ドイツの音楽大学と日本の音楽大学で違う5つのこと

クラシック音楽の本場ヨーロッパ。

その中でも留学先の候補として選ばれることが多い国のうちの1つがドイツ。

ドイツに音楽留学することを目指している日本人も少なくありません。

では実際、日本の音楽大学とドイツの音楽大学は一体何が違うのでしょうか?

今回はそんな疑問にお答えすべく、日本とドイツの音楽大学の違いを5つほど紹介いたします。

1.ドイツは学期制

日本の大学は一般的に入試は1年に1回で、学年が分かれています。

ドイツの大学は学年というくくりがなく、多くの音楽大学では半年ごとに入試があり、学期で計算され学部なら8学期、大学院なら4学期となります。

またドイツでは高校を卒業してすぐに大学に入学する人ばかりではありません。

「高校卒業後一人旅をしていた」

「ちょっと働いてから(バイトしてから)入試をうけた」

「違う勉強をしていたけど音楽も勉強したくて入った」

という人も多く、留学生も多いため年齢はバラバラ。

先輩・後輩という概念は無く、年齢問わず勉強・研究の仲間という意識が強いです。

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2.入試の違い

日本は定員制、つまり一学年につき何人、というのが決まってるところが多いのですが、ドイツでは師事したい先生に空いている枠があるかどうかが大事になってきます。

合格点をとっても入学できないかも

大学にもよりますが1人の先生が受け持つ学生数は多くて15~16人。

入試を受ける学期に、師事したい先生のクラスから卒業者がいない場合、入試で合格点をとっても枠がないので残念ながら入学できない、という事がよくあります。

ただし

  • 他の先生が演奏に興味を持ち、枠があるから受け持てると連絡してきてくれる
  • 多少の人数オーバーでも、先生が是非取りたいと連絡してきてくれる
  • その学期では入学は無理だが、半年後なら可能なので待っててと言われる

などの例外もあります。

入試がない

楽器(特に管打楽器)によっては、先生が1人しかおらず空きも出ないとなると、その楽器の入試自体が半年、または1年行われないということもあります。

受けたい大学がある場合は必ずホームページの入試要項を確認しましょう。

ドイツ音楽留学を考えているなら

これからドイツ留学を考えている方がいましたら、是非気になっている先生にメールをしてみてください。

その際に演奏の録音や履歴書などを添付して、自分を知ってもらうこともおすすめです。

先生によっては1度演奏させてもらえる機会を設けてくれたり、レッスンをしてくれる時間を取ってくれたりすることもあります。

もちろん、事前にコンタクトは取らないという先生もいますし、同じようなメールが来すぎて返事を返さないという先生もいます。

返信が来るかどうかは運次第なところはありますが、行動を起こしてみなければ分かりません。

まずは勇気を出してみましょう。

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3.実技試験の時期

日本では必ず1年に1回、大学によっては半年に1回実技試験があります。

ドイツではカリキュラムや大学によって、4学期目、つまり日本でいう2年生の終わりに中間試験をしてその後は1年ごとに試験という学校もあれば、毎年試験をする学校もあります。

日本の実技試験と大きく違うのは、時期をずらせるというところでしょう。

シラバスに書いてある時期はあくまで目安なので、必ずしも決まった学期に試験をしなくてもよいのです。

中には卒業試験の後にやり残した実技試験をする人もいます。

最終的にすべての試験をすればよい、というのがドイツの音楽大学です。

  • スランプに陥っている
  • 体調が悪かった、重病を患った
  • 技術の習得に時間がかかっている

という場合に時期をずらすことができるというのは、学生には非常にありがたいことです。

しかしコンクールや、演奏会の日時はずらせないですよね。

日本のように実技試験日がきちんと決まっているということは、期間内に準備するということが学べるということ。

どちらがいいという訳ではありません。

4.在籍の延長と休学

日本の音楽大学では大体の人が4年または2年で卒業しますよね。

休学制度は日本にもありますが、よっぽどの理由がない限りは休学することはないでしょう。

ドイツの音楽大学では必要ならば在籍期間を延ばしたり、休学することが割と一般的です。

もちろん在籍延長申請にも、休学申請にも理由が必要です。

いったいどういう理由で申請可能なのでしょうか?

延長する場合

レベルが追いついていない

3つ目の実技試験の時期でもあげたように

  • スランプに陥っている
  • 体調が悪かった、重病を患った
  • 技術の習得に時間がかかっている

などの理由で、8学期または4学期で卒業レベルになるまでにもう少し時間が必要な場合、先生と話し合って1学期(最長で2学期)、在籍期間を延長できます。

先生を変えた・学校を変えた

日本でも稀にあることですが、

  • 先生と相性が合わなかった
  • 先生と音楽の方向性がちがった
  • 先生が残念ながら亡くなった

という場合に違う先生に変わることがあります。

音楽には個性や性格が大きく反映されるので、自分により合った先生に師事したいと思うのは当然のことですし、その権利が学生にはあります。

またドイツでは、学内で自分に合った先生がいないと思った場合、別の学校の入試を受けなおして編入するというケースもあります。

先生や学校を変えた場合、新しい関係性を作りあげたり、新しい技術を学んだりするために時間が必要になってきますよね。

そのような時に先生と相談の上、延長申請が可能です。

オーディションに受かった

オーケストラ楽器の人や歌手の人で、オーディションに合格してオーケストラ団員になったり、劇場の団員になったり、研修生になった場合に申請することがよくあります。

正団員になって学校を退学する人もいますが、より上のオーケストラや劇場を目指したい、最後まで勉強したいという人が多く、基本的には在籍したまま自分のペースで卒業の時期を選んでいます。

研修生や、契約団員の場合は、学籍が必要な研修先もありますし、期間が決まっているので基本的にはそのまま在籍し続けます。

しかしオーケストラや劇場のスケジュールと大学のスケジュールが合わないことも多いので、延長申請が可能です。

休学申請ができる場合

オーディションに受かった

先にあげたように、学期延長する申請ももちろんできますが、期間が決まっている場合や、全く余裕がない場合などに休学申請が受理されることがあります。

ただし学籍が必要な研修先の場合は休学措置が取れないことも多いので注意が必要です。

別の大学・学部に並行して在籍している

ドイツの大学費用はEU圏出身なら自治会費(+交通費)のみで1学期につき100€前後。

日本円にして1万5千円から2万円ほどしかかかりません。

アジア人も州によってはヨーロッパ人と同じ。

払ったとしても1学期1500€なので日本円でおよそ20万円前後と、日本の国立大学に比べても安く通えます。

このように学費が抑えられるので、2つの大学に並行して通う人もいます。

  • 音楽×医学
  • 音楽×哲学

など自由にかけ合わせて勉強できます。

違う学科であれば音楽大学同士でもできますし、同じ学内でもピアノ×幼児音楽教育など2つの学科を同時にとることが可能です。

しかし試験の時期がかぶったり、研修が入ったりするとどちらかの勉強がおろそかになってしまいますよね。

例えば医師国家試験があるから、楽器の練習が全くできないなど。

そういう時に休学措置を取って上手くスケジューリングすることができるのです。

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5.先生との距離感

先生、特に教授との距離感は私たち日本人とってはかなり気を使うことの1つでしょう。

敬語かため口か

日本(東アジア)では先生に向かってため口、というのはなかなか見ない光景です。

どんなにフランクな先生でも、ため口で話すというのはなかなかありません。

ましてや教授ともなると、緊張してしまったり、意見が言えなかったりすることも。

先生(教授)と学生はどこまでいっても師弟関係、というのが日本を含む東アジアの古くからある傾向といえるでしょう。

さて、ドイツ語にも日本語と同じように敬語があります。

あなた(敬語)= Sie

君、君たち = Du, ihr

となるのですが、もちろん初対面の先生にはSieを使って話します。

ですが、そんな堅苦しくなくていいよ、うちのクラスではDuを使おう、という先生も多いです。

つまり先生から生徒にため口で話すだけでなく、生徒から先生に向かってもため口でフランクに話すということになります。

特に管弦打楽器クラスは”Du”を使い、声楽・ピアノのクラスは”Sie”を使う傾向にあります。

管弦打楽器奏者はアンサンブルをすることが多く、先生方と一緒に演奏する機会も多いですし、将来的にオーケストラに入る学生も多くいることから、クラスというより「チーム」としての意識が高いからかもしれません。

音楽家としてのリスペクト

もちろん、ため口だから距離が近いとは言い切れません。

Sieを使うクラスも多いですし、先生と生徒という線引きは必ずあります。

それでもドイツでは先生との距離感が近く感じるのは、先生が生徒を音楽家としてリスペクトしているからでしょう。

日本の先生が、生徒を尊重していないわけではなく、ドイツでは尊重していることを言葉できちんと表現することが多いのです。

”君はどう演奏したい?”

”表現の仕方はいくつかあるけど、君はどれで弾きたい?”

”どうして、こう演奏したいと思ったのか?”

など、どの楽器のレッスンを見ても必ず先生が生徒の意見を真っ先に質問します。

レッスンで演奏せずに意見を戦わせて終わることもあります。

その分生徒側も自分も音楽家であると自覚しなければなりません。

また

”今の演奏はここが素晴らしかった”

”この演奏は君にしかできない”

など、素晴らしいと思ったことは必ず口に出します。

師弟関係の前に、音楽家としてお互いをリスペクトするという前提があるのが、ドイツの音楽大学で学ぶ上での最大の特徴かもしれません。

さいごに

ドイツ留学を考えている方は、ある程度イメージがつかめたのではないかと思います。

日本の音楽大学、ドイツの音楽大学どちらかがより優れている、ということはありません。

自分に今必要なのはどの様な学びなのか、ということをよく考えて自分に合った学校・先生を見極めていきましょう。

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