カナダに住み始めたら必ず耳にするようになる「ベジタリアン」「ヴィーガン」という言葉。
世界の中でもカナダは「プラントベースニュース」の2020年ビーガン人気のある国ランキングで9位に入るほど、ベジタリアンとヴィーガンの認知度が高く、その存在が理解されている国です。
実はよく知らなくて話についていけない・・となる前に知識を身につけましょう。
カナダのバンクーバー在住者がカナダに来る前に知っておくべきベジタリアンとヴィーガン事情をお届けします。
ベジタリアンとヴィーガンの違いってなに?
皆さんベジタリアンとヴィーガンの違いってご存じですか?
- ベジタリアンとは「植物性食品を中心に生活を送る人」
- ヴィーガンとは「卵や乳製品を含んだ動物性食品を食べない人」
のことです。
それぞれ詳しく解説していきますね。
ベジタリアン
ベジタリアンとは基本的に肉や魚を食べない人の総称のことです。
またひと言でベジタリアンといっても、以下のようにいくつかのタイプに分かれています。
- ヴィーガン(植物性食品のみ〇)
- ラクト・ベジタリアン(植物性食品と乳製品:〇)
- オボ・ベジタリアン(植物性食品と卵:〇)
他にもヴィーガンよりさらに厳格な「フルータリアン」、時には肉も食べる「フレキシタリアン」など種類はさまざまです。
ヴィーガン
ヴィーガンはベジタリアンの中の一つの種類で、動物性食品(乳製品、卵、はちみつ、ゼラチンを含む)を一切口にしません。
ヴィーガン協会「The Vegan Society」の中で、次のように定義されています。
「ヴィーガンとは、食用・衣料用・その他の目的での動物の搾取や虐待を、可能な限り排除し、動物・人間・環境のために動物を使わない、代替手段の開発と使用を促進する哲学と生活様式のこと。食生活の面では、全体的または部分的に、動物に由来する製品を一切使用しないことを意味します」
つまり、食生活以外にも日常生活から動物由来の毛皮や化粧品などを避けるライフスタイルを実践する人たちのことです。
カナダのベジタリアン・ヴィーガンの実態
ではカナダのベジタリアン・ヴィーガンの実態を見ていきましょう。
ベジタリアンが230万人もいる!
カナダの人口の7.1%がベジタリアンであると自認していて、なんと数は230万人にも上ります(2020年統計データ)
また1020万人がすでに肉を控え、植物性食品を食べる生活を送っていて、食生活の変化は急激に進んでいます。
こうした動物性食品から植物性食品への切り替え、ベジタリアンの増加にともない、ベジタリアン用のハンバーガーやファストフードのメニューが登場しました。
ベジタリアンとヴィーガンの人口は若者を中心に増加傾向
カナダでは、35歳以下の人は49歳以上の人に比べて、自分をベジタリアンやヴィーガンだと考える人が3倍多いそうです。
これは、ベジタリアンとヴィーガンの3人に2人がミレニアル世代またはZ世代(1980年〜2015年の間に生まれた世代)であることを意味します。
彼らが子供を持った時に、その食生活が受け継がれ、ベジタリアンの数はますます増える可能性があるといわれています。
実際ここ数年、気候変動と畜産にまつわる環境問題に子供たちの関心が高まっており、ヴィーガンになる子供たちが増加中です。
ベジタリアンとヴィーガンが最も多いのはブリティッシュ・コロンビア州
カナダのダルハウジー大学の統計データによると、カナダでベジタリアンとビーガンの割合が最も高い州はバンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州でした(2018年3月時点)
調査アンケートでは約8.6%がベジタリアン、約3.9%がヴィーガンであると回答しています。
※参考:https://theconversation.com/young-canadians-lead-the-charge-to-a-meatless-canada-93225
カナダ発祥ヴィーガン人気ブランド
地球環境問題への関心が高まっているカナダ。そのカナダで誕生したヴィーガン人気ブランドをご紹介します。
①「MATT&NAT(マットアンドナット)」
1995年ケベック州モントリオール発祥の「MATT&NAT」
「MAT(T)ERIAL(素材) and NATURE(自然)」という言葉からブランドの名前が生まれました。
「美しく生きる」をモットーに掲げ、レザーや毛皮などの動物由来の素材を一切使用せずに、持続可能で地球に優しい道を模索し続けているファッションブランドです。
再生利用可能な素材の研究に力を注ぎ、その成果としてバッグの製造において、年間900万本以上のペットボトルをリサイクルしています。
最近ではフルーツの皮の繊維を素材に取り入れるテストをしていて、これからますます注目度が高まるブランドです。
公式ホームページ:https://mattandnat.com/
②「The Ordinary(ジ オーディナリー)」
2013年に誕生したヴィーガンスキンケアブランド「The Ordinary」
「The Ordinary」はDECIEM(デシエム)が運営するブランドの一つで、独自のスキンケア専門チームによって開発された、高品質で効果のある商品を適正な価格で提供しています。
動物由来の成分を使用していないだけではなく、動物実験をも行わないクルエルティフリーを掲げており、輸入の際に販売登録のため、動物実験が必要となる国での販売は禁止されています。
公式ホームページ:https://deciem.com/en-ca/theordinary
ベジタリアン・ヴィーガンにフレンドリーなバンクーバー
ベジタリアンとヴィーガンが多く住むバンクーバー。
ではいったいどのような時にそのフレンドリー要素を感じられるのでしょうか。
①ベジタリアン・ヴィーガン対応のお店が多い
カフェやレストランに行くとメニューの横に「VE」「V」というアルファベットをよく見かけます。
これはそれぞれ【「VE(ベジタリアン)」「V(ヴィーガン)」に対応しています】といったマークです。
また私のヴィーガンの友人は「この料理をヴィーガン対応にしてもらますか?」とよく店員さんに尋ねていますが、その要望に快く対応してくれているお店が多いという印象です。
②オーガニック野菜が手に入るファーマーズマーケットが毎日開催
曜日ごとで開催場所が変わり、それぞれ30~50店ほどが出揃う夏の風物詩ファーマーズマーケット(5月~10月限定)
地元で採れない、もしくは旬ではない食材をスーパーなどで購入すると、その運送にかかるエネルギーを増やす原因を作ってしまいますよね。
そこで近郊で栽培している野菜や果物を農家さんから直接購入することで、より地球にやさしい選択をすることができます。
公式インスタグラム:https://instagram.com/vanmarkets?utm_medium=copy_link
【バンクーバー】おすすめベジタリアン・ヴィーガン専門店
最後に私が実際に足を運んだベジタリアンとヴィーガン専門店をご紹介します。
①「Vegan Pudding & Co(ビーガン・プディング&コー)」
日本人夫婦のソラさんとヒロが営む、世界で唯一のビーガンプリン専門店「Vegan Pudding & Co」
プリンなのに卵を一切使用していないため「幻のプリン」と呼ばれています。
主な原材料はカボチャ、ココナッツミルク、100%ピュアメープルシロップ、ココナッツシュガー。
カップやスプーンも土にかえるプラスティックを使用していて、細かいところまで地球環境への配慮が感じられます。
公式ホームページ:http://www.veganpuddingco.com/jpn/index.html
公式インスタグラム:https://instagram.com/vegan_pudding_co?utm_medium=copy_link
②「Vegan Cave(ヴィーガン ケイブ)」
植物由来の地球に優しいヴィーガンピザがイチ押し「Vegan Cave」
「食べ物は味だけではなく健康のためでもある」という理念のもと、誰もが好きであろうメニューに狙いを定めて、厳選した栄養価の高い食材を使用し商品を提供しています。
フレンドリーな店員さんのサービスとヴィーガンピザがいつも最高なお店です。
公式ホームページ:https://www.vegancave.ca/
公式インスタグラム:https://instagram.com/vegan_cave?utm_medium=copy_link
カナダのベジタリアンとヴィーガン事情、いかがでしたでしょうか。
環境問題に真摯に向き合い、それに対する取り組みや考えが広まっているカナダ。
日常生活過ごす中で、自然とベジタリアンとヴィーガンの存在を感じることが多いでしょう。
その方々と出会ったとき、ここで学んだ情報が相手を理解するための一助となれば幸いです。
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