アメリカでの病院・医師の探し方、予約手順を紹介(渡米後のチェックリスト付)

アメリカで病院に行くには?医師の探し方、予約方法の手順(渡米後のチェックリスト付)

こちらの記事「【高額な医療費に慌てない】アメリカの医療事情と保険制度」でアメリカの医療事情について詳しく解説しました。

では、実際にアメリカで病院に行くことになった場合はどうでしょう?状況に応じてどのように対処するのがいいか知っていますか?

病気や怪我とは予期せずに起こるもので、長期間海外生活をしていれば自分や家族が病院に行く可能性は大いにあります。

アメリカの医療制度は日本と大きく異なり、あらかじめ知っておかないといざ病院に行かなければならない、という時に即座に行動できません。

また、行動できたとしても医療機関の対応や後日届く高額な医療費請求に驚き、『こんなはずじゃなかった…。』ということになりかねません。

そうならないためにアメリカのシステムを理解し、病気になる前に準備しておくことが大切です。新生活の準備リストに是非とも医療保険と病院について調べることを追加しましょう。

日本とアメリカ・病院の違い

まずは日米の違いから紹介していきます。

主に以下のような点がアメリカで病院に行く際の特徴です。

  • 病院は予約制
  • 病気になったらまずはかかりつけ医に行く
  • 予約制なので診察までに時間がかかる(早くて数日、長ければ2~3ヶ月かかることも)
  • 一般的に専門医はかかりつけ医の紹介が必要(保険のプランによっては紹介なしでもOK)
  • 救急車は有料

日本の場合、当日予約なしで病院に行くことが多いでしょう。

体のどこかが不調の場合、自己判断でそれぞれの科を選び、診察してもらえます。

ところがアメリカの場合、基本は予約制で、さらに初診では事前に保険会社の手続きが必要となります。

緊急性のない症状や予約状況によっては予約が取れないこともあり、すぐに病院に行けない、ドクターに診てもらえないという困ったことに。

こうした医療事情を知らずに、病院に行く必要性が出てから病院や医者を探し始めると対応が遅れてしまいます。

SSNや運転免許証取得と同様に、病院の手続きも重要と考えておきましょう。

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アメリカの医療機関(医師)・5つの区分

1. かかりつけ医(Primary Care Physician / PCP) ※子供は小児科医(Pediatrician)

一般的にはかかりつけ医(PCP)を決めておき、病気全般の診察、治療、健康診断、管理も含めてPCPが総合的に対応します。

呼び方は他にもFamily DoctorHome Doctorとありますが、どれも内科、家庭医として幅広い年齢層に対応し、意味合いは全て一緒です。

PCPに診てもらうには、事前登録が必要となります。

健康な時にチェックアップ(健康診断)を受け、病気になったときに診てもらえるように登録しておきます。

体調不良になったらまずPCPで診察してもらい、必要であれば専門医を紹介してもらうという流れになります。

PCPを通さず、専門医に直接診てもらう事も可能です。しかし、患者の基礎情報を共有し、医師同士が連携を取ることで検査や治療が円滑に行われる、というようにPCPを通すメリットはあります。

病院に行くか判断を迷うときは、PCPに問い合わせすると、症状に応じた対応や薬局で購入できる市販薬のアドバイスを受けます。

その上で必要であれば病院に来るように指示されます。

アメリカは医療費が高く、市販薬やサプリメントが豊富なので、風邪や軽い症状であれば病院に行かずにPCPに相談して自宅療養する人も多いです。

そして、診療時間外は提携しているコールセンターに繋がり、当直で待機しているナースに相談できるシステムを導入しているところもあります。

Urgent CareやEmergencyに行くべきなのか、自宅で様子を見て症状が翌日PCPに連絡をすればよいのか、相談することができます。

かかりつけ医が必要な理由

  • チェックアップ(健康診断)を受ける
  • 病院で診察してもらうべきか相談、症状についてアドバイスをもらうことができる
  • 体調不良でもどの科にかかればいいか判断が難しい場合
  • 明確な症状はわかっているが、専門医への紹介状が必要な場合
  • 休職などの手続きをする場合等

2. 専門医(Specialist)

消化器科、耳鼻科、皮膚科、外科のように特定の科に特化したドクターのことです。

保険プランによってはPCPからの紹介なしに専門医に診てもらえますが、医療費が高額になることもあります。

3. URGENT CARE(WAIL IN)

PCPのオフィスが閉まっているときに利用します。

名前の通り、予約なしで軽症、中等程度の病気や怪我の診察、治療をしてもらえます。日本の夜間外来のようなものに相当しますが、診療時間が決まっており、診察、治療はその時間内に限ります。料金はERに比べると安くなります。

Urgent Careの検索サイト:http://www.urgentcarelocations.com/

4. EMERGENCY ROOM(救命救急:ER)

予約なしで24時間いつでも診察、治療をしてもらえます。

あらゆる医療機器や専門医が揃っているので重篤な病気や怪我、すべての症状に対応しています。

非常に深刻な症状で命の危険があるかもしれない、という場合は迷わず利用しましょう。

Google Mapで『Emergency , Near』というキーワードを入力すれば現在地の近くのERが表示されます。

ただし、ERは重度な患者から診察・治療をしていきますので、他の患者に比べて軽度の症状だと長く待たされる事もあります。

質の高い医療機器やスタッフが揃っているため、料金は高額です。

5. 救急車(911)

4のような症状で自分で病院へ行くことができない、病院に連れて行くことが困難な状況であれば911に電話して救急車を呼びます。

オペレーターが症状や現在地を質問し、場合によっては救急車到着までの指示を受けます。

アメリカの救急車は有料ですが、到着後に病院に搬送されなければ料金はかかりません。

救急車到着後、救急隊員が患者を診察し、救急車で搬送すべき症状か確認します。その上で搬送してもらうか判断することが可能です。

自己判断が難しい未成年の場合、利用するかは親の判断に委ねられます。

ただし、明らかに救急車での搬送が必要であるのに拒否すると、ネグレクトと捉えられて通報・逮捕される可能性もあるので注意が必要です。

お子さんをお持ちの方:かかりつけ医の重要性(特に小児科)

子供も一緒にアメリカで生活をする人は渡米前からかかりつけ医または小児科医について調べておき、渡米後は早急に手続きをしておくことをおすすめします。

前述した通り、アメリカの病院は病気になったとき、すぐに診察をしてもらえるとは限りません。

子供の体調は変わりやすいですし、元気な時にチェックアップ(健診)として一度受診しましょう。

子供にかかりつけ医が必要な理由は以下のことが挙げられます。

  • 子供の体調が悪くなってから初診に行くと手続きに時間がかかる
  • 学校やプリスクールに通うときの予防接種証明と書類にドクターのサインが必要
  • 健康診断、予防接種などはすべて小児科医のもとで行う

予防接種はアメリカと日本で種類やスケジュールが異なります。

アメリカに数年住む予定かつプリスクールや学校に通う場合は、法律で定められた予防接種を済ませる義務があります。

渡米後の最初のチェックアップで小児科医に相談して下さい。

※予防接種のスケジュール表
https://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/imz/child-adolescent.html

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アメリカの医療機関・医師の探し方

1. 加入している保険プランを確認する

アメリカでは民間の保険会社にて自分で選んだ医療保険に加入するのが一般的です。

また、保険によって利用できる医療機関や自己負担額が異なります。

まずは保険証に記載されている情報を確認しましょう。

  • 保険会社名
  • プラン名
  • 保険証番号
  • 団体ID(勤務先で加入している場合)
  • 被保険者名
  • カスタマーサービスの電話番号

2. ネットワーク内で医療機関・医者を選ぶ

加入している保険会社と提携している医療機関グループをネットワーク内(In-Network)、提携外の医療機関グループをネットワーク外(Out-Network)と呼びます。

基本は保険を最大限に利用するためにネットワーク内の医療機関から選びます。ネットワーク外の医療機関も利用できるプランもありますが、自己負担額が大きくなります。

ネットワーク内の医療機関の確認方法はそれぞれの保険会社のウェブサイトで検索するか、保険会社に電話で問い合わせます。

ウェブサイトで検索する際は保険加入時に通知されるIDや保険証番号を入力して保険会社のアカウントを作成します。

Find a Doctor」というような、ネットワーク加盟医療機関検索をする機能がありますので、自宅の住所や希望する診療科等を入力して検索します。

入力した条件で周辺の医療機関のリストが出てくるので、その中から希望に合うものを選びます。

すでにかかりたいドクターや病院が決まっている場合は、直接名前を入力して調べることができるので簡単です。

電話でも同様に保険会社からネットワーク内の医療機関の一覧を送ってもらったり、希望の医療機関を調べてもらえます。

もしも、保険会社のカスタマーズサービスが日本語対応していれば、利用するに越したことはありません。

ネットワーク内かどうかの判断は必ず保険会社を通して行いましょう。

医療機関に直接問い合わせても、保険会社とのやりとりに精通した専門の担当者でない限り、正確な知識がない場合が多いです。

受付スタッフに『ネットワーク内だから大丈夫』と、言われたのに後日保険会社からの請求書を見たらネットワーク外だった、となってからでは遅いです。

また、病院はネットワーク内でもドクターがネットワーク外の場合があり、知らないうちにネットワーク外の医療機関を利用していることもあります。

これらの場合、診察・治療・検査後に高額な請求書が届くことがあるので要注意です。

さらに、ネットワーク内で利用していた医療機関が突然ネットワーク外になるケースも想定しておいて下さい。

3. 家族や知人からネットワーク内でおすすめの医療機関・医者を紹介してもらう

日本と同様紹介で探すことは実際に利用したことのある人の意見を聞けるのでとても助かります。

2の手順を前後する場合もあるので、先に紹介してもらったらその医師やクリニック、病院が、ネットワーク内かどうかを、必ずご確認しましょう。

4、オフィシャルサイトで医療機関の詳細、医者の経歴を調べる

医療機関や医師の候補が出たら病院や医師のオフィシャルサイトで確認し、その上で選択しましょう。

保険会社の検索だけではわからない経歴、所属している組織、団体、得意分野などが書かれています。

5、口コミサイトを利用して評判を調べる

口コミサイトには利用した患者の評価やオフィシャルサイトには載ってない情報を見つけることができます。

もし、詳細を調べてから判断したいという場合は検索してみる価値はあります。

病院・医師の探し方について書かれた政府のウェブサイト:

病院・医師の口コミサイト:

※医療保険については別記事で詳細を記載しましたので、あわせてご確認下さい。

病院の予約の取り方

1. 予約方法

基本初診は電話ですが直接オフィスに出向いて受付スタッフに依頼することも可能です。

2回目以降はオンラインやメールを利用して予約する方法もあります。

2. 予約に必要な情報

予約にはメモを取るための筆記用具と必要な個人情報は手元に準備しておきましょう。

  • 来歴の有無
  • 用件・症状
  • 患者の名前(Date of Birth)
  • 保険情報(insurance information)
    保険会社、保険プラン、保険番号、被保険者(保険証に書かれている名前)
    被保険者の生年月日、被保険者のソーシャルセキュリティーナンバー
  • 患者の生年月日
  • 希望のドクター
  • 診察希望日と時間 (Date and time)

※新規の場合は誰の紹介か聞かれる
※夫婦や家族の場合、保険の主加入者/メインホルダーの名前や生年月日の情報も必要

3. 予約の際に確認しておくこと

  • 保険適用の有無
  • 新規患者と受け付けしているか
  • 通訳サービスの有無
  • 診察当日の持参物
  • オフィスの正確な住所と当日急遽キャンセルすることになった場合の連絡先
  • 何分前までに到着しておけばよいのか
  • 駐車場情報

希望の医師が新規の患者を受け付けしているか聞きましょう。

医師が患者をたくさん抱えている場合は断られることもあります。

そして最初に受診する際は記入書類が多いので、英語が母国語でないことを伝えた上で、事前に必要な書類をもらって記入しておくことをおすすめします。

書類の内容は病院の規約や同意書、病歴等になります。

医療専門用語が多いのでその単語を知らないと当日記入に時間がかかるかもしれません。

4. 正しい情報を伝えるためにフォネティックコード(Phonetic code)を使う

フォネティックコードとはアルファベットを別の言い回しで表現し、間違いを防ぐためのものです。

航空業界、旅行業界、通信業界、専門的な職種に就いている方、または英語が得意な方であれば、聞き覚えがあるでしょう。

正規のフォネティックコードが設定されていますが、人名、国名、固有名詞などを組み合わせてオリジナルで使っている場合も多いです。スペルが正しく伝われば問題はありません。

参考サイト:https://www.worldometers.info/languages/nato-phonetic-alphabet/

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医療機関での通訳利用

政府の補助金を受けている医療機関は無料で通訳サービスを提供することが法律で義務付けられています。

病院内通訳、電話通訳、通訳会社を通してスタッフが派遣される方法があります。

政府とは関係なくとも言葉の壁によって医師と患者の間に誤解やコミュニケーション不足が生じないよう、独自に通訳サービスを提供している病院もあります。

希望する医療機関で通訳サービスがない場合は自己負担で通訳者を同行することもできます。

英語での日常会話は問題ない、という方でも医療専門用語を正しく理解し、医師や技師とのコミュニケーションを円滑にするためにも利用するべきです。

そして問い合わせをする際に電話での三者通話で通訳を利用することも可能です。医療機関に問い合わせする時には、最初に通訳を利用できるか確認してみましょう。

アメリカの病院事情と予約方法まとめ

病気や怪我をして病院に行く必要があると判断したら、どこに行って治療を受けるべきか早急に決めなければなりません。

急な事態にも対処できるように、渡米後は以下の3つのことを済ませておきましょう。

  • 保険ネットワーク内の医療機関を利用する
  • 渡米後は速やかにかかりつけ医を決めて診察を受けておく
  • 緊急時に行くURGENT CAREとEMERGENCY ROOMの候補をリストアップしておく

健康であることが一番ですが、医療制度の理解と医療機関への事前登録をしておけば、もしもの事態にベストな治療を受けることができるはずです。

安心してアメリカ生活を送ることができるよう、是非実行してください。

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