平成28年(2016年)の10月時点での、海外の在留邦人の総数は133万人。
そのうち米国在住者が42万人となっており、アメリカの日本人滞在者数はダントツの1位です。(2位の中国が12万人)
また、海外永住者の総数46万人のうち、アメリカ永住者が18万人にのぼり、これもダントツの1位。(2位のオーストラリアが5万人)
アメリカは日本人の永住先としても圧倒的な人気を誇っていますが、永住権を取得するためにはさまざまな壁があるのも事実。
今回は、2014年にグリーンカードを取得したアメリカ永住者にその特徴や取得体験談をお聞きしました。
アメリカ永住権取得にお役立てください。
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なぜ、アメリカ永住権を取得しようと思ったのか?
アメリカ移住を考えたのは1990年代でした。
日本では大学受験に失敗し、アルバイト後、ある企業に就職、しかし、あまり将来性が日本ではないのでは?と考え始め、アメリカ留学を考えました。
英語もあまり得意ではありませんでしたが、英語の勉強をし、通信制の大学に通い、お金をため、アメリカ留学と移住の準備を始めました。
当時、アメリカでは簡単に国籍がとれると思い、5年以内にはアメリカ人だろうと思い、パスポートも10年ものでなく、5年ものにしたのを覚えています。
後に、アメリカ永住権、アメリカ国籍獲得は5年では短いということを知ることになります。
英語はTOEICで700点以上、英検は準1級でした。
将来、国際的な仕事をしたいと思い、大学では世界の歴史、国際政治、ビジネスなどを勉強しました。大学に留学するときに銀行の口座提出を求められましたが、1,000万円近くの留学資金をためてました。
ある留学エージェントを通じて、留学先の小さな専門学校を見つけ、アメリカについたのが2003年でした。
その学校でしばらく過ごし、素晴らしい人達と出会い、日本で体験できないことができたと思い、アメリカ永住を最終的に決めました。
アメリカにはどんな種類のグリーンカード・永住権がある?それぞれの特徴は?
アメリカ永住権ですが、わたしが持ってるのは雇用を通じての10年ものの永住権です。
グリーンカードには、2年ものと10年ものがあります。
2年ものは、結婚をアメリカ人とすると得られるもので、2年間離婚がなければ10年ものに切り替えられます。
グリーンカードの種類
グリーンカードの申請は、結婚以外にも、
- 雇用を通して
- アメリカの家族、親類を通して
- アメリカに多額の投資をすることによる
- グリーンカードくじに当選する
- 政治的な難民などの理由
で認められます。
アメリカ雇用をとうしてのグリーンカードも、例えばスポーツ、芸術などですごい才能を持つ方、国際的な業績のある研究者などには優先されます。
国際企業の重役も有利です。
普通の会社員などは審査はすごく時間がかかります。
永住権は5年をすぎると、アメリカ国籍を申請する権利が与えられます、日本は2重国籍を認めていないせいか、何十年アメリカに住んでも、日本国籍だけの方もいますが、他の2重国籍を認めている国から来た人は、米国籍をとっても、生まれた国も国籍を持ってます。
実際に取得して感じるグリーンカード・永住権のメリットや魅力、デメリット
メリット
・アメリカ人と同様に就職できる
永住権があるとまず、アメリカ人と同様に就職ができるということです。
ビザですと、もちろん働けますが、転職や仕事にかなり制限があります。
また、転職にも多くの書類が必要になり、弁護士を使い多額の費用を払う場合もあります。永住権には転職のさい、ほとんど制約はありません。
・アメリカへの入国審査が楽になる
その他にも、旅行するにも、入国審査などが楽になります。
・生活の制約が少ない
ビザなどに比べると、生活上の制約が少ないです。
例えば自動車免許の取得、更新も私の州では、ビザの有効期限内まで免許が有効などの制約がありますが、グリーンカードはアメリカ人と同様などです。
そのほか、アメリカに多い不法移民とその家族と違い、国外追放の心配がない、など多くのメリットがあります。
デメリット
・投票権・選挙参加・政治権利はない
ただし、デメリットとして、投票権はなく、選挙に参加できない、政治権利を主張できない、といったことが挙げられます。
・6ヶ月アメリカに暮らさなければならない
グリーンカードはアメリカに年間6ヶ月は原則暮らさなければならない、などの制約もあります。
グリーンカードが取り消されることもある
また、グリーンカードには取り消される危険性もあります。
例えば、
- グリーンカード目当ての偽装結婚
- 殺人などの重大犯罪をおかす
- 6ヶ月以上アメリカを離れる。
などの理由で取り消される可能性がありますので、注意しなくてはなりません。
アメリカの永住権取得の体験談(取得までのストーリー)
アメリカに永住したいと思い、留学したものの、まず、学校の授業が大変でした。
その後も就職、インターンシップがなかなか決まらず、一時は無理かと諦めたら、あるアメリカ企業が採用してくれて、そこでしばらく働きました。
これはCPTと呼ばれる、学校の授業の一環としてのインターンシップでした。
その間、次の就職先を探しながら、アメリカで就業する、移住す方法を本格的にインターネットで探し始めました。
CPTのあとは、OPTと呼ばれる、もう1年間インターンシップをやれる権利が取得できます。
このOPTを使い、次の企業に就職、そこでうまくいかず、途方にくれていたら、他の企業が採用してくれました。
この企業で10年近く働きましたが、その間、H1Bと呼ばれる就労ビザを取得しました。
H1Bは高い技能や学歴を持つ、エンジニアなどに与えられるもので、1回3年、最大6年までの有効期間があります。
グリーンカードを申請すれば、H1Bヴィサは6年後も更新でき、私もHビザを8年近く持っていました。
最終的にグリーンカードは2014年に取得できました。アメリカに着いたのが2003年、11年かかったことになります。
永住権取得に関して知っておけば良かった予備知識や情報
語学
まず、英語ですが、日本で習う英語は基礎的なものです。
アメリカ人の話す英語はTOEICのようなゆっくりしたものでなく、かなり早く、スラングが多用されます。やはり、TOEIC 700は最低必要です。
ビザの知識
今振り返ってみると、ビザの知識は何もありませんでした。
アメリカ留学する際、大使館に書類を出した記憶がありますが、ほとんどの学生はFビザが与えられますが、当時は私はFビザと言う名前すら知りませんでした。
アメリカのビザ情報はインターネットで学習してください。
日本人に関係あるビザは
- F(学生向け)
- LとE(駐在員向け)
- H1B(高い技能の持ち主)
- OPT とCPT(インターンシップ用)
などです。
日本人にはJビザ(数年間のインターンシップビザ)で来る人も多いです。
ビザについてはそれぞれのビザがアメリカ永住権取得の可能性があるのか、などをよく調ベてください。
アメリカでの就職
アメリカでの就職ですが、日本人にとっては日本からきている企業への就活が、日本語がわかるということもあり有利です。
また、ビザの取得も日本語がわかると便利な仕事ということで、アメリカ移民局への説得性があります。
最近のトランプ政権は、アメリカ第一主義でアメリカ人の雇用を優先させようとしています。
H1Bビザも改革しようとしています。
トランプ大統領はJビザの廃止を主張したこともあります。インターネットで状況を調べると良いと思います。
業界としては、
- ハイテク
- 日系企業の多い自動車業界などの製造業
- 日本人向けのサービズ業(旅行、食品レストラン業界など)
が優位です。
職種はエンジニア、会計の需要は常時あります。
大卒の学歴があり、上記の業界、職種の方はビザ、グリーンカードの取得が優位になります。ご自身の職種、業界がアメリカでどれくらい需要があるか、インターネットで調べると良いと思います。
アメリカのグリーンカードを取得されたい方へのメッセージ
振り返ってみると、ビザのことなど何も知らずに、弁護士と相談し、インターネットで調べて、グリーンカードを取得したんだなと感じました。
アメリカ人との結婚、グリーンカードくじに当たる以外では、アメリカ留学ーインターンシップーH1Bビザなどで就職ーグリーンカード申請、が一般的です。
それぞれの過程についてよく調べてみてください。
かなり、長くかかりましたが、やはり、忍耐も必要と感じます。
あまりに時間がかかるので、途中で永住権を諦めてしまう方も多いのも事実です。
もし、アメリカが素晴らしい国と感じ永住したい場合は、かなり長く待つことも必要です。
私はアメリカにきてよかったと思っています。
最近の政治情勢は移民、外国人に厳しくなっています。しかし、歴史的にはアメリカは移民を受け入れてきた国で、外国人に寛容です。
皆さんも頑張ってください。
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