小さい子供を連れてアメリカ生活を送る場合、保育園や幼稚園選びはどのようにすればいいのかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、アメリカのプリスクール事情を踏まえた上で、探し方、申し込み手続きの流れ、選ぶ際のポイントなどを紹介していきます。
アメリカでの子供の預け先
アメリカで義務教育以前に子供を預けられる施設は大きく分けて3つの区分があります。
- Daycare
- Mother’s Day Out・Parents Day Program・Nursery
- Pre-school(公立・私立)
まず、Daycareは日本の保育園のようなものとイメージください。生後6週間頃からフルタイムで預けられるので共働き、シングル家庭が利用するケースが多いです。
次に、Mother’s Day OutやNurseryなど週1~3回、数時間だけ預けられるところもあります。一人歩きができる1歳半頃からクラスを設けており、プログラム内容は遊びをメインにしている場合は多いです。
預ける目的は家庭によって様々で、子供が家族以外と過ごすことで社会性を学べる、親が子育ての息抜きをすることができる、などが挙げられます。
そしてPre-schoolは日本の幼稚園に相当します。
幼稚園の英訳と解釈されているキンダーガーテン(kindergarten)は実は義務教育の1年目に当たり、それ以前の2~5歳で通う早期教育をPre-schoolと呼びます。またキンダーに入る1年前のクラスは一般的にPre-Kと言います。
日本の制度と大きく異なる特徴は親の勤務形態に左右されず、専業主婦(夫)の家庭でもすべての施設を利用できることです。
これはDaycareやMDOが教会団体や民間経営で成り立っているからだと言えます。
自由に選択できる一方で、どの形態の施設を選ぶべきかという問題が発生します。
その理由は、各施設で実施している教育プログラムについて明確な区分がしにくいからです。
中には日本のこども園、幼保園のような複合型のプログラムを実施しているデイケアもあれば、デイケアと同じようにフルタイムの時間預かってもらえるプリスクールもあります。
MDOで充実した教育プログラムを行っているところもあり、名前だけで一概に判断しにくいと言えます。通わせるか否かの判断は親の自由裁量に委ねられているとはいえ、キンダーで学ぶ前の準備段階として大切な役割を担っているので、候補施設の情報収集や見学をきちんと行い、方針やプログラムを知ることが大切です。
またプリスクールには公立と私立があり、無料または安い学費で通うことができます。
ただし、申し込むには一定条件を満たしていることが前提なので今回は私立のプリスクール探しに焦点を絞って紹介します。
そして以降は、プリスクールと同様のクラスを持つデイケアやMDOも含めて広い意味で「プリスクール」という使い方をしていきます。
候補のプリスクールを探すには。ネットが簡単
プリスクールの候補を探すには新聞、地域情報誌、ウェブサイト、口コミなど複数の方法があります。
簡単で早いのはインターネットを利用した情報収集です。
GoogleやYelpに
「child care」
「pre-school」
といったキーワードを入力して自宅周辺の施設を探すことができます。
地域によってはデイケアやプリスクール情報がまとめてあり、条件や郵便番号で検索可能なサイトは非常に便利です。
また、実際に通っている人や地域住民の評判も有力な情報源です。
条件を整理して検討
スクールによって教育方針、学費、設備などは異なるものです。
申し込みをする前に何を重要視するのか、優先順位を整理して検討します。実際に見学しないとわからないこともあるので、見学してから判断することを強くおすすめします。
主な検討項目は以下になります。
- 学費の金額
- 通う日数と時間
- 通い始める年齢
- 自宅からの距離
- 教育方針
- カリキュラム
- 衛生面
- スタッフの人柄や雰囲気
- 設備の充実度(園庭、遊具など)
- 立地や周辺の治安
- 保護者のボランティアの頻度や有無
- 給食の有無
- アレルギーや障害など特別な配慮が必要な子供への対応
- トイトレ完了が条件に入るか
アメリカのプリスクールを選ぶ際に驚くのは、日本と比較してとても学費が高いことだと思います。
週3日に半日通うだけでも$500、週5日フルタイムだと$1,000はゆうに超えます。
日系企業の駐在員であれば幼稚園に通う年齢からは会社が費用の一部を負担する制度もありますが、それでも自己負担する費用が高いことには変わりありません。
そしてカリキュラムは日本でも知名度が高いMontessori(モンテッソーリ教育)やWaldorf(シュタイナー教育)、遊びの中に文字や科学、芸術を取り入れて早期教育をするAcademicなどがあります。
また子供の発達に応じたDevelopmentや遊びが中心のPlay Basedというプリスクールもあります。
子供の性格や、興味を持っている分野を伸ばせるカリキュラムを実施しているところはどこか考えてみましょう。
時に見落としがちなのが、子供にそのプリスクールが合うかということです。
実際に通う本人と一緒に見学し、雰囲気やイメージ、子供の反応を確かめてみましょう。同時に先生やスタッフの子供への接し方も確認できます。
入園手続きの流れやチェックポイント
・日本とは異なる新学期開始時期
新年度は9月から始まり5月下旬から6月上旬には年度末というプリスクールが多いです。
途中、クリスマス休暇と年末年始を含む2週間程度の冬休み、3~4月の間に1週間の春休みがあります。6~8月は夏休みで一般のクラスはありませんが、サマーキャンプという形で教育プログラムを行っているところもあります。
何月何日生まれで学年を区切るかは州やプリスクールによって異なるので事前に確認しておきましょう。
・オープンハウスと説明会
まずはオープンハウス(Open House)と呼ばれる見学や説明会に参加します。
9月から通うための手続の開始時期は地域や施設によって幅があります。
スケジュールはホームページに掲載されているので確認しておきましょう。ホームページに情報がなければいつ実施されるのか、直接オフィスに問い合わせます。
見学には事前予約が必要であったり、説明会に参加しないと入園手続きができないこともあるので注意が必要です。
夕方から夜にかけて説明会を実施するプリスクールの場合、原則夫婦で参加し、子供は同伴しないという決まりがあることも。仕事の調整をし、子供の預け先を確保する必要があります。
・申し込み手続き
見学や説明会が終われば入園したいプリスクールに願書を提出し、申し込み手続きを行います。
先着順に受け付けているところが多く、評判の良いプリスクールには申込者が殺到するので、早めに申し込みをしましょう。
希望者が多い場合は選考や抽選になることもあります。すでに上の兄姉が通っている場合は兄弟枠として優先されます。
このときにアプリケーションフィー(Application Fee)を一緒に支払います。料金は数十ドルから数百ドルとプリスクールによって幅があり、原則払い戻しはありません。
・結果通知
募集期間が終わってから1カ月ほどするとプリスクールから返事が来ます。
入園可能であれば正式に手続きをし、期日までに入園金を支払います。この入園金はアプリケーションフィーを兼ねているところもあります。
後から他のプリスクールに変更、または転勤で通えなくなったとしても原則このお金は戻ってきません。
・入園書類提出
上記の手続きが済むと夏前に書類一式を受け取ります。
スクール活動における同意書、緊急連絡先、子供の健康や性格などに関する調査など記入する項目は多岐に渡ります。また加入している保険証のコピーと予防接種歴の証明書も一緒に提出します。
入園手続きは一旦完了ですが、新学期前の保護者説明会などスクールから連絡が入ることがあるので注意しておきましょう。
・ウェイティングリスト(Waiting List)
定員を超えてしまった場合、残りの希望者はWaiting Listに登録されます。
Waiting Listの登録者は内定している人が親の都合で引っ越したり、希望順位が高い他のスクールに通うことになれば繰り上げされて通うことができます。
第一希望のスクールに通えることが一番ですが、うまくいかなかったときのために複数のスクールに申し込みをして保険をかけておく家庭が多いです。
そして渡米のタイミングによっては必ずしも上記の募集期間に申し込みができるとは限りません。翌年度の締め切りが過ぎてしまったり、すぐにでも通い始めたいという場合はどうすればいいのでしょうか。
・募集の締め切りが過ぎてしまった場合
まずは現時点で空きがあるプリスクールの申し込み手続きを済ませ、9月から通えるところを確保します。
その上で他に希望するプリスクールがあればWaiting Listに登録して空きが出るのを待つことになります。
・年度の途中から通う場合
現時点で空きがあるプリスクールを探して通うことになります。
年度内に他のプリスクールに空きが出れば転園したいと考えるならば、Waiting Listに登録して空きが出るのを待ちます。
Waiting Listの登録は今年度と翌年度の両方の手続きを忘れないようにしましょう。毎年年度末にはその年のWaiting Listをリセットするので注意が必要です。
カギは情報収集力と行動力
前述したように入園時期のおよそ1年前からが手続きが始まるので、確実に入園するためにはそれ以前からリサーチしておくことが重要です。
特に人気の高いスクールを検討しているのであればスケジュールを調整して複数申し込みしなければなりません。
また、手続きが順調にいかないこともあります。英語で意思疎通がうまくできない、オフィスから連絡が来ないという事態に直面しても、根気よく対応しなければなりません。
そのためには受け身でいないことが重要です。
Waiting Listの何番目か知りたければ直接聞き、メールでの問い合わせに返信がなければオフィスに出向いてディレクターと交渉する、というように自ら行動するように心がけます。
アメリカは案外行動した人に幸運が転がり込むことが多いので、しっかり情報収集をして積極的に動くことは良い結果につながるでしょう。
今回はプレスクールの申し込み手続きや選ぶポイントを紹介してきました。日本と異なるシステムで保護者が戸惑うことも多いでしょうが、お子さんが楽しく通うことができるよう、皆さんのプリスクール選びの参考になれば幸いです。
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