せっかくアメリカに行くので働いてみたい!
経済的にビザ受給者の給与だけでは不安がある、など、配偶者または扶養者ビザで働きたい理由はさまざまです。
今まではグリーンカード申請中のH4ビザ所持者のみが労働許可証を申請することができました。
しかし2021年12月から労働許可申請に関する法律が変わり、グリーンカード申請中でなくてもH1bビザの配偶者や扶養者に与えられるH4ビザでも労働許可申請ができるようになりました。
今回、H4ビザホルダーである筆者が労働許可証申請をおこなった実体験を元に解説します。
労働許可証って何?
労働許可証は、合法的な永住者ではない特定の外国人に対して、米国市民権移民局(USCIS)が発行する写真付きの身分証明書のことで、これがあることで合法的に働くことができます。
また、EAD(雇用許可文書)と呼ばれることもあります。
基本的には有効期限は発行より1年間ですが、180日間の自動延長措置が規定されています。
労働許可証を取得するには移民局に申請書類を提出して料金を支払う必要があります。
つまり外国人であっても、この労働許可証があれば働くことができて、税金も納めることができます。
しかし、所有するビザによってはこの労働許可証なしでも働けたり、労働許可証の取得が認められないビザの種類もあります。
H4ビザはどんなビザ?
H4ビザはH1bビザの扶養者ビザです。
H4ビザ所有者は社会保障番号(SSN:Social Security Number)を取得することができませんが、EADを取るとSSNを取得することが可能です。
今までは、永住権(Green Card)の申請中の場合であればEADの申請、取得が可能でした。
しかし、2021年12月からH4ビザ所有者でもEADの申請が可能となりました。
つまり最近になって、就労許可の取得が認められたということですね!
今まではH4ビザの方は働くことができなかったため、社会参加や経済的な側面からも厳しい立場でしたが、さまざまな国からアメリカに合法的に滞在しているH4ビザ所有者がEAD取得に動いているようです。
労働許可証はどこに申請するの?
労働許可証の申請は、政府機関である米国市民権移民局(USCIS)に申請し、受理されると発行されます。
コロナ禍では省略されるケースもあったようですが、申請後USCISのオフィスでの指紋採取が多くの場合必要となります。
オフィスでの指紋採取の日程は自分では多くの場合選択することができず、USCISから封書にて指定された日時、時間に来るように通達があります。
どうしても指定された日時に行くことができない場合には予約を変更することも可能です。
労働許可証申請の流れ
- 後述する指定された書類を用意する
- H4の条件にもよるが、書類を指定の住所へ郵送する
- 2−4週間で領収書が郵送される。(しかしこれは労働許可証の発行が保障されるものではありません)筆者の場合も送付後約2週間で、領収書が自宅に届きました。
- USCISの事務所にて指紋採取を行う。指紋採取の際には身分証明書(写真付きID)、予約文書を持参しましょう。指紋採取を行う事務所には持ち込み制限があり、水や傘などは持ち込めませんので、最低限のものにとどめましょう。
- 労働許可証が郵送されてくる
- 就労可能!
この工程は個人によって、またUSCISの煩雑具合によっても異なりますが、3−9ヶ月ほどかかるケースもあるようです。
近年はUSCISの書類の処理に時間がかかっているのも影響しているのでしょうか。
ちなみに私の友人は昨年取得までに9ヶ月を要したと言っていました。
EADが発行されるとH4ビザでもSSNが取得可能となります。
USCISへ送付する申請書類のSSNを同時に申請するという部分にチェックを入れると同時にSSNも申請できるので忘れずに行いましょう。
SSNがあると運転免許証の手続きや銀行口座開設にも必要となるため便利です。
労働許可証申請に必要なものは?
さて、労働許可証の申請にはどのような書類が必要なのでしょうか?
筆者の経験も交えながら、ご紹介しますね。
- フォームI-765(労働許可の申請書)
- アメリカのパスポートサイズ(2インチ×2インチサイズ)2枚
- I-797(H4ビザの通達文書)のコピーもしくは一番最近のI-94の出入国記録が書かれたページのコピー
- パスポートのビザページのコピー
- パスポートの写真のあるページのコピー
- 婚姻証明書(アメリカ在住の場合には管轄の日本領事館に戸籍抄本のコピーを送ると作成してもらえます)
以下は提出する必要がある可能性があるもの
- H1bビザ保持者のI-797のコピー
- H1bビザ保持者の一番最近のI-94の出入国記録が書かれたページのコピー
- H1bビザ保持者のパスポートの写真のあるページのコピー
できるだけ不手際を減らすために、私は必要と思われる資料は全て添付して郵送しました。
詳しい必要書類の英語表記は
https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/temporary-workers/h-1b-specialty-occupations-and-fashion-models/employment-authorization-for-certain-h-4-dependent-spouses
に掲載されています。
アメリカでは書類が揃っていないとせっかくの申請過程が無駄になってしまう傾向があるため、必要な書類が足りないより、重複しているほうが確実だと経験上思います。
手元にある書類はできるだけ申請時にファイルするようにしましょう。
労働許可証の手続きはオンライン?郵送?その費用は?
労働許可証の申請に必要な書類はオンラインまたは郵送での手続きですが、ビザ所有者の資格によって異なります。
また申請書類を送付する宛先も異なりますので解説しましょう。
労働許可証は近年E fileと呼ばれるオンライン上での手続きも可能となっており、例えば難民としてアメリカに入国、滞在している場合などはオンラインでの手続き、労働許可証の申請費用もわずかしかかかりません。
しかしH4ビザ所有者の労働許可証の申請はオンラインではできず、郵送で送る必要があります。
I-765という労働許可証の申請書類はUSCISのオンラインから住所や氏名などの必要情報を打ち込むことができ、印刷することもできます。
印刷した申請書と必要書類の送付先は次の通りです。
H1bビザのI-797に記載されている番号の前の3文字のアルファベットによって送付先が異なります。
確認してから送付しましょう。
送付先はこちら:
https://www.uscis.gov/i-765-addresses
こちらの郵便局(USPS)は書類の遅延や紛失が多く信用に値しないため、私はUPSという運送会社を使ってUSCISのオフィスへ送りました。
費用は78ドル(2日以内の配送)でしたが、重要な書類が字入っているのでやむ終えません。
この輸送方法ですと手紙の追跡も可能で確実です。
他にもFedexなども運送会社も同様のサービスを行なっています。
労働許可証申請の費用は410ドルです。
小切手でも支払い可能ですが、クレジットカード情報を書く書類をダウンロードして書き込むとクレジットカードから引き落としてくれます。
https://www.uscis.gov/g-1450 から申し込み用の書類がダウンロードできます。
まとめ
筆者は実は別の種類のビザを所有している時に、同様にEADを申請して就労していましたが、期限が切れたため古いEADカードは処分してしまいました。
しかし残しておくと何かと手続きも早かったのではと後悔しています。
もし過去に労働許可証を持っていて、今も保持しているという場合にはコピーの添付をすると良いでしょう。
筆者の場合、その際のEAD発行までの期間は4ヶ月でした(2013年)。
必要書類が一つ足りなかったようで、追加送付の文書を受け取ったため遅くなりました。
ですから、必要と思われる書類は全て添付するのが得策だと思います。
EAD申請料金は年々高くなっていますが、アメリカでの就労経験は英語を勉強中のあなたにはとても良い刺激になりますし、英語にも自信ができます。
せっかくのチャンスですから、アメリカでの就労経験を楽しんでみてください!
うまくいくことを祈っています!
Good luck!!
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