永住権取得に繋がるイギリス3つのビザ解説とロードマップ

今回は、山下結穂さんにインタビューし、イギリスでの永住権取得に繋がるビザについて解説していきます。

永住権を取得するためには、まず居住するためのビザが必要です。

イギリスには本当にたくさんのビザがありますし、新しい種類のビザも増えてきています。

全てをカバーするのは難しいですが、現段階でのオススメのビザを紹介したいと思います。

永住権とビザの違いは何?

皆さんは、永住権とビザの違いをご存知ですか。

まずはこの違いを押さえましょう。

1. ビザには期限がある

ビザには、1年、2年、3年といった期限があります。

その期限が過ぎると、再申請をしなければその国に滞在することはできません。

また、再申請ができないビザもあります。

申請し続けなければならないのが、ビザと永住権の大きな違いです。

ビザには期限があるということを覚えておいてください。

再申請の際には、新しい書類や過去の活動報告などが必要になります。

2. 永住権カードにも更新がある

永住権カードにも期限があります。

例えば、イギリスの永住権カードは2024年まで有効です。

イギリスではこのカードがデジタル化されるという情報があり、そのため2024年でこのカードは使えなくなることになっています。

ただし、カードがなくなっても永住権がなくなるわけではありません。

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私のイギリス永住権取得までの道のり

私は8歳から日本で役者をやっています。

ずっと役者の仕事を途切れることなく続けてきたのですが、自分が本当にやりたいことができていたわけではありませんでした。

自分の役者としてのスキルに自信がなかったからだと思います。

「自分は役者に向いているのだろうか」

ずっとそんなことを考えながら十数年仕事を続けていました。

そのため、大学では全く違う分野、環境問題やエコロジー、バイオロジーなどを学ぶことにしました。

ドイツに行ったのはその学問の関係です。

ドイツで役者の仕事に目ざめる

ところが、人生って面白いもので、結局ドイツで役者の仕事を始めることになります。

やがて、「この国ではこんなやり方でお芝居をしているんだ」という気づきや、「皆がちゃんと学校に通いメソッドを持って仕事をしているんだ」ということを知り、お芝居の仕事がとても楽しくなってきます。

しかし、その当時、アジア人役者の仕事の幅はそんなに広くありませんでしたので、このまま続けて行って良いのか不安を感じていた頃に、イギリスに行くことなりました。

イギリス滞在がきっかけでビジネスを始める気持ちになった

ワーキングホリデーで2年間のイギリス滞在中に感じたのは、イギリスは本当に人種のるつぼで、色々なことができる国だということ。

自分には、イギリスが向いているかもと思いました。

その頃にドイツ人の方と婚約し、一度ドイツに戻ることになったのですが、どうしてもイギリスに戻りたいという気持ちになっていました。

自分のスキルに対する自信はまだなかったのですが、役者の仕事を中心にビジネスを始めて見ようと思うようになりました。

ワークショップを開いてみるとか、映像を作ってみるとか、そういったことをビジネスプランにまとめ始めました。

当時、イギリスのビザ情報はほとんどなかったため、約120万もかけて弁護士を雇いました。

何をすべきかは教えてもらえたものの、具体的にどう進めるのかは教えてもらえず、結局はイギリスに行って同じビザを取った人たちに聞きまくりました。

そんな経緯があり、自分で始めたビジネスを5年間続けて、ついに今年1月にイギリスの永住権を取得したわけです。

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イギリスで取得できる3つのビザ

イギリスでは本当にビザの種類が多く、ビジネスや留学を目的としたビザだけでなく、家政婦ビザや、家族同伴のビザ、ボランティアビザなどもあります。

今回は、主に就職を考えている、もしくは就職も可能性として考えている方に向けて、以下の3つのビザをご紹介します。

  • GLOBAL TALENT VISA
  • INNOVATOR FOUNDER VISA
  • SKILLED WORKER VISA

1. GLOBAL TALENT VISA

まず、一つ目、「GLOBAL TALENT VISA」について説明します。

このビザにはアカデミックと、アート・カルチャーの二つの分野があります。

GLOBAL TALENT VISA(アカデミック分野)

これは、主に教授や研究者の方向けのビザで、特に科学、工学、医学、社会科学、人文科学の分野が対象となります。

このビザを取得するためには、イギリスに存在する承認団体(英国アカデミー、王立工学アカデミー、王立協会など)から、大学を通じて認定を受けたり、フェローシップとして認定を受けたりする必要があります。

また、「UKRI」のような団体から研究助成金など資金提供を受けるという形でも取得可能です。

このビザを取得するためには一定の評価を受ける必要がありますが、それさえクリアすれば比較的容易に取得でき、永住権も取りやすいです。

ちなみに、お医者さんや看護師さんはHealth&Care Worker Visaが取りやすいです。

GLOBAL TALENT VISA(アート・カルチャー分野)

これは舞台、ダンス、文学、ビジュアルアート、建築、ファッション、映像業界など、あらゆる芸術文化に携わる方向けのビザです。

業界に5年以上携わっていること、少なくとも2カ国において実質的な実績を示すことが必要です。

例えば、新聞の記事に載ったとか、展示会を開いたというような証明があれば大丈夫です。

ただ、ここで一つ注意点があります。

日本人は謙虚すぎるので、自分の経験や実績を過小評価しがちです。

しかし、このビザの取得には、自分の経験を過大評価するくらいの気持ちが必要です。

さて、それではGLOBAL TALENT VISAの取得プロセスについて説明しましょう。

GLOBAL TALENT VISAの取得プロセス

アーティストとしてGLOBAL TALENT VISAを取りたいと思ったときの流れについて説明します。

まず、承認機関から推薦を得るための書類を作ります。

この書類は経歴だけでなく、他にも細かい条件があり、それをまとめて提出します。

書類提出の際の申請料は約456ポンド(約6万円)です。

ただし、金額は変動する可能性があります。

承認までには約3~8週間かかり、承認されるとメールや郵送で通知が届きます。

承認後、3ヶ月以内にイギリスの移民局「ホームオフィス」のサイトからビザの申請を行います。

誤解されている方もいるかもしれませんが、弁護士は申請代行を行いますが、書類作成は行いません。

さらに167ポンド(約2万円)の申請料を支払い、さらに「ヘルスサーチャージ」という医療保険料を支払います。

このヘルスサーチャージは、イギリスでの医療を受けられるようにするためのものです。

金額は個人によって変動するので、ここでは具体的な金額は省略します。

オンライン申請を行った後、必要な書類のリストが送られてきます。

ここから書類作成を行います。

その後、本人確認のためのアポイントメントを取ります。

アポイントメントでは、写真撮影や指紋認証を行い、オンラインで提出できなかった書類の追加提出も行えます。

ビザの取得にかかる期間は、日本で申請した場合は約3週間、イギリスで申請した場合は約8週間となります。

これがGLOBAL TALENT VISA取得の一連の流れとなります。

2. INNOVATOR FOUNDER VISA

次に、「INNOVATOR FOUNDER VISA」について説明します。

このビザは、今年の4月に新たに設けられたビザです。

これまで、似たようなビザが2つありましたが、一つは高額な資金が必要だったり、もう一つは取得が難しいものでした。

それで、この2つが合体して誕生したのが、INNOVATOR FOUNDER VISAです。

このビザを取得するためにはビジネスプランが必要です。

ビジネスプランの条件として言えば、革新的で、これまでにないようなビジネスであることが求められます。

さらに、そのビジネスが国内外に広がり、雇用を生み出す可能性があると見込まれることも重要です。

そのビジネスプランを承認機関に提出し、承認を得ると承認通知がメールで届きます。

その後、承認通知を持ってビザの申請を行います。

ただし、このビザの合格率は約85%と高いので、特別に心配する必要はありません。

次に、「Secure English Language Test」というテストを受ける必要があります。

一般的に言われる英語のレベル(B2程度)が必要です。

これは、日常生活で英語を問題なく使えるレベルです。

また、銀行の残高証明として、継続的に28日間1,270ポンド(15万~16万円)を銀行に残しておく必要があります。

この二つの条件を満たしていれば大丈夫です。

このビザの申請料は、全て込みで1,036ポンド(14万~15万円)となります。

3. SKILLED WORKER VISA

次に、「SKILLED WORKER VISA」について説明します。

これは、イギリスで就職するためのビザです。

もし自分が特定のスキルを持っていて、イギリスの企業でそれを活かせる可能性がある場合、このビザを取得できます。

まず、SKILLED WORKER VISAを取るためには、まず自分が働きたいと考えている企業が「スポンサーシップ」を持っているかどうかを調べる必要があります。

スポンサーシップを持っている企業がなければ、このビザは取得できません。

スポンサーシップを持っている企業は政府が発行しているリストになっているので事前に調べましょう。

次に、企業が求人している職種番号(Occupation code)を調べます。

しかし、職種によってはビザが取得できないものもあります。

例えば、料理人として「シェフ」と「コック」はどちらも料理を作る職種ですが、シェフはビザを取得できますが、コックはビザを取得できません。

シェフが料理のメニュー作成やレストランのマネージメントなど、より高度な業務を行うのに対し、コックは下位の業務を行うためです。

また、イギリスでは人手不足の特定職種については積極的にビザを発行する方針を持っています。

医療関係者、介護職の人たち、特にデイケア関係や自宅での介護が可能な人、障害者の介護ができる人たちが求められています。

その他にも、科学者、エンジニア、特に機械系や土木系の専門家、技術者や電気系の専門家、IT関連職、システム設計者、Webデザイナー、そしてアクチュアリーという保険の計算を行う専門家、建築家なども含まれています。

そして、芸術家も対象となります。

これにはオーケストラで音楽を演奏する人、楽器を演奏する人、ピアノ奏者、さらに役者も含まれます。

意外なことに、役者のビザ取得は比較的簡単です。

理由は分かりませんが、役者を求めている企業は多いようです。

ただし、まだスポンサーシップを持っていない企業もあるので注意しましょう。

スポンサーシップは企業が資金を支払って取得できるものです。

費用はおおよそ600ポンド、日本円にすると約8万円です。

「私が行くのでスポンサーシップを取ってください」と伝えれば、取得してもらえる可能性は高いです。

イギリスでは、他にもさまざまなビザが存在しますが、個々の状況によって最適なビザは異なります。

スキルを持っているという方にとっては、これらのビザが適しているのではないでしょうか。

ビザ取得Q&A

ここから、ビザ取得に関する質問にお答えします。

SKILLED WORKER VISAに関してはNayomiさんが答えてくれます。

Q1:ハンドメイドの作家はビザ取得が可能でしょうか?

難しいかもしれませんが、絶対に無理とは言えません。

ビザ取得の対象となる職種は皆さんが思われているよりも広範囲に及びます。

例えば、作っている作品が、どこかで表彰されたり、取り上げられたことがあるでしょうか?

そのような経験があるなら、ビザ取得は不可能ではありません。

ただし、自分自身の業績や経験だけでなく、他者や媒体からの評価や紹介も重要となります。

Q2:SKILLED WORKER VISAを取得するには、最低何年の経歴が必要でしょうか?

必ずしも長い経歴が必要というわけではありません。

また、その職種でどれぐらい収入があるかも一つの基準です。

それがクリアできれば、ビザ取得は十分可能です。

現在の職種については、これまで経験してきたものと似ています。

具体的には、カスタマーサクセスのスーパーバイザーという職種で、これまでにもカスタマーサービスやマーケティング、顧客対応の仕事を続けてきました。

この職種の方がイギリスには一人しかおらず、会社がイギリスでこれから伸ばしていきたいと思ったタイミングが重なり、スポンサーシップを取得してくれました。

これまでに経験してきたことが、今回のビザ取得のための職種リストにどのようにマッチするのか、という観点で考えてみると、自分がこれまでに経験してきたことが役立つ職種を見つけることができると思います。

Q3:ビザの更新回数に制限はありますか?

国によってはスキルのランクが設けられていて、そのランクによってビザの更新可能な回数も決まっています。

例えば、レベル5だと1年で5回まで更新が可能。

それ以降はレベルを上げないと更新ができません。

しかし、イギリスでは更新回数に特に制限はありません。

ただし、ビザの有効期間は3年。

その後、同じ職種を続けているか、会社を辞めていないかなどの更新手続きを経て、さらに2年の更新が可能です。

つまり、5年間ビザを持つことが可能、その後に永住権を申請することができます。

ビザを更新し続けて10年経過すれば、自分で永住権を取得することができます。

Q4:介護の職種に関しては、介護福祉士のような資格があったほうが有利でしょうか?

介護の業務についても、リストに載っているものであれば収入の上限や最低賃金などは特に問われません。

職務コードが求める最低収入というのがあると思うのですが、それさえ満たしていれば誰でも大丈夫だと思います。

ただし、これはイギリスの話であり、日本での収入については特に問われません。

Q5:ドイツでビザを取得した場合、どこでも移住が可能なのでしょうか?

移住は可能です。

ただし、移住先は、社会保障協定を結んでいる国に限ります。

EUに加盟している国が全て含まれるわけではないので、詳しくは公式情報をご確認ください。

条件を満たせば、ヨーロッパ内であれば、基本的にはどこにでも移住することが可能です。

ビザをドイツで取得してフランスで生活しようと考える人もいるかもしれませんね。

フランスのビザ取得は難易度が高いというイメージがありますよね。

ただし、税金の納付やビザの更新についてはドイツで行っていただく必要があります。

ビザの更新や永住権申請は、ビザを取得した国でしか行えません。

その国でビザを取得した後には、実はEUビザというものを取得できる可能性もあります。

これは永住権とは異なりますが、EUビザを取得すれば、ドイツに半年に一度戻る必要はありません。

ヨーロッパ内に6年以上滞在していれば、権利は失効しないのです。

Q6:今回紹介されたビザを取得した場合、その家族は同伴ビザを取得できるのでしょうか?

SKILLED WORKER VISAの場合、制限なく、ご家族や16歳以下のお子様と共にビザを取得できます。

一方、GLOBAL TALENT VISAとイノベイタービザは、一部制限があります。

その具体的な制限については、各ビザの詳細をご確認ください。

それでも、家族と共に移住することは可能です。

今日紹介した三つのビザは、家族を連れて移住できるビザです。

ドイツのビザも、就労や長期滞在のビザなどは家族と共に取得可能です。

Q7:イギリスのビザ取得に大学卒業資格は必要ですか?

今日ご紹介したビザについては、大学卒業資格は必須ではありません。

ただし、大学卒業の証明書があると、ビザ取得に有利になることはあります。

Ph.D.の学位を持っている人向けのビザもあります。

つまり、学歴があると取得できるビザの範囲が広がるということです。

学歴は、証明できるものが多ければ多いほどよい、という程度のものです。

私自身、早稲田大学の国際教養学部で英語の授業を受けたことを示すために、その証明書を出しました。

もちろん、これは必須ではないので、あくまで参考程度になさってください。

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イギリスで永住権を取得したい方へのアドバイス

最後に、これからイギリスで永住権を取得したい方や各種のビザを取得したい方へのアドバイスをお聞きします。

自分のスキルを過小評価しない

何のスキルもないという方から相談をいただくことがあります。

しかし、何も経験していない人なんているでしょうか。

何か特化したものを探し出して、それがどのビザに当てはまるかを見つければ良いのではないでしょうか。

もしくは、全然違う分野で働いていたとしても、スタートアップのような場所なら、何でも経験として生かせると思います。

全く経験がないという人は少ないと思います。

その経験を生かして、自分の過去を最大限アピールすることで、何かしらのチャンスを見つけられると思います。

自分では使えないと思っていたスキルや経歴も、客観的に見たら何か見つけることができるかもしれませんね。

永住権取得のためのサポート

私は、永住権を取得するときに、弁護士に依頼して120万円かかりました。

全ての申請費用を含めた金額です。

しかし、この金額がかかったのは最初の1回だけで、更新の際には同じ金額を払う必要はありませんでした。

2回目以降は情報が増えてきて、自分自身で申請ができるようになったからです。

2回目は書類のチェックのみの依頼、それ以外は申請費用だけで済みました。

3回目の永住権申請の際にはほぼ全てを自分で行いました。

最初の申請時にはかなりの費用がかかりますが、その後は自分で申請ができるようになるので、それほどの費用はかからないはずです。

最初の段階で皆さんのサポートをすることが私の目標です。

私が欲しかった情報や、当時得られなかった情報を皆さんに提供したいと考えています。

各種ビザの申請に必要な書類のリスト作成と、書類のチェックなどをサポートしています。

また、各ビザの取得に必要な書類を説明する講座を開催しています。

詳細はこちらの動画をご覧ください。

どのビザが自分に適しているのか、どのビザが取得可能かがわからない方には、私が経験したことを考慮し、どのビザを申請すべきかアドバイスします。

ぜひ、お声かけください。

相談料:7480円(税込)/一回

お問い合わせ:相談フォームはこちら

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