インドネシアの教育事情。教育移住から大学留学まで網羅解説

インドネシアの教育事情

家族でインドネシア移住を検討している方、あるいはインドネシア留学を考えている方にとってまず気がかりなことの1つが、インドネシアの教育制度はどうなの?という点でしょう。

インドネシア現地で大学に通う筆者が、インドネシアの義務教育システム、日本人学校やインターナショナルスクール、またその後の進路や留学の選択肢について解説します。

インドネシアの教育制度の概要

お子さんのいるご家庭にとって気になるインドネシアの基本教育制度ですが、幸いにも日本の基本教育と似ているので分かりやすくなっています。

幼稚園 TK (発音:テーカー、Taman Kanak-kanak)幼児〜5歳
小学校 SD (発音:エスデー、Sekolah Dasar)6年間
中学校 SMP (発音:エスエムペー、Sekolah Menengah Pertama)3年間
高等学校 SMA (発音:エスエムアー、Sekolah Menengah Atas)3年間
職業高等学校 SMK (発音:エスエムカー、Sekolah Menengah Kejuruan)3年間

学年の呼び名は、例えば高校1年生の場合「SMA Kelas 1」といいますが、小学校1年生から数えて「Kelas 10」(10年生)という呼び方もします。

この中での義務教育はSD(小学校)とSMP(中学校)のみ、つまり合計9年間になります。

公立の場合、小学校と中学校の入学金、学費は無料です。

なお、一つの街に複数の学校がある場合、どの学校に行くかは各家庭で決定することができます。

最寄りの中学校ではないけれど、親の通勤ルート上にあるので学校の送り迎えの便利さを考えて少し離れた学校に行く、あるいは、近所のあの学校は悪い子達が多いという評判を聞いたから別の学校にする、などという決定をする自由があります。

さらに、Swasta (スワスタ)と呼ばれる私立の学校に行くという選択肢も人気が高まっています。

かかる費用は公立に比べてはるかに高いですが、家庭の宗教的背景ゆえに、あるいは子供のために質の高い教育や安全な環境を求めるがゆえに、私立を選ぶ富裕層のインドネシア人が増えてきています。

後ほど詳しく取り上げるインターナショナルスクールも、Swastaに含まれます。

一般的なインドネシアの公立小学校の校舎

一般的なインドネシアの公立小学校の校舎

進路について

義務教育であるSMP(中学校)を終了した後は、SMA(高校)かSMK(職業高校)へ進学するかを選ぶことになります。

大学へ進学する場合はSMA、職業訓練を受けて卒業後すぐ就職したい場合はSMKへ進学します。

SMKに進学したけれど卒業後はやはり大学に進みたくなった、という進路の変更も可能です。

学期と授業時間

学期はアメリカと同じくsemesterと呼ばれ、

  • 7月〜12月の前半
  • 1月〜6月の後半

に分かれています。年末年始の休みは一般的に12月24日〜1月3日まで。

そしてSMAとSMKは6月〜7月にかけて数週間の休みがあります。

平日月曜〜金曜日の5日間で、一般的な授業時間は以下の通りです。

小学校:朝7:00〜12:00 (休憩二回)
中学校:朝7:00〜13:00 (休憩二回)
高校あるいは職業高校:朝7:00〜13:45 (休憩二回)

特に中学校と高校において、日本よりも授業時間が短いのがわかります。

さらに日本と違う点は、国内すべての公立学校で制服が統一されていること。

小学校:上は白シャツ、下は赤いスカートか半ズボン
中学校:上は白シャツ、下は紺のスカートかズボン
高校あるいは職業高校:上は白シャツ、下はグレーのスカートかズボン

靴や鞄などは自由です。

インドネシアの高校生の制服

インドネシアの高校生の制服

いたってシンプルな制服ですが、このように国で統一されているのでパッと見ただけで小学生、中学生、高校生かを見分けることができます。

イスラム教の街では、女子生徒のスカートはくるぶし丈、シャツも長袖、スカートと同じ色のジルバブという髪の毛の覆いをつけたものが基本になります。

このスタンダードな制服以外にも、学校儀式など特別な日に着るバティック制服などを学校が指定してしてくる場合もあります。

制服は日本と同じく各家庭で購入する必要があります。

部活動もある

小学校、中学校、高校ともに、放課後の部活動もあります。

Pelajaran Ekstrakurikulerと呼ばれますが、選択肢はさまざまです。

  • 運動系 (バスケ、フットサル、バトミントン等)
  • 武道系 (空手、柔道、テコンドー等)
  • 宗教学系 (イスラム教、クリスチャン)
  • 音楽系 (コーラス、バンド、ダンス等)
  • 化学系 (物理学、生物学等)
  • 語学系 (英語、ディベート、ドイツ語、日本語等)
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インドネシアのインターナショナルスクール

では、駐在などでインドネシアへ行かれるご家族にとってお子さんが現地の学校に入ることは現実的なのでしょうか?

お子さんの言語力や適応力にもよりますが、すべての授業がインドネシア語で行われる現地校へいきなり飛び込むのはなかなか難しいです。現地の子供たちとの生活レベルや感覚のズレに間違いなく戸惑うことでしょう。

また、先生とのやりとりや連絡網もすべてインドネシア語なので、どちらかの親がインドネシア人だったりインドネシア語がある程度できないと、親も苦労するはず。

そこで見えてくるのが、インターナショナルスクールという選択肢

現地在住の外国人の子供たちを対象とした国際レベルの学校で、授業はほとんど英語で行われます。

授業料は高額になりますが、先生は英語のネイティブスピーカー、そしてクラスメイトは世界各国から来たバラエティ豊かな顔ぶれ。

インドネシア人でも入れるインターナショナルスクールが増えてきているので全員が外国人とは限りませんが、インターナショナルスクールなら環境も教育のレベルも国際基準にかなっています。

帰国した際のお子さんの編入学手続きがスムーズなのも、メリットの一つです。

在住日本人が比較的多いジャカルタとバリの、代表的なインターナショナルスクールは以下の通りです。

ジャカルタのインターナショナルスクール

  • Jakarta Intercultural School (JIS、旧Jakarta International School)
  • North Jakarta Intercultural School (NJIS)
  • British School Jakarta (BJS、イギリス系)
  • Global Jaya School (GJS)
  • Sinarmas World Academy (SWA)
  • Ichthus School (クリスチャン系)

バリのインターナショナルスクール

  • Bali Island School (BIS、旧Bali International School)
  • Australian Independent School (AIS、オーストラリア系)
  • Asian International School (AIS)
  • Montessori School Bali (MSB)
  • Sanur Independent School (SIS)

海外駐在ならではの国際的な環境でお子さんを育て、学校生活で将来役立つ英語力や価値観を身につけさせるならインターナショナルスクールがおすすめです。

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日本人学校および補習校

海外に住んでいてもいずれは帰国するのだから、自分の子供には日本の公立校と同じ学習指導要領にもとづく教育を受けさせたい!という方のための選択肢が、日本人学校または補習校です。

国際社会で活躍する日本人生徒を育成するという目標のもと、在インドネシア日本人のための小学部、中学部教育を行っています。

しかし残念ながら、高等部のある日本人学校はまだないため、中学部卒業後はインターナショナルへ編入するか、帰国するという進路になります。

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インドネシアの大学制度

ここまでは、お子さん連れでインドネシアへ移住される方のための教育事情をまとめてみました。

では、インドネシアで大学に通いたい、留学したい!という方はどうでしょうか。

  • 日本から直行便で7〜8時間で行け
  • 国際交流の能力も身につき
  • 自然が綺麗で遊びも豊富
  • 食べ物も美味しく
  • 生活費も安い!

ということでインドネシア留学が人気を集めています。

インドネシアに留学して生活する上である程度のインドネシア語力は求められますが、幸いにもインドネシア語の文法は英語をさらにシンプルにしたような比較的単純な構造です。

発音も、RとLの違いに気をつけることくらいで、基本的にローマ字読みで大丈夫。

生活に必要な基礎インドネシア語は留学中に自然と身につくはずです。

授業を受けるにあたっては、留学生用のインドネシア語コースは、英語での授業になります。

さらに、例えばジョグジャカルタのガジャマダ大学やジャカルタのインドネシア大学など名門大学では、IUP(International Undergraduate Program)という留学生向けの国際学部が用意されています。

法学、医学、経済学、心理学などの授業を英語で受けることが可能です。

インドネシア人の学生向けの通常コースよりも学費は高くなりますが、英語で授業を受けられて、しかも世界各国から来た留学生との交流を楽しむことができるので、国際力を身につける絶好の機会です。

インドネシアの大学キャンパス。マイカー通学の学生も多い

インドネシアの大学キャンパス。マイカー通学の学生も多い

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インドネシアの学士制度

インドネシア語で学士のことをSarjana(サルジャナ)と言いますが、一般的に以下のように略されます。

  • S1 (エスサトゥ) Bachelor’s Degree = 4年制大学卒業
  • S2 (エスドゥア) Master’s Degree = 大学院修了(2年間)
  • S3 (エスティガ) Doctor’s Degree = 博士号(3年間)

日本よりは学費が安いとはいえ、インドネシアで学士を取るためには真剣に勉強しないと卒業できません。

S2(修士学)を所得しようと思っても、実際取得できるのは何割かです。

そのためインドネシアの大学生にはアルバイトやサークル活動に明けくれる余裕はなく、親に高い学費を出してもらっていることもあり、真面目な生徒がほとんどです。

大学も前半後半に分かれたセメスター制ですが、高校までとは違い、1学期は8月〜12月、2学期は1月〜6月までとなります。

大学生は7月中ずっと休みになりますが、その間インターンシップや就職活動、海外留学する場合は留学の準備に励んでいます。授業は無くとも、休む暇はほとんどありません。

インドネシア留学するならどの都市がよい?

日本人にも人気のインドネシア留学先4都市が、

  1. ジャカルタ
  2. ジャワ島ジョグジャカルタ
  3. ジャワ島バンドン
  4. バリ島

です。

主な大学をいくつかあげてみます。

ジャカルタ近辺の有名大学

University of Indonesia (国立インドネシア大学)
Bogor Agricultural University (国立ボゴール農家大学)

ジョグジャカルタの有名大学

Gadjah Mada University (国立ガジャマダ大学)
State University of Yogyakarta (州立ジョグジャカルタ大学)

バンドンの有名大学

Bandung Institute of Technology (国立バンドン工科大学)
Padjadjaran University (国立パジャジャラン大学)
Indonesia University of Education (国立インドネシア教育大学)

バリの有名大学

Udayana University (国立ウダヤナ大学)

上記に挙げたような有名大学であれば留学ビザ手続きも慣れていますし、留学生サポート体制が整っているので、すべて学校側にお任せできます。

ただし、インドネシアのお役所や大学の留学手続きは日本と比べてとてもゆっくり

何回もやりとりをしてもなかなか話が進まず、ビザの手続きだけで半年以上かかってしまい日本でずっと待機させられたというケースもありますので、留学希望の時期よりも十分前もって大学に問い合わせ始めることが大切です。

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インドネシア政府留学奨学金制度

さて、インドネシア留学を語るうえで避けては通れないのが、ダルマシスワ(Dharmasiswa)というインドネシア政府による奨学金制度です。

毎年、このダルマシスワ制度を利用して数多くの日本人留学生がインドネシアの大学での教育を無料で受けています。

インドネシアの言語、音楽、工芸、芸術や文化の習得を目指す留学生を対象としており、インドネシア政府より1年間の奨学金が支給されます。

授業料は無料。

生活費(金額は留学先の都市応じて異なる)が支給され、インドネシアの銀行口座と健康保険も付与されます。日本ーインドネシア間の航空券は、自分で負担しなければいけません。

対象年齢は17歳〜35歳の未婚者、できれば現役の学生が望ましく、ある程度の英語とインドネシア語のコミュニケーション力が求められます。

ダルマシスワ応募問い合わせ先

駐日インドネシア大使館教育文化部(担当:疋田)
〒141-0022 東京都品川区東五反田5-2-9
電話:03-3441-4201(内線:243) FAX:03-3280-5609
受付時間: 月曜日~金曜日 10時~12時、午後1時~午後4時
参考URL http://apply.darmasiswa.kemdikbud.go.id (英語)

インドネシアの教育事情まとめ

インドネシアの公立学校は、小学校・中学校・高校は日本と同じ6年・3年・3年制。

義務教育は中学校までで、インターナショナルスクールや日本人学校のオプションもあります。

日本人が留学できる国立大学も幾つかあり、留学生向け奨学金制度も用意されています。

インドネシア移住を計画中の方、ご自身や共に移住するお子さんのためにも、インドネシア教育事情をよく知ったうえでベストな進路を見定めてください。

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