私が小学校教師を辞めてオランダ移住した理由

テレビ東京「未来世紀ジパング」でも取り上げらている「オランダ移住」

日本人移住者が急増している背景には、ビザ取得の容易さなどが挙げられます。

移住理由は人それぞれですが、今回は、世界の教育の知り、学ぶためにオランダに渡った移住者から、オランダ移住の経緯や現地でやりたいことなどをご紹介したいと思います。

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小学校教師を辞めてオランダへ

旅行が大好きだった私は、大学卒業後に旅行会社H.I.S.に就職して法人営業部で経験を積み、運よく3年足らずで上海支店に赴任。

そして、上海で2年半勤務した後、教師を志し、退職することに

帰国後、教員免許を取得するために通信教育大学に通うさなか出会ったNPO法人Teach For Japanのプログラムに参加し、小学校教師として福岡へ赴任。

その3年後2018年3月、小学校教師を辞めてオランダに来ました

「私がオランダの一体何に惹かれたのか?」

その経歴を交えながら、オランダに来た理由をお伝えしたいと思います。

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教育に興味を持ったきっかけ

「価値観がガツン」と変わる旅行が大好きで、大学卒業後は旅行会社H.I.S.に就職しました。

そして、運がいいことに私の所属していた法人部門が業務を拡大している時期で、海外支店赴任の話が3年目でありました。

そのチャンスを生かして上海支店に赴任したのが2011年。

海外で働いてみたいと思っていた私にはこの上なく嬉しい事でした。

そして、上海で死に物狂いで働いている間に、大きな出来事が二つありました。

3.11と反日デモです

中国滞在中に旅した張家界(映画アバターの世界のもとになった地)にて

中国滞在中に旅した張家界(映画アバターの世界のもとになった地)にて

3.11を異国で経験して感じたことは、「働くことの意味」についてでした。

お金をより多く稼ぐことよりも、社会に貢献することが大切だと感じるようになったんです。

また、2012年9月にあった反日デモを上海で経験して感じたことは、中国や中国人を「ひとまとめ」にして考えてしまうことの怖さでした。

こんなに文化の近い中国と日本なのにお互いのこと知らない・・
一緒に働いているオフィスの仲間は、私をいつも助けてくれるの・・
一人と一人はこんなにも信頼しているのに・・

という想いが募りました。

当時私が出した答えは、「高校の世界史教員」になること。そして、これから社会に出ていく高校生に世界史を通して、自分の目で見て、自分の頭で考えることの大切さを伝えたいということでした。

教育には人生を変える力があるような気がしました。

そんな、教育について知りたいと思いました。知りたいなら、教員だろうなと思いました。

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飛び込んだ小学校教師

考え着いたらすぐ行動する質なので、上海で会社を辞めて、教員免許取得のために帰国することにしました。

そして、高校の世界史教師になるために通信教育大学に通い、東京都の教員採用試験を受けようと考えていました。

そんな中、NPO法人Teach For Japanと出会いました。

「すべての子どもが成長できる教室」をビジョンとしている団体です。

Teach For Japanの「多様な経験を持つ情熱ある人材を、公立学校の2年間教師として送る」というプログラムに共感し、プログラムに参加して小学校の先生になることを選びました。

と言えばかっこいいのですが、実はベトナムに3か月ほどインターンする機会があり、その間に居候させてもらった会社のボスに
「なんで教師なの?」
「なんで高校なの?」
「なんで世界史なの?」
「若者を海外に出させてどうするの?」
と問われました。

そのとき、うまく答えることができなくてずっと考えました。

悶々と考える日々が続く中、自分が伝えたいのはもっと根っこのところかなと思ったんです。

司馬遼太郎さんの言葉を借りるならば「友達がころぶ。ああ痛かったろうな、と感じる気持ち。」

つまり「いたわり」のようなものが大切だと感じていることに気付いたんです。そこから初等教育に興味を持つようになり、小学校教師に惹かれていきました。

そんなタイミングでTeach For Japanと出会うことができたのはとてもラッキーでした。

そして、会社を辞めてからちょうど2年後の2015年4月1日福岡県の公立小学校5年生担任として、教師生活がスタートしました。

※Teach For Japanの研修合宿の一コマ

Teach For Japanの研修合宿の一コマ

ずっと感じている違和感

小学校の先生をして真っ先に感じたことは、小学校の先生がしていることは、いままで自分が考えていたオンとオフがある「仕事」というよりは、「生活」そのものであるということ。

喜怒哀楽を共にして一緒に遊び、学び、ご飯を食べるという生活の場。

仕事をするぞというよりは、自分がどんな人間なのか問われる毎日。

肩書とか経歴とかそんなのは一切関係なくて、どんな人間なのかという雰囲気や在り方。

毛穴から湧き出るような「なにか」が大切だという感覚。

担任していた教室

担任していた教室

そして、一斉画一であることの居心地の悪さ。

同年齢であるということで、クラスが編成される。

小学校は高学年になってもたかだか11教科。それには数字による評価が付きまとう。優越感と劣等感が生まれてしまう。「〇〇に比べて自分は…」と自分の良いところに目を向けられなくなる。

それをどうにかしたいと思って、勉強会に参加したり、本を読み漁ったり、先輩教師に相談してみたり・・

無我夢中の日々でした。

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試行錯誤の日々

どうしたらいいのか試行錯誤する日々。

とにかく、上手くいかない。

200日登校日があったら195日以上はうまくいかない。いや、一日も上手くいかない。

一人一人の良さをみつけて伸ばしたい!という想いとは裏腹に、いつの間にか私は、

  • 子どもたちが黒板や人の話を集中して見るためには?
  • 聞くためには?
  • どうしたら多くの子が効率的に理解できるか?
  • 学級の平均点をあげるにはどうしたらいいのか?
  • 授業をいかに進めるか?

というような、自分にスポットを当てて物事を考えていることに気が付きます。

子どもたちが自分で考えるとか、実際のものを触るとか体験するとかは、夢中になれるものを見つけるとか、疑問に寄り添うとか、一緒に考えるとか、それらしい「フリ」だけで、実際していたことは違ったなと気付いたわけです。

子どもたちの意見は取り入れていない。

子どもたちの生活の成長の場なのに関わらず、結局は自分がやりたいようになってる。

まるで子どもたちに力がつかないやり方をしていました。

クラスの子が撮った写真

クラスの子が撮った写真

そこからは、どうしたら目の前の子どもたちに一人一人に力がつくのか考えるようになりました。

どう授業がうまく進むかより、いま何を考えて何を学んでいるのかに重点を置きました。

授業中、私が話す時間は2割以下と決めて、それ以外の時間は子どもたちが自分たちで選んで動ける環境を作って、注意深く見ることにしました。

毎日一時間クラスの様子をビデオに撮って、それを見て毎日少しずつ何かを変える。

また、何かもめごとが起きるときに、対等な立場で話し合うことを大切にしました。

イエナプランとの出会い

オランダのイエナプランホームページ

オランダのイエナプランホームページ

そんな試行錯誤の日々の中で、「イエナプラン」という考え方があることを知ります。

きっかけは、福岡市で開かれていた「イエナカフェin福岡」の勉強会に参加したことでした。

イエナプランは、ドイツの教育学者ピーター・ペーターセンが実践した学校教育です。

私が真っ先に心を奪われたのは、以下の3点です。

  1. サークルになって対話する時間をたいせつにすること。
  2. クラス編成が異年齢学級であること
  3. 教室をリビングルームととらえていること

自分が日々追い求めてきたことと非常に近いと感じました。

それから、イエナプランを勉強して、クラスでやれることから働きかけていきました。

その中でも印象的だったのが、朝の会の出欠確認を辞めた代わりに、サークルになって朝の会をはじめたことで、給食当番が配膳の時に、「先生!今日休みいますか?」と聞かれることがなくなったということ

お互いのことが、自然とよく見えるようになった証拠です。

そして、ケンカが減ったこと

また、ケンカになっても自分たちで解決できるようになったこと

お互いの顔がいつでも見れるサークルで対話をすることで、教室は少しずつ居心地の良い場所になっていったんです。

そして、学校での日々が教師主導ではなく、自分たちのものへと変化していきました。

オランダに惹かれて~自分が変わること~

イエナプランに惹かれて学ぶ中で、自然とオランダのことも学ぶことになります。

そもそもイエナプランは、オランダでできた教育方法ではありません。

しかし、オランダの学校で浸透しています。

また、イエナプラン以外にもシュターナー教育やモンテッソーリ教育などの様々な教育の考え方が浸透しています。

オランダには、教育の自由が広く認められています。

他にも、

  • 移民の受け入れを多くしていること
  • パートタイムワーカーが多いこと
  • 一人当たりの国民総生産が高いこと
  • 国土の四分の一以上は海抜0m以下だということ
  • ポルタ―モデルという考え方があるということ

私は、いつの間にかオランダという社会の根底にあるであろう「寛容性」と「自立心」に惹かれるようになりました

純粋に、この国に行ってみたいと思いました。

なぜなら、どんな教育方法を学んでも不十分だと感じていたからです。

大切なのは、教師を含む大人の「考え方」や「在り方」だと思っていたからです。そのために、自分を変えることが必要だと思いました。それにはオランダがいいだろうなと思ったのです。

また、オランダは以下の点で移住先としての利点がありました

  1. 労働ビザが取得しやすい点     → 現実的に住んで働くことができるかという課題
  2. 言葉が分からない点         → 自分の本気が鍛えられる環境
  3. 外国人でも教師になれるという点  → 教育の一番際の際は、教室だと思っているから

これからオランダの地で、

  • 2年間かけて生活基盤を整え言語や文化を学び
  • 1年間教員養成学校で学び
  • 小学校教師として3年は経験を積み

いまから6年後にはまた日本に帰り、小学校教師をしたいと思っています。

オランダの世界遺産キンデルダイクにて

オランダの世界遺産キンデルダイクにて

そして、オランダに住んでみて感じること

オランダの人たち

オランダの人たちは、とても「いいやつ!」だと感じます。

例えば、ランニングをしていると、声をかけてくることはとても普通なことで、他にもウィンクしてくれたり、グーサインを送ってくれたり、少なくとも目が合えば微笑みを浮かべます。

市役所にアポイントをとるために電話してみても、アポイントの時名前が間違っていてはいけないので、自分の名前のつづりを丁寧にゆっくり確認しながら電話口で話をしてくれます。(もちろんそうでない人もいます!)

オランダの社会

驚いたのは、平日の昼間でもスーパーマーケットが混雑していることです。

日本は、同じ時間帯に一斉に出勤して、月曜日~金曜日までフルタイムで働くという働き方が主流だと思います。

オランダは、同じ時間にフルタイムで会社で働くというよりは、個人や夫婦でバランスを取りながら、時間を決めて、場所を決めて働いていると感じます。

とても合理的に考えて働いています。

往復2時間通勤するよりは、在宅で仕事をこなす環境を整える。

というような考え方です。子育て期間中ならなおさらでしょう。

また、子どもたちは自転車で小学校に通学し、とてもよく外で遊んでいます。

また、遊びやすいように公園やバスケットコート、サッカーコートなどの場所がどこにでも用意されています。

外でよく遊ぶのは大人も同じで、週末は旅行に出かけ、カフェのテラス席で心地よさそうに談笑しながらビールやワインを飲んでいる風景を目にします。

オランダに住んでみて、「寛容性」「自立心」に加えて、「居心地の良さ」を感じることができています。

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