大学の交換留学プログラムを利用する方、休学をして海外留学をする方など、海外へチャレンジされる多くの学生がいます。
ここでは、日本の大学を辞めて、フランスの音楽学校へ留学した方の体験談です。
フランスで何を感じ、何を発見したのでしょうか?ぜひご覧ください。
フランス留学で学んだ3つのこと
私は、日本の大学の途中でフランス留学をしました。
ここでは、フランスにいる人々との関わりの中で、発見や気づきでいっぱいの生活を楽しんでいます。
留学して新しい環境に身を置くというのは、自分を見つめ直すとてもいいきっかけになります。
語学や専門分野を学ぶことはもちろん、それだけでなく、人間として成長することができるはずです。
そこで今回は、私が主に学んでいる音楽を視点の中心に置き、その制度を簡単に紹介したうえで、その中で感じた3つのこと
- 無理の捉え方
- レッスンの進め方
- クラシック音楽の立ち位置
をお伝えしたいと思います。
なぜ、日本の大学を辞めたのか?
私はパリの音楽学校でピアノを学んでいます。ここに来る前は、日本の音楽大学に通っていました。
日本の音大にいた頃は、常に何かに追われているような毎日を過ごしていました。
ソロの練習もしなくてはいけないのに、伴奏や室内楽もある、新しい曲の譜読みが溜まる一方で、自分のやりたいことができない日々、正直ストレスが溜まっていました。
どうしたらこのサイクルから抜け出せるかと考えた結果、いっそのこと環境を変えてしまえばいいのだと思い、勢いだけでフランス留学しました。
そうしたら、やっていることはほとんど変わらないはずなのに、そのストレスがかなり軽減されたのです。
その理由は・・
次に、日本とフランスの文化の違いに触れながら、フランス人の音楽との向き合い方など、私が体験、体感していることをお伝えします。
フランスの音楽学校の制度
まずは、フランスの音楽学校の制度についてご説明します。
フランスには、国立の音楽大学がパリとリオンにそれぞれ2つと、各県に県立の音楽学校、さらに各区に音楽学校があります。
まるでピラミッドのような構造で音楽学校の制度が成り立っています。
さらにこれとは別に、私立の音楽学校というものがパリに2つあり、私はそのうちの1つに通っています。
一般的には、国公立の学校には比較的若く、現役で活躍している先生が多く、私立にも若い先生ももちろんいらっしゃいますが、退官されたあとに入った先生が多い印象です。
日本の音楽大学と比べると、修了時の試験がその先の進学に関わるなど、わりとシビアにレベルが分けられています。
特に私の学校は、入ることは誰でもできますが、修了できる人数がレベルによっては10%ほどという年があるくらい、難しい試験となっています。
ここから本題であるフランス留学して気づいた3つのことをお伝えしていこうと思います。
その1:無理の捉え方
試験やコンサート前に、日本の音大生がよく言う言葉として、「間に合わない」というものが挙げられます。
「間に合わない」言い換えれば、「できるかどうか分からない」ということです。
そう、日本の音大生はできるか分からないし、無理かもしれないことでも、やってみようとする人が多いです。
常にチャレンジしようとする気持ちを持っているという、いいところだと思います。
一方フランス人は、無理は絶対にしません。
間に合わないと思ったら、なんのためらいもなく自分の弾ける曲に変更します。
自分の状況やその試験やコンサートの特徴などをふまえて冷静に判断し、そのときにできる1番いい、無理のない選択をします。
プロでも同じ事が言えます。
コンサートで予定されていた曲が、当日行ってみたらまったく違う曲になっていた、という事がしばしば起こります。
でもコンサートのできがよければそれでいい、それをすんなり受け入れてくれるのがフランスのいいところです。
その2:レッスンの進め方
私がはじめてフランスの学校に入ったときに、驚いたことがあります。それは1年間でやる曲をざっくり先生が決めていたことです。
それもものすごい量で、時間にすると約3時間、これを全部やるのかと思ったときは正直ぞっとしました。
しかし、あくまでこれは先生からの課題なので、そこからどう進めるかは自分の意思で選択しなければなりません。
結果、私は全部できませんでした。
もちろん全部できたらそれはすばらしいことですが、レッスンの回数には限度があるし、できによって進行のスピードも変わってくるので、当時まだやり方を攻略できていなかった私にとっては難しいことでした。
私の先生の場合は、とりあえず弾けるというくらい練習をしてレッスンに行っても、1曲最後までみてはもらえません。
だいたい最初の数ページで時間が終わってしまいます。
基本的に妥協しないレッスンをする先生が多いので、先生の納得するものが弾けないと先へは進みません。先生によってはみてもらえないという場合もあると思います。
途中までであったとしても、曲に対する自分の意見をもっていないといけないのです。
以前私は、とりあえず全部を弾けるようにして、そのあと時間をかけて自分の考えや意見を付けたしていくという形でやっていました。
一般的に日本では、このような形でのレッスンや仕上げ方をしている人が多いのではないかと思います。
どちらにしろ、やることは同じなのですが、順番が違うだけで、曲のみえ方が変わったり、仕上げのスピードが変わったりします。
アプローチの方法を変えてみる、見方を変えるというのは大事なことだと実感できます。
レッスンは教えてもらうだけではなく、貴重な意見交換の場でもあるのです。
その3:クラシック音楽の立ち位置
フランスでは、電車の中や、街中で知らない人が話しかけてくることがよくあります。
私もとあるコンサートに行った時に、たまたま隣に座っていたおばさんに話しかけられ、休憩時間を共に過ごしたことがありました。
そのときに、音楽を勉強していることを伝えたら、ぜひ次のコンサートには誘ってほしい、クラシック音楽のことはよくわからないけど、聴くのは好きだから行きたい、と言われ、特に変な感じはしなかったので、その場で連絡先を交換しました。
このようなことができたのは、以前コンサートしたあとのパーティーで、音楽が根付いている文化の話を聞いたからです。
フランスには、街中にピアノがあったり、コンサートホール以外でも、美術館や市役所などでコンサートが開かれたりしています。
たまたまクラシック音楽をきく機会があるのです。
日本でも、京都に行った時にクラシック音楽が流れていたのを聞いたことがありますが、珍しいなという印象を持ったので、おそらくこのような機会は多くないと言えます。
一般的に日本では、クラシック音楽はコンサートホールでしっかり聞くというイメージがあり、敷居が高いと思われがちですが、先ほどの例のようにフランスでは、気軽に楽しめる音楽のジャンルの1つなのです。
最近は日本でも、食事をしながら楽しめるコンサートや、ロビーコンサートのような形式でのコンサートも増えてきていますが、お堅いイメージはぬぐいきれていません。
自国の文化としてクラシック音楽が根付き、小さくても誰でも楽しめるコンサートがたくさんあるフランスは、私にとってとても魅力的です。
また、コンサートで体の中から楽しんでいるような人をみていると、幸せな気持ちになります。
フランス留学で得られるもの
もしかしたら、フランスに行かなくとも、誰かと話しをしたり、このような記事を読んだりするだけで分かることもあるかもしれません。
しかし「百聞は一見に如かず」、自分で体験してみることで、さらにその自分の考えに確信がもてること間違いなしです。
見えていたはずのことがみえていなかったり、近くにある答えほどみおとしていたりすることは誰でもあります。
少し視点を変えることでみえやすくなることもあるのではないでしょうか。
もちろんフランス人にも日本人のような考えを持っている人もいるし、人によって違うことは言うまでもありません。
ですが、文化が違う場所で生きてみるのは、とても刺激的で、自分の生き方を考える1番の近道です。
私は音楽が専門分野なので、このような視点でフランスという国をみていますが、もちろん他の分野の人でも、同じようなことが言えるのではないかと思います。
留学というのは、それまでの環境を完全に変えなければいけないので、リスクも多少はありますが、そのリスクを背負ったとしても、確実にメリットの方が大きいです。
自分がほんとうにやりたいこと、どのように生きていきたいのか、ゆっくり考えることができます。
音楽との向き合い方はもちろん、生き方も自分自身で選択できるのです。
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