日本の国土の3倍の面積を持つこのスペイン。
おまけに国土のほとんどが地続きであるため、国内の移動方法の選択肢は多岐にわたります。
とはいえ、自家用車がない方の場合、移動するには公共交通機関に頼らなくてはなりません。
スペイン国内で長距離移動をする場合、おもな移動手段となるのは、
- 飛行機
- 列車
- バス
- 船
の4種類です。
それぞれ、利点と欠点があり、どの交通手段が自分に適したものであるのか判断しなくてはなりません。
この記事では、スペインの4大公共交通機関である飛行機・列車・バス・船を比較し、どのような時に、どんな手段を使えばいいのかを解説したいと思います。
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1. 飛行機 〜カナリア諸島には一択!
まずは、飛行機から。
国土の大半が地続きのスペインではありますが、飛行機か船を使わないと行けない場所があります。
それはカナリア諸島です。
ちなみにイベリア半島からカナリア諸島に行くのには船もありますが、時間がかかります(詳しいことは、4.船で説明します)。
そのため、カナリア諸島に行くときには、飛行機を使う人がほとんどです。
ちなみに、
- マドリードからカナリア諸島までの飛行時間は約3時間
- バルセロナからカナリア諸島までの時間は3時間半
ほどかかります。
イベリア半島内を飛行機で移動するのは難しいことではありません。
マドリードやバルセロナからスペイン各地の主要都市に飛行機で移動することは簡単ですし、飛行時間も長くて1時間半ほどです。
チケット代も、スペイン国内での飛行機移動ならそれほど高いものではありません。快適な旅行ができると考えてよいでしょう。
しかし、飛行機移動の問題点の一つは、空港までの移動時間です。
スペインでもほとんどの空港は街の郊外にあります。
街の中心から空港に行くまで、タクシーやバスで30分近く移動する必要があることがほとんどです。
そのうえ、空港でのチェックインの時間も考える必要があります。スペイン国内線と言っても、出発時間の1時間前には、チェックインする必要があります。
つまり、スペインの地方都市では、飛行機が目的地へ到着する2時間から3時間前には、出発地の街の中心から空港への移動を開始しなくてはならないのです。
さらに、スペインの地方都市の場合、最寄りの空港まで100㎞近く移動しなくてはならないところもあります。
空港までの移動時間と、移動の快適さとチケット代の3点が、イベリア半島内を飛行機で移動するときに考えなくてはならないポイントとなるでしょう。
スペインの主要な航空会社
2. 列車
イベリア半島内をほぼ網羅しているスペインの鉄道網は、旅行者にとって快適な移動手段の一つと言えるでしょう。
歴史的に見ると、スペインの鉄道網はマドリード・バルセロナ間やマドリード・バレンシア間などの大都市間を中心に発達してきました。
そのため、スペインの主要都市に住んでいる人にとっては、最も手軽な移動手段の一つです。
マドリードから2時間半でバルセロナをはじめとする大都市に移動できます。
また、大都市の鉄道駅は、ほぼ町の中心か、中心地に近いところに位置しています。
そのため、目的地の鉄道駅に到着した後のホテルまでの移動を考えたときに、この鉄道駅のローケーションというのは重要なポイントとなります。
とくに、飛行機での移動と比較した場合、鉄道での移動のアドバンテージの一つは、駅から市内へのアクセスが簡単であることにあるといってもよいでしょう。
さらに、鉄道での移動のアドバンテージは、出発時間や到着時間が正確であることです。
とくに、スペイン版新幹線のAVEやALVIAなどの大都市間を走る列車の場合は、ほぼ時間通りに出発・到着します。
旅行のスケジュールが分刻みのものである場合、この時間の正確さは大きな安心材料になることでしょう。
<列車利用時の注意点>
しかし、鉄道の場合、前述のAVEやALVIA以外の列車はしばしば到着が遅れることがあります。そのため、スペインの主要都市からほかの小さな町へ移動する場合は、時間に余裕を見て移動した方がいいでしょう。
ちなみに、列車に乗ること自体が旅行になる列車もスペインには存在します。
その一つが、RENFEが提供するAL-ÁNDALUS列車。
1930年代の車体を模した列車の中にサロンや食堂車、32のスイートルームを備えた、高級感漂う列車です。
この列車は夏の間、セビリヤをスタートし、コルドバ・カディス・ロンダ・グラナダ・カディスといったアンダルシアの各都市を回ります。
この列車に乗れば、6日間でアンダルシアの主要都市をめぐることができます。
スペイン北部のバスク地方にはバスク鉄道が存在します。
自然豊かなバスク地方の山の中を走るこの列車も、乗る価値のある列車であると言えるでしょう。
スペインの主要な鉄道会社
- Renfe(レンフェ。イベリア半島内を網羅する鉄道網。FEVEと呼ばれる路線はスペイン北部で乗れる路線。)
- Eusko Tren (エウスコ・トレン。バスク鉄道)
3. バス大国!スペイン
スペインはバス大国です。
主要都市間はもちろん、小さな町や村にいたるまで、バス網が張り巡らされています。
バス移動のメリット① 深夜移動ができる
バス移動のアドバンテージの一つは、深夜移動ができることでしょう。
たとえば、マドリードから夜のうちにバスで移動すれば、北はバスクのサンセバスチャンまで、南はアンダルシアのカディスまで、あるいはバルセロナ周辺まで、翌日朝8時にまでに到着することができます。
そのため、目的地に到着した当日1日を有効に使うことができます。
メリット② 本数がたくさんある
また、バス移動の場合、利用する路線によっては、一日当たりの本数が非常に多い路線というのも存在します。
出発時間の選択肢があるというのも、利用者にとっては嬉しいことの一つです。
デメリットはやはり体力勝負
ただし、バス移動の問題点というのは、とにかく体力勝負であることです。運が悪いと、深夜バスに乗ったのに全く一睡もできない可能性もあります(たとえば、同乗者の話声やいびきがうるさかった場合など)。
そのような事態を防ぐために、深夜バスを利用するときには、耳栓と空気枕の利用をお勧めいたします。
バス利用の注意点は?
スペインの深夜バスの治安についてですが、大事な荷物を足元に置いておけば、問題なく仮眠を取れるぐらい安全です。
現実的には、バスの走行中は熟睡していても荷物を盗まれる心配はありません。
しかし、気を付けなくてはならないのは、トイレ休憩などでバスが停車しているときです。このトイレ休憩の間に財布やパスポートなどの貴重品を盗まれることもありえます。
バスの停車中には、貴重品は手に持ってバスの外に出ましょう。
スペインの長距離バスにはトイレ付きのものが多く、そのうえ、飛行機のように1席に1台タブレット画面がついてきます。
移動中にTVやビデオを見ることができるので、意外と退屈しません。
スペインでバス移動する場合、マドリードからポルトガルのリスボンへバスで移動するという選択肢もあります。
移動時間は7時間。決してものすごく遠いわけではありません。
スペインの主要なバス会社
- ALSA(アルサ。スペイン全土の主要都市をほぼ網羅しているバス会社。)
- AVANZA (アバンサ。こちらもスペインのかなりの部分を網羅。マドリード・リスボン間のバスもこの会社が運航中)
- Socibus(ソシブス。マドリードからアンダルシア地方やバスク地方に行くための路線が豊富)
4. 船
スペイン国内で船に乗る必要があるのは、イベリア半島から、前述のカナリア諸島や地中海に浮かぶバレアレス諸島に行くとき、あるいはセウタ(CEUTA)やメリーリャ(MELILLA)に行くときのみになります。
時間は確かにかかりますが、旅のスケジュールに余裕がある場合などには、のんびりと船で旅をするのも悪い選択肢ではありません。
- Trasmediterranea(トランスメディテラニア。バルセロナ・カディス・バレンシアからカナリア諸島やバレアレス諸島に行きのフェリーを数多く運航)
スペインの国内移動手段・まとめ
以上のように、スペイン国内を移動する方法は数多くあります。
自分に適した移動方法を見つけることも、スペイン滞在を楽しむための、1つの方法かもしれません。
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