フランスと言えばパリ!ほかの街については、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか?
日本人の方にあまり知られていないフランスの地方都市クレルモン=フェラン。
この地に移住して間もなく3年目を迎える筆者が、街の魅力、生活の魅力を10の視点からあますことなくご紹介します。
旅行などの移動に便利な立地
クレルモン=フェランは、フランスの「おへそ」と言われる場所(フランスのおおよそ真ん中)に位置しているので、フランス各地へ旅行がしやすいという、立地上の利便性があります。
車移動ですと、パリへは4時間半、ボルドーやトゥールーズへは4時間、リヨンへは2時間で行けます。
また、地方都市ではありますが、国際線の就航している空港が街の中にあり、イギリス(ロンドン)やポルトガル(ポルト)などへは直行便が出ていて、ヨーロッパを旅行するのにもとても便利です。
フランスの中では、比較的物価が安い
クレルモン=フェランは、パリなどの大都市と比較すると物価が安い街です。
特に、日本からの移住者や留学生の方々に関係する費用の中で大きな割合を占めるであろう、家賃や語学学校の費用などが、他の大きな都市と比べると格段に安いので、毎月の必要経費を安く抑えることができます。
例えば、パリとクレルモン=フェランの語学学校を比較してみると、3か月のコースに通う場合、パリでは平均30万円以上はかかりますが、クレルモン=フェランでは、20万円程度です。
ユネスコの世界遺産に登録された雄大なシェン=デ=ピュイ火山群
クレルモン=フェランの街のすぐそばには、「シェン=デ=ピュイ火山群」と呼ばれる、世界でも非常に珍しい大火山地帯があります。
シェン=デ=ピュイ火山群は、約80もの山脈や旧火山が一列に並ぶ大火山地帯で、2018年にユネスコの世界遺産に登録されました。
フランス国内はもとより、世界各国から観光客が訪れ、登山やハイキングを楽しんでいます。
私もシェン=デ=ピュイ火山群の最高峰であるピュイ・ド・ドーム(Puy de Dome)の登山をしましたが、頂上ではなだらかな山々が連なる壮大な景色を楽しむことができました。
後にも書きますが、この火山帯のおかげで、クレルモン=フェランは美味しい水や温泉にも恵まれ、またフランスでは他に類を見ない珍しい街並みを見ることができるのです。
フランスでは珍しい黒い街
火山群に囲まれた立地のため、クレルモン=フェランの街中にある建物には火山岩が多く使われています。
それゆえ、街全体が黒い印象を与え、フランス国内はもとより、ヨーロッパの中でも非常にユニークな街並みを目にすることができます。
特に、街の中心にあるノートルダム・ド・ラサンプション大聖堂は、黒い火山岩で作られた「黒い大聖堂」で、まさにクレルモン=フェランの街のシンボルと言えます。
14世紀に約100年かけて作られたゴシック様式のこの大聖堂は、外から見るとその真っ黒な威風堂々たるたたずまいが、見る人に重厚で荘厳な印象を与えますが、中に入ると、色鮮やかな美しいステンドグラスに目を奪われ、印象ががらりと変わります。
水が軟水で、しかも美味しい
ミネラルウォーター「ヴォルヴィック(Volvic)」はクレルモン=フェランのすぐ近くから湧き出しており、水資源にとても恵まれた地域です。
ヨーロッパは硬水のところが多いのですが、この地域の水は軟水ですので、もちろん水道水をそのまま飲むことができます。
また、軟水なので、髪の毛や肌への負担が軽く、ヨーロッパにいるのに日本と変わらず暮らしていけるのは嬉しい点です。
時々、パリなどフランス国内で硬水の出る街へ行って、クレルモン=フェランにいるのと同じ感覚で洗髪や洗顔をしてしまうと、髪の毛や肌が痛んでバサバサになってしまいます。
そんなときに、普段、いかに水に恵まれた街で生活しているのかを実感します。
昔、「パリジェンヌは3日か4日に一度しか髪を洗わない」と聞いて、とても驚いたことがありますが、実際に硬水でのシャンプーで髪の毛がゴワゴワに痛んでしまった経験があるので、今では納得です。
天然温泉が近くにある
フランス国内には天然温泉が点在しています。
クレルモン=フェランの近くには、天然温泉を利用したスパがあります。
中でも私のおすすめは、
- クレルモン=フェランの街の中心から車で15分ほどの隣町ロワイヤにあるロワイヤトニック(Royatonic)
- 車で1時間ほどの街ヴィシーのヴィシー セレスタン スパホテル(Vichy Célestins Spa Hôtel)
です。
参考URL:
どちらの施設も、日本の温泉というよりは、水着で入る温泉プールといった感じで、湯温は少しぬるめです。
ヴィシーの温泉はフランス国内でもとても有名で、街にはスパ施設が他にもいくつかあります。
また、ヴィシーには飲める温泉水があり、街の中に観光客でも無料で飲泉できるところがあり、飲泉用の蛇口から、ペットボトルに水を入れて持ち帰る人の姿をよく見かけます。
私も飲泉を試してみました。味は、すこし苦みのある炭酸水と言った感じでした。
昔は、日本の湯治場と同様、病気の治療を目的に温泉を訪れる方が多かったようですが、いまは、美容や健康増進を目的に利用している人が多いようです。
クレルモン=フェランは国際色豊かな街。ミシュラン本社もある
地方都市にも関わらず、フランスを代表するグローバル企業であるミシュランの本社があるのが、クレルモン=フェランです。
日本ではレストラングルメガイド(ミシュランガイド)の方が知られているかもしれませんが、ミシュランは世界シェア第2位のタイヤメーカーです。
世界中にあるミシュランの拠点から、本社のあるクレルモン=フェランへ多くの駐在員とその家族が来ています。
またフランスは、世界を見回しても高等教育(大学、大学院等)の学費が安い国として知られており、世界中から多くの留学生が来ています。
中でも、すでにご紹介したように、パリなどの大都市と比較して、クレルモン=フェランは物価が安いので、多くの外国人留学生がクレルモン=フェランの大学で勉強しています。
クレルモン=フェランには、日本人はあまり住んでいませんが、外国人がたくさん住んでいるので、祖国を離れて暮らす大変さを共有できる友人を見つけやすい街だと言えるでしょう。
子育てしやすい環境
クレルモン=フェランに住む人達は、穏やかでのんびりした優しい気質の方が多く、パリのような大都会で感じる愛想のない冷たさとは無縁です。
たとえば、子供をベビーカーに乗せて街を歩いていると、老若男女を問わず、優しく微笑んで話しかけてくれたり、バスや路面電車の乗り降りをさっと手伝ってくれたりします。
街の中には子供が遊べる市営や町営の公園がたくさんありますし、市が企画する無料の子供向けイベントも年間を通じて多く開催されています。
大自然がすぐそこにある
クレルモン=フェラン市内から車で20-30分も走れば、泳ぐこともできる美しい湖やハイキングを楽しめる森など、豊かな自然に恵まれています。
クレルモン=フェランでの週末の過ごし方の定番は、森にハイキングに行ったり、ピクニックをしたり、夏の暑い日には、湖に泳ぎに行くといった具合で、自然を楽しむスタイルです。
牛や馬、羊などを飼育している牧場も多くあるので、子供が自然や動物との触れ合いを楽しみながら、成長できる恵まれた環境だと言えます。
国際短編映画祭などの祭りやフェスティバルが多く開催される
クレルモン=フェランで開催されるイベントでもっとも有名なものは、なんと言っても、毎年2月に開催される国際短編映画祭です。
来場数は14万人、上映本数は500作品に上り、短編映画に特化した映画祭としては、世界最大規模になります。
国際舞台への登竜門として、ジャン・ピエール・ジュネをはじめ、今では世界的に有名な映画監督を何人も世に送り出しています。これまでに日本からも数多くの作品が出品されており、過去にはエヴァンゲリオンの庵野秀明監督が受賞されています。
クレルモン⁼フェランでは、映画祭のほかにも一年を通じて、音楽やアートなど実に様々な祭りやフェスティバルが開催されています。参加無料のものも多くあり、家族や友人と誘い合って出かけるのが楽しみでもあります。
国際短編映画祭
https://clermont-filmfest.org/en/
EUROPAVOX
ヨーロッパ中のミュージシャンが集まるミュージックフェスティバル
https://www.europavoxfestivals.com/en/
Les Trans’ Urbaine
音楽、ダンス、アートなどのストリートアートのフェスティバル
http://www.transurbaines.com/
フランスの地方都市ならではの魅力がある
留学や駐在など長期で滞在を検討している方への参考になればと思い、クレルモン=フェランの魅力を10個あげてみました。
フランスは、パリのような大都市よりも田舎町や地方都市の方がいいというのは、フランス人がよく言うことです。
移住先として、地方都市も検討してみてはいかがでしょうか。
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