オランダの住宅は借りるよりも購入した方が安いといわれます。
ほとんどの物件で賃料が住宅ローンよりも高く、さらに住宅ローンの支払い金利を税控除できるという優遇措置があり、購入の方が経済的なためです。
住宅価格の伸びが堅調で資産効果も期待できることから、投資目的で住宅を購入する人もいます。
オランダでは外国人・外国企業の不動産取得の規制はありません。住宅購入は、永住権のない日本人にとっても現実的な選択肢です。
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理想の家を具体化する3つのステップ
STEP1 環境をイメージする
都会か田舎か、新興住宅地か歴史地区かなどの選択に加え、都市ごとの特徴も考慮します。
国際都市ではマルチカルチュラルな生活を満喫できますし、逆に日本人の多い環境で暮らすこともできます。
多くの主要都市を擁する政治・経済の中心地ランドスタット(Randstad)は、交通網が整備されていて便利です。毎年発表される「住みよさランキング」も参考になります。
STEP2 ライフスタイルに合った家の形を選ぶ
オランダの住宅は、
- スタイル
- 住戸の位置
- 内装
により分類されます。
STEP3 全ての希望をリストアップ
せっかくオランダに暮らすのだから、ウォータースポーツやサイクリングを趣味にしたい、のびのびペットと暮らしたい、子供をインターナショナルスクールに通わせたいなど、特別な希望も実現させましょう。
オランダではペットと暮らす人が多く、住宅情報に「ペット可・不可」の項目がありません♪
家探しで気をつけたい5つのポイント
1. 不動産業者
ネットや広告で物件をチェックし、不動産業者(makelaar)を介して家主と交渉します。
英語で対応してくれる業者もあります。
日本人向けの業者は物件数が限られており、家賃も高めです。留学生は大学に相談することもできます。
個人事業主でオランダでの収入証明や賃貸履歴がない場合は、銀行の預金残高証明書や今後の収入源を説明するためのビジネスプランを用意します。契約期間分の家賃を前払いすることで契約を成立させる方法もあります。
・住宅検索サイト
売り物件はTe Koop、賃貸物件はTe Huur
- funda :物件数、情報量、検索条件が充実
- direct wonen :空き物件情報がメールで届く
- pararius :賃貸・ショートステイ物件
- ばいばいねっと :在蘭邦人向け情報サイト
2.治安
オランダの治安は比較的良好ですが、犯罪の多い地区は落書きや鉄格子、DNAスプレー(紫外線で可視化するマーカー)などで見分けます。
風俗街や、麻薬の密輸が行われる国境付近での暮らしは避けましょう。
参考記事:オランダの治安情報(都市別ランキング)
ムスリムの移民地は危険?
オランダの総人口1600万人のうち6%がムスリムです。イスラム国など過激派によるテロの影響でイスラムフォビアが蔓延し、ムスリムが暮らす移民街への偏見も強まっています。モロッコ・トルコ系の食材店、モスクなどを目印にして、居住を避けるよう注意喚起するサイトもありますが、一概に「ムスリムの移民街だから危険」は言えません。ご近所付き合いや日々の交流を大切にするムスリムとの暮らしの方が、閑散とした高級住宅街よりも安心ということもあります。
3.周辺環境
日常生活の利便性(交通、医療・商業施設など)に加え、都市計画についても確認します。
地下駐車場が建設され交通量が増える、工事中に使用できなくなる施設があるなど、環境が変化することがあります。
角地の場合は、車の通行量、1階に商業施設があるか、路上のゴミ収集コンテナが清潔かなど、騒音・粉塵・振動・悪臭の元になるものをチェックします。
4. 住宅のチェックリスト
- 防犯
空き巣対策 - 防寒
暖房のシステム・数、断熱材
連棟式の中間は両端より暖かい
機密性の高い窓(複層ガラス・二重窓)が理想的 - 防音
戦後、早急に建てられた家の壁は戦前のものより薄い
1980年代以降の家は遮音性能に優れている - 採光
日照時間が短いため、窓の数・大きさ・位置、日が差す時間帯が重要
プライバシー 外から家の中や庭の中が見える物件が多い
5. 住宅の状態
外装・内装・設備ともに修繕工事の必要がないか、最後のメンテナンスはいつ行われたかを把握します。
引っ越してすぐに大規模な修繕工事が始まれば、労力的・経済的な負担になります。
セントラルヒーティング(centrale verwarming)の住宅では給湯器の製造年と点検票を確認します。突然故障すると暖房や温水が使えず不便を強いられます。
10年を過ぎたトイレタンクも要注意です。壁の内側に納められたタイプは、壁の解体・復元工事も必要です。
快適なオランダの賃貸生活のために
1.住民登録
一番重要なのは住民登録のできる物件かどうかです。
役所での住民登録は滞在許可申請の必須要件で、登録の際に本人の名前が入った賃貸契約書を提示する必要があります。
短期契約やシェアハウスでは住民登録が出来ない物件もあります。違法のまた貸し物件に住民登録をさせる住所貸し詐欺にも注意してください。
2.費用の交渉
家主との費用交渉は積極的に行います。
前任者の住宅を引き継ぐ駐在員の方は、家賃交渉を忘れないでください。
借り手市場の場合、相場より2、3割も高い家賃を引き継ぐことになります。
光熱費、住宅保険、税金、管理費、修繕費など、家賃以外にかかる費用も正確に把握します。足りない家具や電化製品、修理が必要な箇所も契約前に交渉します。
3.信頼できる家主
賃貸生活の快適さは家主の人柄にかかっています。
トラブルに迅速に対処してもらえなかったり、必要な修理をしてもらえなかったり、中には頻繁に室内をチェックして不当な請求をする家主もいます。
家主への苦情は、法的機関Huurcomissieに相談してください。家主を提訴し審理判断を仰ぐことができます。
4.契約時の注意点
家具付き物件では付属品のインベントリー(inventaris)を作成し、細かい傷やシミも明記します。
写真記録を添付するのがベストです。「細かいことは気にしなくて大丈夫」という口約束は、法的効力がないので信用しないでください。
契約書では契約を解消するために必要な通知期間や、途中解約の条件をよく確認してください。家主が加入している住宅保険や、合意した内容(敷金の返還など)もチェックします。
5.入居したら
すぐに設備や付属品を点検します。
給湯器やキッチンの不具合、排水溝の詰まりなど、異常があるものは家主に修理してもらいます。
ご近所への挨拶はコミュニティーの情報を得る良い機会です。ハウスアーツ(ホームドクター)や歯医者、おすすめのベーカリーなどを紹介してもらいましょう。手土産を持参する必要はありません。
住宅購入の注意点
1.土地の所有者情報
住宅購入の際、一般的には土地の所有権も含まれますが、公有地の場合もあります。
立ち退きを迫られることは稀ですが、国や地方自治体が土地利用計画を策定した場合、周辺環境が変わる(ニュータウンの整備など)ことがあります。
2.住宅のコンディション
土台、支柱、梁、配管、屋根の修繕費は特に高額です。新築・中古を問わず、専門家に住宅検査(bouwinspectie)を依頼しましょう。
管理組合(Vereniging van Eigenaren)への加入が義務付けられている集合住宅では、収支報告書を事前に入手します。大規模工事の予定があり、かつ積立金が不足している場合、入居してすぐ一時金を徴収されてしまいます。
3.保険
住宅保険(Opstalverzekering)と家財総合保険(Inboedelverzekering)に加入します。
集合住宅の住宅保険は管理組合として加入します。
貴重品をカバーしたい場合は貴重品・楽器保険(Kostbaarheden en Instrumentenverzekering)に加入します。
4.リフォーム
より理想的なマイホーム実現のため、壁・柱・煙突を撤去できるか、水周りや階段を移動できるか、サンルームやロフトを増築できるか、将来的に追加購入できるスペースがあるかなど、リフォームの幅をチェックします。
可能であれば、近隣住民のリフォーム計画も確認します。開放的な庭が魅力で購入したはずが、隣に建物ができて暗くなってしまったり、逆に目隠しの壁がなくなって家の中が丸見えになってしまったりと、思わぬ形で影響を受けることがあります。
都市部では1階の住宅が、商業施設として使用する権利を取得している場合があります。
角地の建物はとくに、カフェやレストランに改装されやすいので注意してください。
まとめ
オランダに移住したら、街めぐりや住宅めぐりをしてみましょう。
マイホーム購入は、夢ではなく現実的な選択肢です。永住するとなれば、運河沿いのカナルハウス、川辺に浮か ぶハウスボート、森の中のトレーラーハウス、歴史ある風車小屋など、オランダには「夢」のような家が沢山あります。
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