6月の声を聞いたとたん、スペインは小学校から大学まで夏休みモードに突入します。
実際には、6月いっぱいは学年末試験がありますが、大人も子供も夏休みの計画を立てるのに大忙し。
しかし、子供を持つ夫婦の多くが共稼ぎをしているスペイン。
子供は夏休みでも、お父さんやお母さんはお仕事に出かけなくてはなりません。
スペインでは子供を一人で家に置いておくことは法律上できないことになっているので、共働きの夫婦は何とかして子供の居場所を確保しなくてはならないのです。
そんなとき、多くのお父さん、お母さんがお世話になるのが、スペイン各地で開催されている、夏の「カンパミエント」です。
スペイン語ではCampamientoと記され、もともとは野外テントを張ったり、炊事などをするで「キャンプ」あるいは「キャンピング」のことを意味していました。
しかし、近年では、夏休み中に子供を集めて実施する何らかのイベントのことを「カンパミエント」と呼ぶことが多いです。
これから、スペインで夏休みに子供たちが体験できる「カンパミエント」はどのようなものがあるのか、そしてそのような「カンパミエント」を探す方法についてお知らせしたいと思います。
スペインでは、どんな「カンパミエント」があるのか
スペインの「カンパミエント」は以下のようなタイプに分類できます。
伝統的な「カンパミエント」
いわゆる日本語で言うところのキャンプ。郊外にあるキャンプ場に出かけてテントを張って夜を過ごし、キャンプファイアーなどをするもの。
たとえば、スペインにもあるボーイスカウト・ガールスカウトの「カンパミエント」では、参加者が寝袋持参でキャンプ場のロッジに寝泊まりします。
その場合、昼間の活動は20㎞のハイキングや川遊びなどになります。
「カンパミエント・ウルバーノ」
直訳すると「都会のキャンプ」。
郊外など自然の豊かなところに行くのではなく、街中で数日を過ごすイベントです。
夜はどこかに参加者全員で寝泊まりする場合とそれぞれ参加者の自宅に帰る場合の両方があります。
一方、昼間の子供たちの活動は美術館に行って、学芸員からの説明を聞いたり、博物館に行って実験や工作をしたりします。
語学系の「カンパミエント」
子供たちに英語を習わせたいと思うお父さんやお母さんは、スペインでもたくさんいます。
そのようなお父さんお母さんは、なるべく子供が小さいうちから、英語に触れさせたいと思うことが多いようです。
そのため、スペインでも、子供たちが英語で生活する「カンパミエント」は夏休みに大人気になります。
子供たちは、スポーツや工作、日常生活を通して、24時間英語漬けの生活を送ります。
そうして、生活しながら24時間英語漬けの生活を送るのが、語学系の「カンパミエント」です。
ちなみに、英語以外の語学の「カンパミエント」もあります。
スポーツ系の「カンパミエント」
日ごろ、サッカーなどのスポーツ教室に通っている子供なら、スポーツ系の「カンパミエント」に参加するのは夏のよい選択肢になるでしょう。
サッカーやバスケットボールの強豪チームが子供用に「カンパミエント」を開催することがあります。
昼間はひたすら練習と試合、夜は合宿所で食事と寝泊まり、というのがこうしたスポーツ系の「カンパミエント」の特徴です。
日本でも体育会系の夏の合宿は、このような感じですね。
サイエンス系「カンパミエント」
日本式に言えば、「講演会」ともいえる、さまざまな分野の人のお話を聞くような「カンパミエント」も存在します。
たとえば、次の写真は、メキシコとスペインの歴史的な関係について勉強する、1日限りの「カンパミエント」の様子です。
民芸品を通じて、メキシコの歴史を学びます。
また、「ものづくり」に関する「カンパミエント」も存在します。
大学の理系学部、たとえば工学部などで、3Dプリンターを駆使してロボットを作るような「カンパミエント」を好きな子供もいるのではないでしょうか。
「カンパミエント」を探す方法
スペインのお父さんお母さんは、春ごろから、子供たちの参加する様々な「カンパミエント」を探し始めます。
では、そのような「カンパミエント」の情報はどこで見つけることができるのでしょうか。
子供たちが通う小学校:
まずは、自分の子供たちが通う小学校からの情報を得ることができます。
「カンパミエント」をオーガナイズする企業の多くは小学校を通じて宣伝をしたり、参加者を募集したりします。
地域のスポーツクラブ:
スポーツ教室に通っている子供なら、そのスポーツクラブが夏の「カンパミエント」をオーガナイズすることがあります。
また、近隣のスポーツクラブが計画しているイベントの情報なども手に入る可能性があります。
市役所や町役場:
住んでいる地域の市役所や図書館などが「カンパミエント」を開催することがあります。
そのような場合、地元自治体の役所などに情報が集まります。
また、地元の美術館・博物館・水族館・動物園などで開催される「カンパミエント」もあります。
大学の広報課あるいは大学の公式WEB:
意外とおもしろい、子供向け「カンパミエント」の講座があるのが大学です。
ちなみに、前述のメキシコの歴史を学ぶ「カンパミエント」はサラマンカ大学で開催されたものです。
2018年の夏、サラマンカ大学はスポーツや考古学・ロボット制作などをテーマにとした「カンパミエント」をオーガナイズしました。
この「カンパミエント」の目的は、サラマンカ大学で日ごろどのような研究を行っているのかということを、子供たちに広く知ってもらうことです。
このような催し物は、毎年7月ぐらいにスペインのほかの大学で開催されていることも多いので、大学の広報課を尋ねてみたり、大学の公式WEBサイトを見てみるのもよいのではないでしょうか。
<参考>
インターネット:
インターネット上からもさまざまな「カンパミエント」の情報が得られます。
加えて、申し込みもネット上でできるので、どんな「カンパミエント」に参加するのか気軽に決めることができます。
ちなみに、スペインでの「カンパミエント」探しに役立つサイトは、以下のとおりです。
滞在地や活動内容、使用言語などから、行きたいカンパミエントを検索することができます。
イギリスのサッカーチーム・マンチェスター・ユナイテッドでのスポーツ合宿も申し込むことができます。
また、スポーツ以外でも英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語といった外国語のカンパミエントもあります。
行きたいカンパミエントを予算やアクティビティなどから検索することができます。
このWEBでは、子供のカンパミエントだけでなく、大人のためのカンパミエントへの申し込みも取り扱っています。
また、お父さんと子供が一緒に大自然の中でスポーツに取り組むカンパミエントなどもあります。
WEBを見ているだけで十分楽しむことができます。
外国語や芸術系のカンパミエントの情報が豊富なのがこのWEBサイトです。
加えて、初めて夏のカンパミエントに参加する子供を持つ親のためのコラムなどもあり、充実したページとなっています。
まとめ
夏のカンパミエントは子供にとって、親から離れて、友人たちと長い時間一緒にいることができる、数少ない機会と言ってもよいでしょう。
そのような経験を通じて、自立の方法を学んでいく子供たちにとって、カンパミエントは必要不可欠なものなのかもしれません。
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