生活に密着するフランスの税金・消費税と所得税を紹介します

複雑なフランスの税制システム。

フランスの人たちはそれをどのようにして納め、またそれはどう使われているのでしょう?

フランスではTVA(テーヴェーアー。付加価値税の意)と呼ばれる、日本の消費税にあたる間接税があります。

これは1954年、戦後の財政難を乗り切るためにモーリス・ローレというお役人さんが考案したと言われています。

今回はフランス生活に関連する以下の税金について、わかりやすく紹介したいと思います。

  • 消費税
  • 所得税

について、わかりやすく紹介したいと思います。

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間接税である消費税・TVA(テーヴェーアー)ってどんなもの?

日本で消費税が導入されたのは1989年、税率は3%でした。

当時の日本はこの消費税の話題であちこちで盛り上がったものです。

筆者は大学生だったのですが、「自動販売機のジュースが100円から103円になる?」「じゃあ、110円を器械に入れたら7円のお釣りが出てくるわけ?」と友人たちと言い合った記憶があります。

その後、何度か税率の引き上げがされているようですが、それでも10%以下ですよね。

フランスの基本的なTVAは20%

2018年1月時点、フランスの基本的なTVAは20%です。

日本の消費税に比べるとずいぶんと高いですね。

「例外」の税率として

  • 10 %
  • 5.5 %
  • 2.1 %

があり、四種類の税率に分かれています。

フランスのテレビのニュース番組で税率の説明をしていて、それがおもしろかったので、その内容をご紹介します。

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チョコでも税率が違う理由

  • ブラック・チョコレートは生活必需品とみなされて税率は5.5%。
  • ひるがえってミルク・チョコレートはぜいたく品あつかいで20%。
  • バターは5.5%、マーガリンは20%。

これを聞くと、「?」となる方もいるかもしれません。

しかし冷静になってみると確かにフランス人は「ブラック・チョコレートは健康にいい」と言う人が多いですし、マーガリンを使う人にはあまりお目にかかったことがありません。

フランス人にとってポピュラーな商品は低率、そうでないものは高率、という設定になっているようです。

同じ商品でも買う場所によって税率が違う??

また同じ商品でも買う場所によって税率が変わります。

リセ(日本の高校に相当)の学食でサンドイッチを買う場合。これは税率0%

サンドイッチやさんでサンドイッチを買うと、お持ち帰りと見なされて5.5%なのに、パン屋さんで買うとすぐに食べると見なされて10%

これなど「お持ち帰り」と「すぐに食べる」の線引きがものすごくあいまいで納得しにくいですよね。

セットメニューでサンドイッチにアルコール飲料を組み合わせると20%。

ここでテレビのプレゼンターの人が「何これ?これじゃあわけわかんないわ!」と言い放ったのです。

そうです、この複雑なシステムはフランス人にさえ把握しきれていないのが現状です。笑

たとえば、スーパーで買い物をすると、レジでもらレシートには幾種類にも分かれた税率に対しての金額が記されています

税率が何種類もある、ことはわかってはいてもどれがどれに属するのかを正確に把握しているフランス人は少ないでしょう。

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直接税の代表『所得税』

これは日本でも同じでしょうか。

しかし日本では「直接税」とはいっても普通のサラリーマンであれば源泉徴収が一般的ですよね。

わたしは東京で約八年間ほどOLをしていましたが、ずっと源泉徴収されていたので自分で確定申告をした経験がありません。

ひるがえってフランスには源泉徴収制度は存在しません

サラリーマンであっても、毎年個人として確定申告することが義務付けられています

フランスでも今年、2018年から源泉徴収制度を取り入れるはずだったですが、政権がマクロンに変わってから先延ばしになったようです。

今のところ実施の予定は2019年1月。

仮に法律が整ってもそれが実際に適用されるようになるにはさらに数年がかかるのじゃないでしょうか。何事もゆっくりとことが進むのがフランスという国なのです。

テレビ税って何??

また特徴的なのはフランスの住民税には「テレビ税」が加算されているということ

テレビがない人は「ない」と申請する必要があります。

テレビが無いと嘘の申告をすると、不意打ちの家庭訪問をされて罰金刑を受けることもあるようです。

フランスでの所得税の確定申告の方法

はじめて申告をする人は直接税務署に行って必要な書類をもらってきましょう。

税務署に行って驚くのはお役人さんたちの感じのよさ。

「え、うそっ?!ココってほんとうにフランス?」と言いたくなるほど。

フランスのお役人さんたちの「感じの悪さ」には定評がありますが、税務署だけは別世界のようです。

税金をはらってもらうには感じよくせよ!という教訓でも叩き込まれているのでしょうか。

働いていない、または収入がない、という人でも確定申告はする必要があります。というより、したほうがいいのです。

収入がありませんでした、と申告することによって、後からくる住民税を0%にすることができます。

わたしの場合、夫が共同で申告してくれています。

フランスでは、税金は世帯ごとにかかるので、正式な夫婦でなくても、同棲しているカップルなら共同で申請することができます

ただし、共同でしたからといって減税してくれるということは全くありません。

2016年からはインターネットでも確定申告ができるようになりました。こちらは少しの減税がされ、また申請期間も少し長いようです。

2019年までには完全にインターネットでの申告に移行する、ということなのですが、どうなのでしょうか。

わたしは税務署の近所をよく通りかかるのですが、毎朝、長蛇の列ができています。この人たちが全員、インターネットを利用するようになるの?と疑問に思ってしまいます。

申請時期

申請の時期は5月~6月。

そして9月には納税額が決定します。この書類はけっこう出番が多いのです。

う学校の給食費。これは親の納税額によって決定します

また住民税も所得税の額から算出されます

学生さんなど、収入の無い人たちは0%。これもきちんと確定申告をすればこその恩恵ですね。

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フランスでの税金の使い道

自分たちの納めた税金がどう使われているのか。納税者としては気になります。

わたしたちの生活にいちばん密着しているものといえば、学費と医療費ではないでしょうか。

このふたつの点において、フランスではどう税金が使われいるのでしょう。

使い道1:フランスの学費

公立の学校に限っていえば、幼稚園からリセ(日本の高校に相当)まで、学費は全くの無料です

フランスはリセまで学費無料

ただし新学期の9月の時点で、学校に通うためのカバン、ペンケース、クレヨン、色鉛筆、はさみや定規などの学用品、学校側から指定されるノートの購入のために毎年100ユーロくらいかかります。

フランスの学校にはプールはありませんから、体育の先生が校外のプールで水泳の授業をする、となればそれだけの費用も別途かかります。

指定の本の購入費、修学旅行費、その他もろもろの出費もあります。給食代もかかりますが、これは親の収入によって金額が上下します。

しかし、「学費」という点では無料です。

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使い道2:フランスの医療費

・全員が持つ強制保険カード

わたしたちは普通 Carte Vitale (カルト・ヴィタル)を携帯しています。

クレジット・カード大で、わたしたちの顔写真のついた緑色のカードです。

これが日本でいう保険証のようなものです。

医療機関にかかると、必ずこのカードの提示を求められます。これはフランス在住者なら持っていなければならない強制保険のカードなのです。

このカードを持っていると・・

フランスでは主治医制なのでカラダの調子が悪いと、まず主治医を受診しますが、たいてい25ユーロほどの診察料をとられ、一週間から十日ほど後、そのうちの何パーセントかが払い戻しされる仕組みになっています。

補足:任意保険加入の恩恵

またMutuelle (ミュチュエル)と呼ばれる任意保険もあります。Carte Vitale (カルト・ヴィタル)だけではカバーしきれない保険をこれで補うのです。

たとえば、わたしの場合はバイト先の事業主さんとわたしとで折半してこの Mutuelle (ミュチュエル)を払っていますが、医者の処方箋があれば、薬代はまったくかかりません。

同様にレントゲンや血液検査などもまったくの無料です。2年に一度ではありますが、メガネを無料で作ることができます。

これは加入している Mutuelle(ミュチュエル)によってかなり条件が違ってきますが、重篤な病気と診断された場合、医療費がまったくの無料になり場合もあります。

これは知り合いの方の話ですが、ガンと診断されたその時から、お金がまったくかからなくなったと話されていました。「それがもう、びっくりするくらい、たったの一ユーロも払わなかったよ」と。

糖尿病など、治療が長期に渡る疾患なども、その診断を受ければ、糖尿病にかかる治療には一切費用がかからなくなります。

フランスの保険についてもこちらの記事「フランス暮らしには必須!医療制度の基本と健康保険証の申請方法」を参考にしてください。

フランスの税金制度で抑えておきたいこと

  • TVA(テーヴェーアー、日本の消費税にあたる)の税率は何種類かあること
  • 同じ商品でも買い求める場所によって税率が変化すること
  • 確定申告はフランスに居住しているものなら誰でも、収入がなくてもすること

フランスに住む予定の方々は、この3点をぜひ知っておいてくださいね!

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