イギリスの子育て事情。誰もが子育てしやすい社会制度と環境とは

イギリスの子育て事情。誰もが子育てしやすい社会制度と環境とは

家族でイギリスへ移住したり、またイギリスで結婚し家庭を持ち、子育てをイギリスで経験する人は少なくありません。

しかし海外での子育ては不安が付きまとうものです。

そこで本記事ではイギリス在住歴の長い筆者がイギリスの子育て事情について解説していきます。

イギリスでは子どもの安全がとても大切に考えられています。そのため日本では馴染みのないルールもあり、戸惑うことが少なくないと言っても過言ではありません。

しかし、ここで紹介するイギリスの子育て事情をご覧になれば、イギリスで不安なく子育てをすることができるでしょう。

イギリスでは子どもの安全が第一。日本と異なる3つのこと

1. 子どもの送迎は必須

日本では小学生以上となると子どもたちだけで集団登下校もしくは個人で登下校が一般的です。

しかし、イギリスではプライマリースクール4年生以下の子どもの登下校に、保護者もしくは保護者に依頼されたベビーシッターなどが同伴することが慣習となっており、特に下校の際は先生が迎えの人が来ているかを確認します。

そのため、登下校時の学校周辺は送迎に来た大人たちでごった返すのが常となっています。

また車で送迎をする人も少なくはないため、近辺の道路も混み合います。

なお保護者以外が送迎する場合は、事前にその旨保護者から学校に知らせておく必要もあります。

2. 小さな子ども(たち)だけで留守番をさせない

子どもの送迎と同様、子ども(たち)だけで留守番させることはタブーとされており、昼夜問わず、保護者またはベビーシッターなどが子どもに付きそう必要があります。

イギリスでは結婚して子どもができてからでも、夫婦が恋人時代のようにデートを楽しむことは少なくはありません。そのような場合はベビーシッターなどを依頼することが常となっています。

3. 子どもの安全確保にはご近所も協力

上記の通り、子どもの安全を確保するのは子どもを持つ親にとっては優先事項です。

そのため、もし子どもがひとりで歩いている姿が見かけられた場合、警察に通報されることも稀ではありません。いわゆる「ネグレクト」として取り扱われるのです。

また子どもを異常に叱りつけていたり、手を出しているのを見かけたりした場合も、「虐待」として見なされることがあり、警察に通報されることが一般的となっています。

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  1. 子供服には消費税がかからない!

子どもは成長が早く、買ったばかりの服がすぐに小さくなってしまうということも少なくはありません。そのため、子どもの洋服代に頭を悩ませる人も少なくはないでしょう。

しかし、イギリスでは子どもの服飾費に対して消費税は免税されています。つまり全く消費税がかからないのです。

イギリスの消費税は20パーセントと高く、また物価も決して低くはないため、日々の生活に苦労している人も少なくはありません。そんな中、子どもたちが少しでも豊かに生活できるよう、配慮がされているのです。

2. 出産は無料!

イギリスではNHS(ナショナルヘルスサービス)運営の医療施設にかかる場合、基本診察代はかかりません。さらに日本では平均40万〜50万円かかると言われている出産費用もイギリスでは無料となっています。

NHS運営の医療施設でも出産は超音波検診などの回数も少ないです。

そのため、プライベートの産婦人科を選択する人も少なくはなく、その場合はもちろん出産費用がかかります。

しかし、全体としてはイギリスでは貧富の差に関係なく、無事出産ができるよう配慮されています。

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3. ロンドン市内の交通費は10歳まで無料!

イギリス国内の交通費は日本に比べ、高めとなっています。

例えばロンドンで地下鉄を使い1駅移動するだけでも、ゾーン1(ロンドン中心地)の場合、2.4ポンド(日本円で約360円)となっています。

しかし、ロンドン市内を移動する際の交通費は、保護者(もしくは保護者同等の人)の同伴があれば、10歳までは無料となっています。

またイギリス国内の列車運賃も、5歳までは無料、15歳までは半額となっています。

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子育てのしやすい環境

1. バスにはベビーカー専用スペースあり!

子連れでのお出かけはけして簡単ではありません。特にベビーカーが必要な場合、移動は大変なのはもちろんのこと、特に混み合っている車内ではベビーカーの置き場所に困ってしまうものです。

しかし、ロンドン名物の赤い二階建てバス・タブルデッカーには1階席の真ん中あたりにベビーカーと車椅子専用のスペースが設けられています。

そのためベビーカーを畳むことなく気軽にバスに乗車可能です。

ただし車椅子利用者が優先となりますので、車椅子利用者が乗車してきた場合はベビーカー利用者は車椅子利用者に場所を譲りましょう。

2. 公立校の授業料は無料!

イギリスではセカンダリースクール終了(5歳から16歳)までが義務教育となっており、義務教育期間、公立校に通う場合、授業料は無料となっています。

また通学に必要な制服なども、上記の項目で説明した通り、子供服には消費税が課税されないため、格安で揃えることが可能です。

3. ベビーシッター&チャイルドマインダー

イギリスでは多くの女性が出産後に職場復帰を果たしています。

働く女性をサポートすべく、イギリスでベビーシッターやチャイルドマインダーが多く活躍しています。(ベビーシッターとは子ども宅で子どもの世話をする人、チャイルドマインダーはチャイルドマインダー宅で子どもの世話をする人)

ベビーシッターやチャイルドマインダーは保護者に変わり、学校の送迎も担ってくれ、また保護者が仕事を終え、帰宅するまで自宅またはチャイルドマインダー宅で子どものお世話をしてくれます。

義務教育前の就学スタイル

1.プリスクールとデイナーサリー

イギリスでも日本同様、義務教育開始前に日本の幼稚園や保育園に相当する機関に通うことが一般的となっています。義務教育前の就学スタイルは

  • 日本の幼稚園に相当するプリスクール
  • 保育園に相当するデイナーサリー

があり、いずれも公立と私立があります。

なお、プリスクール、デイナーサリーとも、週5日通う必要はなく、また通園を午前・午後のみと選択することも可能です。

2. 公立プリスクール

公立プリスクールに通園できるのは3歳以上です。

入園には1年以上前からの申し込みが必要で、また料金が無料となっているため、入園が叶わない場合も少なくはありません。

3. 私立プリスクール

私立プリスクールの多くは2歳以上の子どもに門戸を広げています。

申し込み方法、時期はプリスクールにより異なりますが、人気の私立プリスクールには生まれてすぐに申し込みが必要と言われることもあります。

4. 公立デイナーサリー

公立デイナーサリーは生活保護を受けている家庭に門戸を広げており、生活保護を受けていない家庭には一般的ではありません。

5. 私立デイナーサリー

私立デイナーサリーへの入園は生後数ヶ月から可能な場合もあり、また夏休みや冬休みなどの長期期間中も通園可能となっています。そのため、通常はプリスクールに通う子どもが休み期間中私立デイナーサリーに通うことも少なくはありません。

6)レセプション

レセプションとはYear1の前の学年を示し、就学する予定のプライマリースクールでレセプション期間を過ごすことが必要となっています。

つまりレセプションを受けずにプライマリースクールには通えないこということになります。

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教育熱心?放任主義?

1. 子どものために引っ越し?!

イギリスでは未だクラス社会(格差社会)の名残があり、また多くの移民が生活している関係上、地域格差が顕著であることは否めません。

そのため、地区により学校のレベルや雰囲気も大きく異なり、そのため、子どもの教育を考えて、よい学校に近い地域に家族で引っ越しすることもあります。子どものために引っ越し、両親が長い時間をかけて通勤している姿を見かけることも稀ではありません。

2. 私立校の授業料は高い!

先の項目で紹介した通り、公立校に通う場合授業料は無料となっています。しかしより良い教育を受けさせるため、私立校に子どもを通わせる教育熱心な家庭も少なくありません。

ただし私立校の授業料は高く、1学期の授業料が8,000ポンド(日本円で約120万円)を超える場合もあります。そのため、私立校は経済的に余裕のない家庭にとっては、入学が簡単ではない状況です。

3. 習い事

日本では平日の夕方や週末に塾やサッカー、ピアノなどの習い事を子どもにさせる家庭が多くあります。

イギリスでは、教育熱心な家庭ではほぼ毎日子どもに何か習い事をさせることが珍しくありません。人気の習い事はピアノやヴァイオリンなどの音楽系、体操クラブ、スイミング、テニスなどですが、家庭教師などに家に来てもらう家庭もあります。

特に子どもを私立校に通わせたい場合は、ピアノのグレード試験やスイミングやテニスなどの試合で優秀な成績を収めていると奨学金がもらえるため、友達と遊ぶ時間がないほど、習い事に通う子どもも多くいます。

その一方、子どもを自由奔放に、習い事などは最小限に、友人や家族と過ごす時間を最優先に子育てをしている家庭も少なくはありません。

子育てがしやすい国イギリス

最近では日本も子育てがしやすい環境となりつつありますが、それでもまだ子育てに対する理解が不足していたり、子育てに多額の金額がかかることは否めません。

その一方、イギリスでは誰もが子育てしやすいような社会制度があり、また子育てに寛容な環境が整備されていると言えるでしょう。

イギリスで子育ての機会がある人はぜひ上記を参考に快適な子育て生活を送ってみませんか?

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