英語圏の中で比較的取得が簡単だと言われているニュージーランド永住権。
他の国に比べてまだまだ制限が緩く、チャンスは大いにあります。とは言えその門戸が年々狭まってきているのも事実。
実際にニュージーランド在住で永住ビザを取得したことのあるSさんの経験談から、ニュージーランド永住権取得に関する5つのポイントをご紹介します!
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1.ニュージーランド永住権で最もメジャーなのは「技能移民部門」
ニュージーランド永住権は以下の条件を満たしている必要があります。
申請者の条件
- 20歳以上55歳未満
- 健康
- 犯罪を犯したことがない
- 十分な英語力がある
また、取得方法は以下の4つの部門にわけられます。
永住権4つの部門
- 技能移民部門
- 投資家部門
- 企業家部門
- 家族部門
この中でも移民として最もメジャーな技能移民部門について以下で紹介していきます。
2.技能移民部門の流れ①EOI
技能移民部門は誰でも申請できるものではありません。
まず、移民局に「あなたは申請する技能が十分にありますね」と認めてもらわなければいけません。
その手続きのために提出するのが、EOI(Expression of Interest)という書類です。
EOIは加点制で、以下の5つのカテゴリーに基づいて点数をつけます。
- 年齢
- 雇用・職歴
- 英語力の証明
- 学歴・資格
- 家族・パートナー
EOIの点数が100点以上となった場合、EOIに申請することができます。
点数が140点以上の場合は自動的に本申請へ進むことができ、100~140点未満の人は選出されるのを待つことに。そこから選ばれて、初めて永住権申請の切符をつかむことになります。
以下のページで自分が何点取得できるか確認してみましょう。
NEWZEALAND IMMIGRATION
EOIで多くの点数がほしいならオークランド以外
最近では移民の急増に伴い、100点ではEOI申請はできても選出されないケースが多くなっています。
一番いいのは140点をとることですが、以下の方法で「ボーナスポイント」をゲットすることができます。
- オークランド以外で雇用を確保する:
ニュージーランド最大の都市、オークランド以外で雇用が決まると30点のボーナスが出ます。 - 職業不足リスト(Absolute Shortage List)にある職業に就く:
シェフやSEなどの一定の職業はニュージーランドで人材が不足しているとされており、これらの職業では10点のボーナスが出ます。
特にオークランド以外での雇用で得られる30点はとても大きいですよね。
もしあなたの仕事がオークランド以外でも需要のある職種なら、他の都市へ移住したほうが永住権への近道となる可能性大です。
雇用が決まっていないと選出はかなり厳しい
また、EOIでポイントとなっているのが②の雇用。
いくら雇用が決まっているとは言え、レストランの皿洗いでは永住権は申請できません。
その雇用は移民局の定める技能職(Skilled Occupations)に当てはまらなければいけないのです。
自分の仕事がSkilled Occupationなのかは以下のページで確認できます。
http://skillshortages.immigration.govt.nz
また、直近の移民局のデータから選出された人は100%雇用が決定していることがわかります。
http://formshelp.immigration.govt.nz/SkilledMigrant/ExpressionOfInterest/historyofselectionpoints/eoi2016.htm
EOIで選出されるには「技能職での雇用がマスト」と考えておきましょう。
3.技能移民部門の流れ②本申請
晴れてEOIを通過した後、移民局から送られてくるのが「インビテーションレター(Invitation Letter)」。
そこに提出するべき書類が明記されています。
例)健康診断書
無罪証明書
英語力の証明
雇用の契約書など
学歴の証明
これらの書類を揃えて、EOI選出から4ヶ月以内に本申請をしなければいけません。
本申請後は移民局があなたの担当(ケースオフィサー)を割り当てるまで何も動きはありません。
ケースオフィサーが決まるのは本申請から1~2ヶ月、決定すると直接あなたに連絡があります。
ケースオフィサーから追加書類が求められる場合も
ケースオフィサーはあなたの提出した書類から、「本当にニュージーランド永住権を与えるにふさわしいか」をチェックします。
実際に永住権を取得した人の中には、以下のように追加書類や面接を求められた場合もあります。
- 「あなたの職位や仕事内容が技能職であることの証明を追加で提出してください」という連絡があり、Job Descriptionや上司からの手紙を追加で提出した
- いきなり仕事先に電話がかかってきて、英語力を確認するため30分以上仕事内容を電話面接された
- 仕事先のオーナーに移民局からあり、会社の経営状態が確認出来る追加書類を提出するように求められた
これらの対応を全てパスすると、永住ビザの可否が決定されます。
その期間は人によりけりですが、移民局では本申請書類提出から判断を下すまで最長6ヶ月としています。
4.費用は弁護士を雇うかで差が出る
残念なことに、永住権にかかる費用は毎年増加しています。
2016年時点の申請費用は以下のとおり。
- EOI申請費(オンライン):$530
- 本申請費:$2,470
2015年の本申請費は$1,810でしたので、およそ$600もあがっていることになります。
恐らくこれからも増加していくでしょう。
とは言え、かかる費用はこれだけではありません。人によっては以下の費用もかかります。
- 健康診断費(レントゲン費も含む):$400前後
- NZQA(海外での学歴証明):$1,000~1,500
- 弁護士:$2,000~5,000
特に高額なのは弁護士。
EOIの段階から雇うか、本申請のときに雇うかなどで金額は変わってきます。
不安なら弁護士を雇うのもあり
一般的に弁護士を雇う人は、自分でおこなうのは不安だというケースが多いです。
追加書類を求められてから弁護士に相談するという場合もあります。その道のプロに頼むことができるので、英語での交渉力に不安がある人には頼む価値ありです。
とは言え、弁護士を雇わなくても永住権をとれる人はたくさんいます。かくいうSさんも弁護士を頼みませんでしたが、大きな問題はなかったとのことです。
いずれにせよ金銭面の問題もありますので、慎重に決めるようにしましょう。
5.ニュージーランド永住権取得のために注意したいこと
ここまでニュージーランド永住権の取得方法を見てきましたが、具体的な注意点を以下にまとめました。
英語力はないよりあったほうが絶対にいい
中には「英語ができなくても大丈夫ですよ!」というエージェントもいますが、英語はできたほうがいいです。
圧倒的に選択肢が広がり、永住権までの時間を短縮することができます。
日本語環境の職場で働き、ケースオフィサーとの面接で英語で答えられずに永住権がおりない人がいたという噂もあります。移住の前に時間がある場合はすぐにでも勉強を始めましょう。
日本での職歴や学歴が使えるなら同じものを
ニュージーランドへ来てから新しいことにチャレンジするよりも、日本でしていたことが技能職ならばそれを続けたほうが永住権はとりやすいでしょう。
例えば、日本で保育士をしていた人はその職歴を認めてもらうことができるので、EOIの点数も高くなります。
さらに経験があるので雇用してもらいやすくなりますよね。Sさんの同僚は10年以上の職歴があったので、学校を卒業する前に渡航後1年未満で永住権を取得したそうです。
移民法は変わる!来年もとれる保証はゼロです
ニュージーランド永住権の取得は年々厳しくなっています。
移民の急増に合わせて、技能移民リストや職業不足リストも頻繁に改定されているのです。
例えば現在シェフはどちらのリストにも載っていますが、ここ数年シェフコースを選択する人が多いため、需要が供給に追いつく可能性があります。その場合、不足リストから外されることもあり得ます。
ニュージーランド永住を考えている方は、このことを念頭に置いてそれ相応の覚悟で移住を考えたほうがいいかもしれません。
ニュージーランド永住権取得情報まとめ
技能のある人ならば挑戦することのできるニュージーランド永住権。
そうは言ってもいつ条件が厳しくなるかはわかりません。
興味のある方は、まずはご自分がどの職種につきたいのか、どのくらいで永住権を取得したいのかプランを練るといいでしょう。もちろん英語の勉強も忘れずに。
ビザ要件は変更されます。常に最新情報を取得するよう心がけてください。
ニュージーランド永住権の最新情報(移民局サイト):
Immigration New Zealand
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