時代はグルーバル化。
英語の幼児教育に力を入れているご家庭も多いでしょう。
効果がある年齢については、いろいろな意見がありますが、日本語の上達が著しい3〜4歳あたりから英語教育を始める方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際にアメリカのプリスクール(3〜4歳)では、どのような教育プログラムが行われているのかを、体験をまじえてご紹介します!
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アルファベットとフォニックスとは?
プリスクールとひとくちに言っても、様々な選択肢があります。
まずは、公立か私立か。
公立は、日本と同様、市が運営しているプリスクールです。
私立であれば、モンテッソーリ、キリスト教会系、その他宗教系など、教育方針もいろいろです。
ここでは、アメリカでは割と多いキリスト教会系のプリスクールの学習内容をみていきます。
アルファベット ( letter )
日本語のひらがなにあたるのがアルファベットです。
A,B,C…の文字の書き方や、数種類のアルファベットの中からその時習っている文字を探して、丸をつけるなどのペーパーワークをしています。
不思議なのは、Aから順番に学ぶわけではない、という点です。
ちなみ筆者の子どもは「S」を最初に習ってきました。
フォニックス ( phonics )
「フォニックス」というのは、アルファベットをそのまま「エイ、ビー、シー」と読むのではなく、単語の中でどのように発音するかに重点を置いた学習方法です。
例えば「S」の場合、フォニックス用のプリントにはこのように書いてあります。
“Weave your hand in an ‘s ‘shape, like a snake, and say, sSSSsssss. “
直訳すると、「手をヘビのように、Sの形に動かしながら言ってみよう。スススススス」
つまり「S」はアルファベット読みの「エス」とは別に、単語の中では「ス」と発音するということを学ぶのです。
時間割を見ると、アルファベットと、このフォニックスは別の時間に行われているので、子供たちも混同せずに学べているようです。
ちなみに学習速度は、1週間にひとつの文字を習っていきます。
その形、この年齢に必要?と驚きの難易度!
色 ( color )
色の名前を学びます。
Blue, Yellow, Red, Orange, Green, Brown, Black, White, Gray…などの基本色が中心で、曲に乗せて、スペリングも習っているようです。
例えば、
“Y-E-L-L-O-W spells yellow. “ を「幸せなら手をたたこう (If you’re Happy and You Know it)」のメロディで歌う、といった感じです。
数字 ( number )
0から順に、読み方、書き方、数量の認識などを学びます。
点線に沿って数字を書く、該当の数量だけ金魚の絵を塗る、という方法です。
形 ( shape )
まっすぐに線を引くこと(straight lines)から始まり、丸(circle)、三角 (triangle)、四角 (Square)までは日本でも基本的な形だと思っていたのですが、ここからかなり細かい形になり、正直驚きました。
長方形、楕円形、ひし形、星形、台形、ハート形、五角形、六角形、八角形…。
毎週、プリントを見るたびに「この形、英語ではこのようにいうのか」と自分が勉強になるレベルでした。
色や数字と比べて、この「形」だけ難易度が高いような気がして不思議です。
ちなみに、形に関する単語は次の通り。
- 長方形 (Rectangle)
- 楕円形 (Oval)
- ひし形 (Diamond/Rhombus)、
- 星形 (Star)
- 台形 (Trapezoid)
- ハート形 (Heart)、
- 五角形 (Pentagon)
- 六角形 (Hexagon)
- 八角形 (Octagon)
アメリカのマナーを学ぼう!
マナー ( manner )を学ぶ時間もあります。
この学校では、1ヶ月にひとつのマナーを教えられます。
例えば、” Cover your mouth when you cough or sneeze.”
直訳すると、「咳やくしゃみをするときは、口を覆いましょう。」という内容です。
日本でも常識ですが、アメリカの場合は口を覆うときに使うのは、手のひらではなく、肘の内側か二の腕です。
アメリカ人はよく握手をするので、手以外の部分でカバーするのがよいとされているようです。
他には、「ありがとう」「すみません」などの適切な使い方や、「何かをするときに、わからないことがあったら、まず決まりを確認すること」など、日本と同様のマナーも多くあります。
アメリカならでは、と感じたのはこちら
“As you walk through a door, look to see if you can hold it open for someone else.”
「ドアを開けて出入りするとき、他の人がいたらドアを開けてあげましょう。」
アメリカ人は、自分がドアから入ったら終わり、ではなく、自分の後ろにいる人のために、必ずドアを支えて開けて待っています。
日本人の私たちからすると、申し訳ない気持ちになりドアのところまでつい小走りしてしまうシチュエーションです。
「後ろの人はお礼を言い、支えていた人はにこやかに去る」というのが社会的マナーの国であることが、この学習からもわかります。
この日、何の日⁉
アメリカの学校では一般的のようですが、このプリスクールでも「Fun Fridays」があります。
「お楽しみデー」といったらいいのでしょうか。
毎週金曜に、お題のものを身につけて登校するという遊び心のある日です。
例えば、「その地域の野球チームデー」とあれば、野球チームのロゴ入りTシャツや帽子などを着ていきます。
また、”Crazy Sock Day”というのもあり、その名の通り、面白い靴下を履いて行く日。
派手な模様のものや、左右違う靴下を履いていき、見せ合って喜ぶといった感じです。
その中でもアメリカの子供たちにとって、馴染みのあるのが “ Pajama Day “です。
なんと朝からパジャマで登校し、1日をその格好で過ごすのです。
もちろん先生もパジャマです。
この「パジャマ」の特別感が日本人には理解しがたいのですが、本人たちは楽しそうでした。
このお楽しみデーのいいところは、やってもやらなくてもいい、という点です。
この日はお題のアイテムが家にあるから着て行こう、この日は特に何も物がないからパス、といった感じで、とても自由なのです。
子供たちも、そのアイテムを身につけていれば共通の話題があるでしょうし、何もしていなくても、誰も「どうしてやってないの⁉ 」と思ったりしないのです。
楽しみたい人が、楽しめばいい。
子供の頃から、そのような感覚で過ごす姿をみると、アメリカの大らかさを感じる日なのでした。
アメリカに「食育」の文字はない⁉
お昼をはさんで3時ごろまでのクラスに行っている子供たちは、おやつ(Snack)と、給食 (Hot Lunch)の時間があります。
この学校では、スナックは各自持参で、希望者は給食があり、お弁当を持参したい人は自分で持ってくるシステムです。
学期が始まる際に、” Snack Suggestions “という各自持参の推奨スナックリストが配られます。
乳製品系であれば、チーズ、ヨーグルト、タンパク質系としてピーナッツバター、あとはフルーツや生野菜、シリアル、クラッカー。
子供たちは、その中の何かをビニール袋にじかに入れて持ってきます。
その、おおざっぱな感じにも驚かされますが、アメリカの「ヘルシー」という概念が日本とは違うと感じるのは、給食の内容です。
献立表をみると、ある日は「ホットドッグ、ジュース、ポテトチップス」、別の日は「スパゲッティ、ガーリックパン、アイス」という、日本の「食育」からはかなりかけ離れたメニューとなっています。
これを3、4歳のうちから毎日食べると思うと、考えるところもあるのですが、つい給食を選んでしまうのでした。
現地プリスクールのおける日本人の子供たち
現地のプリスクールで、日本人の子供たちはどのように過ごしているのでしょうか。
地域や学校によって日本人生徒の比率は違いますが、日本人が集まりやすいプリスクールでは、定期的に行われる先生との面談 (Conference)で、「日本人同士でかたまって、日本語を話している」といわれる親が多いと思われます。
親によっては「せっかく現地の学校に行かせているのに」と思い悩む人もいます。
日本人が少ないプリスクールに行った子供と比べると、確かに英語の伸び率は低いといっていいかもしれません。
しかし、これまで述べたような学習内容はたいていの子供はできるようになっています。
意味は分からないながら、聞いて覚えたものを歌うことはできるし、先生の指示(静かに、座りなさい、トイレ、など)は理解しています。
英会話力が弱い、というのは日本語を母国語としている子供たちにとっては当然のことで、むしろこの年齢は、アウトプットよりもインプットの時期だと考えています。
アメリカのプリスクールの学習内容まとめ
- 現地のプリスクールの学習内容
アルファベット
フォニックス
色、数字、形
マナー - お楽しみデー、給食などはアメリカ独特の内容
- 日本人の子供たちは、英会話力は弱いながらも、授業内容は理解している。
英語の幼児教育は色々ありますが、意外と知られていないアメリカ現地の学習内容をご紹介しました。
日本で、お子様の英語教育に関心がある方の参考になれば幸いです!
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