九州ほどの面積の国土に1,700万人が暮らすオランダ。
ドイツ、フランス、イギリスに囲まれた小国オランダが移住地として注目されている理由とは?
オランダ移住を考えている方のために、オランダで暮らし、生活する5つのメリットをご紹介します。
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1.生活水準が高い
オランダは国土面積が日本の約9分の1、人口は約8分の1という小国ながら、一人当たりのGDPは日本の約1.3倍(2015年)という経済大国です。
農産物輸出額は世界2位(2014年)を誇り、1980年代より推進してきたワークシェアリングによってユーロ圏でも屈指の低失業率を維持しています。
先進的な労働環境や充実した社会保障、行き届いた福祉など生活水準が高く、オランダは日本人にとって安心の移住先です。
医療費や教育費の自己負担額がほぼ無料に近いことも魅力です。
教育レベルも高く、世界トップ100大学(2015-2016年)にはオランダから8校がランクインしています。※日本は東京大学と京都大学の2校がランクイン。
日本の外務省の統計(2015年)によればオランダを拠点とする日本企業は400社を超え、在蘭邦人は7,500人に上ります。子どもは日本人学校や英語のインターナショナルスクールに通うことができますし、日本料理店や日本食材店、日本人向け美容室もあります。県人会や同窓会、育児サークルもあり、日本人同士の交流も活発です。
移民の多い都市部ではアジア料理レストランやアジア食材店も充実しています。
ドイツやベルギーのビール、フランスのチーズやスペインのサラミなどヨーロッパの食材も気軽に堪能できます。最近ではオーガニック食材も、日本と比べてリーズナブルかつ容易に手に入るようになりました。
2.日本人への優遇措置がある
1912年に締結された日蘭通商航海条約により、オランダでは日本人への優遇措置があります。日本人は他国籍の人に比べて圧倒的に滞在許可が取りやすく、日本人起業家には特権が与えられています。
例えば、日本国籍の個人事業主は小額の投資額(4,500ユーロ=約50万円)を調達し、商工会議所に登録するだけで開業できます。「オランダの経済発展や雇用創出に貢献できるか」といった条件や、事業計画を厳密に審査するポイントシステムは適用されません。
現地企業に就職することなく、個人事業主として簡便に滞在許可を申請する特権が認められているのです。
オランダに合法的に5年以上継続して滞在すると、永住権申請の権利が得られます。
さらにEU永住権を取得すれば、EU加盟国民と同等な扱いの保障や、EU加盟国への移住の権利も得られます。
日本人特権を活かしたオランダでの起業は、ヨーロッパ永住への足がかりとなります。
個人事業主の滞在許可(起業ビザ)申請の流れは下記の通り
1.役所で住民登録、住民登録番号(BSN)の取得
2.商工会議所(KvK)に登録、会社登録証明書と付加価値税(VAT)登録番号を取得
3.現地銀行にビジネス用口座を開設、投資資金4,500ユーロを入金
4.公認会計士によるバランスシート作成
5.オランダ入国管理局(IND)で滞在許可申請
ちなみに、ヨーロッパ移住希望者にとって朗報だった「2014年12月より日本人は労働許可なしにオランダで就労可能」という特別条件は、2016年10月1日以降に取り消される見通しとなりました。
この件に関しては2016年6月現在、政府内で協議が継続中ですので、オランダ移民局(IND)やオランダ経済省企業誘致局(NFIA)で最新情報を確認する必要があります。こちらの特別条件を利用して渡蘭を考えていた方はご注意ください。
3.英語が通じる安心感
オランダの英語能力指数のランキングは世界2位。
オランダ人は世代を問わず英語が堪能です。役所や学校、レストランからスーパーまで、ほとんどの場所で英語が通じます。環境に慣れるまでの間、入国管理局での手続きや、病院で症状を説明する際などに英語が使えるのは大きなメリットです。
オランダでは義務教育開始とともに英語を学び始め、徹底的な音読や速読、シャドウイングを繰り返して体で英語を覚えます。
文法よりもコミュニケーションが重視され、辞書や参考書を使う授業は中学生になってから。アメリカやイギリスの幼児番組を見て育ち、4歳頃にバイリンガルになる子どももいます。
大人になると、さらにフランス語やドイツ語など数ヶ国語を操る人も珍しくありません。
都市部の住民は多国籍で、毎日英語に触れられることもオランダの魅力です。オランダ語と併せて英会話を習得したい方、子供のバイリンガル教育に感心のある方には最適の環境です。
ただし一番に学習すべきはオランダ語。オランダ語習得は永住権や国籍申請の必須条件です。
定められた期間内に市民化テスト(inburgeringsexamen)やオランダ語国家試験(NT2)に合格しなければなりません。
オランダ語はどのような言語?
西ゲルマン語群に属するオランダ語は、英語やドイツ語の兄弟言語です。
オランダ語を学習する際、英単語や英文法の知識がとても役立ちます。ドイツ語とは枠構造を持つ点まで共通しています。
単語や語順が似ている英・独・蘭
英 I drink coffee with milk.
独 Ich trinke Kaffee mit Milch.
蘭 Ik drink koffie met melk
枠構造も共通する独・蘭
英 I can see Hans.
独 Ich kann Hans sehen.
蘭 Ik kan Hans zien.
移住前からオランダ語学習を始めておくのもオススメです。
東京ではライデン大学事務所内、大阪ではフランダースセンターなどでオランダ語講座を受講することができます。
日本で暮らすネイティブの方のレッスンは、オランダの情報収集にも役立ちそうです。CD付きの教材やDuolingoなどの教育アプリを利用する方法もあります。
オランダ語の発音はローマ字読みとは違うので最初は聞き取りづらいかもしれませんが、何度も聞いているうちに慣れてくるはずです。「耳と口を使って体で覚える」「まずは会話してみる」というオランダ式が功を奏すかもしれません。
出典:EF EPIホームページ(http://www.ef.nl/epi/)
4.子どもが世界一幸せな国
ユニセフが発表した先進国における子どもの幸福度調査で、2007年と2013年、オランダは連続で一位を獲得しています。
学校では子どもの自律性が尊重され、のびのびとした教育が行われています。イエナプランやモンテッソーリ教育を実施する学校、国際教育制度に沿ったインターナショナルスクールなどが全国各地にあり、子ども一人一人の希望や資質に合わせた教育が行われています。
両親もパートタイムで働くことで、家族で過ごす時間を大切にしています。
オランダでは1980年代の大不況から経済を立て直すために、ワークシェアリングが推進されました。1996年の労働時間差別禁止法により、フルタイムとパートタイムの賃金・社会保障も平等になりました。
その結果、オランダの労働人口の50%を超える人たちがパートタイムで働いています。
両親と子どもがいつも一緒に夕食をとる、週の半分はお父さんが子どもの面倒を見る、そんな理想的なワークライフバランスが実現しています。世界一幸せな子どもたちには、オランダ社会と家族の愛情が注がれています。
5.ヨーロッパの交差点
中世より国際貿易の中心として栄えてきたオランダは、ヨーロッパの要衝に位置しています。
ドイツから流れ入るライン川はオランダ南部で水運に利用され、河口にはロッテルダム港(ユーロポート)が築かれました。ユーロポートは河川水運と海運の結束点として発展し、貨物取扱量は世界6位、アジアを除けば世界1位というヨーロッパ最大の港です。
アムステルダム・スキポール空港は世界有数のハブ空港です。ヨーロッパ諸国をはじめ、世界91カ国260都市への直行便が就航しています(2005年)。パリやロンドン、ミラノやベネチアまでの飛行時間は2時間以内。
日帰り出張やショッピングやも可能です。日本からの飛行時間は約12時間で、東京と大阪から直行便が就航しています。
ドイツやベルギーと直結する高速道路は無料のため料金所はなく、シェンゲン条約により国境審査もないので時間的ロスがありません。
ドイツのケルンやベルギーのブリュッセルまでは車で約3時半。
ホリデーシーズンにはイタリアやスペイン、さらにはトルコやモロッコまで、道中の宿泊や観光を楽しみながらドライブ旅行をする人もいます。
鉄道ではドイツのフランクフルトやフランスのパリなどと高速列車で直通しています。フランクフルトまでは高速列車ICEで約4時間、パリまでは高速列車タリスで約3時間半。国内の都市間鉄道も利便性が高く、4割引パスなどを活用して経済的に旅行を楽しめます。
チケットは国際線、国内線を問わずオランダ鉄道(NS)のホームページでオンライン購入が可能です。
海運・空運・陸運に恵まれたオランダは「ヨーロッパの交差点」と呼ばれ、多くの外国企業が進出しています。
多国籍チームで仕事をすることも稀はでありません。国際商業都市や移民の割合が高い大都市では、異文化を身近に感じることができます。ビジネスでもプライベートでも国際色豊かな生活ができるのがオランダの何よりの魅力です。
世界屈指の港湾都市 ロッテルダムの夜景
まとめ
ドイツ、フランス、イギリスなどの大国に囲まれた、ヨーロッパの要衝オランダ。
ヨーロッパ移住の穴場ともいえるオランダの魅力は、「5つのメリット」だけでは語り尽くせません。ぜひ現地で、自由な街の暮らしやすさやオランダ人の陽気さに触れてみてください。
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