旅行や留学先として人気のある、カナダの大都市トロント。
冬の寒さは厳しいものの、自然と都会が融合した美しい街並みが特徴です。
治安が比較的よく、「世界で住みやすい都市ランキング」では毎年10位以内に入っています。
今回そんなトロントでの、1か月間の生活費を項目ごとに解説していきます。
最初にお伝えしておくと、おおよそ10万円がトロントでの生活にかかる生活費の総額となりました。
では、実際の内訳を見ていきましょう。
※筆者の実体験をもとに、本記事では主にワーキングホリデービザや就労ビザにてトロントに滞在をした場合についてご紹介していきます。(1カナダドル=85円ほどで計算。本文ではカナダドルを$と表記)
カナダ・トロントの平均賃金
トロントが位置するオンタリオ州の最低賃金は、2018年1月より$14と改定されました。
日本円にすると約1,190円ほどですので、東京都の最低賃金985円を上回っていることになります。
なお2019年には、この最低賃金が$15にまで引き上げられる予定があるようです。
この最低賃金はほぼすべての職種に適用されますが、以下のような例外もあります。
- 18歳未満の学生:$13.15
- チップ支給のある職(バーテンダーやウェイターなど):$12.20
カナダにはチップ制度があり、飲食店などでは約10~15%のサービス料を上乗せして支払うという文化があります。
支払いは義務ではありませんが、このチップはウェイターなどサービス業に従事する人にとっては大きな収入源の一つとなります。
支給額の割合などは店のオーナーにより異なりますが、私がレストランでアルバイトをしていた際の収入例をご紹介します。
例)レストランにてウェイターのアルバイトをした場合
1日の労働時間(6時間)×最低賃金($12.20)=$73.2(約6200円)
ここにチップの支給が加算されます。
チップはその日の店の混雑状況(売上)により大きく異なりますが、私の働いていた店では$30~50ほどを毎日もらっていました。週末など忙しい曜日に入ると、チップが倍額になることもありました。
たとえば週4日(月で16日間)で仕事に入った場合、平均して月々約15万円ほどを稼いでいたことになります。
トロントの家賃
ワーキングホリデーでトロントに滞在する場合、多くの人がシェアハウスを利用します。
今回はシェアハウスと併せて、ホームステイ、アパートを自分で借りる場合の例もご紹介します。
シェアハウス
カナダではシェアハウスは珍しくなく、現地の学生も多く利用している住居形態です。
それぞれが個室を持ちながらも、キッチンやシャワールームを共有するといった暮らし方です。
- 相場:$500~800
※家賃に「光熱費、インターネット代が含まれている」のが一般的
家賃は、家の広さや立地、またシェア人数などによって異なってきます。
ホームステイ
ホームステイは、現地に暮らす一般家庭の空き部屋に住まわせてもらう方法です。
まだ現地に不慣れな方や、自炊を一切しないという方には良いかもしれません。
- 相場:$800~
※家賃に「光熱費、インターネット代が含まれている」のが一般的
アパートの部屋を借りる
日本の一人暮らしのように、自分だけの家(部屋)を借りたいという場合。
トロントでは年々家賃相場が高騰しています。
- ワンルーム(一人暮らし):$1100~
- 1ベッドルーム(一人暮らし、カップル向き):$1250~
- 2ベッドルーム(ファミリー向き):$1450~
※家賃に「光熱費、インターネット代が含まれていない」場合が多く、別途かかります
トロントの物価
物価は、日本とあまり大きな差はありません。
ただしトロントは税金が13%と高いこと、また外食の場合はチップの支払いがさらに10~15%発生するので支出が多くなります。
食費に関してはありがたいことに、スーパーなどで野菜や果物、肉、魚、牛乳といった一般的な食材を購入する際、この13%の税金がかかりません。
ただし、ポテトチップスやチョコレートといった嗜好品や外食費などについては税金がかかります。
日本に比べると、果物や肉は値段が安く、魚介類や乳製品は高めです。
自炊がメインの場合
- 一か月あたりの食費:$150~200ほど
アルバイト先をレストランにして、まかないの提供などを受けると、さらに食費を切り詰めることが出来ます。
またチャイナタウンなどを訪れると、他の一般的なスーパーよりも低価格で野菜や日本食材を手に入れることが可能です。
外食1回あたりの相場
- ランチ:$8~15
- ディナー:$15~20(食事のみ、別途チップ・アルコール代)
昼も夜も、レストラン内で食事をする際はチップを支払うのが一般的です。(カフェやテイクアウトの場合は、支払わない場合もあります)
日本食レストランの相場
現地に滞在していると恋しくなる、ラーメンや寿司といった日本食。
トロントでも非常に人気があるため、レストランは数多くあります。
- ラーメン:$13~18
- 寿司(レストラン):$25~
- 寿司(スーパーなどのお弁当):$10~
日本では割と手軽な値段で食べられるラーメンですが、トロントで食べると1000円以上は必ずかかってきます。
また寿司はスーパーで購入するお弁当であれば800円程度から、レストランであれば2000円程度から楽しむことができます。
ただし、この相場の寿司レストランの多くは韓国人・中国人が経営する店です。
日本人シェフが握るような店は少なく、値段は$150~といった具合です。
なおトロントの寿司レストランは「食べ放題プラン」を設けていることが多く、お腹いっぱい食べたい学生などに人気があります。
日本の食材
日本食レストランが高いことは先ほどご紹介しましたが、日本ならではの食材や調味料もトロントでは少し高くなります。
- 納豆:$3~4
- みりん(500ML):$5~6
- 味噌:$6~7
- 冷凍うどん(5玉):$6~8
- ポカリスウェット(2L):$6~8 など
とはいえ、トロントに住みながら日本で慣れ親しんだ食材を食べられるのはありがたいことです。
これらの食材は、アジア系マーケットにいけば手に入れることが出来ます。
では次に、主な日用品に関しても、おおまかな相場を記載しておきます。
日本に比べると、薬局で買うようなものは値段が高い傾向にあります。
日用品
- シャンプー:$7~10
- トイレットペーパー(12ロール):$10~12
- 洗濯洗剤:$7~10
ただし薬局はセールを行うことが多く、毎週なにかしらの商品が値下げしています。
上手にセールを利用すれば、日本とあまり変わらない値段で購入することも可能です。
交通費
トロント市内での交通手段は、主に
- 地下鉄
- ストリートカー(路面電車)
- バス
の3種類です。
市内を走るこの3つの公共交通機関は、TTC(Toronto Transit Commision)が運営しています。
TTCでは、一か月ごとのフリーパス(乗り放題券)を発行しており、それがあれば市内の3つの乗り物は自由に乗り降りできます。
フリーパス(一か月分)料金
- 大人:$146.25
- シニアor学生:$116.75
もちろん、フリーパスを購入せずに利用するときだけ都度支払うことも可能です。
その際はトークンと呼ばれる専用コインを購入する必要があり、一回の乗車ごと大人$3.25(シニア$2、12歳以下は無料)がかかります。
通信費
インターネット代
シェアハウスやホームステイの場合には、家賃に含まれていることの多いインターネット代ですが、個人で契約をする場合のおおまかな料金は下記の通りです。
- $40~60/月
プランや契約地域によって料金は異なります。
期間限定でキャンペーンを行っている企業も多いので、時期によってはこれより安く契約することも出来ます。
携帯代
トロントには多くの携帯会社があり、プランの選択肢も多く揃っています。
私が加入していたのは月々$40で、オンタリオ州内の電話かけ放題、データ4GBというものです。
下記に、ある会社の料金プランを一例としてご紹介します。
月額基本料金 | データ通信 | カナダ国内通話 | カナダ国内テキストメール |
---|---|---|---|
$35 | 500MB | 無制限 | 無制限 |
$40 | 1GB | 無制限 | 無制限 |
$50 | 2GB | 無制限 | 無制限 |
$60 | 4GB | 無制限 | 無制限 |
契約時に注意したいのは、以下のような点です。
- 携帯会社によって、通信環境があまりよくない
- 最低契約期間が1年や2年とされているものがある
- 電話かけ放題プランのエリアが限定されている など
自分が重視するポイントを考えて、最適なキャリアとプランを選ぶようにしましょう。
なお携帯端末自体の値段は、日本とあまり変わりません。現地での支出を抑えたい場合は、日本で携帯を購入する際に、あらかじめSIMフリーの端末を購入しておくと便利です。
保険代・医療費
海外旅行を含め、留学や就労でトロントに暮らす場合は必ず保険に加入するようにしましょう。
海外で万が一のことがあり手術や入院が必要になった際、外国人にかかる医療費は非常に高額になるからです。
保険には、
- 日本出発前にあらかじめ加入するプラン
- 現地で加入するプラン
があります。
1.日本で契約するプラン
- 大手海外旅行保険会社の1年間(留学目的)の契約:約24~28万円程度
かなり高額にはなりますが、医療費のみならず盗難や飛行機遅延などのアクシデントにも対応できる手厚い保証がそろっているものが多いのが特徴です。
2.現地で契約するプラン
- 現地保険会社のビジター用保険(移民も対象)の1年間の契約:約8~15万円
保険料は、年齢や医療費の最高補償限度額により異なります。
日本で契約するプランに比べて値段が安くなる理由としては、補償内容がかなりシンプルなことが挙げられます。
保険は「お守り」のような存在ですが、価格をおさえることが目的なのか、万が一に備えて手厚い保証を用意しておきたいのかによって、自分に合ったプランを探すようにしましょう。
なお就労ビザを持っている方は、会社の雇用保険に加入するのが一般的です。
その場合には、個人で上記のようなプランに入る必要はありません。
またトロントに移民した場合にも、OHIPと呼ばれる国民保険への加入が可能になります。
カナダでOHIPの取得ができると、基本的な医療費はすべて無料となります。(※眼科、歯医者をのぞく)
その他の支出
その他トロントならではの支出や、日本に比べるとかなり物価の高いものをいくつかご紹介します。
コインランドリー代
シェアハウスやホームステイの場合は備え付けの洗濯機があることが多いですが、トロントではコインランドリーを利用する人が多くいます。そのため日本に比べ、街中に多く点在してます。
アパートを自分で契約する場合には、洗濯機を購入するよりもコインランドリーを使う方が経済的な場合があります。
- 洗濯機:$3~4/回
- 乾燥機:$2~3/回
タバコ
愛煙家の方にとって気になるタバコの値段ですが、トロントではかなり高額です。
- タバコ(一箱):$9~13
日本では約450~500円程度ですので、およそ2~3倍することになります。
私はもともと吸いませんが、あまりの値段の高さにトロントで禁煙に成功した友人が何人もいます。
美容院
トロントでの美容院代金(カット)は、平均して下記の通りです。
- 男性:$35~60
- 女性:$50~80
店によっては、シャンプーやブローは別途$15~20ほどかかってくることがあります。
あらかじめ料金を確認しておくと良いでしょう。
またトロントには、日本人スタッフが働く美容院も数多くあります。
英語での会話などに自信がない方や、日本人に髪を切ってもらいたい方は、そちらを利用するのがおすすめです。ただし料金はもう少し上がる傾向にあります。
チップも忘れずに支払うようにしましょう。
トロントでの1か月間の生活費まとめ
上記でご紹介したものをまとめ、トロントでかかる1か月の生活費をざっくりとまとめてみました。
- 家賃(シェアハウス):$650 ※光熱費、インターネット代を含む
- 食費:$150
- 日用品費$30
- 外食費:$70
- 交通費(フリーパス):$146.25
- 携帯料金:$40
- その他雑費(コインランドリーや月額保険代):$60
合計:$1146.25
おおよそ10万円が、トロントでの生活にかかる生活費の総額です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
トロントは日本に比べて大きな物価の違いはありませんが、
- 税金が13%
- チップ制
- 家賃が高い
の3点が特徴として挙げられます。
特にワーキングホリデーや留学で滞在する場合には、シェアハウスという日本ではあまり馴染みのない居住形態に戸惑うこともあるかもしれませんが、シェア仲間との交流が思わぬ一生の縁を作ることもあります。
ぜひ今回の記事を参考に、トロントの滞在を楽しんでいただければ幸いです。
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