ドイツの税金事情。犬税やエコ税など日本とは違った税制度とは

ドイツの税金(消費税、所得税、売上税)

ドイツに住んでいて税金を払っているけれど、一体何に使われているのか?ということを知っている人はあまりいないかもしれません。

ドイツは特に買い物をした時の消費税が7%のものと19%のものがあり、その違いはとても複雑で理解していない方も多いです。

ここでは、ドイツでの暮らしに関連する税金はどんなものがあるか?自分が払った税金がどこで何に使われているのか?などを紹介したいと思います。

ドイツの税金の種類

ドイツの税金と言っても種類がたくさんあり、自分には関係のないものや特定の人だけが支払うべき税金などさまざまです。

ドイツには37種類の税金があり、実は知らないうちに払っていたというものもあります。

  • 消費税(Verbrauch Steuer)
  • 所得税(Einkommenssteuer)
  • 売上税(Umsatzsteuer)
  • 事業税(Gewerbesteuer)
  • 交通税(Verkehrssteuer)
  • 貿易税(Geberwesteuer)
  • 教会税(Kirchensteuer)
  • 犬税(Hundesteuer)
  • エコ税(Ökosteuer)

など、日本では聞いたこともないような税金もあります。

所得税と売上税がドイツ全体の税収入のうち60%を占めている重要な税金なので、この二つと消費税の3つは覚えておいた方が良いでしょう。

消費税、所得税、売上税の3つをみていきましょう。

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消費税

日常的に誰もが支払っているのが消費税です。

ドイツには標準税率19%のものと軽減税率7%のものがあります。

軽減税率7%のもの

標準税率が19%に対して、7%の軽減税率が適応されるものは複雑な規定があります。

基本的に「スポーツと文化に関するもの」が軽減税率対象となっています。

  • 映画
  • スタジアム観戦
  • 舞台のチケット
  • 公共交通機関(バス、電車、地下鉄、路面電車)
  • タクシー

※しかし、同じ交通手段としても最近流行りのカーシェアは19%の税率です。

スーパーでの買い物では「主食」である

  • パン
  • バター
  • 牛乳

※「主食ではない」豆乳、ビスケットは19%です。しかし犬用のビスケットは7%・・

ドイツ人でも複雑すぎて全ては分かっていないといわれているこの税率ですが、気になる方はこちらのリストで一覧になっていますので調べてみてください

参考記事:

もしかしたら、これから渡独予定の方でこの税率が理解できるか不安になってしまった方もいるかもしれませんが、ドイツでは基本的に税込表示がされていますので心配しなくても大丈夫です!

請求書で支払いをするものに関しても、合計金額は税込価格で記載されていますので間違えることはないでしょう。

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所得税(Einkommenssteuer)

収入から仕事でかかったコストを引いた収益にかけられる税金ですが、これは収益が高ければ高いほど、税率も高くなっていきます。

税のクラスは下記の5つのクラスに分けられていて、税率は収入の0%〜45%です。

収益 税率
9,168ユーロ(1,164,336円)以下 0%
9,169ユーロ(1,164,463円)〜14,254ユーロ(1,810,258円) 14%
14,225ユーロ(1,806,575円)〜55,960ユーロ(7,106,920円) 23.97%
55,961ユーロ(7,107,047円)〜265,326ユーロ(33,696,402円) 42%
265,327ユーロ(33,696,529円)以上 45%

※執筆時のレート1ユーロ127円で計算

2019年に金額が改定になりました。

毎年少しづつ変わっていますので、申告の際に必ずご確認ください。2020年も改定されることがすでに決まっています。

日本の最低税率は5%なので、最低税率0%のドイツは収入の低い人にとっては良い環境だと言えるかもしれません。

変更に関することは連邦財務省のHPなどで報告されていますので、確定申告の際は気をつけてチェックしてみてください。

売上税(Umsatzsteuer)

基本的に19%です。

例えばフリーランスの通訳さんを1時間50ユーロで雇った場合、50ユーロの時給に加えて19%の課税がされますので請求金額の合計は59,90ユーロとなります。

Kleinunternehmer(クラインウンターネーマー)

Kleinunternehmerとは、年収が17,500ユーロ以下(1ユーロ=120円換算で、日本円210万円以下)の人が売上税19%の免除を受けることができるというもの。

例えば、さきほど例にあげた1時間50ユーロの通訳さんがこのKleinunternehmerだった場合、請求額(支払額)は50ユーロのままになります。

これは雇い主が決められることではなく、その人個人の収入額に応じて変わるものです。

自分がKleinunternehmerかどうかわからない場合は、自分が住んでいるエリアの税務署で相談することができます。

ドイツで働く場合は必ず税番号を取得しなければなりませんので、そのときにどのような仕事で、お給料はいくらくらいになるかを相談してみると良いでしょう。

参考サイト:https://www.kleinunternehmer.de/kleinunternehmerregelung.htm

ドイツでは税金は何に使われているの?

2018年度の連邦予算では、

  • 仕事、社会保障
  • 防衛費
  • 交通機関とデジタルインフラ

などがあげられています。

もちろんこれは税金のみで組み立てられた予算ではありませんが、税金も含まれた予算となっていますので、これらに使われていると考えて良いでしょう。

社会保障

ドイツの社会保障はとても充実しています。

Kindergeld(キンダーゲルト/児童手当)だけでなく、Elterngeld(エルターンゲルト/保護者手当)もあり、出産・育児休暇中に仕事ができないことによる収入のサポートを14ヶ月間受けることができます。

またElterngeld Plus(エルターンゲルトプラス/保護者手当プラス)という、産後仕事を再開した人は保護者手当がもらえる期間を延長することができるというものもあり、仕事をしながら子育てをする人のサポートも充実しています。

また、ドイツでは小学校から大学までの学費がタダというのも大きいでしょう。もちろん私立の学校などに行く場合はお金がかかることもありますが、公立の学校に通う場合は無料で、学校から文房具の支給もあります。

公務員のお給料

日本でも公務員のお給料はしばしば議論の対象となっていますが、ドイツでも同じくよく新聞などで問題視されています。

2017年の時点で256,000人以上いる公務員のお給料全体で135億ユーロ、また元公務員の年金として31億ユーロが支払われています。

また、これとは別に大統領と議員に対して年間1290万ユーロ、元大統領や元政治家の年金で1620万ユーロです。

失業手当

440万人以上いると言われている失業者への手当として215億ユーロの予算がありますが、公務員のお給料と比べてみてもわかる通り、かなり低い予算です。

しかし、これは失業手当の予算が低いのではなく、公務員の給料が高すぎるのは問題だ!と言われていますが、失業者の数が多いのもドイツの重要な問題の一つです。

ドイツのめずらしい税金?

犬税(Hundesteuer)

日本では聞かないめずらしい税の一つでしょうか。ドイツには犬税があります。

今から200年以上前、1810年に制定された「贅沢税」の中に犬税も含まれていて、ペットを飼う余裕のある方=贅沢できる方という考え方だそうです。

確定申告で控除することもできません。

犬をブリーダーさんから買った場合や貰い受けた場合、1ヶ月以内に登録する決まりになっています。

余談ですが、ドイツのペットショップでは動物愛護の観点から犬だけでなく動物一切の販売をおこなっていません。日本のように犬や猫、ハムスターなど店頭で触れ合って購入するということはできないようになっています。

エサやグッズのみを販売し、トリミングやペットホテルのサービスを提供しています。

ペットを飼いたい場合はブリーダーさんに相談するか、知り合い経由で生まれた子犬をもらう方法です。また、ティアハイムという動物の保護施設があり、そこでは飼い主の事情で手放されてしまった動物たちがいますので、そこで自分の条件とあった動物がいればむかえ入れることができます。

犬税の金額は登録する(住んでいる)州によって違いますが、

<ベルリンの場合>

1匹目:年間120ユーロ

2匹目以降:年間180ユーロ

<ミュンヘンの場合>

1匹目:年間100ユーロ

2匹目以降:100ユーロ

<ドルトムントの場合>

1匹目:156ユーロ

2匹目:204ユーロ

3匹目以降:228ユーロ

犬の大きさや種類は関係なく、数で課税されていますが、盲導犬などの介助犬の場合は犬税が免除される場合もありますので問い合わせが必要です。

エコ税(Ökosteuer)

ドイツでも新しい税金の一つ、エコ税ですが環境保護のために作られた税制度でエネルギー消費に対して課税されるというものです。

ガソリンやディーゼルには課税され、再生エネルギーに対しては課税されません。つまり、地球環境に優しくないもの、環境破壊を進めてしまうようなものには課税して利用者を減らそうということです。

教会税

日本では聞いた事のない教会税ですが、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教の人が払う税金で、仏教やイスラム教などの人はたとえドイツに住んでいても支払う義務がありません。

金額は州ごとに決められていますが、課税所得に対して2.75〜3.5%だそうです。

所得税と合わせて支払うことから、企業に就職していると給料から自動的に天引きされてしまいますので事前に「教会税の支払い義務がないこと」を申告しておかなければなりません。

フリーランスの人などは確定申告の際に教会税の支払いに関する欄がありますので、自分で手続きしなければ強制的に支払いしなければならないということはありません。

ドイツの税金についてまとめ

消費税が2種類あることや、犬税やエコ税など日本とは違った税制度におどろかれた方もいるかもしれません。

税金の高い国の一つとして知られているドイツですが、低所得者に対しては所得税0%など優しい一面もあり、また社会保障も充実していますので、税金が高くても納得できる部分も多くあります。

すべての税の種類を調べてみたい、使い道を細かく知りたいという方は連邦財務省のHPで調べることができます。

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