※この記事はせかいじゅうサロンの「海外在住者ピックアップ」企画で、紹介された内容です。
せかいじゅうの皆様こんにちは。マレーシア・クアラルンプール在住の村上雅子です。私は2019年7月から猫2匹とクアラルンプールへ移住してきました。
そして、2020年3月からスタートした国際的なパンデミックをマレーシアで体験し、早期リタイアをせざるを得ない状況を経てクアラルンプールでひとり暮らしを続けています。
マレーシアのメリットはGACKTさんはじめマスコミで報じられていますので、あえて語らず、実際に現地で生活している日本人のお話や自分の体験を踏まえた感想を書かせていただきます。
ちなみに、私はクアラルンプール生活に不便や不安を感じません。むしろ、住んでみてマレーシアが大好きになりました。
プロフィール
愛媛県松山市出身。地元の女性情報誌の編集長を経て2014年に退職。退職後はハワイ島へ短期留学。帰国後フリーの編集者として活動しはじめた2017年、唯一の家族である父親が末期がんに。父親が他界した後は、実家とマンションを整理して2019年7月からマレーシアへ移住。日本や周辺国の行き来をしながら新規事業を計画していたが、2020年3月からのロックダウンでリタイア生活へ。趣味はボディワーク。バリ島やチェンマイで習得。エサレンマッサージ、フルイドプレゼンス、ヒーリングダンスのプラクティショナー。
マレーシア主観的10のメリット
1. 生活コストが安い
2. 英語が通じる
3. 気候が温暖で過ごしやすい
4. 食事が日本人の口に合う
5. アジア・オセアニアへのアクセスが低コストかつ良い
6. 日本とほぼ変わらない生活環境
7. キャピタルゲインの税金がゼロ
8. 医療レベルが比較的高く、東洋医学やアーユルヴェーダも手頃
9. 人が穏やかで親日
10. 多国籍国家で人と違うが当たり前
マレーシア主観的10のデメリット
1. ルール変更が強制的で早い
2. 熱い湯船に浸かれない
3. 水道管が古く生活水が汚れている
4. 日本食とお酒、自動車が高い
5. 野菜の味が薄い
6. 日本と比べてエンタメが少ない
7. 日本よりも治安が心配で早朝や深夜の散歩をしたくない
8. 四季がないのでオシャレや食が楽しめない
9. 日本と比べると外食のコスパが悪い
10. 狭い日本人社会
移住のきっかけは?
父親の他界。実家を処分するにあたり、地元以外へ移るなら海外でもいいかな、と思ったから。マレーシアを選んだのは、ビザの取りやすさと生活コストの安さと英語環境であることが主な理由です。
私は日本にあるもの(実家など)を全て整理して移住を予定。老猫を2匹連れて行くので「10年スパンで住めるかどうか」が重要でした。それもあって、マレーシアに決定する前に2回視察しました。
候補はクアラルンプールと、シンガポールに近いジョホールバル。それぞれ現地で暮らす人に会って話を聞くほか、生活環境を視察してクアラルンプールに決めました。
マレーシアでのライフスタイル
2020年3月のロックダウン以降は、事業の計画が頓挫。もともとセミリタイアでの移住だったので、もう無理せず完全リタイア生活へ移行しました。
マレーシアで都市化が進んでいる地域は、日本とあまり変わりません。イオンや伊勢丹が進出しているので、日本食材は日本の1.5倍ぐらいの価格で手に入ります。
オーガニック製品は日本並みに揃います。ただし、日本食材同様に、ローカルがあまり利用しない輸入製品は日本より価格が高いです。
なので、メディアで吹聴されているような物価が日本の1/3になるかどうかは、その人がどういった衣食住を選ぶかで変わります。ローカルの中間層向けの物件に住んで、ホーカーで食事をし、ユニクロより安いマレーシアのファストファッションの服を着れば、確かに6~10万円のレンジで一人暮らしできます。
ちなみに、マレーシアは一極集中でクアラルンプール以外の州は圧倒的にローカル感があります。首都クアラルンプールに次いで都市化が進んでいるジョホールバルですが、大阪のようなイメージとは違います。
クアラルンプールは日本と変わらない利便性ですが、公共交通機関が不便で首都とはいえ車社会です。日本と同じ左側通行で東南アジアの中では運転しやすい方だと思います。タクシーアプリ(grab)での配車サービスが発達していて、料金は10キロ300円〜ぐらいと安いです。
クアラルンプールは住みやすいですが、私は海外にいる感覚が薄いです。話している言語のメインが英語であるのと、昼と夕方にアザーンが聞こえるぐらいで違和感なし。私のような日本食を日常的に食べたい海外初心者にはオススメだとは思います。
ローカルの文化を感じられるエリアであれば、ペナン島やイポー、リタイアメントで自然が好きな人であれば(※)世界3大ダイビングスポットがあるボルネオ島も良いかもしれません。(※サバ州は政府がマレー人の雇用を強く守っているため、現地採用での外国人の移住が難しいかも)
私個人の日常は、ジム、マッサージ、映画鑑賞、読書、公園でのウォーキングのルーティーン。国内旅行がOKの時は、ドライブやダイビングをして気分転換していました。コンドミニアムにプールはありますが、水泳好きの私でも約2年住んで2回しか泳いでいません。
私がクアラルンプールに感じた最大の良さはエアアジアの本拠地であり、アジア・オセアニアのハブ的な空港があるという点。長距離バス代程度で日本に帰れますし、オーストラリアやニュージーランド、モルディブすら1万円台で行けましたが、今はそのメリットが活かせず、国内の観光地は周辺国と比べると外国人には物足りない印象かもしれません。
イスラム教は人物像を含めて動物の絵が禁止されているので、アートなど文化的な施設が極端に少なく、エンターテインメント性には欠けます。アウトドアの趣味があれば、ゴルフ、釣り、ダイビング、サーフィン、渓流遊び、キャンプなど楽しく過ごせますが、ライブや舞台などのエンタメは東京とは比べ物にならず、幅が狭く少ないです。
一年中常夏なので、服代は激減しましたが、同時にオシャレの楽しみもダウン。着飾りすぎると、スリや引ったくりのターゲットになる確率が上がるので、私は街に溶け込むような地味カジュアルばかり着ています。
言語や住環境については、私のnoteに詳しく書いていますので興味があれば、そちらを読んでください。
現時点でやっていること
現時点では長期投資をしています。マレーシアは仮想通貨を含めてキャピタルゲインに対する税金がゼロ。アジア・オセアニアの会社のリサーチなどをしながら投資の勉強中です。
サロンメンバーさんに伝えたいこと
マスメディアが伝えるマレーシアのイメージは、メリットを誇張しすぎていて実態は違います。偏った意見を鵜呑みにせず、信頼できる情報を得て、自分に合うかどうか考えた方が賢明です。
現地採用、駐在、自営の日本人の方々にマレーシア生活の感想を伺うと、好き嫌いがくっきり分かれます。
マレーシアを愛している人もいれば、一刻も早く日本へ帰りたいと思う人、マレールールに大きなストレスを抱えている人、東南アジアに馴染めない人などなど。。
囚人のような活動制限令を体験しても私は、移住して結果良かったです。現時点で旅行も外出もできませんが、そこまでストレスはありません。
長期の海外滞在ではストレスになりやすい食事も問題なし。アメリカやハワイやバリでは1ヶ月過ぎたあたりから「うどんの汁だけでも飲みたい、米がベタベタのおにぎりでもいいから食べたい」ほどきつかったのですが、クアラルンプールは生涯ここでも大丈夫です。オシャレなカフェも増えて、中心地でラテが280円ぐらい。好きなだけカフェ巡りができます。
しかし移住して良かったというのは、55歳の私がこれまでの経験から感じること。国境がずっと閉じて日本へ帰れない、仕事もできない、誰にも会えない、という状況は、人によっては心を病むほどきついと思います。
また日本と大きく違う点は、新ルールの適用が早いこと。今日できたことが明日からできなくなるのも日常茶飯事です。
例えば、マレーシアは5000RM(約13万円)以上の従業員は即解雇できます。現地採用ですと、いきなり無職でビザも補助もない、という状況が起こりえます。
日本人の事業者は、日本からもマレーシアからも補助(※)がなく、閉業した人も多いです。(※マレー人の従業員に対する給与保障はあり)
特に、2021年6月に再度フルロックダウン(FMCO)が決定してからは、本帰国を決める日本人が増えてきました。マレーシアのMCO(活動制限令)は周辺国に比べて強制力が強く、決定から施行まで2日程度でエッセンシャルサービス以外の経済活動が止められます。
日本の緊急事態宣言とは制限の厳しさが比較にならず、FMCOでは近所のスーパーと家の周りのジョギング以外は外出ができません。2020年3月から学校は1年のほとんどがオンライン授業ですから、子どもたちの教育環境にもかなり制限がかけられています。
私が取得したMM2Hビザの発行は停止になって、再開時期は決まっていません(2021年6月現在)。マレーシア政府から国家回復プログラムのスケジュールが発表されましたが、2021年中に再開するのは難しそうです。
とはいえ
自分の直感は必然になると思います。
マイナスなことばかり上げてしまったのですが、海外移住はあなた自身がどうしたいか内観して決めたのでいいのでは?とも感じます。
損せず、なるべく得したいと思うと成功や失敗の概念がつきまといますが、全てを必要な経験として受け入れられるのであれば、自分がマレーシアで生活したいかどうかが決め手になる、と思います。
村上さんのnoteはこちら
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