ドイツでの生活は日本より安い?それとも高い?
実際にドイツで生活するのにいくらかかるのか、生活費、公共料金そして税金までお金に関する全てをまとめました。
ただし、家賃や公共料金は地域によって異なりますので、家を探す際に大家や不動産屋に確認してから賃貸契約をしましょう。
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1.公共料金
通常の賃貸アパートは、その建物全体を建物の所有者または大家が管理しているので、一家族戸別毎に契約や申し込みする必要はありません。
公共料金は家賃(Miete)以外の諸費用(Nebenkosten)として、建物の所有者または大家がまとめて立替払いするので、住人は大家に支払う事になります。
支払い方法は2パターン
その際の支払い方法は2通りあります。大家によって予め決まっていますので、契約時に確認してください。
前年の使用量から予想額を家賃に含めて払う場合の「Warmmiete」と実費の年額をまとめて払う場合の「Kaltmiete」があります。
つまり、「Warmmiete」とは光熱費込みの家賃であり、「Kaltmiete」は家賃だけの金額で、光熱費は別途支払います。
ただし、Warmmieteといっても公共料金すべて込みの場合と電気代のみ別の場合とあるので、必ず確認した方が良いでしょう。
Warmmieteの場合は、冬になると電力会社から年間の電気料金の請求書が送られてきます。予想額として支払った額の分よりも多く電気を使った場合は翌年の1月に追加請求を支払い、少なかった場合はお金が返ってきますので、損をする心配はありません。
一戸建てや購入したマンションなどの場合は、各家庭に電気、水道、ガスの使用計測が設置されているので、引っ越し後に自ら申し込みをして、実費を支払っていく事になります。
2.家賃
家賃はもちろん都市の大きさや発展状況で大きな差があるので、比較するのは難しいですが、日本とあまり変わらないくらいか少し安いです。
ただ、ユーロ導入以降、家賃の上昇が加速しているので、今後は更に高くなる可能性があります。
予算の目途として、一人暮らしのアパートで350〜400ユーロ(約40,000〜45,000円)程度。
さらに、アパートを借りると、これに管理費・電気代・暖房代・電話代・テレビの受信料・ごみ代などが加わるので、家賃350ユーロのアパートでも、結局すべて込で420ユーロ(約48,000円)程になります。
賃貸契約の際に部屋を500~1000ユーロ(約57,000〜110,000円)のデポジットが必要な場合もあるので注意しましょう。
もちろんですが、ミュンヘンやフランクフルなど有名な都市、便利な市内もしくは人気な場所、広い家の場合は家賃だけで高いです。
家賃を抑えたい方は、すこし郊外に住む、もしくは大きな大学がある学生が多く住む町で家を探すと安い物件がたくさんあります。また、ドイツではポピュラーなシェアハウス(WG)もオススメです。
うまくいけば家賃や公共料金を抑えられるだけでなく、友人もできて楽しい滞在になるでしょう。
3.水道代
ドイツはヨーロッパで最も水道代が高いです。
ドイツの水道代は、地方自治体によって金額が大きく異なりますが、平均的な数値は1,000リットル/1㎥あたり2ユーロ(約230円)です。
ミュンヘンは少し安く1.60ユーロ/1000リットル程で、東ドイツは更に高く2.20ユーロです。
ただし、ドイツの水道代の内訳は、使用料+排水料+税金から構成されています。これが水道代が高い理由です。
例えば、飲料水として使用すれば、使用料+税金のみで済みます。しかし、お風呂や洗濯に使えば、使用料+排水料+税金すべてがかかるのです。すべて請求が別で来るので、一見安く思ってもすべてを加算すると高額になります。
一人暮らしでひと月にかかる全て込みの水道代金を考えてみると、お風呂だけで約20ユーロ(約2300円)。それに加え、トイレ・洗濯・料理その他で毎月30ユーロ(約3400円)程度かかるでしょう。
ちょっとした節水を心がけることは大切です。
4.電気代
電気代も水道代同様に高いです。
さらに、風力発電や太陽発電の自然エネルギーを育成する為の補助金が電気代に上乗せされ、2016年の時点で35セント/kwh(約40円)が平均です。節約を心掛ければ、一人暮らしなら年間1,500kwh程度の消費量です。
例えば、使用費だけで1年で375ユーロ(約43,000円)程、これに基本料金の85ユーロ(約9,700円)程が加わり、合計460ユーロ(約52,000円)程です。
請求は年毎ですが、ひと月で考えると38ユーロ(約4,300円)程です。
個々の使用量によって大きく変わるので、比較は難しいですが、日本に比べて1,5倍かそれ以上高いと言えるでしょう。
5.消費税
ドイツでは「Mehrwertsteuer(付加価値税)」と言います。
通常の税率は19%であるのに対し、日常生活に必要な食料品(パン・牛乳・野菜・卵)と本、そして博物館の入場料などは7%となっています。
食料品のすべてが7%ではなく、アルコールやお菓子などの贅沢なものは19%となっているので、支払いが少しややこしいです。
レシートには、通常税率のもの(19%)は値段の横に「A」、低い税のもの(7%)は値段の横に「B」と表示されていますので、買い物の際に確認してみましょう。
また、お店の食品税率は主に7%なのに対し、レストランでの食事は19%なので、同じものを注文しても、テイクアウトするのと店内で食べるのとでは値段が異なるという場合もあります。
6.銀行
日本では口座を維持するのに手数料がない為、残高がごくわずかでも口座が維持されています。
しかし、残高が少ない口座を維持していたら赤字なので、ドイツの銀行では口座維持手数料が月に5ユーロ(約570円)程設けられています。その他にも、銀行によっては明細の発行や郵送などで、さらに手数料が発生する場合があります。
ただし例外として、学生は口座維持料が免除されます。
他には銀行の条件を満たす場合ですが、条件は銀行によって異なるので、開設前に確認が必要です。
例えば「口座の残高が常に2,000ユーロ以上ある事」、あるいは、「毎月1,000ユーロを越える払い込みがある事。」等。
郵便局が運営するPostbankは口座維持料が無料ですが、”Kontoentgeld(口座手数料)”という名目で、毎月手数料が引かれます。これは、お金をATMから引き下ろしたり、銀行のサービスを使用するときに料金が発生します。
つまり口座維持は無料で、口座を使用するのは有料ということです。
7.食費等
スーパーやドラッグストアの商品は、日本と同じもしくは少し安いです。
特に肉類と乳製品が安価で、有名な話ですが、ビールやアルコール類も安いです。
食料品が安いのに加えて、上記の税金欄に書きましたが、基本的な食料品が低税なので、外食を控え自炊するだけで大きな節約になります。
ドイツのスーパーは、野菜・果物と肉、ところによっては魚や惣菜まで量り売りなので、少量から必要な分だけを買えます。薬局等で買える薬の価格は日本とさほど変わりませんが、少しの病気や怪我でも病院で薬をもらうことをおすすめします。
なぜかと言うと、大抵の場合、ドイツの保険は診察代から薬代まで全てカバーされます。つまり、毎月の保険料の支払いだけで、病院では支払いがありません。
生活する上で保険は必ず入らなければならないので、有効利用しましょう。
8.学費
ドイツの各大学は長い伝統があり、世界中でとても高く評価されています。
ドイツはアメリカ、イギリス、オーストラリアに次いで世界第4位の人気を誇る留学先です。
ドイツに留学している外国人学生はドイツの全学生の10%以上(約240,000人)いるといわれています。国立大学の授業料は、入学後初めて専攻する学修課程や多くの修士課程の場合は、無料またはかなり低額(1学期あたり500ユーロ以下)です。
しかし、大学や学部によっては大学1年生に相当する最初の課程(Bachelorなど)と特殊専攻の修士課程(non-consecutive Master programmes)の中には、半年あたり10,000ユーロを超えるような高額の授業料が発生することもあります。
また、私立大学も高額の授業料が必要になることがあります。
9.チップ
チップ「Trinkgeld」の相場は10%です。
日本にはチップ制度がないので慣れるまでは少し面倒に感じるかもしれません。しかし、必ず10%を渡す必要はなく、5〜10%と考えておけば問題ないです。
ホテルのチップはサービス料として料金に含まれているので、あえて枕元にチップを置いておく必要はありません。
レストランでもサービス料が多少含まれているので必ずしも渡す必要はありませんが、テーブルを担当してくれた人に心付け程度に直接渡すと良いでしょう。タクシーの運転手さんに渡すチップの相場は10%からが妥当です。
もちろん、すべてにおいてサービスが悪かったと思えば、置く必要はありません。
ドイツの物価とお金事情まとめ
まとめるとドイツの物価は、消費税(付加価値税)が19%と高いですが、生活にかかる費用を総合的に考えると日本で生活するのとほぼ同じ程度です。
日本より家賃や食料品が安く、日本より高いのは、電気代、水道代、それに人件費のかかるものです。訪問修理や引っ越しなども高いので、自分で修理できないほど壊れたものは自らお店に持っていく、もしくは部品をリサイクルして新しいものを購入したほうが大抵の場合は安く済みます。っ越しはお互い様なので友人や隣人と助け合うのも良いと思います。
2016年8月時点では、1ユーロ=114.4円です。今後、ドイツおよびEUの情勢によって、ユーロのレートが変わる可能性があるので、こまめにレートをチェックすることをオススメします。
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