ドイツに移住しても食べ物が合わないのではないかと心配している人もいるかもしれません。
ドイツではどんな食生活をしているのでしょうか?ソーセージにビール?
伝統料理については聞いたことがあるけれど、実際は何を食べているのだろう?と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者がドイツ人女性と2年半ルームシェア生活を通して教えてもらったドイツ人の日常的な食事とその事情についてご紹介します。
きっとドイツの食生活に興味を持っていただけるはずです。
ドイツ人の主食
日本でも、代表的な日本食である寿司や天ぷらは毎日食べるものではありませんよね。
ドイツでも同じで、伝統料理であるアイスバインやシュニッツェルなどの肉料理は滅多に食べるものではありません。
年に1度も食べない人も少なくないのだとか。
しかし、同じ伝統料理でもマッシュポテトやザワークラウトは日常的に食べられています。
主食はジャガイモやライ麦などでできた黒パンで、お米は食べますが日本のように白米を炊いて食べるというよりは(もちろんそのように食べる人も増えていますが)リゾットや鶏肉のお腹の中に詰めて食べるという食べ方の方がメジャーです。
余談ですが、ちょっと変わった白米の食べ方としては「ミルヒライス」があります。
これは直訳すると牛乳ライス。
主食として白米を食べる日本人からするとちょっと食べるのに勇気がいるネーミングですが、ドイツでよく食べられている子供のおやつの一つです。
白米を牛乳で炊いて柔らかくし砂糖やジャムなどで甘い味付けをしたものがヨーグルトやティラミスなどと並べて売られています。
「ジャーマンポテト」はドイツに無い!
ドイツ料理には確かにジャガイモのイメージも多く、日本には「ジャーマンポテト」という料理もありますよね。
★鉄板!ジャーマンポテト!★
材料
ジャガイモ 4個
タマネギ 1個
ウインナー 1袋
etc…
作り方https://t.co/Ni1B4NAPZb … pic.twitter.com/PC0NmZrNmQ— 晩酌BOT (@daigo12087) 2019年1月30日
実際にドイツにジャーマンポテトという料理名は存在せず、似たような料理でいうと
- Bratkartoffeln(ブラートカロトッフェルン/焼きジャガイモという意味)
- またはSpeckkartoffeln(シュペックカロトッフェルン/ベーコン&ジャガイモという意味)
というものがあり、これは家庭料理の一つとしていまでも日常的に食べられています。
きっとこれを見た誰かがドイツで食べられているジャガイモ料理という意味で名付けたのでしょう。
ドイツで売られているベーコンは日本のものより塩気が強いように感じますが、いわゆるドイツ料理のほとんどが日本食に比べて味が濃く、塩気が強いものです。
メジャーなじゃがいも料理とは
ドイツではじゃがいもが主食の一つであることはわかっていただけたと思いますが、では日常的に食べられているじゃがいも料理とはどんなものがあるのでしょうか。
ここでいくつかご紹介します!
・ベイクドポテト(Gebackene Kartoffel / ゲバッケネカロトッフェル)
#BakedPotato with #nuttolene, salad and #pickles. Gebackene #Kartoffel mit #Erdnusspastete, Salat und Pickles. #vegan #whatveganseat pic.twitter.com/ETJEcAjaKV
— vegandailysite (@vegan_deftig) 2017年8月28日
これは日本でも広く知られていますね。
ドイツ家庭ではオーブンを使って野菜やお肉を焼く料理が多くあります。
理由は、フライパンで焼くとキッチンが汚れるから。この考えでドイツには火を使わない料理もたくさんあります。
夕飯などでシンプルに良く洗った小さめのジャガイモをオーブンでよく焼き、シンプルに塩だけ、またはバターだけで主食として出されることがしばしばあります。食べ方は自由でお肉のソースに一緒に絡めても良いですし、サラダと一緒に食べてもOKですが、ジャガイモの食べ方としてもっともメジャーな調理方法と言えるでしょう。
参考レシピはこちら
・ジャガイモサラダ(Kartoffel salat / カロトッフェルザラート)
Rezept: Warmer Kartoffelsalat aus dem Micro-CombiGourmet https://t.co/w26EB1T7Fl pic.twitter.com/79mTkNsBbd
— Bloggerbienchen (@bloggerbienchen) 2019年1月24日
日本でいうポテトサラダとは違い、輪切り(またはイチョウ切り)をして茹でたジャガイモに玉ねぎやキュウリなどをマヨネーズやコショウなどで味付けしたもの。
レストランなどではお肉などのメイン料理の脇に添えてあることも多いですが、家庭ではこのジャガイモサラダをソーセージに添えてメインディッシュとして食べられることも。
参考レシピはこちら
・ジャガイモスープ(Kartoffel suppe / カロトッフェルズッペ)
Warm durch den Winter mit unserer köstlichen KARTOFFELSUPPE! Eine herzhaft-cremige Kartoffelsuppe mit Lauchzwiebeln und Oregano. Auf Wunsch mit hausgemachten Croûtons oder krossen Speckwürfeln 🥔 pic.twitter.com/4M1J5mZcWc
— VAPIANO (@Vapiano) 2019年1月28日
ジャガイモを茹でてミキサーでペースト状にし、好みで生クリームか牛乳を加えて塩とナツメグで味付けしたもの。
伝統的なドイツ料理の一つとして有名ですが、家庭料理の一つでもありますし、ホームパーティなどで出されることも良くあります。
余談ですが、ドイツの首相・メルケル氏もこのジャガイモスープが得意料理の一つだと話していたそうです。
焼いたベーコンやソーセージを加えれば、日曜日のブランチにぴったりです。
参考レシピはこちら
・ドイツ風肉じゃが(Kartoffel Topf / カロトッフェルトップフ)
ドイツにも日本の肉じゃがによく似た料理があります。
一口大に切ったジャガイモ、人参など好きな野菜を鍋に入れてブイヨンや塩などで味付けして柔らかくなるまで煮るだけ。
家庭料理の一つで、日常的に食べられています。お肉はソーセージ、鶏肉、ベーコンでもなんでもオーケーです。
参考レシピはこちら
ハーブ由来の調味料
ドイツの人はハーブの持つ自然の力を信じていて、食事やお茶で摂取することがとても多いです。
ハーブティーの種類も多く、風邪茶や熱茶など病気の時に飲むハーブティーもたくさん売られています。
病院に行く前にまずはハーブティーです。
お料理の味付けにも同じようにたくさんのハーブが使われていて、ドイツ人のお宅へ遊びに行った際とてもたくさんの調味料があり、見せてもらったら半分くらいがハーブ由来のものだったことがあります。
また、ハーブ単体ではなく、すでにミックスされたサラダ用コショウやドレッシングがあったりします。
- お肉を焼くためのハーブ塩など日本でも見たことのあるようなものから
- ソーセージ専用のパウダーやフライドポテト専用のパウダー
など珍しいものもあります。
ですので、ハーブを使った味付けなんてハードルが高そう…というお料理苦手な方でも簡単に使えるような調味料がたくさんあり、スーパーで眺めているだけでもなかなか面白いものがあります。
ドイツ人が教えてくれた食文化
筆者が以前ルームシェアをしていたドイツ人女性(50代)が歴史と食文化のつながりについて教えてくれました。
ドイツの主食はみなさんご存知のジャガイモです。
ドイツ人がじゃがいもを主食にする理由とは
ドイツは昔から冬の期間が長く太陽が出ない日が続くため、夏の間にたくさん野菜を作り、冬はそれを少しづつ食べ繋ぐのが昔のドイツ人の生活だったそうです。
夏にたくさん野菜を作るにしても、葉物野菜は長期保存できませんので保存の効くジャガイモ、にんじん、玉ねぎなどをたくさん作るためにドイツではジャガイモ料理が主食となっているのですね。
子供のころはジャガイモとにんじんばかり食べる生活で、あまり食事を美味しいと感じたことはなかったそうです。
「ジャガイモの他には何を食べていたのか?」と聞くと予想通り「Brot(ブロート/パン)」とのこと。
ドイツのパンといえばライ麦を使用した黒パン。
これも日本のように小麦を育てるのに気候と土壌がよくなかったため、ライ麦を多く育てていたからということらしいです。
いずれにしても、冬が長く日照時間があまりにも少ないドイツでは育てられる野菜も限られていたのでしょう。
最近では葉物野菜も増えていますし、Chinakohl(ヒナコール/白菜)やMairübchen(マイレープヒェン/カブ)など日本人になじみのある野菜が普通のドイツ系スーパーで売られています。
輸入野菜や輸入フルーツも多くあり、アボカドやマンゴー、パイナップルなども買うことができます。
いずれも輸入品ですがさほど高くないので今では普通に食べられていますし、日常的な食事も変わってきているようです。
ドイツの食生活も多国籍化
では現代のドイツ人は何を食べているのでしょうか。「昨日何を食べましたか?」と質問してみました。
50代男性
ビールとサラダ(ミックスされて売られている葉物野菜、トマト、モッツァレラチーズ、オリーブオイルと塩で味付け)、パンにバターを塗ったもの
60代女性
サラダ(ルッコラとトマト、粉チーズとオリーブオイルで味付け)、パプリカとジャガイモ、鶏肉を焼いたもの(塩、コショウ、カレーパウダーとローズマリーで味付け)
30代男性
近所のレストランでテイクアウトしたトルコ料理(羊の肉団子をトマトソースで煮たもの)
なるほど。50代男性はパン、60代女性はジャガイモが主食のようですが、30代男性に至ってはドイツ料理ですらありませんでした。
特に、この質問をしたベルリンはドイツの中でも移民が多く、レストランもトルコ、イタリアン、インド、さらに日本食、中華、韓国などのアジア料理店も非常に充実している都市でもあります。
ドイツ人の食文化も大きく変わってきていると感じました。
ドイツの食文化まとめ
ドイツのジャガイモは種類が豊富で味も濃いことにとても驚きました。
茹でる用、煮る用、潰す用など料理によって別れていて、それぞれ1kg単位で売られています。
じゃがバターがおいしい国ナンバーワンと言っても過言ではないのでしょうか!そのくらいジャガイモそのものが美味しく感じます。
ドイツにジャーマンポテトがないことに驚かれた方もいるかもしれませんね。
しかし、ドイツといえばその名前が使われるほどにジャガイモが主役の料理がたくさんあります。
ぜひドイツライフの楽しみの一つとして、ジャガイモ料理も色々試してみてください。
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