一度は耳にしたことがあるけれど、そもそも「ギフテッド」とは天才の子のこと?もし我が子がギフテッドですと言われたら?
私も実際にプログラムに触れるまではわからないことだらけでした。
ここでいうギフテッド教育とは、「その子の秀でた能力に合わせて学習機会を提供する」プログラムです。
今回は、アメリカでギフテッド認定された我が子がどのような学校生活を送っているかとともに、アメリカのギフテッド教育について説明したいと思います。
ギフテッド=天才?そもそもギフテッド教育とは
私はギフテッドと聞くと、”一握りの天才!”というイメージを持っていました。
日本ではまだあまり馴染みのない言葉ですが、アメリカではギフテッドの子を率先して見つけ、その子に合わせた教育が行われています。
その方法は州によって異なりますが、今回は私達が住んでいる州を例に説明します。
我が子が通う学区では、正式にはGifted-Talented program (ギフテッド・タレンテッドプログラム)通称GTプログラムと呼ばれています。
個々の才能や興味、能力に合わせて適切な学習機会を提供するサービスと位置づけられています。
サービスなので誰でも受ける権利がありますが、それを受けるためにはギフテッドに認定されなければなりません。
具体的なギフテッドの領域としては、
- 一般知能(IQ)
- 特定の学習領域(学力)
- リーダーシップ
- 創造能力
- 芸術能力
の5つがあります。
その中の一つ以上の分野においてギフテッド認定された場合にギフテッドの生徒として登録され、特別なサービスを受けることが可能になります。
参考記事
https://education.ky.gov/specialed/GT/Pages/default.aspx
ギフテッドへの認定プロセス
ギフテッドに認定されるためには、スクリーニングやオーディションなどを受け、基準値をクリアする必要があります。
その方法はギフテッドの領域によって異なっています。
- 一般知能(IQ)・・・3年生を対象に毎年一斉に実施。
- 特定の学習領域(学力)・・・3年生のIQテストと同時に読解、算数、理科、社会の4教科でテストを実施。
- リーダーシップ・・・6年生(日本でいう中学1年生)を対象に地区全体でスクリーニング。
- 創造能力・・・同じく6年生を対象に一斉に調査。
- 芸術能力・・・3年生より8年生(日本の中学3年生まで)を対象にオーディション(受験)あり。アート、ダンス、演劇、音楽(ピアノ、楽器、声楽)が対象の領域。
一斉スクリーニングの年齢に満たない小さい子でも、「ギフテッドの可能性がある」ということで非公式ですが認定を受けることができます。
これは、担任や学校の先生、保護者や本人からの申し出で学校内での認定になります。
その際には普段のテストの点数などを認定材料にするそうです。
ギフテッドに認定されると
プロセスを経てギフテッドに認定された場合、様々なサービスを受けることができると紹介しました。
その一例を紹介します。
ギフテッドの子が通う学校への入学
公立学校の中に、ギフテッドの子だけ集めたコースへの入学を許可されます。
学業面でのギフテッドの場合は、IQ、読解、算数の最低3つがギフテッドに認定されている必要があります。
小中学校はギフテッドクラスでみんな一緒ですが、高校になると理系と文系でそれぞれ学校が異なります。
ハイレベルハイペースで授業が行われ、朝の課外授業、プロジェクトや研究などの機会も多く設けられています。
また、芸術面でのギフテッドの場合は、芸術学校への入学が許可されます。
学校で普通の教科の勉強の他に、芸術部門の練習ができるというイメージです。
どちらも自分の校区の学校から越境入学になる場合がほとんどです。
また、あくまで公立学校の義務教育の一環なので、特別なお金はかかりません。
公費で賄われています。
ギフテッドの子のための授業
自分の通っている学校の中でもギフテッドの授業を受けることもできます。
ギフテッドの子が多いとそれだけのクラスが作られたり、上の学年の授業を受けたりします。
長男はこの状態で、一つ上の学年の数学を受けていました。
場合によっては2つ上の学年の授業を取ることも可能です。
また、芸術面のギフテッドの場合は、クラスから引き出されてその科目を学習することもあるそうです。
一般的な授業科目にないピアノやダンス、演劇などがこれに当たります。
また、ギフテッドの子だけ集めてコンサートや演劇鑑賞に行くこともあります。
上記2つのサービスを受ける子が大多数です。
しかし、あくまでサービスの一貫、オプションなので、「受けない」という選択もすることができます。個人を尊重するアメリカらしいと思います。
我が子がギフテッドに認定されるまで
それでは、我が家のギフテッド認定への道のりを紹介したいと思います。
長男の場合:テストでの認定
IQ、読解、算数認定済み
実は長男は、一斉スクリーニングテストではなく個別テストで認定されています。
一斉テストの該当学年のときにはまだ日本にいたためです。
5年生(アメリカの小学校卒業の年)のとき、担任の先生の勧めでまず算数だけ受験することになりました。
そのテストでギフテッドの領域の点数を取り(点数が全体受験者の96%以上)、授業での理解度が良いこと、その他の地区テストなどの点数も上位だったため認定されました。
そのスクリーニングテストを受ける際にも、保護者の同意書が必要になります。
また、その年にギフテッドの点数に足りなくても、翌年に希望すると再テストを受けることができます。読解とIQは数年後先生にお願いして受験しました。
ここでポイントなのは、我が子がギフテッドの可能性があると感じたら先生に相談することです。
我が家の場合はスクリーニングテストを受けそこねているので、先生が勧めてくれた算数以外はスルーされるところでした。
長女の場合:オーディションでの認定
ダンス認定済み
長女の場合は兄とは違い、勉強面でなく芸術面のギフテッドに認定されています。
公立の芸術学校に入学するためのオーディションを受けたことによりギフテッドに認定されました。入学試験にも合格しました。
ここで注意する点は、ギフテッド認定=その学校の入学試験に合格ではないことです。
複雑ですよね。
- ギフテッド認定◯、入学試験◯
- ギフテッド認定◯、入学試験✕
- ギフテッド認定✕、入学試験✕
オーディションではこの3つのパターンが生まれます。
そもそも、芸術学校の合格者数が各分野最大6人と少ないため、認定されても入学できないという状況が生まれるのです。
その場合は前に書いたように、自分の通っている学校で特別な授業を受けることになります。
少し話はそれるかもしれませんが、受験についてもお話します。
こちらは書類を出して申請し、当日は一般的な受験と同じように科目受験します。
ここでポイントなのは、あくまで芸術部門のギフテッド認定なので学力は一切必要ありません。
長女のオーディション準備に必要だった書類は、
- 保護者の推薦状
- オーディションを受ける分野のコーチや先生からの推薦状(2通以上)
- 指定されたバレエやダンスのビデオ、写真など
保護者の推薦状に指定された文字以内でいかに自分の子が優れているかを書くパートがありました。
しかも、これもオーディションの点数に加算されるのです。
我が子がいかに優れていてギフテッドとして認定されるべきかを親がしっかりとビジョンを持っていることが大切だと感じました。
オーディション当日は、指定された時間に学校に行き、それぞれオーディションを受けます。
この点は日本と同じです。
ダンスの指定ビデオやアート部門のポートフォリオなど、当日の試験とは別に事前に提出や準備が必要な場合もありました。
オーディション受験後は、数カ月後にメールで連絡が来ます。
- 合格で入学許可
- 合格だけど補欠入学のため空き待ち
- 不合格
の通知です。
このメールに入学の意志があることを返事したら来年からの入学が決まります。
公立学校なので、入学金等一切必要ありません。
さいごに
ギフテッドに認定されるということは、可能性が広がるということ。
選択肢が広がり、それによりまたアメリカでの新しい体験ができるようになるでしょう。
お子さんがギフテッドの可能性を秘めているのであれば、ぜひ声をあげてみてください。
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