ドイツへの留学や移住を予定している人は、生活費や家賃、光熱費がどれくらい必要になるのか気になるのではないでしょうか。
そこで、実際に2023年時点でドイツで生活していて感じるインフレの影響、食費や家賃の目安などをご紹介します。
ドイツのインフレ率
日本のウェブサイトやニュースでは、ドイツのインフレ率が約70年ぶりに10%を超えた!という内容がほとんどでした。
しかし、1年間を通して、常に10%を超えていたわけではなく、10%を超えた月があったということです。
実際に、2022年の1年間を通してのインフレ率は、7.9%とドイツ政府が発表しています。
インフレ率の内容
インフレ率7.9%というのは、ガスや電気等のエネルギー、食品や生活用品、レストランでのサービス等、様々な商品やサービス全体の値上がりを示しています。
そして、月によって10%を超えていたり、5%程であったりと、波がありました。
インフレが生活に与えている影響
皆さんがニュースやウェブサイトで見た物の中では、ガスや電気料金の値上がりが深刻である事、食品が非常に高くなっている。
という内容が多かったのでは無いでしょうか。
実際に2021年以前と比べると、ガスや電気料金、食品や日用品等、様々な物の値段が値上がりしていますが、ドイツで生活をしていると、インフレの影響は様々なシーンで感じます。
住宅ローンの金利が値上がり
2019年のコロナパンデミック以降、住宅ローンの金利が上っています。
2023年現時点での住宅ローンの金利は、平均して約4%ですが、2019年以前は1%以下でした。
家の購入を検討していても、この数年で金利がかなり高くなってしまった事から、多くの人は、家を購入したくても、購入出来ない状況にあると言われています。
カーローンの金利も値上がり
私たち夫婦も車を探しているのですが、様々なメーカーで見積を出してもらった所、金利は約7%でした。
2019年までは、3%程だったそうなので、車の金利もかなりあがっていることが分かります。
金利があがっている為、車の購入も慎重にならざるを得ません。
光熱費の値上がり
実際のところ、ニュースで騒がれていた程の値上がりはありませんでした。
ドイツ政府が行った政策として、ガス会社や電気会社に値上げの上限をもうけた事で、実際に支払う料金は、値上がりしなかったのです。
電気料金の目安
実際に私が契約している電気会社での料金は、1kwh=24セントと正式に通知がありました。
1カ月辺り、一人暮らしでの電気使用料は、83kwhから145kwhが平均と言われているため、1カ月の電気料金は、19ユーロから35ユーロが平均になります。
日本円で、約2700円から4900円です。
今のところ、電気料金に関しては、日本の平均的な料金よりも、安くなっています。
ガス料金の目安
ガス料金に関しては、2022年の平均的な価格が、1kwh=8セントと発表されています。
一カ月辺り、一人暮らしでのガス使用料は、333kwhから500kwhが平均です。
そのため、一カ月のガス料金は、26ユーロから40ユーロが平均になります。
日本円で、3700円から5600円です。
2021年のガス料金は、1kwh=4セントだった事を考えると、1年でガス料金は倍になっています。
ドイツの光熱費の支払い方法
ドイツは光熱費の支払い方法が、日本とは違います。
光熱費は毎月決まった金額を、定額で支払います。
年末にメーターの点検があるため、点検の後に、使用量が定額でおさめていた料金よりも多かった場合は、追加で支払いをする必要があります。
逆に、定額で支払っていた料金よりも、使用量が少なかった場合は、お金が戻ってくる仕組みになっています。
電気料金は、自分で電気会社と契約をしますが、ガス料金と水道料金は、ドイツの家賃でNebenkosten(ネーベンコステン)という費用に含めて支払う事がほとんどです。
家賃の値上がり
kaltemiete(カルテミーテ)とwarmmiete(ヴァームミーテ)
カルテミーテは、部屋の料金のみを表します。
ヴァームミーテというのは、部屋の料金+光熱費や共益費、管理費を含む、ネーベンコステンの費用も入っている家賃の呼び方です。
最終的に、不動産や大家さんに支払う料金は、部屋代のカルテミーテとネーベンコステンの両方である、ヴァームミーテになるので、家探しのさいには注意が必要です。
部屋の料金のみであるカルテミーテに関しては、値上げはしていない不動産や大家さんがほとんどのようです。
何故家賃が値上がりしたといわれているのか
部屋の料金価格は変わっていないのですが、ネーベンコステンに含まれる、光熱費や清掃サービスの料金が値上がりしたため、全体的に家賃が値上がりしたという認識になっています。
私が学生時代に住んでいたアパートが、たまたま不動産サイトに掲載されてたのですが、、部屋料金は以前と変わっていませんでした。
しかし、ネーベンコステンが数年前と比べると、倍以上に設定されていました。
当時は部屋代が210ユーロ、光熱費・共益費・管理費が100ユーロで、合計310ユーロ(約4万3000円)で住むことが出来ていました。
現在は、部屋代は変わらず210ユーロのままですが、光熱費・共益費・管理費が230ユーロで、合計440ユーロ(約6万1000円)になっています。
光熱費・共益費・管理費が値上がりしているため、結果的に家賃が高くなっています。
食費の値上がり
ドイツで生活していて、一番インフレの影響を感じたのが、食料品や日用品の買い物です。
光熱費は、春辺りに正式な通知が来るので、それまでは正式な金額が分からないため、あまり実感がない人が多いです。
それに比べて、食料品は毎週買い物に行くので、買い物をするたびに、インフレの影響を感じています。
食品の値上げ
食品に関する値上げは、2021年と比べると、20%も値上がりしています。
特に値上がりした食品は、油やバター、牛乳やチーズなどの乳製品、お肉や加工肉食品、パスタなどの麺類です。
野菜に関しては、一部の野菜は値上がりしている様ですが、全体的には以前と変わりません。
ドイツは元々、日本と比べると食品は全体的に安いです。
2022年の3月ごろまでは、夫婦2人の1週間の食費は、約100ユーロほどにおさまっていました。
しかし、その後徐々に値上がりしたため、1週間の食費は、平均して130ユーロほど必要になりました。
1カ月の食費の目安
ドイツで一人暮らしをしている人の1カ月の食費の目安は、160ユーロから200ユーロ。
日本円で約2万2000円から2万8000円ほどです。
私達夫婦の食費は、毎月500ユーロ程なので、物価があがった現在でも、一人暮らしの食費は3万円以内におさまる人がほとんどだと思います。
ただ、ドイツ人の食生活は、朝と夜は軽食のような、パンやハム、チーズを食べることが多く、しっかりと調理した食事は、1日1回しか食べないことが多いです。
そのため、一日2食、もしくは3食、しっかり料理して食べたいという人の場合は、食費は平均より高くなる可能性があります。
おわりに
日常生活で必要となる食品や住居、光熱費など、様々なところにインフレの影響を感じていますが、これはドイツだけでなく、他の国に住んでいる人、日本に住んでいる人も感じていると思います。
幸いなことに、ドイツでは政府の決定が早かったこともあり、光熱費に関しては、なんとか値上げがされていない状態です。
しかし、2023年も値上げされないとは限らないため、出来るだけ節約を意識して、生活をするしかありません。
どんな家に住むのか、食費をどれだけおさえる事が出来るのかにもよりますが、ドイツで一人暮らしをするのであれば、家賃が安い所を探しても、家賃と光熱費が6万円、食費が3万円、その他にも保険やインターネットの料金を考えると、最低でも13万円ほどは必要になる計算になります。
学生寮に住むか、シェアハウスに住むことを検討されるのであれば、家賃をだいぶ安くおさえることが出来るので、参考にしてみてくださいね。
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