インドネシアの教育事情。駐在の家族帯同者は必見です

日本以上に学歴社会であるインドネシアでは、近年ますます競争が激化してきているように感じています。

その教育熱は、未就学児からすでに高まっており、インドネシアの子育てサイトをのぞいてみると、

  • どこのプリスクール(幼稚園入園前の幼児が通うスクール)の評判がいいか
  • どんなカリキュラムなのか

と、さまざまな情報のやりとりが交わされています。

幼稚園は、遊ぶ場所というよりも「勉強する場所」という性質が強く、毎日宿題があり、学期末には成績表が渡されます。

小学校からは、年に4回の定期テストがあり、その順位が発表されたり、及第点に達しなかった生徒は放課後補習授業を受けたり、また、塾に行って遅くまで勉強する子ども大勢います。

この記事では、日本とはだいぶ異なるインドネシアの教育事情を、主に幼児教育と小学校に関してまとめてみました。

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託児所(デイケア)

インドネシアでは、メイドやベビーシッターが普及しているので、働くお母さんは赤ちゃんを自宅のシッターに預け、自宅でケアすることが一般的でしたが、近年は託児所(デイケア)が続々とできてきています

これらはオフィス街など職場へのアクセスがしやすい場所に多く設置され、さまざまな遊びや活動による教育的効果はもちろん、専属調理師による食事や、ベビーベッドはそれぞれ個人専用にしているなど、衛生面、健康面、安全面、快適さにも非常に気を使っています。

また、母乳育児を尊重し、母親から預かった母乳パックも専用の冷蔵庫に保管して衛生を保っています。

また、スディルマンエリアで働く母親の勤務中に搾った母乳パックのピックアップを行うサービスも実施しているところもあります。

ただ、これらの施設はそれなりに費用も高額ですので、高額の収入がある母親が主に利用しています。

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幼児教育

インドネシアでは、日本と違い幼稚園は勉強をする場所、という意識が強いようです

ローカルの幼稚園では、毎日文字の練習や簡単な計算の宿題がでたり、学期末にはテストが行われ、成績表が渡され、成績が優秀なこどもは表彰されたりすることもあります。

したがって、新入園児の募集の際は、日本のように多彩な行事や遊びや活動などをアピールするよりも

  • 卒園の際は読み書きがしっかりできるようになっている
  • (イスラム幼稚園の場合は)コーランを読めるようになっている

など、目に見える一定の成果を強調することが多いように感じます。

また、英語教育ブームのせいもあり、現在インドネシアではインターナショナルスクールが次々誕生しています

幼児教育も同様で、英語を使用する幼稚園やプリスクールに人気が集まっています。

インターナショナルプリスクールといっても、運営母体はイギリス系、オーストラリア系、ニュージーランド系、シンガポール系、ローカル系など様々です。

スタッフはインドネシア人の先生のみのスクールもあれば、英語圏のネイティブの先生がいるスクールもあり、費用もそれに応じて変わってくるようです。

一般的に、

  • イギリス系、オーストラリア系、ニュージーランド系の幼稚園は、日本人も含め、在住外国人の子どもが通っていることが多く
  • シンガポール系などは中華系の子どもが多いようです。

中華系の子どもが多い幼稚園は、たいがい中国語(マンダリン)の授業があります。

ジャカルタ在住の日本人の子女が多く利用している幼稚園は、以下の通りです。

日本人学校幼稚部

日本の幼稚園教育要領に基づき、ジャカルタの地域の実態を考慮しながら海外校としての特色を生かし、広い視野と豊かな国際感覚を身につけた日本人の育成を目指します。

緑豊かで静かな環境にあり、広い園庭で、思い切り遊ぶことができます。

FUJI-PRESCHOOL

園長を含め、日本人の先生が3人いて、日本の保育士資格を持った先生がいます。給食は毎日日本食中心で、おいしいと評判です。

Raffles International Christian School

キリスト教系の幼稚園ですが、イスラム教、仏教、ヒンズー教など様々なバックグラウンドを持つ各国出身の生徒達が、国際的な環境の中学んでいます。

英語での質の高い国際的な教育で、子供の英語コミュニケーション能力を伸ばす教育で、子供に国際感覚を身に着けさせたい両親に人気があります。

また、日本人スタッフが常駐しています。

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小学校

インドネシアの公立小学校は、教育文化省が所管する一般の学校のほかに、宗教省が所管するイスラム学校があります。

私立の学校は、ここ最近の教育ブームで多くの学校が新設され、特に都市部ではさまざまな学校があります。

インドネシアの保護者の多くは、授業料が安い公立の学校を希望しますが、費用が高くても、公立よりも教師や施設の質がよい私立の学校を選ぶ保護者が増えてきていることが背景にあるためです。

私立小学校には、おおまかに以下の種類があります。

ナショナル

私立だが、公立の小学校と同じカリキュラムを勉強する学校。

ナショナルプラス

公立校のカリキュラムに則ってインドネシア語の授業などもあるが、ナショナルよりも進んだ英語教育が行われる学校。

英語教育に重点を置いているので留学を目指す生徒も多く通っています。

インターナショナルスクール

インドネシア在住の外国籍の子どもを対象にした、独自のカリキュラムで授業を行う学校。近年ではインドネシア人でも入学できるスクールも多いです。

充実した英語教育が受けられますが、授業料はとても高額です。

宗教系の学校

多くはヤヤサンと呼ばれる財団が運営しています。

イスラム教やキリスト教、仏教の学校があり、公立校のカリキュラムの一般科目の他に、それぞれの宗教観に基づいた宗教科目を履修します。

現地の私立の学校の特色として、小学校から高校まで、一貫の学校が多いです。

また、公立の学校が昼前に下校になるのに対し、私立では下校時刻が2時過ぎから5時くらいの学校が多いです。(夕方までの学校は、フルデイスクールとも呼ばれます。)

インドネシアの企業駐在員が帯同した子女の多くは、日本人学校に通います。

インドネシア国内に日本人が学校は以下の3校があります。

ジャカルタ日本人学校

在インドネシア日本人のための初等、中等(中学校)教育を行う日本人学校。 1000人以上の在校生を抱え、70台のスクールバスを所有しています。

スラバヤ日本人学校

2017年現在、全児童・生徒数は58人です。

バンドゥン日本人学校

2017 年現在、全児童・生徒数は18人と、東アジアと大洋州にある38の日本人学校の中で最も少ないですが、少人数ならではのきめ細やかな教育を行っています。

なお、日本人学校には中学校までしかないため、高校は日本に帰国することになります。

小学校、中学校と日本人学校で、高校から現地のインターナショナルスクールに進学するのは、日本人には相当のハンディになるからです。

ジャカルタで高校まで進学するとあらかじめ決めている場合や、より国際的な雰囲気の学校に通わせたい家庭などは、小学校から他のインターナショナルスクールへの入学させているようです。

代表的なインターナショナルスクールは、以下の通りです。

  • オーストラリア系のAIS(Australian International School)
  • シンガポール系のSIS(Singapore Internaional Shool)
  • ニュージーランド系のNZIS(New Zealand International School)
  • イギリス系のJIMS(Jakaruta International Multicultural School)

国際的な環境で生きた英語を使った学校生活を送りたい場合も、このように多くの選択肢があります。

ただ、費用がかなり高めなのと、駐在員は日本人学校の場合は会社から学費補助が出る場合が多いのですが、インターだとほとんど出ず、自費になる場合が多いということが悩ましいですね。

でも、インドネシアの地方都市に住んでいて、日本人学校も外資のインターナショナルスクールもなく、子供の教育は現地校一択の筆者にとっては、このように多彩な選択肢があるジャカルタは非常にうらやましくもあります。

学校以外にも、都会では学習塾に通う子供が年々増加しています。

下校後、塾をかけもちし帰宅は9時すぎという子どもも珍しくないのです。

最大手の塾は、インドネシアの主要都市に800近くの支店を持っています。

日系の塾としてはKUMONやサカモト式が有名です

また、ジャカルタには、学研や駿台などの塾が、日本人のこどもを対象とした塾を開いており、多くの子供が通っているようです。

なお、日本と違い、郵便インフラが発達していないインドネシアでは、通信教育による家庭学習は発達していません。

また、スイミングやバレエ、ロボット工学、空手、サッカー教室など、お習い事の教室も非常に増えてきています。

これは、インドネシアの学校には日本と違ってクラブ活動や部活動、スポーツ少年団等がないため、子供たちがスポーツや文化活動に接する機会が少なく、勉強以外の活動をするには校外の教室に行かなればならないためです。

インドネイアの教育事情まとめ

近年の教育ブームで、インドネシアの子供たちにも塾通いやお受験など、さまざまなプレッシャーがかかっているようですね。

これも、経済が発展してより多くのお金の子供の教育に回す人が増えた証拠ですね。

海外の学校に通うということは、日本と違い送迎や食事のことなど、大変なこともありますが国際感覚が養われ、さまざまな貴重な経験を得ることができます。

インドネシアに家族を帯同する予定のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい。

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