スペインに1年以上住んでいると、さまざまな書類の更新をすることになります。
日本のマイナンバー制度とほぼ同様のシステムを持つスペインでは、スペインに住んでいる全員にIDカードの所持を義務付けており、それはスペインに住む外国人も同様です。
そのときに、必要となる書類のひとつが、「スペインの民間の健康保険会社に加入しているという証明書」です。
特に、スペインで留学している人が、学生としてのIDカードを更新するときには、この証明書が必要となります。
といっても、学生さんであれば、日本でも保険会社なんて入ったこともない人が大半ではないでしょうか。
また、スペインでも、公共医療システムはありますが、診察までなにかと時間がかかってしまうことがあるのが実情です。
スペインで働いている方でも、民間の保険に加入することを考える方もいるかもしれません。
この記事では、スペインで加入できるおすすめの民間の医療保険会社を5社とりあげ、それぞれの主力商品を分析します。
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ここでは次の方の条件で保険を考えてみました
ここで、保険会社の商品を比較しやすくするために、以下のような架空の人物の条件を設定し、スペイン国内にある各会社の代理店で医療保険の見積もりを依頼しました。
その架空の人物の条件とは、以下のとおりです。
- 日本人女性
- 年齢は30歳。
- 2018年9月から、当面1年間、スペイン滞在予定。
- 救急医療・入院・緊急入院時の検査・歯科治療まで幅広くすべてをカバーできる保険を希望。
スペインの医療保険加入時の注意点
スペインで医療保険に加入するときに、注意しなくてはいけないことをあげておきます。
加入者は診療代、あるいは薬代の一部を負担する必要があるか
日本でいうところの「3割負担」というものです。
保険の種類によっては、患者負担があるものとないものとがあり、後者の方が保険料が高いです。
スペイン語で医療保険の患者負担のことをコパゴ(COPAGO)と呼びます。
この記事では、原則的に患者負担はない保険商品を比較します。
その保険会社が提携している病院が近くにあるか
スペインで民間の保険会社に加入すると、病気になったときにはその保険会社が提携している病院に行くことになります。
提携先の病院が近くにあるか、という観点から保険を選ぶのも一つの医療保険の選択の方法になります。
医療保険加入後でも、検査項目などによっては、保険の対象外になることがある
各医療保険に加入した後でも、ある検査や治療を受けるのに、一定の年月が必要なことがあります。
例えば、「エコー検査を当保険が負担できるのは、保険加入から6か月後から」などという条件があったりします。
すべての検査や治療項目が保険で賄えるわけではないので、注意が必要です。
この要件は各々の保険会社により、異なります。
ほとんどの医療保険は、月ごとの支払い
医療保険をスペインで加入したい人は、その前にスペインの銀行に銀行口座を持つ必要があります。
スペインの総合保険・MAPFRE(マフレ)
スペインの街中を歩いていると、かなりひんぱんに目にするのがこの赤い看板。
この看板がある事務所がMAPFREの代理店です。
スペイン全土で650万人の加入者と3000か所もの代理店を持つ、総合保険会社です 。
ここで、前述の条件で、商品名コンプレート(COMPLETO)保険料を算出してもらったところその金額は64.3ユーロ /月。
ただし、加入を希望する人の年齢などの条件によっては、もしも30歳以下なら38.2ユーロ/月まで下がる可能性があります。
このように、MAPFREの医療保険は年齢が若い人の優遇措置が豊富です。その優遇措置を受けられるかどうかの境目となる年齢が30歳です。
そのため、30歳以下でスペインに長期に滞在したい人にとっては、お得な保険会社であると言えるでしょう。
もうひとつのMAPFREのメリットは、その代理店の数の多さです。スペイン国内の中・小規模の町や村にもこの会社の代理店がありますので、保険に加入しやすいというメリットがあります。
SANITAS(サニータス)
スペイン国内でのこの会社の医療保険の加盟者数は約280万人。約1200ヶ所の病院や診療所と提携し、180の歯科医と提携しているスペイン有数の保険会社です。
加えて、この会社が独自に運営する病院もスペイン国内には存在します。
ここで、保険料の見積もりを依頼したところ、その金額は67.93ユーロ/月。ちなみに、患者負担ありの商品では金額は54.97ユーロ/月まで下がります。
また、スペインに留学中の学生向け保険の商品もあり、そちらの金額は48.28ユーロ/月 です。
サニータスはスペイン国内でも有数の保険会社のため、もしも公共機関に保険加入の証明書を提出しなくては行けない時などは、この会社の加盟証明書を持っていくと、問題なく書類をうけとってもらえることが多いです。
ADESLAS(アデスラス)
スペイン国内の医療保険加入者は500万人。またスペイン国内で1000か所以上での診療対応場所を保有するのが、アデスラスです。
ここで、上記の条件で保険料の見積もりを依頼したところ、その金額は51.1ユーロ/月。
アデスラス・プレナ・プルス(Adeslas Plena Plus)が、この会社の商品の中で最も幅広くカバーできる保険です。
また、アデスラスの場合も、スペイン国内に多数の診療所や病院と提携しています。
実は、このような診療所の中にはアデスラスの医療保険に加入していない人でも、診療を受けることができる場所もあります 。
このことは、スペインに滞在している人が知っておいて損はない情報でしょう。
DKV(デーカーウベ)
ドイツの総合保険会社ですが、スペインでもよく知られた保険会社です。
ちなみに、DKVはスペイン式に発音すると「デーカーウベ」となるのでご注意ください(英語式に「ディーケィヴィ」と発音すると、わからないスペイン人が多いです)。
スペイン国内では約200万人の加入者がいます。
この会社に見積もりを依頼した結果、その金額は58.65ユーロ/月、ただし、これは2018年7月末日までに加入した場合の金額になるのでご注意を。
この保険会社は、医療保険に特化した商品を販売しています。そのため、商品の種類が大変豊富です。
また、この会社のオフィシャル・サイトには英語のバージョンがあります。
加えて、他の保険会社と比べても、この会社の代理店には英語での会話に慣れた人が多いような印象をうけました。
スペインに到着した直後で、まだスペイン語に自信がない方にとって、英語で情報を得ることができる安心感は何にも変えがたいのではないでしょうか。
ASISA(アシサ)
スペイン国内に220万人の加入者を有し、また44の病院・診療所と提携しているASISA 。
前述の条件で見積もりを依頼したところ、その金額は53.90ユーロ/月となりました。
ちなみに、患者負担有の商品は2種類あり、それぞれ42ユーロ/月と28.7ユーロ/月となっています。42ユーロ/月の商品の方が患者負担の割合が少なくなっています。
スペインの保険会社まとめ
以上の、5社の見積もりを整理すると、次の表のようになります。
企業名 | ユーロ/月 |
---|---|
MAPFRE | 64.3 |
SANITAS | 67.93 |
ADESLAS | 51.1 |
DKV | 58.65 |
ASISA | 53.90 |
一番価格が高いのはサニータスで、一番金額が低いのはアデスラスです。
今回取り上げた5社では、歯科診療のみの保険も取り扱っています。
海外滞在中の歯の痛みというのは、耐え難いものがあります。
もしも、日本で歯科診療がカバーされていない医療保険に加入している場合、歯科診療対応の保険だけををスペインで加入することもできます。
その保険料は、この記事で取り上げた医療保険よりずっとお得です。
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