サンフランシスコはアメリカの都市の中では比較的治安のよい街として知られており、留学先としても人気があります。
とはいっても、ここは犯罪大国アメリカ。
日本とは治安レベルが全く違いますし、日本の感覚で無防備に街を散策していると思いがけず危ない目にあってしまう危険性があります。
今回はサンフランシスコ在歴3年半の現地在住者の目線から、この街の治安についてまとめてみました。
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サンフランシスコの犯罪率
今年の3月に在サンフランシスコ日本国総領事館から出された「安全の手引き」の中に、2015年に行われたFBIの統計がまとめられています。
この統計は、人口20万人以上の112の都市における10万人当たりの凶悪犯罪(殺人,強姦,強盗及び加重 暴行)及び財産犯罪(侵入盗,非侵入盗(車両盗を除く)及び車両盗)の発生率を別々に比べたものです。
これを見てみると、凶悪犯罪発生率においてサンフランシスコは37位、そして財産犯罪発生率においてはなんと6位と、ランキングのかなり上位にきていることがわかります。
サンフランシスコでは殺人のような凶悪犯罪はそこまで多くないものの、窃盗や車両あらしなどの窃盗罪が実は他の都市よりも突出して多いのです。
図)在サンフランシスコ日本国総領事館「安全の手引き」
http://www.sf.us.emb-japan.go.jp/pdf/anzen_no_tebiki.pdf
犯罪に関与するホームレスと麻薬中毒者
サンフランシスコの財産犯罪率の高さを考える時、ホームレスや麻薬中毒者を切り離して考えることはできません。
私が3年半前に初めてこの街に来た時に何よりもまず驚いたことが、ホームレスの多さでした。
彼らが路上生活に至った理由は様々です。
単純に無職であったり、病気や事故だったり、中には手足が不自由な退役軍人の方もいます。
Googleやアップル、など世界トップのIT企業がサンフランシスコ・そしてその近郊のシリコンバレーに集中しており、それら高収入のIT企業により地価が高騰していることも、問題に拍車をかけています。
一番厄介なのが、彼らの大半が麻薬中毒者で、それによる精神障害を抱えている、ということです。
一度中毒になってしまったら抜け出す事が難しく、またそんな彼らを市の税金を使って救済することがフェアなのかどうか、ということがここ数年論争の的となっています。
ホームレスのほとんどは無害ですが、中にはお金をしつこくせがんで来る人、辺りに向かってわめき散らしている人、また攻撃的な人もいるので、もし遭遇しても目線を合わさず通り過ぎるのが賢明です。
サンフランシスコの公共交通機関の治安
サンフランシスコ市内は交通機関が非常に発達しているため、車を運転する必要はほとんどありません。
バスや路面電車、地下鉄、また新幹線のようなものまで、様々なオプションがあります。
しかし、その公共交通機関もまた、犯罪が起きやすい場所の一つでもあります。
Muniと呼ばれる市バスは危険な地域を通ることもあるので、特に注意が必要です。
そのような地域を通る時、必ず一人はホームレス又は精神異常をきたした人が無賃乗車してきます。
バスの中が耐えきれないほどの臭いで一気に一杯になる、だけならまだしも、大声で怒鳴り散らす、挑発する等の攻撃的な態度を取る人もいます。
ある夜私がバスに乗っていると、明らかに挙動不審な(おそらく麻薬中毒)の男性が入ってきました。
彼は自分が降りたかった停留所でバスが停まらなかったことに腹を立て、ナイフを取り出して運転手のところまで行き、今すぐバスを止めるよう脅迫しました。
バスの中は騒然とし、私を含め皆パニックに。
結局バスは停留所のない道の真ん中で停車し、彼を降しました。
もし運が悪いことに、そのようなヤバい人と同じバスに乗り合わせてしまった場合、即刻降りて別のバスに乗り換えることをお勧めします。
治安が悪いエリアの特徴
サンフランシスコの面積は比較的狭く、観光地と危険な地域が隣り合わせとなっている為、観光していてうっかり危険な地域に迷い込んでしまうケースが多々あります。
しかし、自分が危険な地域にいるかどうかは意外とすぐにわかります。いくつかそのサインを挙げてみます。
- 道が汚い。辺りにゴミが散乱している。(ゴミ漁りをする人がいるため)
- 壁に落書きがしてある。
- ボロボロの服を着ている人がいっぱいいる。
- なんだか臭い。(散乱したゴミの臭い、もしくはマリファナなどの薬物の臭い)
- 窓やドアに鉄格子がつけてある。(強盗を防ぐため)
もしこのようなサインが見えたなら、昼夜、または一人でいるかグループでいるか関係なく、すぐにそのエリアから離れて下さい。
サンフランシスコの危険なエリア
代表的な危険エリアは以下の通りです。
テンダーロイン(Tenderloin)
ここはサンフランシスコで最も危険なエリアです。
ここを担当する警察官には余分に手当てが支払われるので、そのお金で上等なお肉(テンダーロインの部位)が食べられるという意味から、その名前が付いています。
それだけここでの犯罪率が突出して高い、ということです。犯罪者やホームレスが多く、強盗、窃盗、銃刀法違反、薬物犯罪などが多発しています。
また厄介なことに、このエリアはダウンタウンの最も賑わう観光名所「ユニオンスクエア」のすぐ隣に位置しています。
パウエル駅より西側には行かないようにしてください。
ウェスタン・アディション(Western Addition)
現地に住む日本人や日本人観光客もよく訪れるジャパンタウンの南も、残念ながら治安の悪い地域として知られています。
このエリアには生活保護者向けのアパートが立ち並んでおり、ホームレスや麻薬中毒者がウロウロしています。
車両あらしや傷害、性犯罪などが発生しているそうです。このエリアにあるSafewayというスーパーは”Unsafeway”と呼ばれるほど治安が悪く、私の友人もここで車両あらしに遭いました。
サウスオブマーケット(Soma:South of Market)
マーケットストリートの南に位置するこのエリアは普段はとても静かで、週末にはクラブやバーで賑わい人通りも多くなります。
しかしたまに銃撃事件が起こるので、夜中酔っ払って歩くのは避けたほうがいいでしょう。
またサンフランシスコジャイアンツのホーム球場AT&Tパーク周辺では、車上荒らしや窃盗が多発しているそうです。
犯罪被害に遭わないための安全対策
犯罪被害に遭わないために具体的に気をつけた方がいいことは以下の通りです。
- 携帯を見ながら歩かない。(近年携帯電話の窃盗が多発しています)
- 財布をポケットに入れない。必ずポーチかバッグに入れ、また後ろから開けられないようにバッグは前掛けにすること。
- 一目で観光客だとわかる服装は避ける。アクセサリーなどもパーティーなど特別な場合を除いては身につけない。
- 一見ホームレスに見えない人でも、街で話しかけてくる人は大体お金目的。いちいち対応しない。
- 危険な地域を止むを得ず通らなければならない場合は、タクシーかUberなどの配車サービスを使う。
- 車を駐車する時は、貴重品を車の中に置いていかない。どうしても置く必要がある場合はダッシュボードの中に入れるなど、外から見えないようにする。
サンフランシスコの治安まとめ
ここまでサンフランシスコの危険な面だけを紹介してきましたが、実は私、3年半以上住んでいながら危険な目に遭ったことはほとんどありません(バスの件を除いて)。
どこが危険なエリアなのか理解して、そこに絶対に近づかず、また上に挙げたような事に気をつけていれば、普通に観光・生活出来ます。
緊急時は以下の連絡先をメモしておきましょう。
現地の緊急連絡先
警察・消防・救急:911
在サンフランシスコ日本国総領事館:415-780-6000
275 Battery Street, Suite 2100, San Francisco, CA 94111
サンフランシスコにお越しの際は、上記の情報を心のどこかに留めつつ、しかし必要以上に怖がらずに、楽しく安全な時を過ごしてください。
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