カナダのパブリックスクール(小中学校)は、朝8時にスタートし、午後2時半には終了。
子供たちは午後3時頃帰宅します。
帰宅してから、子供たちはどんな習い事に通うのか、人気のある習い事を中心に日本との違いも交えてご紹介いたします。
年の半分は銀世界:オンタリオ州の気候で左右される習い事
オンタリオ州では、8月末から夕方になると冷たい風が吹き始めます。
9月になるとトレーナーやジャケットが必要なくらいの気温になります。
秋の到来です。
美しい紅葉で町は一気に赤や黄色やオレンジ色に包まれます。
10月末のハロウィンではコスチュームの上に厚手のジャケットを着て、お菓子をもらいにご近所を回ります。
ハロウィンの日にパラパラと雪が舞う年もあります。
11月末から本格的に雪が降り始め、雪解けが始まる4月まで町中は一面銀世界となります。
年の半分は雪の中、-20度になる日も少なくありません。
よって、冬には冬だからできる習い事をし、夏には夏にしかできない習い事をして楽しみます。
冬の習い事の人気NO.1:スケート
スケートはカナダ人にとって最も身近なスポーツです。
冬、リドー運河が凍り、氷が一定の厚さになると、スケートで滑ることができます。
また、街中の小さい公園には水がまかれ、即席のスケートリンクが作られます。
リドー運河も公園のスケート場もすべて無料で楽しむことができます。
1.スケート教室(基礎~上級):コミュニティセンターを利用しよう
9月にコミュニティセンターの体育館はスケート場になり、スケート教室がオープンします。
このスケート教室は3月まで開催されます。
幼稚園児から中学生までレベルにあったクラスで、スケートを学ぶことができます。(※注意:レッスン時間やクラス人数は各開催コースにより異なります。下記は一例です。)
申込方法
各コミュニティセンターの開催情報を確認し、オンラインや窓口で申込をします。
人気のクラスはすぐに定員になってしまうので、開催情報がでたらすぐに申込をしましょう。
準備するもの
スケートに必要な靴・ヘルメット・サポーター・手袋などは、スポーツ用品店で各自購入して持参しましょう。
子供の場合、成長に合わせて買い替えが必要となるので、セカンドハンドのお店を利用すると良いでしょう。
レッスン
週1~2回、午後6時から初級~中級(幼稚園児から小学生)、午後8時から上級(中学生以上)クラスが開催されます。
スケートリンクを6分割して、レベルごとに6クラスに分かれます。
1クラスは4名から6名で、一人の先生がレッスンを行います。
幼稚園児クラスは、親もボランティアでリンクに入り、ぬいぐるみやコーンを使って、ゲームや遊びを取り入れてまずは楽しく滑ることを教えます。
上級クラスは、バックから1回転ジャンプなどの技術に加え、音楽に合わせて踊ることなどを学びます。
また、スピード競争も行います。
様々なスケートの基礎的な技を経験し、自分の得意不得意を知り、次にアイスホッケーをやるのか、スピードスケートをやるのか、自分にあったスケートでできるスポーツを見極めることができます。
2.専門的なクラブに所属しよう:アイスホッケー、フィギアスケート、スピードスケート
コミュニティーセンターでのレッスンを卒業すると、小学校高学年から、アイスホッケー、スピードスケート、フィギアスケートと、それぞれ専門的なクラブに所属するようになります。
専門クラブは1年中利用できるスケート場を有しており、1年中練習することが可能です。
フィギュアスケートクラブには、真剣にオリンピック選手を目指す子供たちが大勢います。
また、アイスホッケーは不動の人気があります。
子供の試合に熱狂する親たち。
その親もまたアイスホッケーチームに所属してホッケーを楽しみ、週末は地元のチームやプロチームの試合を観戦し盛り上がります。
スケートでプロを目指すなら、充実した練習環境は魅力的です。
日本のフィギュアスケーターがカナダを練習拠点とする理由は、このようにスケート場が身近に多くあり、練習環境が整っていることが最大の理由でしょう。
気軽に日帰りで楽しもう:スキー・スノーボード
1.スキー・スノーボード教室:レッスンの種類を選んで参加しよう
スキー場では、スキーやスノ―ボードの教室が毎週末に開催されています。
レッスンは、グループレッスンと個人レッスンが行われており、事前に申込をして参加することができます。
また、当日でも空きがあれば、スキー場で直接申込をして参加することも可能です。
また、冬休みやマーチブレイクなどは、1週間の集中レッスン教室も開催されています。
自分にあったレッスンを選んで参加してみましょう。
2.スキーを楽しむための注意事項
レッスン用のゲレンデは緩やかな傾斜で行われますが、コースは日本の初級者コースよりも傾斜がきつい場所が多いので注意が必要です。
また、気温が-10度から-20度、時に-30度になる時もあるので、天気予報は必ずチェックしましょう。
体感以上に体が冷えていることがあるので、安全のために長時間滑らず、途中、室内でホットチョコなど温かいものを飲みながら体を休めましょう。
3.スキー用品は、レンタル?それとも購入?
スキーやスノーボード用品は、スキー場でレンタルすることが可能です。
ただ、レンタル料金は高いので、何度も楽しむ場合は、セカンドハンドを利用して購入した方が安価です。
また、スキー場の利用料金は、回数券を購入すると1回の利用料金がかなり安くなります。
スキーができない幼児が楽しめるように、ゴム製の大きな浮き輪にのって、傾斜を滑り降りるコースが設置されているスキー場もあります。
長い冬のレジャーとして白銀のゲレンデを満喫しましょう。
夏にしかできない習い事:短い夏のスポーツ
校外で行う野球やサッカーなどのスポーツは、雪のない時期、5月から8月までの短い期間で行われます。
ただ、この時期は夜9時過ぎまで太陽が沈まず、外は明るいので、夜9時過ぎまで校外でスポーツを楽しむことができます。
1.ゴルフ:子供料金でお得
カナダは子供をとても大切にする国です。
ゴルフのプレイフィーに子供料金があり、子供がゴルフをしやすい環境が整っています。
カナダに移住した際には、子供と一緒にゴルフを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ゴルフコースを回れるのは、短い夏の期間だけですが、この夏の期間には子供向けのゴルフレッスンが開催されます。
ゴルフ指導クラブ
週1回、ゴルフ練習場でスイングの指導を受けるレッスンが行われます。
レッスンはビデオで撮影し、スイングの訂正箇所を記録して、後日ビデオ動画がもらえます。
また、細かい指導記録には、出来ていること出来ていないことなどが書かれたレポートがもらえます。
常にほめて、子供のやる気を引き出し、徹底的に良い所を伸ばす指導方法です。
夏休みは、午前中にレッスンを受け、午後から9ホールのゴルフコースをまわります。
冬の期間は、コースを回ることはできませんが、室内ゴルフ練習場でのレッスンを受けることが可能です。
ゴルフ場が開催するサマーキャンプ
1週間、毎日18ホールのゴルフコースを回ります。
1グループ4名に1人のコーチがついて、18ホールを手引きカートで回るレッスンは、重要なゴルフのマナーを教わることができ、さらに途中にチャレンジゲームが用意されており、楽しみながら上達するように、工夫されています。
ゴルフクラブは自分で持参する他、レンタルクラブの利用も可能です。
2.野球:シーズンは5月から8月
トライアウト
5月にチーム分けのトライアウトがあります。
所属する団体のグランドで登録をし、キャッチボールやバッティングのテストを受けます。
オンタリオ州の中には地域ごとにいくつかの野球団体があります。
まずは、住んでいる地区の野球団体に所属します。
地区の野球団体は、トライアウトの結果を踏まえ、同じレベルになるように6チームに振り分けます。
1チーム、15人程で構成され、それぞれヤンキース、レッドソックスなどメジャーリーグのチーム名がつけられます。
各チームは、監督と数名のコーチと共にほぼ毎日夕方5時から練習と試合を行います。
夏休みに入る7月からは、地区の野球団体名のチームになり、トライアウトによって1チーム18名で1軍と2軍の2チームに編成されます。
7月からは、他の地区の野球チームとの対戦が行われます。
ホームゲーム以外は遠くの球場まで遠征試合に行くことになります。
日本の少年野球との違い
ピッチャー、キャッチャーを含め、全員がすべてのポジションができるようにローテーションで練習を行います。
試合では、今日はピッチャー、途中からサード、明日はキャッチャーなど、ポジションは常に変わり、固定することはありません。
また、ピッチャーは投げられる球数が定められており、子供たちの体の成長を第一に、故障やけがにつながらないように最大限の配慮がなされています。
サポート:親の応援と高校生ボランティア
練習や試合の終わりには必ず、親が交代でリフレッシュメントとして、スナック菓子やジュースやアイスなどを配り、子供たちの頑張りを応援します。
試合には、高校生のボランティアが駆けつけ、様々なサポートを行ってくれます。
カナダでは子供のスポーツは勝ち負けよりも様々なことを学ぶ場であるという考え方があります。
よって、親に対しても、応援のマナーが悪い場合は、アンパイヤ―は試合を止め、親を退場にします。
試合に勝つことよりも大事なことは、我慢したり、互いに応援しあったりすること、人として成長することだと教えます。
メモリアルリーグ戦
夏休みには、メモリアルリーグ戦(事故や病気で亡くなった子供のメモリアルのための試合)が行われ、遠くの野球団体からも多くのチームが参加して、一大イベントが行われます。
野球ができる時期が非常に短いので、その短い間に目いっぱい試合を楽しみます。
片道3時間もかけていく試合もあり、カナダは広いなと感じることも度々ですが、大変なことよりも、いろんな町を訪れて試合をして共に喜び、泣き、成長する子供たちを見て、親もまた成長させてもらえます。
短い野球一色の夏は、何物にもかえがたい経験となります。
冬の野球は室内練習のみ
冬は大学の体育館を借りて、週1回土曜日に室内練習を行うだけで、試合や本格的な練習はお休みとなります。
メジャーリーグ開催のサマーキャンプ
夏休みは、メジャーリーグの各チームが主催するサマーキャンプが行われます。
元メジャーリーガーや現役メジャーリーガーが直接、バッティングやキャッチボールをして野球の基礎を教えてくれる野球教室です。
ブルージェイズのサマーキャンプは、本拠地トロントでの開催の他、モントリオールでの開催もあります。
また、ニューヨークヤンキースのサマーキャンプは、ニューヨークのヤンキースタジアムで行われ、有名選手に会えるので、大変人気があります。
サマーキャンプの開催は、各球団のホームページで募集され、日程と共にどの選手が指導に来るかも公表されるので、好きな選手が指導してくれる日に申込をします。
参加費は少し値段が高いのですが、実際にメジャーのグランドに立つ経験ができること、参加者にはTシャツやグローブやボールなどのオリジナルグッツがもらえること、さらにコーチしてくれたメジャーリーガーや元メジャーリーガーがそれらグッツにサインをしてくれることなど、サービス満点なので、トータルに考えると決して高くないと感じます。
メジャーリーガーに憧れる子供たちにとっては夢のような時間となり、経験できない貴重な体験となります。
将来メジャーリーガーになることを夢見ている子供たちは、是非一度このサマーキャンプに参加することをおすすめします。
3.サッカー:入門はコミュニティーセンターで。本格的にやるならクラブに所属しよう
コミュニティーセンターでのサッカー教室は、5月から8月までの夏のみ開催されています。
幼稚園児から小学生までの教室が開催されますが、サッカーの基本ルールやボールの蹴り方など初歩的な指導なので、サッカーをはじめてやるお子さん向けのクラスです。
本格的にサッカーをしたいお子さんは、トライアウトを受けて、地元のサッカークラブに所属しましょう。
一年中楽しめる習い事
1.体操・ダンス:ダンススタジオで開催
コミュニティーセンター内のスタジオで、体操やヒップホップダンスなどのレッスンが行われています。大人のレッスンは午前中ですが、午後5時以降もしくは土日に子供向けの教室が開催されます。
ダンススタジオでの開催なので、レッスンは1年中行われています。
2.水泳:コミュニティーセンターのプールで開催
水泳教室は1年中、コミュニティーセンターのプールにて開催されています。
日本のように、学校にプールが併設されていないので、泳げるようになるためには、各自水泳教室に通う必要があります。
水泳教室では、それぞれのレベルに分けられ、レベル毎に違う色のテープを手首にまいてレッスンが行われます。
1人のコーチがおおよそ5人を担当します。コーチの他、ボランティアの高校生や大学生がレッスンをサポートをします。
興味深いのは、おぼれたときの泳ぎ方(立ち泳ぎ)や浮かび方を一番初めに学ぶことです。
泳げるようになることより先に、まず、どうやって水の中で命を守るかを学びます。
レッスンでは、ゲームを取り入れて楽しみながら、クロール、平泳ぎ、背泳ぎなどの泳ぎ方を学びます。
それぞれのクラスで指定された課題を全てクリアすると、上のクラスに進級することができます。
3.合気道・柔道・空手など:街中の道場へ入門
合気道、柔道、空手などの武道は、非常に人気があります。
街中にはいくつか道場があります。
小学校高学年から中学校、高校へと学年があがると、校内での暴力やいじめ問題などのトラブルがちらほら聞こえてくる中、護身術として合気道や柔道、空手などを習っていた方が良いと思う親が多いです。
実際に合気道など武道を習っているというだけで、一目置かれ、身を守れると言われています。
各道場では、昇級試験があり、日本と同じく、段が上がると帯の色が変わります。
レッスンは室内なので、1年中稽古に通うことができます。
習い事は貴重な体験がいっぱい

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カナダ(オンタリオ州)の習い事は、気候によって、夏のみしかレッスンを受けられないものもありますが、夏は夏にしかできないスポーツをし、冬には冬にしかできないスポーツをと、切り替えながら、それぞれのスポーツを楽しむことができます。
子供たちは、学校が終わったあと、それぞれ興味あるレッスンに通っています。
そこでは、学校の友達とは違う友達と出会うことができ、学校とは違う体験をすることができます。
カナダ人のレッスンを担当してくれる大人たちは、とても真剣に子供たちと向き合い、そして楽しませながら学ばせることがこの上なく上手です。
大人として、親として、彼らの教え方に学ぶところが多く、心が揺さぶられるくらい感動する場面が沢山あります。
たかが習い事ですが、されど習い事です。
親も子も貴重で豊かな時間を過ごすことができ、それらの経験は一生の宝となることでしょう。
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