オランダで出産と産後を体験。準備や備えをガイドします

オランダで出産と産後を体験。準備や備えをガイドします

前回の記事では、オランダで妊娠した場合の受診の手順や検診の違いなどを紹介しました。

本記事では、出産まで流れを紹介したいと思います。

前回記事はこちら「オランダで妊娠したら? 受診手順から検査内容など日本との違い

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オランダでの出産準備について

出産準備に関しては助産師から臨月が近付いてくるとリストを渡されます。

また、加入している保険会社から、消毒液など出産時に必要なものが一式セットになったものが届きます。Kraampakketと言います。(これも保険タイプにより違うはずですので、事前に確認してみましょう)

病院出産を希望した場合は、このキットの出番はほとんどありません。

助産院で教えられた物だけをきちんと用意できていれば大丈夫です。

薬局(etosなど)や赤ちゃんグッズを取りそろえている専門店(Prenatalなど)で購入可能な物ばかりですが、オランダ語でリストが書かれているので、代用できない物や必要な物だけを事前にチェックして購入しましょう。

店員さんにこれらが欲しいのだけどとリストを見せて伝えれば、揃えてくれます。

ベビーベッドは赤ちゃんを守るために必要な家具ですので、必ず用意しましょう。

ベビーベッドに付属品を足すことで、小学生以上でも使えるベッドに変形するものなどもあります。

ライフスタイルに合ったものを探しましょう。

赤ちゃんグッズはつい新品で揃えたくなる物ですが、中古品の中にも新品のように綺麗なものもあります。

そこで新品では高価なものを探してみるのも良いと思います。

近所に子育て世代の人がいれば譲れる物が無いか聴いてみるのもよいでしょう。

チャイルドシートは自宅出産以外では必ず必要になるので、出産前に準備しておく必要があります。

タクシーでも必要になります。

出産準備の荷物を揃えたら、チャイルドシートと一緒に玄関に用意して置いておきます。

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出産日前後の状況 ~筆者体験談~

筆者は日本での出産の時に、二度とも産後の経過があまり芳しくなかったことも有り、バースプランで病院出産を希望しました。

助産師の方は気さくでオランダ語が話せない私たちにもしっかり向き合って、説明、サポートをし続けてくれました。

なので、最後までこの助産師さんにお願いしたい気持ちはあったものの、用心をして病院出産を選択。

予定日の3日が過ぎて陣痛が来ました。

そして、すぐに助産師の連絡先に電話。

10分もせず我が家に到着し、ベッドに横になった状態で子宮口の開き具合を診察。

結果、もう少し時間が必要かもしれないと、助産師は帰宅。

深夜0時頃にまた痛みが強くなってきたので、助産師に連絡。

あらかじめ、日中の連絡先、緊急の連絡先、夜中でも繋がる連絡先を教えてくれています。

すぐに来てくれて子宮口のチェックをし、子宮口が開いていたので病院へ連絡を入れてくれて病院へ向かいました。

助産師は病室まで付いてきてくれて、担当の産科医に連絡事項を伝えると、帰って行きました。

病室の様子

病室は日本の病室と変わりないような部屋でした。

ベッドもリクライニングするシングルベッドです。

日本の場合、陣痛中はこの様な部屋で過ごしますが、分娩の時には分娩室に行きます。

しかしオランダではこの部屋でこのまま分娩まで行われます。

陣痛が強くなっていくにつれて、酸素濃度を測る機械や赤ちゃんの心音を聴く装置が取り付けられていきました。

時間の経過と共に看護師さんが頻繁に来るようになります。

痛み止めはその時の状況で使うかを判断したいと伝えていたので、陣痛がピークになり始める前に使うかどうかを聴かれました。

筆者は痛み止めを使いました。

痛みが全くなくなるわけではないですが、日本で自然分娩をしたときに比べるとかなり痛みが緩和されていたように思いました。

痛み止めは点滴で入れていくタイプのもので、痛みの強さによって自分でボタンを押して投与できるというものでした。(おそらく量は調整されているはずです)

いよいよ出産

出産の時が近付くと、病室に産科の先生と看護師が常駐していました。

呼吸法やいきむタイミングなどをアドバイスされながら出産がすすみます。

この辺は日本とはあまり変わりませんでした。

その日に初めて会った産科医や看護師はとてもフレンドリーで優しく、不安は一切ありませんでした。

臍帯(さいたい)を子供に切らせてやりたいと希望していましたので、子供が産科医と一緒に切除。

臍帯は長い状態で、家に持ち帰ることができます。

日本は臍帯の一部だけですが、オランダでは厚いビニール袋に入れられて臍帯を家に帰るまでの間、備え付けの冷蔵庫で保管です。

少し衝撃的でした。

更に切除した時のハサミは、子供にプレゼントしてくれました。

産後から帰宅まで

その後、産後の経過を観る部屋に母子共に移動。(家族も一緒に)

日本では病院で出産すると感染などの理由から小さな子供などは同席できないことが多いのですが、オランダではそれはありません。家族みんなで新しい家族の誕生を見届け、迎えられるのは幸せでした。

あまり休む時間もなく、看護師さんが来て赤ちゃんのお世話を一通りしてくれました。

調子が良ければ、部屋に備え付けられているシャワー室でシャワーを浴びてくるようにと言われました。

言われるがままにシャワーに入りながら、産後すぐにシャワーに入っても何ら問題がないことを実感。日本では考えられません。

またすぐに看護師さんが来て、お茶と朝食(サンドイッチやフルーツなど)を勧められ、言われるがままに口にしました。

滞在中はおむつも産褥(さんじょく)パッド(産後の悪露のための生理用品のようなもの)もミルクも、部屋に備え付けられた棚に入っているので、自由に使って大丈夫ですと言われ、それらを利用していました。

赤ちゃんにすぐ母乳を与えるように言われる日本とは違い、病院にいる間は病院が用意してくれているミルクを、赤ちゃんが飲みたいだけ与えてあげて大丈夫と言われ、ミルクとおむつ換えをしながら時間は過ぎていきました。

日本では体重によって与えて良いミルクの量が制限されるので、赤ちゃんがお腹をすかせて泣くことも多々。

そうこうしているうちにお昼を勧められ、お昼ご飯(サンドイッチやヨーグルトなど)を食べていると、産科の先生が入ってきて、母子の体調をチェックして、「帰宅して大丈夫」と言われて、ゆっくり準備を整えて帰宅。

次の日の朝早く、オランダ人の年配のクラームゾルフが我が家にやってきました。

とても気さくで明るくて、赤ちゃんの抱き方など、新しい発見が有り、片言のオランダ語で会話したりしながら楽しい時間が過ぎました。

産後体調が悪ければクラームゾルフが助産師と連携して、必要であれば病院へ行く事も可能です。ですから産後の心配は一切ありませんでした。

そして何より、産後の回復が早かったことに驚きました。(ちなみに高齢出産でした)

バースプランに関しては妊娠編「オランダで妊娠したら? 受診手順から検査内容など日本との違い」に詳しく記載されています。

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オランダのクラームゾルフ(産後ケア師)について

クラームゾルフはオランダの産後には無くてはならない存在です。

オランダでは病院で出産したとしても、母子共に異常がなければ、半日後ぐらいには自宅へ帰宅します。もちろん、赤ちゃんも一緒に。

産後の疲れている身体で赤ちゃんのお世話をするのは、かなりの負担です。

ですから、産後すぐにクラームゾルフが自宅に来てくれて、契約期間中は契約時間内で赤ちゃんのお世話から簡単な家事などを行ってくれるのです。

加入している保険のタイプによって追加費用は変わりますが、産後の体調の心配などによってクラームゾルフとの契約を延長することもできます。(※予約時にその旨を伝えることを忘れずに)

クラームゾルフは妊娠4ヶ月までに電話で連絡して予約をとる必要があります。

問い合わせは加入している保険会社に行います。

クラームゾルフの役目

電話予約の後、家庭訪問があります。家のタイプや状況などをチェックしインタビューしにきます。

階段がある場合は、手すりが必ずしっかりと付いていることを確認されます。

また、自宅のベッドを介護しやすくするために高くするための器具(自分でベッドに装着する必要がある)を事前にレンタルするために注文して装着しておく必要もあります。

それから赤ちゃんを寝かせることの出来るベッドについてもアドバイスがあります。

クラームゾルフはその家庭の事情にあった形でフォローに入ってくれるのですが、筆者の場合は、午前8時頃にやってきて午後1時くらいに帰って行きました。

赤ちゃんの検温、母の検温、両者の体調や母の悪露の状況などをチェックします。

そして異常があれば助産師に連絡をして、自宅に来てもらうこともありました。

一通りのチェックが終わると、部屋の掃除をして、チェック表へ母子の様子を記入します。(この日記のようなものZorgplan formulierenは後ほど渡してくれます)

この間、母はずっとゆっくり休んでいなさいとベッドで寝たきりです。

もちろん、眠っていても大丈夫です。

母乳のチェックも

母乳育児のことをBorstvoeding(ボルストフーディング)といいます。

母乳を促すため、マッサージや搾乳、更に水分を意識的に摂取する様に言われました。

母乳が出ない場合は母乳コンサルタントへの相談(有料)もできます。

そこでは自動搾乳機のレンタルなどもしてくれます。

クラームゾルフは様々な産後の知識を提供してくれます。

母乳相談に関しては、薬局の薬剤師もできるそうです。

これから始まる赤ちゃんとの生活のためにもクラームゾルフが来てくれている間はとにかく体力回復に努めましょう。

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産後の赤ちゃんへの検査と家庭調査

産後間もなく、centrum voor jeugd en gezin という団体の職員(保健師)が家庭訪問してきて、赤ちゃんの様子や赤ちゃんの育つ環境を知るためのインタビューをします。

聴覚の検査も同じで、産まれてすぐの赤ちゃんの聴覚に異常が無いか、チェックをしにやってきます。

検査はとても簡単で、赤ちゃんに検査用の音を聞かせて反応を見るものです。15分くらいで技師は帰っていきました。

この団体はこれから子供が成長していく中での健康や環境に関わる全てのアドバイスや、予防接種などを行うところです。こちらも両親の許可を得て、情報登録をします。

そうすることで、年齢にあったインフォメーションが届くようになり、予防接種や健康診断を受けることができるようになります。

この訪問の際に、赤ちゃんの最初の検診の予約やオランダの母子手帳のようなもの(記事の最初の写真)をもらうことができます。

詳しくはこちらをご覧下さい。

https://centrumvoorjeugdengezin.nl/

ハウスアーツでの母親の産後回復チェックのこと

産後のお母さんのチェックは、直後は助産師が家庭訪問してチェックしてくれますが、約1ヶ月後のチェックは助産院ではなくハウスアーツに行って行われます。

ハウスアーツでは母親の産後の状況を聴くこと、腹部の収縮状況のチェックなども行ないますが、今後の避妊について聴かれます。

避妊を希望する場合、加入している保険によっても違うのですが、IUD(子宮内避妊用具)を産後のみ無料で装着することも可能です。

5年後の交換時期には100ユーロ前後(日本円で12000円前後※1ユーロ120円で計算)で装着が可能だそうです。

オランダで出産した後に注意するべき点

・出生宣言(geboorteaangifte)

オランダでは3日以内に出生宣言を住民登録がある役所(gemeentehuis)にする必要があります。

出生宣言には、赤ちゃんを出生した病院や助産院が発行してくれる出生宣言情報(informatie geboorteaangifte)が必要です。役所に予約をとって、これを持参して、出生宣言を行います。

・赤ちゃんの健康保険への加入

赤ちゃんが誕生したら、生後3ヶ月以内に健康保険に加入する必要があります。赤ちゃんが初めて診察を受ける際には必ず健康保険証が必要になることを忘れないようにしましょう。

政府のホームページ(健康保険関連のページ)

https://www.rijksoverheid.nl/onderwerpen/zorgverzekering

・居住許可証申請とパスポート作成

移住者の場合、居住許可証も早めに作成しておく必要があります。

居住許可証を作成する際にはパスポートが必要になりますが、子供の場合ある一定の条件を満たせばパスポートが無くても申請を許可してくれるようです。詳しくは以下をご確認下さい。また直接移民局に問い合わせてみるのも良いと思います。

詳しくはこちらのサイトをご覧下さい(移民局INDサイト)

https://ind.nl/Familie/Paginas/Kind-in-Nederland-geboren.aspx

初めてパスポートを作る場合、戸籍謄本が必要であることも忘れないで下さい。

赤ちゃんのパスポート作成で日本大使館へ行くと、日本の母子手帳をもらうこともできます。

・児童手当申請

オランダで子供を出生して役所に住民登録が済むと児童手当の管轄であるSVB(sociale verzekerings bank)に情報がいきます。

出生月によって受給開始の時期が変わるので、確認してみると良いでしょう。

児童手当に関するサイト

https://www.svb.nl/nl/kinderbijslag

おわりに

オランダでの出産についてのお話し、いかがだったでしょうか。

妊娠・出産は病気ではありませんと日本ではよく言われますが、日本のそれらへの妊産婦検診の内容はその様に錯覚してしまう要素が多すぎる様に思います。

しかしここオランダで出産をしてみると、その言葉の意味をしっかり実感できるのです。

気持ちを楽に望めるのがオランダの出産です。


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