起業・投資で永住を叶える!オーストラリアのビジネスビザ4種を徹底解説

移民大国オーストラリアは様々な人材に対して永住権取得の門戸を広げています。

日本をはじめとする世界各国の起業家やビジネスオーナーもまた永住権を取得できるいくつかの方法、種類があります

「世界を舞台に自分のビジネスで勝負したい」
「培ってきたビジネスノウハウを使ってオーストラリアへ移住!」
「日本だけでなくオーストラリアでビジネス拡大を目指す!」

そんな方に、今回はオーストラリア移住を考える起業家やビジネスオーナーにとって有益なビザについての概要を現役の豪州登録移民書士が纏めてみました。

オーストラリア政府は、世界中で優秀な起業家や事業主のようなビジネス人材を移民として受け入れることにより自国の経済の発展を促進する目的を持ってビジネスビザを発行しています。

今回紹介する各種ビザは、1つを除き、数年間有効の一時滞在ビザを得ることによりオーストラリアに入国しビジネスや投資を始め、一時滞在ビザ有効中のビジネスや投資活動の成長具合や継続性を評価して永住権の申請に進むといった2段階方式のプログラムを組んでいます。

こうしたプログラムをビジネススキルプログラムと呼んでいます。

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ビジネススキルプログラムとは

企業オーナー、会社執行役員、優秀な事業又は投資履歴を持つ投資家を対象に、オーストラリア経済への継続的な貢献を見込んで永住権を含む長期滞在ビザを提供するプログラムです。

ビジネススキルプログラムの目的

オーストラリア国内で事業に参画する意思を持つ優秀な事業者に長期滞在ビザを提供することにより、こうした人材を移民政策の一部として呼び寄せ、国内主要都市だけでなく地方都市や人口の少ない地域の活性化に貢献してもらうという目的を持つ、双方にとってwin-winのプログラムとなっています。

ビジネススキルプログラムに属するビザサブクラスには以下のような種類があります。
(本文表示の金額は1豪ドル=90円で計算)

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1. サブクラス132 – ビジネスタレントビザ(永住権)

ビジネススキルプログラムの中では、直接永住権の申請ができる唯一のサブクラス。

申請料:$ 7,130~

申請ステップ

  1. オンライン上のスキルセレクトからビザ申請の意思表示(Expression of interest: EOI)を提出する。
  2. EOIの内容を基にビザ申請への一定の基準を超えたと判断された場合、州または地域政府からの推薦を受け、政府から申請招待を受ける
  3. ビザの申請を提出する

サブクラス132には2つのストリームが存在します。

①Significant Business History stream – オーストラリアで事業を行いたいと考えている有能な事業主向けストリーム

申請条件概要:

  • 55歳未満(特例あり)であること
  • 150万豪ドル(約1億3500万円) 相当の資産を保有し、移住後2年以内にオーストラリアへ資金移動をすることができること
  • 直近4年間のうち2年間で、年300万豪ドル(約2億7000万円) 相当の売り上げを計上していること
  • 直近4年間のうち2年間で、条件を満たすビジネスに対して自身(およびパートナー)が40万豪ドル(約3600万円) 相当の純資産を株主として保有していること
  • 発行済み株式の10パーセントを保有していること(上場企業の場合)
  • 以下の株式保有率を満たしていること
    年間売り上げ40万豪ドル(約3600万円)未満の会社:51%
    年間売り上げ40万豪ドル(約3600万円)以上の会社:30%
    上場企業の会社:10%
  • 事業主としての特筆すべき経歴を持っていること

②Venture Capital Entrepreneur – オーストラリアの投資組織(Australian Venture Capital Association Limited : AVCAL)に所属する投資ファンドから投資を受けた人向けストリーム

申請条件概要

  • ベンチャーキャピタル企業と正式に契約を締結し、100万豪ドル(約9000万円)相当の融資を受ける(venture capital entrepreneur stream)
  • スタートアップ・製品の商品化・実現的で有用性のあるビジネスアイデアに対する融資であること

現行のビジネススキルプログラムのうちで直接永住権を取得できる唯一のビジネスビザとなっており、取得すると永住を含む長期滞在をすることができます。

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2. サブクラス188 ビジネスイノベーション&投資 (暫定)ビザ

将来的に永住権(サブクラス888)取得につながる一時滞在ビザです。

有効期間:4年3ヵ月

申請料:$585

サブクラス188には5つのストリームがあります

①ビジネスイノベーションストリーム

  • 事業を所有し運営した経験がある
  • 55歳未満(特例あり)
  • ポイントテストで65点を獲得する
  • 直近4年間のうち2年、年間収益が50万ドル(約4500万円)計上した事業を所有している
  • 以下の株式保有率を満たす
    年間売り上げ3600万円未満の会社:51パーセント
    年間売り上げ3600万円以上の会社:30パーセント
    上場企業の会社:10パーセント
  • 自身又はパートナーが合計で80万ドル(約7200万円)のビジネスまたは個人資産を保有しており、移住後2年以内にオーストラリアに送金することができる

このストリームでビザが認可された場合、一度だけビザの延長(2年有効)が可能であり、合計6年間、合法的に滞在できる

②投資家ストリーム

  • 55歳未満(特例あり)
  • ポイントテストで65点を獲得する
  • 投資事業または認定されたビジネスに対する経営能力がある
  • 投資事業または認定されたビジネスに対する3年の直接的な経営経験を持つ
  • 投資事業または認定されたビジネスを成功させた実績を持つ
  • 初回投資後に引き続きオーストラリアでビジネスまたは投資を行う意思がある
  • 特定の投資を行った州・地域に最低2年居住する意思を持つ
  • 自身又はパートナーと共同で
    直近5年の内最低1年、以下の事業体を直接運営した
    認定された事業に対し最低10パーセントの株主を保有する
    150万ドル(1億3500万円)の投資額を保有する
  • 直近2年に渡り250万ドル(2億250万円)相当のビジネスまたは個人資産を保有する
  • 州・地方によって発行された証券に対して1500万ドル相当の投資を行い、発行から5年に渡り保有する意思がある

③上級投資家ストリーム

  • 500万ドル(約4億5000万円)相当の投資を行う
  • ビザが認可されてから4年間で500万ドル(約4億5000万円)の投資を行う意思がある
  • ビザ有効期間中、年間40日(扶養者は年間180日)以上をオーストラリアで過ごす

このストリームでビザが認可された場合、二度ビザの延長(各2年有効)が可能であり、合計8年間、合法的に滞在できる。

④高等投資家ストリーム

  • 1500万ドル(約13億5000万円)相当の資産を保有し、ビザが認可されオーストラリアに入国後に投資を行う意思がある

⑤起業家ストリーム

  • 55歳未満(特例あり)
  • IELTS6.0相当の英語能力を有する
  • オーストラリア国内にて認定された起業活動(complying entrepreneur activity)を行う、またはその意思があり、長期にわたって続ける意思を持つ
    Complying entrepreneur activitiyとは、製品やサービスの商品化をはじめとする事業アイデアを促進する活動のこと
    以下の機関から合計で20万ドル(1800万円)の融資を受ける契約を締結していること
    ー 政府系エージェント
    ー 州・地域政府
    ー 公的資金を受けた研究機関
    ー Australian Venture Capital Limited PartnershipまたはEarly State Venture Capital Limited Partnershipに登録された投資家
    ー 特定の高度教育プロバイダー
  • 契約の締結に際して融資額の10パーセントを起業機関に支払うことが可能であること
  • 起業機関に対し30パーセントのシェアを保有していること
  • 企業活動に対してビジネスプランを保有していること

申請ステップ

  1. オンライン上のスキルセレクトからビザ申請の意思表示(Expression of interest: EOI)を提出する。
  2. EOIの内容に応じてポイント換算が行われ(ビジネスイノベーションストリームと投資家ストリームのみ)、州・地域政府、またはAustrade機関からの推薦を受け、政府から申請招待を受ける
  3. ビザの申請を提出する

ポイントテストについて

各項目に応じて配点され、その合計点が基準点以上(65点)の場合にビザ申請の招待を得ることができる

  • 年齢点Age
  • 英語能力点English language ability
  • 学歴点qualifications
  • 事業・投資経験点experience in business or investment
  • 個人・ビジネス資産点net personal and business assets
  • ビジネス売上額点business turnover
  • イノベーション点innovation
  • 州・地域によるノミネーション点special endorsement.

3. サブクラス888ビジネスイノベーション&投資 (永住権)ビザ

サブクラス188を保持してオーストラリアに数年間居住した上で各種条件を満たした場合、永住権を取得できます。

保持していたサブクラス188のストリーム毎の基礎的な永住権申請条件は以下の通りとなります。

ビジネスイノベーションストリーム:
2年間ビジネスを保有し運営していること

投資家ストリーム:
4年間で150万ドルの投資を行ったこと

上級投資家ストリーム:
4年間で500万ドルの投資を行ったこと

高等投資家ストリーム:
1年間に渡り1500万ドルの投資を行ったこと

申請料金:2350ドル

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4. サブクラス405 投資家リタイアメント (一時滞在)ビザ

リタイアメントの年齢に差し掛かり、仕事もひと段落ついてのんびりとした生活をオーストラリアに求める場合にはぴったりのビザがサブクラス405になります。

ある程度の投資を行える資本を持つ方がオーストラリア経済に投資によって貢献することにより、4年間の一時滞在の権利を得ることができ、ビザ期間の延長も可能です。

一時的な海外生活を検討している方には最適なビザになります。

申請条件

  • 年間で6万5000ドル(585万円)相当の収入がある(特定の地方に居住する場合は5万ドル(450万円))
  • 75万ドル(6750万円)の資産を保有し、同額の投資を行う意思がある(特定の地方に居住する場合は50万ドル(4500万円))
  • 55歳以上で配偶者以外に扶養者を持たない
  • 州や地域によるスポンサーを得ること

申請料金:330ドル

オーストラリアのビジネスビザ・ビジネススキルプログラムまとめ

オーストラリアへの移住方法は実に様々な形や方法がありますが、事業主や会社オーナーなど、日本や他国で成功したビジネスをオーストラリアでもう一段階成長させたい方にはビジネススキルビザを検討してみるのも良いのではないでしょうか

近年オーストラリア政府は現行のビザシステムにテコ入れを計画しているため、永住権への道が突然閉ざされることも考えられます。

現在日本や世界中で事業を展開しているビジネスオーナーや起業家の皆さん、オーストラリアの永住権を取って勝負してみませんか?

2018年1月時点での情報を基にしております。

移民法は頻繁に更新されるため、常に新しい情報を得ることが永住権取得への確実な道となるのは間違いありません。

今回ここに記載されているもの以外でも永住権のプログラムは多岐にわたります。

ご自身にとって最適な方法で永住権を取得できるよう、専門家へ相談することをお勧めいたします。

記事提供:
WIDAUSはオーストラリアのクイーンズランド州ブリスベンにオフィスを持つ正規豪州登録移民書士(MARN登録番号 1794585)です。移民法に精通し常に最新の情報を提供できる専門家による初回無料相談を有効に活用してみてはいかがでしょうか。

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