オランダでは2014年から日本人の労働許可が不要になり、ヨーロッパへの移住希望者にとって、より魅力的な国になりました。
オランダに居住するパートナーをお持ちの方のために、パートナービザ申請から永住権取得までの流れをご紹介したいと思います。
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オランダ移住について知っておきたい3つのメリット
1.日本人への優遇措置
1912年に締結された日蘭通商航海条約により、日本人は他国籍の人に比べて圧倒的に滞在許可が取りやすくなっています。
オランダの企業に就職せずに、小額の投資額で起業して、個人事業主として滞在許可を申請することもできます。さらに2014年の改定により、日本人は労働許可なしに働くことが可能になりました。
2.英語が通じる安心感
オランダ人は英語が堪能で、入国管理局、市役所、病院、レストランからスーパーまで、ほとんどの場所で英語が通じます。
永住を考えているならばオランダ語の習得は必須ですが、環境に慣れるまで英語が使えるというのは大きなメリットです。
3.子どもが世界一幸せな国
ユニセフが発表した先進国における子どもの幸福度調査で、オランダは一位を獲得しています。
子どもは自由な学校教育でのびのび育ち、パートタイムで働く両親は子供と過ごす時間を大切にしています。オランダではフルタイムとパートタイムの賃金や社会保障が平等で、幸せなライフスタイルを選択できるのです。
オランダの滞在許可を申請するための「オランダに居住するパートナー」とは?
パートナーとは婚姻の相手である配偶者のことです。日本で結婚した場合、オランダの市役所に婚姻を登録する必要があります。
またオランダでは1998年より法律婚によらない「登録パートナー制度」が導入されています。
同性異性問わず、この制度に登録すれば結婚と同じ法的権利が認められます。つまりこの「登録パートナー」も、パートナービザを申請する際の正式なパートナーとなります。
結婚後、オランダに渡航する前に準備するものは、残存有効期限6ヶ月以上のパスポートとアポスティーユ認証付きの戸籍謄本(下図参照)です。
オランダ入国後5日間以内に住民登録
オランダに入国して5日間以内に、パートナーと居住する地方自治体の役所(Gemeente)で住民登録台帳(GBA)に登録し、基本登録者公布証を受け取ります。
この後、オランダ入国管理局(以下、IND)によって滞在許可申請が認可されると住民登録が完了し、住民登録番号(BSN)が発行されます。住民登録に先立って滞在許可申請をしている場合は、申込みの5日後に住民登録が完了します。
オランダ入国後8日以内に滞在許可申請
オランダ入国日から8日以内にINDで滞在許可を申請します。
まずは「家族との居住を目的とする滞在許可申請書」をINDのホームページからダウンロードして必要事項を記入します(英語版も有り)。
次に居住地を管轄するIND支所とアポを取り、申請書とともに必要書類を提出します。指紋と証明写真を撮影し、申請料金を支払うと審査が始まります。審査期間中は仮の滞在許可証となるステッカーがパスポートに添付されます。
数週間(長い時は一年以上)後に、滞在許可が下りた旨を知らせる手紙が届き、INDで滞在許可証が発行されます。滞在許可証と一緒に、観光に使えるシティーカードや市街地図をプレゼントしてくれる自治体もあります。
パートナーを身元引受人とするこの滞在許可証は、有効期限が切れる前に更新する必要があります。
通常は有効期限が切れる3ヶ月前に、INDから滞在許可延長のための申請書が送られてきます。 オランダの永住権を取得するまでの少なくとも5年間は、この更新手続きを繰り返します。オランダ入国後10年間はパートナーに十分な収入があるかどうかを厳密に審査されるので、堅実な生活設計をしましょう。
オランダに居住するパートナーを身元引受人として滞在許可申請するための条件
- 有効な旅券を有している
- 公序に対する脅威がない
- 過去の申請で虚偽報告や隠蔽がない
- オランダに居住する者と結婚している、あるいパートナーとして登録している
- パートナーは少なくとも一年間オランダに滞在している
- パートナーは身元引受書に署名する
- パートナーは少なくとも一年間の経済的サポートができる
- 市民統合テストに合格している、あるいは免除されている ※日本人は免除
- 申請者とパートナーはともに21歳以上である
- オランダ入国後直ちにパートナーと同居する
- オランダ入国後直ちにパートナーと同一住所に住民登録し基本登録者公布証を取得する
滞在許可申請に必要なもの
- パートナーのパスポートの全頁のコピー
- 申請者のパスポートの全頁のコピー
- パートナーの収入を証明するもの(雇用契約書や給与明細など)
- リーガリゼーション済みの結婚証明書の写し一通 ※下図参照
- 署名された身元引受書
「リーガリゼーション済みの結婚証明書」を取得する流れ
日本で作成された公文書は、まず日本国外務省に「アポスティーユ認証」を付けてもらい、次に在オランダ日本国大使館で英文・蘭文に翻訳してもらい、さらにオランダ外務省で「リーガリゼーション」のスタンプを押してもらって初めて、オランダで合法的に使うことができます。
結婚証明書を取得する流れ
- 日本の役所で戸籍謄本を取得する
- 日本国外務省でアポスティーユ証明を申請する ※ここまでは日本で準備
- 在オランダ日本国大使館で英文の結婚証明書を取得する(発給までは約1週間)
申請に必要なもの
・証明書発給申請書(大使館領事窓口にあります)
・ アポスティーユ証明が付与された戸籍謄本一通(発行日より6ヶ月以内に発行された原本)
・ 有効な日本の旅券の提示 - オランダ外務省でリーガリゼーションの手続きをする(窓口で申請し当日中に受取可能)
写真:在オランダ日本国大使館とオランダ外務省があるデン・ハーグは国会議事堂や各国大使館がある政治の中心地です。
有期の滞在許可からオランダ永住権への切り替え
オランダで合法的に連続して5年間滞在すると、オランダ永住権申請の権利が得られます。INDのホームページで「滞在許可の永住許可への変更申請書」をダウンロードして記入し、必要書類と一緒にINDに送付します。
INDから送られてくる振込用紙で申請料金を支払うと、審査が開始されます。
オランダ永住権申請の条件
- 継続して5年間の滞在許可を有している
- 長期的な目的の滞在許可を有している
- 生計を立てるのに十分な手段を有している
- 公序に対する脅威がない
- オランダ社会に十分に統合しオランダ語を読み、書き、話し、理解することができる。市民統合テストを受けてこれを証明しなければならない。ただし市民統合プログラム(A2レベル)を終了した場合は免除される。
申請するのに必要なもの
- 有効なパスポートのコピー
- 収入を証明する書類(雇用契約書や給与明細など)
- 市民統合テストの卒業証明書またはそれに相当する卒業証明書
オランダ永住許可が下りた旨がINDから通知されると、数週間以内にオランダ永住許可証が発行されます。これまでの有期の許可証との最大の違いは、パートナーの名前が記載されていないこと。つまり「婚姻」や「パートナーとの居住」などの条件なしに、一個人としてオランダの永住権を取得したことになります。
オランダの永住許可証は5年毎に更新しなければなりません。
これまでとは違い、有効期限が迫ったことを知らせるINDの通知は届きません。DigID という政府のオンラインサービスを利用するためのIDを持っていると、INDのホームページからオンラインで手軽に更新手続きと申請料金の支払いができます。
以前のような複雑な申請書や添付書類は必要ありません。オンラインでの手続き後2週間以内に、IND支所で指紋と証明写真の撮影を行います。新しい永住許可証が発行されると、INDからの通知が届きます。
写真:オランダの永住許可証
オランダ移住権取得のまとめ
オランダは周辺諸国へのアクセスも良く、高い生活水準、充実した医療・教育制度、国際色豊かな風土など、日本人にとって理想的な移住地です。
オランダはシェンゲン協定加盟国なので、滞在許可を申請することなく最大90日間の「お試し滞在期間」を利用することもできます。百聞は一見にしかず!パートナーとの新生活を考えている方は、ぜひ一度オランダに足を運んでみてください。
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