前回の記事「起業準備編その1、その2」では、オランダで個人事業主として移住するための手続きの流れや費用、住まい探し等についてご紹介してきました。
今回は初めて個人事業主として起業される方のために、ビジネスプランのアイデアになるようなオランダで流行っている「日本のコト・モノ」をご紹介します。
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1.オランダ人が抱く日本に対するイメージ
オランダは江戸時代から幕末の鎖国中の日本において、ヨーロッパ諸国では唯一国交を維持していた国ということもあり、日本との関係は非常に深いです。
しかし直線距離で9,184キロと遠く離れている日本へは行ったことがないというオランダ人が多く、オランダ人からでてくる日本のイメージは「日本食・満員電車・地震が多い・ものづくり」など。
日本に関する知識や経験は他国の外国人と比べて大きく変わらないという状況です。
ただし、その歴史の深さと比例して概ね日本や日本人に対するイメージは良好で、日本に関する「流行り」はオランダにも多数存在しています。
具体的にオランダでどんな流行りがあるかご紹介します。
2.オランダで流行っている日本のコト
オランダでは個人事業主がとても多く、誰でも気軽に参加できるワークショップやワークアウトが多数存在します。
例えば、休日の公園では10名ほどのグループが一緒にシェイプアップメニューを行なっていたり、図書館などの公共の場所を借りて趣味を楽しんだりと、自由に自分たちの興味感心を深めたり楽しんだりしている光景をよく目にします。
それに伴い、日本の幅広い文化に対するワークショップやイベントも多数開催されています。
その中からオランダで流行っている日本のコトと題して、いくつかピックアップしてご紹介します。
ZEN(禅)
海外の経営者やセレブなどにもとても人気があるZENですが、ここオランダでもすごく流行っています。
ZENのイベントやレッスンを行なっている会社やグループはオランダで多数存在し、特にオランダで有名な「zen.nl Nederland」ではオランダ国内に38店舗あり、主要都市はもちろんのことローカル都市にもあるほどです。
オランダ人はヨガと同様な感覚で、癒しや精神統一を求めて参加しています。
コスプレ
フランスやイギリスだけでなく、コスプレに関してはオランダでも人気です。
オランダ人が経営している日本のアニメやマンガ好きが集まるバーなども存在し、コスプレを楽しんでいます。
またオランダでは「Anime」という日本のアニメコスプレイベントが存在し、イベント期間中はものすごい盛り上がりをみせます。
武術
根強い人気を誇る日本の武術。各主要都市にも多数の道場が存在し、空手や柔道などを若者を中心に教えています。
日本式プライベート空間
オランダ人の住まいはどこの御宅もまるでモデルルームのような華やかさ。
もともと倹約文化であったオランダ人も、人生の中で優先順位が高い家族との時間を過ごす家の中に関しては、快適さと華やかさを追求しています。
そんなオランダで自宅の一部に日本庭園や露天風呂を作る人が増えているようです。
3.オランダで流行っている日本のモノ
2.でも記載したとおり、もともと倹約文化であったオランダですが、オランダに長く住む日本人が最近よく言っているのが「ここ2、3年でオランダの外食文化が目まぐるしく変わっている」ということ。
外食にもコストをかけ、日本食に関しても受け入れられているバリエーションが増えています。
寿司
世界的なブームですが、ここオランダでも日本食の中でダントツの知名度で人気があります。
最近ではスーパーでも寿司が売られているほどです。
しかし、本格的な日本の寿司が食べられるお店はオランダでは非常に少なく数えるほど。
オランダでは「SUMO SUSHI」(下の写真をご参照)というチェーン店が有名で、寿司だけでなく唐揚げや枝豆、デザートなど寿司以外のメニューも食べ放題です。
オランダに初めて「all you can eat(食べ放題)」というシステムを導入したと言われています。
日本人にとっては味や内容も含めて寿司屋というよりは大衆居酒屋というイメージのほうが近いかもしれません。
マンガ・アニメ
こちらもコスプレと同様、非常に人気があります。
テレビでも日本のアニメが放映されており、クレヨンしんちゃん、遊戯王、ハム太郎は子供に人気です。
各都市にあるコミックを扱うお店やホビーショップではオランダ語に翻訳された日本のマンガが多数存在します。
しかし、オランダ人の10代20代の若者曰く、「本当はもっとたくさん読みたいけどコミックが高くてなかなか買えない」とのこと。
どうやら日本の2倍以上の値段がするようです。
流通コストや翻訳コストなど様々な費用がかかるので厳しいかもしれませんが、ニーズがあることはたしかです。
和牛
すっかりオランダでも浸透してきた和牛。
オランダ国内に多数存在するハンバーガーショップでは「Wagyu burger」という商品をつくり、定番バーガーよりも単価をあげて販売しています。
また、和牛の受精卵を購入しオランダで和牛ブランドを展開しているオランダ人経営の畜産農家もあります。
日本酒
ドイツの隣国であり、あの世界的大企業のハイネケンがあるオランダではビールというイメージが強いかもしれませんが、最近日本酒も流行っています。
特に甘い日本酒が好まれている傾向です。数少ない日本料理を食べられるお店で接待などを行い、日本酒が楽しまれるというビジネスシーンも珍しくなに様子です。
男性だけでなく女性にも好まれており、日本酒を割ったオリジナルカクテルも存在します。
また日本食品(味噌や豆腐、納豆なども)を自宅に届けるサービス「三五八屋」というサービスも展開されており、対オランダ在住の日本人向けのサービスも存在します。
オランダでは日系企業が多数存在し、日本人がたくさん居住している街(アムステルフェーン)もあるので、対日本人向けのビジネスの可能性もあるかもしれません。
4.個人事業主が多いオランダらしい仕事がしやすい環境
オランダは他国と比較し、会社登録やビザ取得のためのコストが圧倒的に少額ですむことから個人事業主が非常に多い国です。
※費用の詳細などを詳しく知りたい方は「約70万円でオランダ起業ができる!準備と手続き方法」をご覧下さい。
そのため個人事業主が働きやすい環境が整っていることも日本人移住者には嬉しいポイントです。
今回はオランダ国内に90箇所以上スペースがある「コワーキングスペース」の中でも特に人気のある施設「Seats2meet」(シーツーミート)をご紹介します。
起業した経験がなく、仕事をしようにもなかなか自宅では集中できないという方には特にオススメです。
下の写真にあるようにWi-Fi環境や電源完備のワーキングスペースです。
オランダに利用料・飲み物などは無料!(一部有料もあり。)付帯施設を無料にするかわりに有料会議室を法人などに提供し収益をあげています。
利用者は自身の能力やスキルをシェアすることがアカウント登録時の条件なので、例えば何かのスキルに精通している現地の方を探しているという場合も、自由に利用者を捕まえて話をかけることができます。
利用するための敷居が非常に低く手軽な部分も人気の理由です。仕事がはかどりそうです。
5.まとめ
日本から遠く離れたオランダでも日本人ならではのビジネスチャンスはたくさんありそうです。
また個人事業主が働きやすい環境も整っています。綿密なビジネスプランを最初から創りあげることもなかなか骨の折れる作業かつ、難易度が高いと感じられる方もいるかもしれません。
個人事業主に優しい国オランダで、まずは日本人らしさを活かしたスモールビジネスから始めてみるというスタンスでもよいかもしれません。
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