)対象に政府が提供しているアパート・タウンハウスのある地域は治安が悪くなると言われていますが、個人的にはあまり偏見を持つのはよくないと思っています。
犯罪に巻き込まれたくなかったら、治安が悪そうな地域にはあえて出かけない、人通りの少ない路地などに一人で入らない、夜遅く出かけない等、これはオタワに限らず世界中どの地域でも共通だと思っています。
住民も旅行者も自分の身を守るのは自分しかいません。
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