現金を引き出すだけなら日本の口座のみで十分かもしれませんが、ドイツで家賃を払ったり、車を借りたり、保険に入る際にもドイツの銀行口座は必要となります。
ここではドイツで銀行口座を開くための手続き、また銀行などについて紹介します。
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ドイツで口座を開設しやすい銀行は?
銀行には大きくわけて
- 店舗型の銀行
- インターネットバンク
の2種類があります。
インターネットバンクは口座維持手数料が無料だったり、金利が高い場合もありますが、口座開設は比較的難しく、また時間がかかります。
外国人がドイツに来て初めて口座を開く際は、店舗型の銀行から始める方がお勧めです。
店舗型銀行
店舗型の銀行として大手と言われるのが以下の4つの銀行です。
- Deutschbank
ドイツ最大の銀行とされていますが、2016年に経営危機の報道が流れました。 - Postbank
日本のゆうちょのように、郵便局が経営する銀行です。口座維持費が比較的安いです。 - Sparkasse
都市ごとにある銀行です。ドイツにはあちこちにSparkasseがあります。母体は同じ銀行なのですが、別の市のSparkasseに行くと、口座が異なります。 - Commerzbank
Deutschbankに次ぐ大きな銀行です。
周囲の話、自分の体験からすると、口座の作りやすさは
Sparkasse > Postbank > Commerzbank > Deutschbank
です。
ビザの種類、定職の有無、収入などで口座開設を断られるケースもよく耳にします。
特に、渡独間もない時で未だ正式ビザが下りていない場合には開設が難しいかもしれません。
後にも述べますが、そんな時でもSparkasseでは口座開設が可能であり、ドイツに来た日本人の多くがここで口座を作っているそうです。
インターネットバンク
参考までに、インターネッドバンクについてもお勧めの銀行を2つ挙げておきます。
- Netbank
Girokonto(普通口座)、Sparkonto(貯蓄口座)ともに維持手数料が無料です。ただし、NetbankのATMはとても少なく、提携銀行から入金すると手数料が高いのが難点。 - Norisbank
Girokonto(普通口座)の維持手数料が無料です。入金手数料が無料なのが大きな利点です。DeutschbankのATMで入金できるので、とても便利です。
Sparkasseの良い点、悪い点
口座開設のしやすさでお勧めのSparkasse銀行。
良い点、悪い点を紹介します。
良い点
- ドイツの法律で、Sparkasseには定職が無かったり、ビザが短期間もしくは仮の状態でも、Girokonto(普通口座)については申請さえあれば開設が義務付けられています。
- ドイツ内のATM数はNo.1!またドイツ国外でもEU内ではSparkasseのATMをよく目にします。
- 2018年時点では、ドイツの中で最も経営状態の良い(信頼できる)銀行と言えます。
悪い点
・口座維持手数料が高い
(街によりますが、筆者の街のSparkasseは毎月6ユーロ。ちなみに、Postbankのオンライン口座は毎月1.9ユーロです)
・Tagesgeldkonto(貯蓄口座)の利子が安い
(筆者の口座だと0.0 %!?です。こちらも街や、預金額によって多少異なります)
・クレジットカードの審査が厳しい
銀行口座をもつメリット、デメリットとその理由
では、ドイツで銀行口座を持つことのメリット、デメリットもご紹介します。
メリット
・自動引き落としの契約ができる
ドイツでは幼稚園、動物園の年間パス料金から、医療保険、家賃まで様々なものが銀行口座からの自動引き落としでなされます(SEPAと呼ばれます)。
もし銀行口座が無いと、こうした契約ができないケースも多いです。
その点で、口座開設は必須と言えるかもしれません。
・現金引き出し/振り込みの手数料無料
店舗型の銀行に口座を持っている場合、その銀行のATMからであれば現金引き出しの手数料は無料です。
また、他行あての振り込み手数料も基本的に無料です。
もちろんドイツのATMを使って日本の銀行口座から現金を引き出すことはできます。実際そのようにしている方にも会ったことがありますが、やはり毎回手数料がかかる点がネックです。
・デビットカード機能が使える
ドイツでは、クレジットカードよりも、銀行キャッシュカードに付帯しているデビットカード機能が広く使われています。
スーパー、デパート、レストラン、ガソリンスタンド、ホテルなど多くの場所で使えますので、これはとても便利です。
デメリット
・口座維持手数料が結構高い
日本とは異なり、ドイツの、特に店舗型銀行では一般的に口座維持手数料がかかります。
一例として、筆者の使っているSparkasseだと、毎月6ユーロが維持費として引き落とされます。
年間72ユーロはかなり高いと感じます。
メリットで述べた、現金引き出し、振り込み手数料が無料であることを考えると、相殺できるのかもしれませんが・・。
銀行口座開設の手続き(Sparkasseの例)
筆者がこちらにきて初めに開設したSparkasseを例にして紹介します。
1.開設手続きの予約
ドイツでは何事にも予約が必要です。
まずはオンライン、電話、メール、もしくは直接店舗に出向き,、口座開設手続きのための予約を取ります。
直接店舗で予約する場合、運が良いとそのまま担当者が付いてくれて手続きに進むこともあるようですが、通常は翌日以降の予約を取ることになります。
2.手続き当日
必要書類は、パスポート、住民登録の控えのみでした。英語のできる担当者がついてくれたため、手続きは英語で進みました。
私は幸運だったようで、英語では手続きのできない場合も多いようです。
なおSparkasseの場合、顧客ごとに担当者がつくため、ここで決まった担当者にずっとお世話になることになります。
口座の種類からローンの組み方まで、営業を交えた説明を受けた後に、開設する口座、申し込むサービス(クレジットカード、オンラインバンキングの有無)を選択します。手続き自体はこれで完了です。
3.カードが届くまで
自分の場合、開設手続きをしてから5日後にキャッシュカードのPINコードが、その3日後にキャッシュカードが普通郵便で届きました。
クレジットカードについては、その1週間後に同じようにPINコードとカードが別々の普通郵便で届きました。
書留などではなく、普通郵便で届くのが驚きですが、別々の便で送ることで安全を図っているのでしょうか・・。
ドイツの預金金利はいくら?
店舗型銀行の金利はとても低いです。
Sparkasseの場合、街によっても異なるのですが、例えばフランクフルトにあるFrankfurter Sparkasseの場合、金利は0.1 % ~ 0.01 %です。
インターネットバンクの場合、0.5 % を超える金利もあるようですが、銀行の安定性との兼ね合いもあるので、よく調べて選ぶことが必要です。
なお、銀行ごとの貯蓄口座金利比較サイトは、“Tagesgeldkonto Vergleich“などのワードで検索すると見ることができます。
銀行口座の種類
日本でも、普通・当座・定期預金口座などの種類がありますが、ドイツにもいくつかの種類があります。
ドイツで一般的に使われるのは、
- Girokonto(普通口座)
- Sparkonto(貯蓄口座)
の2種類です。
定期預金口座もあるのですが、上記の貯蓄口座があること、また既定の時期以外に解約する際の違約金が高額なことから、ほとんど使われないそうです。
Girokonto
現金の引き出し、振り込み、自動引き落としなどを行うことのできる口座です。
口座維持費がかかりますが、口座のある銀行ATMでの引き出し、振り込みなどの手数料は無料です。日本での振り込み手数料などを考えると、口座維持費もそう高くないとも思えます。なおこの口座維持費、学生であれば無料になります。
この口座には利子がつきません。
Sparkonto(Tagesgeldkonto)
Sparkasseだと、Tagesgeldkontoとも呼ばれます。
この口座から引き出し・振り込みはできませんが、逆に考えると、簡単にお金を移動できないため安全とも言えます。
Girokontoに生活に必要なお金だけを入れておき、残りのお金は防犯のためにこのTagesgeldkontoに入れておくようにしています。
ドイツの銀行の特徴と口座解説の手順まとめ
短期滞在なら不要かもしれませんが、ある程度の期間をドイツで過ごそうとすると、避けては通れないのが銀行口座の開設です。
運よく英語の話せる担当者に当たれば問題無いのかもしれませんが、そうではない場合も多いです。
そんな時、こうした知識がお役に立てば幸いです。
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