ドイツ在住20年近くになってきたMakuです。
これからドイツへ家族へ移住し生活する方にとって、子供の学校についてきになるところでしょう。
子供の成長とともに経験するドイツの学校制度、戸惑うこと、疑問視したこと、日本は見習うべきかなあ、などなど主観的に感じたことを交えながら、ドイツの教育システムをご紹介していきたいと思います。
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ドイツの教育制度(就学時から大学まで)
基礎学校(小学校)
まず、その年の9月30日までに6歳になる子供には、それ以前の3,4月ごろ、行政から基礎学校(小学校)入学手続きを取るようにという手紙が届きます。
ドイツでも、子供の義務教育は、日本と同じで6歳から15歳までです。
9月30日以降に6歳になるが、もし親が子供の入学を望み、子供も学校の勉強についていけると見通せるのなら、基礎学校入学を許可されます。(バイエルン州において)
また、12月31日以降に6歳になる子供については、学校心理学的評価を得てから入学許可を得る、という手順になります。
そして基礎学校は4年制です。(ベルリンともう一つの州は6年生です。)
この4年制というところが、あまりに早すぎる進路決断を迫られているようで、自分で受け入れられませんでした。
筆者の子供は遅咲きの子供と思っていたので、このシステムは苦痛にしか取れなかったんです。
基礎学校後の進路
小学校4年を終えると、次の進路の道としては3つあります。
- ギムナジウム(主に大学進学を目指す。現在12年生まで。)
- レアルシュ-レ(実科学校。10年生まで)
- ハウプトシューレ(基幹学校。9年生まで)
※学年は基礎学校から通しで数えます。なので、例えばギムナジウムの12年生は、18歳、高校3年生ですね。
基礎学校の4年が終わって進路が分かれますが、例えば、ギムナジウムの生徒が、学校の勉強についていくのがしんどくなった場合、レアルシューレヘの転入が可能です。
自分自身で希望して、転入する場合もあれば、ギムナジウムで落第を2回すると、これもレアルシューレヘの転入となります。
レアルシューレからギムナジウムへの転入も、もちろん可能です。
このように、一旦は3つの進路と分けられますが、その道は分かれたままではなく、その生徒の学習理解度によって、いつでも転入できます。
大学進学者はアビトュアが必要
大学進学へは、アビトュア(大学入学資格)が必要になります。
このため、ギムナジウムの11、12年生は、勉強に熱が入ります。
日本では大学受験という形で、主に受験の日に一発勝負ですね。
ただドイツのアビトュアを手に入れるには、一発勝負とは少し違います。
最終学年の11,12年生、毎回のテストの合計と、12年生の最終筆記試験、口答試験の合計により、評価が下されます。
大学入学資格があれば、大学には入学できるのですが、自分の行きたい大学の学部にたくさん希望者がいる場合、一線が引かれています。
ここで、自分が持っているアビトュアの点数で、入学できるかどうかが決まります。
現在で言うと、人気のある学科は、以下のとおりです。
男子
1位 経営学
2位 機械工学
3位 情報科学
女子
1位 経営学
2位 ドイツ学
3位 医学
大学進学率は、アビトュアを取得したものはその80%が大学進学、全体のその年齢層から見ると53%です(2014年、日本は52%)
ちなみに、今再び、ドイツでは大学進学希望者が増えている傾向です。
ドイツの学校生活
筆者は、バイエルン州在住なので、ここで体験したことを書きます。
基礎学校(小学1-4年生)の勉強の科目は、
- ドイツ語
- 算数
- 生活
が主教科。
その他、体育、図工、音楽、3年生から英語を習います。
これは耳慣らしの英語だけで、書くことはその次の段階の学校からです。
1つの授業は45分と日本と同じで、7時45分に1時間目開始。6時間終わった時間は、12時40分です。
なので、お昼ご飯時に子供は家に帰ってきます。
この日本の小学校との6つの授業後の帰宅時間の違いは、授業間の休みの取り方が違うのと、日本の朝礼、本読みタイム、掃除、終わりの会などの時間は一切なく、学校は、授業のみだからです。
2年生からは、希望者にはクラブが用意されていますが、これも週に1回1時間です。
「そんなに早く子供が帰ってきては、働けない。」という親のために、学校で昼ごはんをとることもできますし、その後の宿題、遊びの時間を学校で過ごすことができます。
日本で言うと、学童保育ですね。
これは学校の先生の仕事ではなく、学校と提携している方が、この仕事に従事します。
そして、これは料金自己負担となります。ここで最長、学校で4時まで過ごし、後は帰宅となります。
基礎学校4年くらいから始まるのですが、発表という課題が時々、生徒に課せられます。
生徒は、好きなテーマを選んで、みんなの前で発表するために調べ、資料を用意し、話す練習をします。
今は、日本でも取り入れていることでしょうが、受身の授業だけではなく、自ら好きなテーマに取り組んでいくという自発能力を育てるというのが良い点だと思います。
特質すべきドイツの教育方法
休みが異なる
ドイツは、州によってシステムが少し違ってきます。
休み方もことなりますが、全体的に年に14週お休みです。
夏休みは混雑を防ぐために、ドイツの北のほうから休みが始まります。
6月下旬ごろ、北のほうでは夏休みが始まっているところがあり、私たちの住む南のバイエルン州ではいつも8月1日から夏休みです。
落第がある
基礎学校から落第があります。
日本のように出席日数が足りていれば進級できるというのではなく、その学年の学習が理解できていないと判断された場合は、小学1年生から留年します。
こちらは、外国から子供が移住してきたりで、6歳の段階でドイツ語が十分にできない子供もいます。
そういった子供のために、ドイツ語の補習クラスを用意していたりしますが、教員不足の理由で、その授業がしばしば十分に行えていないという話は聞きます。
私の知り合いは、6歳にドイツに移住してきましたが、1年間は幼稚園に通い、7歳で就学しました。
親の希望で早めに就学する子もいれば、家庭の事情で少し遅れて入学する子もいる、といったところが、日本とは違うところでしょうか。
また、この日本との違いも最後に書き加えておきます。
授業料が不要
ドイツの大学では、授業料が不要です。
これは親にとっては嬉しいことですね。
さいごに
これからドイツで家族で生活される方は、すこしでも子供の学校のイメージが湧いたでしょうか。
日本と大きく異なることも多く、戸惑う部分もあるでしょうが、せっかくの海外生活、ドイツを楽しんでください。
参考文献:
Studieren im Netz.org, Wikipedia
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