カナダのブリティッシュコロンビア州の小学校では、未来を担う子どもたちに寄り添い、支援を提供するEducation Assistantという職業が存在しています。
障害や病気、国籍、人種、宗教、性別など、様々な違いを乗り越え、すべての子供たちが同じ価値観のもとに学ぶインクルーシブ教育が進んでいます。
障害や病気の有無、英語が喋れる喋れないに関係なく全ての子どもたちが、自分の生活している地域で一般的な教育制度から排除されず、必要なサポートが受けられるインクルーシブ教育に必要不可欠であるEducation Assistantという職業について詳しく見ていきましょう。
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Education Assistantとはどんな職業?
Education Assistant(教育補助員)は、主にクラスルームで教師と協力して働き、子供たちの学習や発達、健康、安全をサポートする重要な役割を担っています。
特に特別なニーズを持つ児童や障害を抱える児童に対して、個別のサポートや支援を提供することが求められます。
クラスルーム内での教材の準備、レッスンのサポート、行事や遠足などの実施、生徒の進捗状況の記録など、幅広い業務に携わります。
サポート対象児例:
- ADHD(注意欠如多動症)
- LD(学習障害)
- ASD(自閉スペクトラム症)
- 糖尿病
- 身体障害
カナダのブリティッシュコロンビア州でEducation Assistantになる方法
カナダのブリティッシュコロンビア州でEducation Assistantになるためには、大学またはコミュニティカレッジにあるEducation Assistant(EA) のディプロマを取得することが必要です。
ほとんど全ての教育機関において、1年でEducation Assistantのディプロマを取得することが可能です。
学校に入学するにあたって、就労ビザもしくは永住ビザを持っていること、一定の英語の基準をクリアする必要がありますので、具体的な要件については、関連機関や学校にお問い合わせください。
ディプロマ プログラムを修了すると、主に次のことができるようになります。
- 幼稚園から 12 年生までの幅広い能力を持つすべての生徒に対するイ
- ンクルーシブ プラクティスを効果的にサポートおよび推進することができる
- 適切なテクノロジーを使用して、幅広い能力を持つ生徒をサポートすることができる
- 適応および修正された教材に関する実践的な知識を適用して、生徒の個別教育計画 (IEP) を適切で有意義な活動に転換することができる
- 教師、保護者、生徒とのチーム コラボレーションの職場環境をサポートすることができる
- コミュニケーション スキルを活用し、境界とプロフェッショナリズムを理解しながら、準専門職としての役割について学ぶことができる
コミュニティカレッジでは、コースをオンラインと対面と両方で行うこともあり、最後の教育実習は実際に小学校、中学校、または高校へ行き、数週間の教育実習を行います。
一般的には教育実習では先輩のEducation Assistantの方々につき、マンツーマンで指導を受けます。
実際に子どもたちと接することで、どの子どもたちも誰一人として同じことはなく、子どもたちひとりひとりに合ったサポートが必要であることを改めて学ぶことができます。教育実習をすることで、実際の教育現場を経験し、Education Assistantとして働く自信をつけることができるようになるでしょう。
毎年多くの移民を受け入れているカナダでは、Education Assistantという職業は常に人手不足の状態で、ディプロマを取得していればほぼ確実に仕事に就けるといっても過言ではない現状です。
教育実習を行うチャンスがあることで、コネクションや評価も採用時に大きく影響してきます。子どもと接することが好きで、忍耐強く、臨機応変な対応ができるかたにとても向いている職業だと思います。
Education Assistantの一日
Education Assistantの一日は大変多様でやりがいのあるものです。
朝は教室の準備から始まり、授業中には先生のサポートや児童のフォローアップを行います。
昼食や休憩時間には児童たちと交流を深めます。放課後には、生徒たちの安全を確保しながら、アクティビティやイベントをサポートすることもあります。日々の積み重ねが、子供たちの成長や学びに繋がっていくことがやりがいの源です。
1日のスケジュール
8:25 朝のミーティング
他のEducation Assistant、クラス担任と一日のスケジュールの確認
8:40 朝のベル
子供たちがクラスに入ってきて一日が始まる
子どもたち1人1人が学習できる環境をつくる手助けをする
9:45 15分休憩
10:00 休み時間は子供たちと外へ出てスーパーバイズする
10:20 アカデミックのサポート、ボディブレイク、クラスルーム内でのサポート等、子ども1人1人に合った必要なサポートを提供する。オムツ交換、ランチを食べさせてあげることもする場合もある。
11:45 ランチ休憩 30分
12:15 休み時間は子供たちと外へ出てスーパーバイズする
1:00 午後の授業開始
子どもたち1人1人が学習できる環境をつくる手助けをする
2:40 一日の終わりのベル
子どもたちが帰ったら最後の15分休憩
3:00 仕事おわり
基本的に定時ピッタリに仕事は終了します。
残業が発生する場合は事前に申請をする必要があるので、急な残業が入ることは滅多にありません。
私の場合、実際過去3年のうち残業が発生したことはありません。
Education Assistantになって良かったこと
・成長や学びに密接に関わる
Education Assistantとして働くことの魅力は、子供たちの成長や学びに密接に関わることができる点にあります。
特に障害や困難を抱える児童の支援に携わることで、彼らの一生に影響を与える貴重な体験をすることができます。
子供たちからの無償の笑顔や成長を目の当たりにすることで、やりがいや喜びを感じることができるでしょう。
日本で生まれ育った私としては、カナダの小学校に職員として働くかたわら、教室の中で他の子どもたち同様カナダの文化を学ぶ楽しみもあります。
・休暇
また、カナダの夏休みは6月末から9月まで2ヶ月強あります。
その間、サマーラーニングで働くことももちろん可能ですが、その期間休暇をとることも可能です。
キャンプやハイキング、海や湖で過ごす大自然カナダの夏をのんびりを過ごすことができるのです。
もし、お子様がいらっしゃる場合、夏休みをまるまる一緒に過ごすことができます。
もちろん、日本へ長期で帰ることも可能です。
2か月間の自由な時間があることはEducation Assistantとして働くうえで大きなメリットとも言えます。
給与について
Education Assistantのお給料は働いている地域、ユニオンによって多少の違いはありますが、私が働いている地域では、現時点で、時給33カナダドルです。
時給には不満はありませんが、働く時間が週に30時間と少し少ないため、Education Assistantの方の中には副業をしている方も少なくありません。
3時には仕事が終わるので、そのあと、家庭教師、カフェ、ジムでパーソナルトレーナー、ダンス講師、ネイリストなど、それぞれの特技や趣味を活かした全く別の仕事をしている場合が多いです。
おわりに
カナダのブリティッシュコロンビア州で学ぶ子供たちの未来を支えるEducation Assistantは、多くの挑戦とやりがいに満ちた職業です。
教育界で活躍し、子供たちと共に成長する素晴らしい機会を提供してくれること間違いありません。是非、興味を持った方は、この職業の可能性を探ってみてください。
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