海外に住んだら、文化の違いにどう馴染めばいいのかわからない。
日本の良さを聞かれても、案外うまく言葉にできない気がする。
海外での経験を、その後の人生でどう活かせばいいのかイメージが湧かない。
そんな方に向けて、前編に引き続きアメリカ・カリフォルニア在住10年のようこさんにインタビューしました。
テスラでの勤務を経て、現在は日本の魅力を英語で発信するプロジェクトも手がけています。
この記事を読むと、便座の高さから職場の空気まで驚いた数々のカルチャーショックの中身、そして海外に出たからこそ気づけた日本の魅力と、今後子どもたちに届けたい経験がわかります。
節目の10年で本を出版 「敷居を下げたい」という想いからプロジェクト
移住10年という節目を迎え、ようこさんは自分の経験を1冊の本という形に残しました。
これから海外で挑戦したいと考えている若い人たちにとって、もう少し気軽に一歩を踏み出せる存在でありたいという想いからです。
本は分野ごとに分かれていて、読者が好きなところから読み進められる構成にしてあります。
現在はYouTubeでも発信をしています。1つは愛犬の動画を載せているだけの個人チャンネル、もう1つは最近始めた「ジャパンエクスプレイン」というチャンネルです。
本を書く過程で多くのアメリカ人にインタビューをする中で、日本に興味を持つ人がとても多いことに気づいたのが、このチャンネルを立ち上げたきっかけでした。
便座が高くてパンもこねられない アメリカのスケール感に驚いた日常
渡米して最初に驚いたのは、とにかくすべてのスケールが大きいことでした。家も道の幅も、国立公園と呼ばれる場所も、まるで森のような広さです。
生活の細部にもその大きさは表れていました。
便座が高くて足が床に届かない、キッチンのカウンターが高くてパンをこねるにも踏み台が必要という具合です。
街路樹も日本とは桁違いに多く、散歩をしているだけで緑の豊かさを感じられる環境だったといいます。
「お客様は神様」ではない接客と、高校受験がない教育制度
レストランやスーパーでの接客も、日本とは大きく違っていました。
お客様は神様として丁寧に扱われる日本とは対照的に、現地では店員と客が対等、むしろ客の方が「すみません、ください、ありがとうございます」と低姿勢になるような雰囲気だといいます。
料理も丁寧に置かれるというより、ダーンと置かれることが多いそうです。
逆にアメリカの人が日本を訪れると、そのサービス精神の高さに驚くことが多いとも語っていました。
教育制度にも驚きがあり
義務教育が高校まで続き、住んでいる場所によって通う高校が自動的に決まるため、日本のような高校受験がありません。
帰国子女の子どもたちにインタビューすると、通っていた学校が数学に強い学校でつらかったなど、良くも悪くも様々な感想があったそうです。同じ社会という科目でも担当教師によって教える範囲や成績のつけ方が違うことも、フェアではないと感じた点でした。
中学校のお昼にボランティアで見守りをした際は、掃除の人が入る前提のため生徒が自分の食べたゴミを片付けない光景にも衝撃を受けたといいます。
ドーナツ片手に仕事が決まる アメリカ流スピード感のある職場
ようこさんが働いていたテスラの拠点は、工場も併設された活気ある場所でした。
場所ごとに違う音楽が流れ、配送センターのスタッフが踊っていることもあるほどで、その雰囲気が大好きだったといいます。
休憩スペースにはコーヒーやシリアル、スナックが自由に置かれていて、音楽を聞きながら会話をする社員の姿が日常的に見られました。
何より印象的だったのは、決断のスピードです。
誰かが持ってきたドーナツを片手に立ち話をしているうちに、困りごとの相談相手が見つかり、電話一本でトントンと物事が決まっていく。
日本のように上司の承認やハンコを重ねる文化とは対照的でした。
行政サービスにも同じダイナミックさがあり、週1回のゴミ収集では大きなアームがゴミ箱を豪快に持ち上げ、伐採した木もチップにして公園の敷材として再利用されています。
公園も頻繁に手入れがされていて、夕方には家族連れで賑わうそうです。この行政サービスの充実ぶりは、日本も見習っていい点だとようこさんは感じています。
迷惑行為のニュースを見て始めた「本当の日本を伝える」プロジェクト
現在ようこさんが力を入れているのが、アメリカ人の友人と一緒に運営する発信活動です。
友人が抱く日本の習慣への疑問を、深掘りして説明していく内容になっています。
きっかけは、日本を訪れた外国人観光客の迷惑行為に関するニュースでした。
行動の裏にある本当の理由を知らないまま来日しているのではないか、事前に理由を知って敬意を持てれば行動も変わるのではないかと考えたそうです。
円安によって日本を訪れる敷居が下がっている今だからこそ、伝える意味があると感じています。
このプロジェクトを始めた直接のきっかけは、以前出版した本が日本語だったことへの周囲の反応でした。
アメリカの知人たちから
「なぜ日本語で書いたのか、読めないじゃないか。アメリカにも日本に興味を持っている人がたくさんいるのに」
という声を多くもらったそうです。
今はYouTubeでの発信が中心ですが、最終的には2冊目の本という形にまとめたいと考えていて、今度は英語での出版を目指しています。
息子が見たインドネシアの現実 「井の中の蛙にならないで」
ようこさんが感じる日本の魅力は、小さな国でありながら地方ごとに強い個性があることです。
東北なら温泉やお祭り、京都なら歴史というように、広いアメリカにはあまり見られない土地ごとの特色が、日本にはたくさん詰まっていると話します。
今後は、日本やアメリカをはじめとした様々な国の子どもたちが、互いの国を知る経験を提供したいという構想も持っています。
まだ考えている段階だといいますが、企業の海外拠点をつなげて、社員の子ども同士が交流できるような仕組みをイメージしているそうです。
その際に大切にしたいのが、きれいな場所だけでなく現実も見せることです。
ようこさんの息子は小学校低学年の頃にインドネシアを訪れ、ゴミが流れる川で洗濯や水遊びをする人々や、痩せた野良犬が歩く街の様子を目にしました。幼いながらに何か力になれないかと考えるきっかけになったそうです。
海外生活で得た一番の財産は何かと尋ねると、ようこさんは日本を外から客観的に見られるようになったことだと答えました。
ずっと日本で暮らしている人にこそ一度外に出て、外から日本を眺めてみてほしい。井の中の蛙にならないでほしいというのが、今のようこさんが一番伝えたいメッセージです。
カリフォルニア在住10年、元テスラ社員のようこさんに聞く、アメリカで驚いた文化の違いと、そこから見えてきた日本の魅力、そして子どもたちに届けたい国際経験の構想。
ぜひYoutube動画もご覧ください。
【後編】日本ではありえない?アメリカ移住者が驚いた文化の違い10選
世界中の日本人が参加する「せかいじゅうサロン」
世界へ広がる海外移住コミュニティ
世界中の日本人同士が繋がり、情報提供したり、チャレンジしたり、互助できるコミュニティ「せかいじゅうサロン」
参加無料。気軽に繋がってください。(2025年6月時点:参加者5800名超えました)






の学習内容の紹介.jpg)






