アメリカでの大学編入システムを上手く使うことによって、たくさんのメリットがあります。
筆者は高校を卒業後に、単身でアメリカのアイオワ州へ留学生として渡米。
一般的にいう語学学校には通わず、現地にある2年制大学(コミュニティーカレッジ)へ入学をし、およそ2年間半在学した後に4年制大学へ編入し、卒業をしました。
ここでは筆者の体験談なども含む、アメリカの大学編入の
- 基本知識
- 編入システム概要
- メリット
- 編集の時期
- 必要な英語力
- 私立か、公立か
- 奨学金手当
について、をご紹介します。
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まずは基本知識!アメリカの大学システム
大学編入システムを説明させていただく前に、基本的なアメリカの大学のシステムを簡単に説明させていただきます。
アメリカの大学(大学院と博士号を除く)には2種類あり、日本と似たように短大と4大があります。
- 短大:コミュニティーカレッジ
2年制
卒業後、Associate’s degree(アソシエイトディグリー)が学位として取得 - 4大:ユニバーシティー
4年制
卒業後、Bachelor’s degree(バチェラーディグリー)取得
現地のアメリカ人学生、そして留学生を含め、大きく分けて2通りの大学への通い方があります。
- 高校卒業後に2年制大学へは行かずに、そのまま4年制大学への入学を決める。
- 2年制大学へまず通い、アソシエイトディグリーを取得してから4年制大学へと編入する
2つめの方法で4年制大学に編入した場合は、大学3年生から始めることになり、その後2年間学校へ通って卒業できます。
ちなみに、私もこの方法で4年制大学へ編入しました。
アメリカの大学編入システムとは?
まず、みなさんは“編入”という言葉を聞くと何を想像されますか?
日本でいう大学編入とは、大学などでの在学者が4年制大学の3年生として入学をするという制度みたいですね。編入をするための試験などもあるようです。
(私自身は日本の教育過程が高校で終わっているため、日本の大学編入システムはあまり把握していません。)
一方、アメリカの大学編入システムは、日本のシステムと違うところが多くあります。
アメリカの大学編入はもっと融通が利きます。
基本的に、2年制大学に在籍している、または2年制大学の学位をすでに取得した者は、4年制大学へいつでも編入することができます。
多くのアメリカの大学(2年制、4年制)は1年間が2つの学期で分けられています。
- 1月〜5月の春学期
- 9月〜12月の秋学期
です。
編入希望の大学への願書などを済ませ、大学から正式な合格通知が来ると、この2つの学期に合わせて新しい大学で勉強をはじめることが可能です。
5月〜9月の夏学期でも編入可能な大学も多数あります。ですが、一般的なのは春学期と秋学期です。
アメリカでの大学編入の際、日本のシステムとは違い、試験等はありません。
編入時にいわゆる願書を希望大学に提出し、結果を待つという形です。
2年制から4年制への編入の際は、全ての4年制大学が編入生用の願書を受け持っており、オンライン上での願書提出が一般的です。
下の写真は、私が実際に通った大学の願書提出に関する大学のホームページです。
黄色い枠のマークがあるところのTransfer Student (トランスファースチューデント=編入希望学生)というのが編入希望専用の学生のためのページになり、ここから願書が出せるようになっています。
編入のメリット
多くの学生は2年制大学を経て4年制大学への編入をします。
編入をして4年制大学に入る場合、2つの大きなメリットあります。
2つのメリット
- 2年制大学から編入することで多額の学費がセーブできる。2年制大学の学費は、4年制大学でかかる2年間分の学費にくらべると断然安いから。
- 2年制大学はまだ専攻分野がしっかり決まっていない学生にとって興味のある分野を見つける手伝いをしてくれる場所だから。
4年制にそのまま高校から入学するとすぐに専攻分野を決めその授業へととりかかります。
もし専攻分野を変えたくなったら、今まで取得した単位はほとんど無駄になり、また1から新しい専攻分野でのクラスを取り直さなけれないけません。
大きな決断ですよね、4年間も自分が選択した専攻分野で飽きないか、他の分野に興味がわかないか、など多少の悩まされることがあります。
ところが、2年制大学へ進学することによって、大学では様々な分野の専攻授業を取ることが可能です。
少し興味があったり、興味がある専攻分野でも実際にどんな授業なのかや分野の基礎知識などを知ってから、自分が本当に勉強したい専攻分野を2年制大学にいる間に決めることができます。
そうすると自然と4年制大学編入時、専攻選択であまり気をとられ悩むことはありません。
編入する時期は?
2年制大学に在籍中、卒業見込みが決まるのがだいたい卒業式の2〜3ヶ月前です。
私は春セメスター始めに卒業見込みが決まり、その年の5月が卒業でした。4年制大学への編入を考えていたために、編入先の大学は1年前ごろから探し始めたと思います。
2年制大学で私は犯罪学を専攻していたため、志望4年制大学を決める際に犯罪学、心理学などの学部が充実していることを重点にしてリサーチを行っていました。
通っていた2年制大学がある町には4年制大学が2つあり、引越しが可能範囲な他の町を含めた州内では4つほどの大学がありました。(私がいたのはアイオワ州です。)
他の州にある大学も多少目を向けましたが、実際のところ引越しや様々な理由で編入先の大学はアイオワ州内と、先に決めていました。
大学選びの際には、人それぞれ重点をおくポイントは様々ですが、私は先ほど言ったように希望している専攻がどれだけ大学で充実しているかを重点におきました。
大学のホームページにくまなく目を通し、
- 特に興味があった心理学部の教授がどんなリサーチをしてきたか
- 学校外でどんなプロジェクトを行ったかなどを学び
- それらが自分の勉強したいトピックなどに沿っているか、そうではないか
ということを慎重に見極めます。
大学リサーチの際に重点をおくポイントは他にもあります。
大学が編入の際に留学生へ求める英語力(TOEFLが一般的です)、希望大学が公立か私立か、そして希望大学が留学生へどれだけの奨学金手当をしているかです。
大学編入の際に留学生へ求める英語力は?
留学生は編入の際、願書に本人の英語力を証明する書類が必要な大学があります。
私が願書を出したうち、2つの大学がこの書類を必要としました。
他の大学は出願者がすでにアメリカで2年制大学を卒業していれば、英語力を証明する書類の提出を免除してもらえるといいことになりました。
大体TOEFLで61点から80点前後が4年制大学編入に適しています。
補足ですが、もし日本の高校を卒業し、そのままアメリカの2年制大学または4年制大学に正規で留学する場合(私がそうです)は、必ずTOEFLの点数がかかれた正式な書類を願書と一緒に提出する必要があります。
TOEFLについて詳しく知りたい方は公式ホームページを訪ねてみてください。
公立・私立、どちらを選ぶ?
次に希望大学が公立か私立かについてです。
日本と同様、アメリカの私立大学の学費は、公立に比べて高いです。約2倍の学費を払わなければいけません。
しかし、留学生にとっては、あまり公立、私立の学費大差があまりないのが現状です。
公立に行った場合、全ての大学が地元の学生に求める学費(イコール=アメリカ人、アメリカ国籍を持っている生徒、または永住権保持者)と留学生に求める学費を2つに分けており、留学生が払う学費はアメリカ人学生に比べおよそ1.7〜2倍の値段です。
一方、私立大学では、基本的に生徒に対し学費は一律になっています。留学生が払う学費は、アメリカ人学生とほぼ同じ金額です。
留学生が公立大学に払う学費と私立大学へ払う金額を比べると多少の差はあります。公立大学の方が多少安くなっています。
お金の面を比べれば留学、編入をするには公立大学がいいのでは?と思いがちです。
しかし、この2つの大学をお金の面以外で比べると、私は私立大学をお勧めします。
ちなみに、私自身も私立大学へ編入をしました。体験談を含め、いくつか例をあげたいとおもいます。
私が私立大学をおすすめしたい理由
公立大学と私立大学での大学での大きな違いは生徒の数です。
6割から7割の生徒が公立大学を選ぶ中、私立大学は公立に比べ全体の生徒数が少ないです。
生徒が少ない分、1つのクラスの生徒数が25人から30人のため、私立ではプライベートな授業を受けることが可能です。
公立では、大きな講義室で約150人から300人程度の学生が揃って授業が行われるため、教授と生徒との間に莫大な距離があるといえるでしょう。
私が在学中に選択した授業では、ほとんどが20人以下の生徒数であり、常に教授と生徒との間でコミュニケーションがありました。
授業中に質問を気軽にできたり、教授のオフィスへたまにはたわいもない雑談をしに行ったりと、規模が小さい大学だからこそ生徒と学校側がとても近い関係になることができます。
もちろん、クラスの生徒同士、皆顔見知りにもなり、クラス外での交流も増えることも頻繁におきます。300人程度の学生が授業を受ける公立学校ではありえない話です。
留学生への奨学金手当
お金の話にもどります。
アメリカの大学では、奨学金制度というものをよく耳にします。奨学金制度イコール=Scholarships(スカラーシップス)です。
これらの奨学金は、一度学生が受けると返済をしなくていいものです。
大学へ編入の際に、
- 希望大学が留学生へどれだけの手当をしているか
- 奨学金の種類がどれだけ豊富か
を見極めることが大切です。
公立大学も私立大学も奨学金制度はあり、学校により様々ですが、正直なところ私立大学のほうが奨学金の種類、留学生への手当は厚いです。
そして、正しい学校選びで自分にあった大学を選び、留学生にしか与えられない奨学金制度のリサーチなども行い、納得のいくアメリカ留学生活が送れることを願っています。
公立大学はその州によって運営されているために、奨学金は州からの支援を受け、決まった規定の額を選ばれた学生だけに州の自治体から奨学金を生徒へ受け渡すことになっています。
一方で、私立大学というのは公立大学とは違い、州などからの支援をうけることができません。
しかし、アメリカには献金をうけやすい社会システムが存在し、私立大学は毎年多額の献金を受けることができます。
これらの集まったお金がたくさんの生徒へと奨学金として使われているということです。
特に、私立大学は学生の多様化に力を入れている大学が多いので(生徒数を増やしたいという意向も含め)、留学生に対しては奨学金を必ずといっていいほど与えてくれます。
私の通った大学でも、編入するすべての留学生に対しては奨学金が配られました。そのうえGPAという2年制大学を卒業した時の成績がよければ良いほどに奨学金の値段が上がるというシステムでした。
与えられた奨学金で約4割の学費が毎学期、卒業まで毎回支払われたのが私の場合です。
下の写真は私が実際に通った私立大学の奨学金手当のページです(編入生だけのための奨学金)。
すべて英語ですが、真ん中にある表の一番左上に記載されているGrade Point Averageというものが2年制大学で取得した成績の数字になります。
もし、2.5から2.74を2年制大学で取得した場合(大体の学生平均成績は3.0です)は、80万円の奨学金がこの4年制大学から生徒へと与えられるという意味です。読み方は同じで下のコラムに移り、2.75〜3.24の成績の場合100万円が与えられるということです。
アメリカの大学編入システムをより効率的に利用するには
正規での留学をし4年制大学編入を希望している方、または語学学校からの各大学への編入をご検討されている方は、まず希望専攻が定まっているかどうかを確認することが1番大切です。
選んだ専攻分野で卒業をし、就職にもつなげていける可能性があるので、自分にとって何が一番興味深く、勉強意欲をそそぐかなど慎重に専攻分野を選んでください。
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