フランス映画の中で目にしたり、フランスを旅行した経験のある方は「ああ、あれね!」と思い当たる方もいるかもしれません。
ハグとも違う、フランス流のあいさつビズって一体どんなものなのでしょう。
先にフランスのビズについて簡単にまとめておきます↓
- フランス流ビズはほっぺたとほっぺたを軽くあわせる。
- ビズの回数は地域による
- 基本的には親しいものどおしで行われる
- 必ずしなくてはいけないわけではない。嫌であれば、握手などで対応するなど、自分でルールを決める
- 親子間はしっかりビズを行う
- プレゼントをもらったり、思いがけないサービスを受けた場合にビズはする
- ビズはあくまでも「相手への贈りもの」
今回は、このフランスでのあいさつあたるビズについて詳しく紹介していきます。
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1. フランス流ビズはどうやってする?
ほっぺたとほっぺたを軽くあわせます。
ほっぺたとほっぺたをあわせても、何の音もしませんが、たいていの人たちはそれと同時に口の中で「チュッ」「チュッ」と音を出すようです。
人によっては自分のくちびるをほっぺたにくっつけて来る人もいます。
ほっぺたに相手のぬれたくちびるがあたるので、このビズは苦手な方もいるでしょう。慣れた相手だともうすっかりあきらめてしまって、ほっぺたをつきだすのですけどね。
驚くことに、フランス人の中にはビズが世界共通のあいさつだと信じているいる人がいることです。
「日本ではビズをしないのですよ」というと、とてもびっくりされます。
地域別フランスでのビズの回数
また、おもしろい地図を見つけたのでご紹介します。
フランス全国を色分けして地域ごとのビズの回数を教えてくれています。
ほとんどの地域が右、左、の二回のようですが、三回、四回のところもあります。
2. 親しい者どうしに交わされるあいさつ。避けたい場合の対応
ビズはあくまでも親しい者どうしで交わされるあいさつです。
「ではどこからが「親しく」てどこまでが「親しくない」のでしょう?」
これはフランス人の間でもかなり個人差があります。つまり簡単にビズをする人、そうではない人がいるのです。
ビズをしない場合は?
たとえば公園で親しい友人が、全く面識のない人と話しているのにばったり会ったとします。
筆者は親しい友人にはビズをしますが、もうひとりの人にはどうしましょうか。
「なんとなく、この人とも友人になれそう」と感じれば「はじめまして」と言い、ビズを交わします。
「なんとなく、違うかな」と感じれば、「はじめまして」と言うだけにとどめておきます。
「この人とのビズはちょっと・・」と思ったら、とっさに手を差し出しましょう。握手を求めることはビズを避けることになります。
似たような場面で、ビズをしなかった人に「どうしてしなかったの?」とたずねてみたことがあります。
「初対面だったから」という答えがかえってきました。
自分でルールを決めているのでしょう。
ビズが親しい者どうしの間で交わされる、ということははっきりしていますが、「親しい」「親しくない」を決めるのはあくまでも個人の判断なのです。
3. 親子間でのビズ
フランスで子どもが生まれると、その瞬間からビズの習慣ははじまります。
フランス人は自分の子どもに「なんて小さいんだろう」「なんてかわいいんだろう」「なんて愛らしいんだろう」と感嘆の声をあげながら生まれたばかりの子どもに日に何度もビズのシャワーを浴びせかけます。
「おはよう」
「いってきます」
「ただいま」
「ありがとう」
「だいすきだよ」
「おやすみなさい」
子どもの成長によってかけることばは変化しますが、ビズをすることには変わりありません。
子どもも叱りつけたあとにも「わかった?大声を出してごめんね。さあおいで」そう言ってビズをします。
ビズの習慣はこうしてフランス人の中にしっかりと植えつけられていくのです。
筆者は日本人で、日本で育ちましたから、こんな風にビズのシャワーを子どもたちに浴びせることはありませんでした。
我が家の子どもたちは、フランス人の父親から、あるいは周りの人たちからビズのことを学んだようです。
末っ子が小さいときには両ほほ、くちびる、鼻、おでこ、という五段ビズをしてくれていました。
わたしの顔は彼女のよだれだらけになるのですが、子どものよだれなら全く気にならないのが不思議です。
朝、校門の前では親子たちがビズをしてお別れします。わたしたち親子は至極さっばりしたものですが、目と目をしっかりとあわせて「愛してるよ」と子どもにささやく親もいます。
フランスの学校では小学校の送り迎えが義務付けされていますから、夕方にはまた校門まで迎えに行かなくてはなりません。
ここでもまた校門で待ち構えた親たちが子どもたちをビズでお迎えします。
「一日、どうだった?」と言い合いながら、またまた濃厚なビズを交わすのです。
親子間のビズは子どもがいくつになっても「しなくなる」ということはありません。
六十歳の子どもが、八十歳の親とビズをする、という場面はあちこちで見られます。
わたし自身は日本人の両親に育てられて、ものごころがついてからは「抱きしめられた」記憶や「触れてもらった」経験はまったくといっていいほどありません。
ひるがえって、フランスにはいくつになっても親子とのスキンシップがあるのです。素敵ですね♪
4. 感謝のビズ、お祝いのビズ
会社の上司と部下、学校の先生と保護者など、普段はビズをしないのに、プレゼントをもらったり、思いがけないサービスを受けた場合に感謝の気持ちを表すためにビズをすることがあります。
「まあ、こんなことをしてくれて!」フランス人は驚きの気持ちを素直に口にし、そしてそれをビズという行為で表します。
あるいはお祝いごとにもビズは欠かせません。
お誕生日はもちろん、我が家の場合は父の日、母の日、子どもたちがたくさんのビズをしてくれます。
5. 病気のときや汗をかいている時には
ビズはあくまでも「相手への贈りもの」。
風邪をひいているときや、汗で肌がべたべたな時など、相手に不快感をあたえるような場合はその理由を言って、ビズを断ることがあります。
しかしこれも判断はその人次第。
咳が出ている人とはビズはしたくないな、とこちらが思っていても、相手がほっぺたを突き出せはこちらはそれを受けざるをえません。
また相手のほっぺたが汗でべとべとだったとしても、相手がそれを気にしなければ、しょうがない、となってしまいます。
よく言えばおおらかな人、わるく言えばおおざっぱな人が多いフランス人社会。あまり気にせずにビズの習慣を楽しみましょう。
フランス流ビズのまとめ
二十人ほどが集まる場所で、ひとりひとりにビズをするのは正直いって面倒、と思う場面も少なくありません。
会ってビズ、別れるときにもビズ、ともなると「またか!」とも思います。
しかしフランス人にはなくてはならないビズなのです。
一度ビズをすると親近感がぐっと増すこと間違いなしです。さあ、あなたも大いにビズを楽しみましょう!
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