アメリカ移住を予定している人の中には、国際結婚に向かって準備の真っ最中という方もいるのではないでしょうか。
「K-1ビザの手続きは、弁護士に頼んだほうがいいの?」
「自分たちで準備していたけど、大変すぎて行き詰ってしまった・・・」
あなたもこんなお悩みをお持ちではありませんか?
K-1ビザの申請手続きを弁護士に依頼することで、準備の負担はかなり軽くなります。
この記事では、実際にK-1ビザ申請の手続きを弁護士に依頼した筆者が、サービスを利用するメリット・デメリットをお伝えします。
弁護士を選ぶ際のポイントも詳しく解説しますので、これからK-1ビザの申請を進める方の参考になれば幸いです。
弁護士に依頼しようと思った経緯
はじめに、K-1ビザの手続きを弁護士に依頼することになった経緯をお伝えしたいと思います。
過去のビザ申請が大変だった
これまでにいくつかビザ申請をした筆者ですが、とても苦労した経験があります。
そのため、K-1ビザの申請手続きも大変な作業になりそうだと容易に想像がつきました。
私はこれまでに3度、学生ビザ(F・M)の申請をしています。
夫はグリーンカード(永住権)とシチズンシップ(市民権)の申請経験者。
お互いにビザ申請の大変さを経験済みだったことから、費用はかかっても弁護士に頼もう!とすぐに決めました。
永住手続きも必要になる
K-1ビザで無事アメリカに入国後、次は90日以内に結婚しなくてはなりません。
結婚といっても日本のように婚姻届けを出せばOKとはいかず、ちょっと面倒。
結婚すればアメリカに永住できるわけではないため、次はグリーンカードの申請手続きが待っています。
AOS(Adjustment of Status:アメリカ滞在中に合法的なグリーンカードを申請するためのプロセス)は、K-1ビザ申請ほど複雑な手続きではないといわれています。
とはいえ、それほど簡単ではなく時間もかかります。
過去の経験からも、K-1ビザと一緒に永住手続きも弁護士に依頼しよう!となりました。
弁護士に依頼するメリット
次に、K-1ビザの手続きを弁護士に依頼するメリットをご紹介します。
時間を節約できる
ビザ手続きを弁護士に依頼すると、手続きに関して調べる時間を大きく削減できます。
K-1ビザ取得の方法は、アメリカ大使館やUSCIS(米国移民局)の公式ページ、経験者のブログなどで情報収集が可能です。
しかし自分たちのケースにぴったり合った情報を探し出すのは、それほど簡単ではありません。解決するまでに何日もかかった、なんてことも。
自分たちでネット検索や問い合わせするよりも、正確ではるかに速い問題解決。移民法について、常に情報のアップデートをしている専門家ならではですね。
最新の情報と経験をもとに、無駄な時間を省いて手続きを進めてもらえます。
的確なアドバイスがもらえる
弁護士に依頼した場合、書類準備以外でも必要な場面で有益なアドバイスがもらえます。
ビザ手続きで困ることは、必要書類の記入方法や追加書類の有無だけではありません。
例えば、以下のような場面が考えられます。
- 警察証明を取りに行く適切な時期
- 健康診断と面接の予約で気をつけること
- 面接時の心構え
- 航空券予約のタイミング
- 残高証明の金額
- 仕事や住所を変更したときどうすればよいか など
その都度ネット検索もしますが、経験豊富な専門家からのアドバイスはとても助かりますよね。
なんといっても安心感がある
自分たちだけで手続きするよりも、頼りになる専門家のサポートがあれば大きな安心につながります。
ビザの手続きではわからないことが多く、これで合っているのかな?と不安に思う場面に遭遇します。
簡単な手続きでやり直しが何度でもできるなら、気楽に準備することもできるでしょう。
しかし、書類に不備があって手続きが止まってしまったら・・・。
あるいは、申請が却下されてしまったら・・・。
時間をかけて準備したにもかかわらず、追加書類の提出でさらに時間がかかってしまいます。それどころか、また始めからやり直しになってしまうリスクも。
完全に不安がなくなることはありませんが、手続きを弁護士に依頼することでビザ取得までのストレスを大きく減らすことができるでしょう。
弁護士に依頼するデメリット
K-1ビザの手続きを弁護士に依頼する際、どんなことがデメリットになるのかも気になりますよね。
続いては、弁護士に依頼するデメリットについて見ていきましょう。
費用がかかる
弁護士に依頼する最大のデメリットは、決して安くはない依頼料ですよね。
弁護士費用は、ざっと数千ドルになります。
ビザ申請費用だけでも数百ドルになり、健康診断の受診料や引っ越し代なども合わせるとかなりの出費。
なんとか自分たちで手続きができないものかと、依頼を迷ってしまうのも無理はありません。
2022年8月時点、K-1ビザ取得までにかかる申請料は$800、約11万円($1=137円で換算)です。
- I-129F :$535(アメリカ国籍のフィアンセがUSCISに提出する請願書)
- DS-160:$265(外国籍のフィアンセがアメリカ大使館/領事館に提出する申請書)
参照1:Nonimmigrant Visa for a Fianc(é)e (K-1) , Travel.State.Gov
さらに、アメリカ入国後にはグリーンカード申請費用の$1,225、約17万円が必要です。
- I-485:$1,225(ビザステータスを非移民ビザからグリーンカードへ変更する際の申請書)
参照3:I-485, Application to Register Permanent Residence or Adjust Status, USCIS
一連のビザ申請料のみでも$2,000以上、約28万円にもなります。
そのうえで、K-1ビザからグリーンカードまでのサポート費用として、$5,000以上はかかるとみておいたほうがよいでしょう。
現在手続き中の友人のケースでは、$6,000以上とのことでした。
申請時期が遅れてしまう場合がある
弁護士の都合によっては、書類確認に時間がかかり申請時期が遅れてしまう可能性があります。
依頼する弁護士事務所によっては、自分たちのケース以外に複数の対応をしている場合もあるでしょう。
そのため、書類確認に時間がかかってしまうことも考えられます。
実際に、私たちも1週間程度待つことが何度かありました。
USCISへの申請後は、何ヶ月もひたすら連絡待ちとなります。
そしてその間は、弁護士とのやり取りもしばらく連絡がない状態に。
弁護士に書類確認を依頼する段階でも、1週間以上連絡がないことがあるかもしれません。
ですがその場合は、弁護士事務所のお仕事状況に配慮しつつ、進捗確認の連絡をするとよいでしょう。
弁護士を選ぶ時のポイント
K-1ビザの手続きを弁護士に依頼する場合、どんなことに気をつけるとよいのでしょうか。
ここからは、弁護士選びでチェックするとよいポイントをお伝えします。
日本語でも相談できるか
英語のみよりも、日英バイリンガルの弁護士に依頼するのがおすすめです。
ビザの手続きは、専門用語を使った複雑な手続きとなります。英語が得意な人でも、理解するのに時間を要してしまうはず。
弁護士とのやり取りは、時には日本語のほうがスムーズな場合もあるでしょう。
弁護士事務所によっては、日本語ができるパラリーガル(弁護士業務のアシスタント)が在籍しています。
移民法に特化した弁護士を選ぼう
K-1ビザの手続きは、移民法を得意分野としている弁護士に依頼しましょう。
日本語ができる弁護士でも、K-1ビザの手続きに詳しくなければ依頼を受けない場合もあります。
就労ビザの対応がメインという移民弁護士もいますので、充実したサポートを受けるためにまずは得意分野を確認してくださいね。
社会的な信頼の確認も大切
ビザ手続きを弁護士に依頼する場合、弁護士本人や所属している事務所の社会的な信頼を確認しておくことも大切です。
具体的には、以下のような点についてチェックするとよいでしょう。
- 実績件数
- 経験年数
- オフィスを構えているか など
友人や自身の所属する会社などから弁護士の紹介を受ける場合は、ある程度安心して依頼できます。
しかし、なんのツテもなくネット検索などで弁護士を探している場合では、社会的な信頼があるか十分な確認を。
Googleやyelp(アメリカで人気の口コミサイト)の口コミ、アメリカの弁護士検索サイトAvvoが参考になりますね。
参照:Experienced lawyers are ready to help, Avvo
弁護士との相性も重要なポイント
手続きの途中で弁護士を替えることにならないよう、最初に相性をよく確かめることをおすすめします。
依頼する弁護士との相性次第では、手続きの進めやすさを大きく左右することも。
弁護士とのお付き合いは1年以上、場合によっては数年になることもあります。
相性がよくない弁護士に依頼してしまうと、余計なストレスを抱えてしまうことになりかねません。
具体的なチェックポイントは以下の通り。
- 対応はよいか
- 連絡頻度はどれくらいか
- 人柄は好感がもてるか など
まずは相談する段階で気になる点を確認し、自分に合った弁護士を見つけてくださいね。
さいごに
K-1ビザ取得について、弁護士に依頼するメリットとデメリットをご紹介しました。
手続きは弁護士に依頼すると即決した私たちでしたが、実際に依頼してみて本当によかったと感じています。
K-1ビザの手続きを弁護士に依頼しようかどうか迷っている方に、本記事の内容が少しでもお役に立てば幸いです。
時間と忍耐が必要なビザ手続き。アメリカでの楽しい新婚生活を思い描きながら、長い準備期間を乗り切りましょう。
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