日本と反対の南半球に浮かぶ自然大国オーストラリア。
空気が綺麗で空が高く自然やオーストラリア特有の動植物も多く、インド洋、南極海そして南太平洋に囲まれ美しいサンゴ礁やビーチがあり海外からもたくさんの旅行者が訪れます。
また日本との時差もそれほどなく、比較的治安も良く物価も日本と比べそれほど高くないので、日本からの留学生やワーキングホリデーの人たちからも人気の高い国となっています。
実際にオーストラリアで生活してみると、日本のような殺伐とした空気もなく、のんびりと自分の時間を楽しむこともでき、そんなオーストラリアの生活に魅了され永住を考える人も少なくありません。
また、オーストラリア政府は海外からの移住者も多く受け入れており、色々な国からの移住者で多種多様な文化にあふれています。
今回は、日本での仕事を辞め、語学留学のために1年の学生ビザを取得しオーストラリアで生活を始めた方が、オーストラリアの生活に魅了され、そこからどのようにして、色々調べ苦心しながら、オーストラリア永住権を取得したのか、そのストーリーをご紹介します。
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オーストラリア永住権の良いところ
オーストラリアの永住権の良いところは、永住権を取得できれば選挙権以外のオーストラリア国籍の人たちと同じ政府からの保証が受けられるという点。
また、永住権を取得した後オーストラリアに住み続けていれば自動的に継続され特に手続きは必要ありません。
ただし、オーストラリア国外から永住権を申請取得した場合やオーストラリア国内で永住権を取得後オーストラリア国外に居る、もしくは旅行等で出国入国する際は「Resident Return VISA」を発行してもらう必要があります。
このビザは5年間有効で、有効期限が切れてしまった場合再発行が必要ですが、その際ビザの有効期限5年の内、合計で2年間オーストラリアに滞在していなければなりません。
また永住権を取得すればすぐにオースストラリア国籍を申請することもできます。
日本の場合二重国籍になったらどちらか一方を諦めなくてはいけなく、日本国籍を失効した場合再び国籍を申請するのは難しいと聞いており永住権のままでいる人が多いようです。
最初のステップ
永住権を取得するのは簡単ではなく、私は語学学校卒業後、日本に帰国するのか、永住を視野に入れて次の段階へ進むか沢山悩みました。
取りあえずチャンスがあれば申請してみようと思い、現地大学の語学学校へ通っていたので同じ大学内にあるカレッジ(日本で言う専門学校のようなところ)へ進学しました。
このカレッジの良いところは系列大学の2年に編入できるところで、カレッジ卒業後は無事に系列大学の2年へ編入、大学卒業間際にビザに関して色々と調べ、なんとかビザ申請できそうでしたので卒業と同時に永住権取得へ向けて準備を始めました。
技術系独立永住権ビザという存在
私が大学卒業後申請したビザは「技術独立永住権ビザ」と言います。
このビザを申請できる条件は、まずイミグレーションが発行している「Skilled Occupation List (SOL)」というリストに載っている職業に関する勉強をオーストラリアの大学または専門学校で受け卒業している、もしくはその職業に就いている等で、それに加え申請可能ポイントというものがあり、私が申請した当時は合計で120ポイントあれば永住権の申請ができました(現在のポイントは変更されています)。
ポイントの内訳は職業ポイント―リストに載っている職業でまずわかれており、一番ポイントが高くて70ポイント(医師や弁護士等)、その次が60ポイント(看護師やシェフ、歯科技工士等)、それ以外が50ポイントでした。
職業リストに載っている職業は年々変動があるので学校に通っている時にはリストに載っていてもビザ申請時にリストから外されていた場合永住権の申請はできません。
そして年齢ポイント(18歳以上45歳未満でポイントが分かれています)、学歴ポイント、その他English Languageポイントなどありいかにポイントを集めて合計120ポイントにするかがカギとなります。
職業リストのポイントが低ければ他のポイントで稼がなくてはいけなく、私の場合職業ポイントが50ポイントでしたが現地のMigration Agentを利用しなんとか合計120ポイントになり、書類の不備がないか何度もチェックし申請手続きを行いました。
永住権の申請手順
ビザ申請の手順ですが、私の場合はまず大学卒業と同時に「卒業生ビザ」を申請しました。これはこちらの大学を卒業後、オーストラリア永住権の申請をする人のためのテンポラリービザで、当時は有効期限が6か月でした(現在は有効期限18か月に変更されたそうです)。
まずこのビザを取得しなければ大学卒業後、学生ビザが切れオーストラリアに滞在できなくなるので必ず取得する必要がありました。
このビザ自体はとてもスムーズに申請、取得することができました。
その後、オーストラリア永住権申請のための書類集めを始め、日本とオーストラリアの無犯罪証明書や日本の大学の在学卒業証明書、職業カテゴリーのSkills assessment(その職業の勉強をしたという証明書)など必要な書類をすべて集め提出しました。
そしてすべての書類がイミグレーションに受理された時点でブリッジングビザが発行されました。
これは受理される前のビザのコンディションを引き継ぐので私の場合、学生ビザの条件を引き継いだ状態になりました。
すでに学生ビザの時にワークパーミッション(オーストラリアでの労働許可)は取っており、ブリッジングビザの場合、学生ビザの時のホリデー扱いになり週の労働時間に制限がなく(学生ビザの場合ホリデー時期を除く通常は週20時間以上働けません)正社員として現地の会社に就職しました。
Agentからも上手くいけば1年以内にはビザを取得できると言われていたので働きながらビザが発行されるのを待っていました。
トラブル発生
すべての書類を提出をして6ヵ月後、問題が発生しました。
ビザの申請書類をAgentを通してすべて提出したのがその年の10月末、イミグレーションが法律変更をしたのが11月頭。
法律変更前はオーストラリアの大学を卒業していれば英語の試験を受けなくてもEnglish Languageポイントが付き、変更後は英語を母国語としない申請者はオーストラリアの大学を卒業していても政府指定の英語テスト(IELTS- International English Language Testing System等)を受け政府が設定したスコアを取らなくてはポイントつかない、に変更されました。
Agentからは大丈夫と聞かされていたので、安心していたらイミグレーションから英語テストの結果が提出されてないのでポイント足りませんと連絡がきたとAgentから連絡が入りました。
すぐに一番早く受験できるIELTSを申し込んで領収書を送って下さい、イミグレーションに追加書類として提出しますと言われ、正に寝耳に水、問題ないって言いましたよね、と文句を言ってもイミグレーションからの通達は覆ることがないので、一番早く受験できるIELTSの申し込みに行きました。
そしてここから私の苦難が始まりました。
政府が定めているIELTSのポイントをOverall(総合点)ではなくListening、Reading、Writing、Speakingの四項目すべてポイントをクリアしなくてはいけません。
一回のテストですべてのポイントをクリアできれば良いのですが、これがなかなか大変でひとつの項目でも取れないとイミグレーションに受理してもらえません。
Readingが0.5ポイント足りなくて再受験したらReadingはクリアしたのに今度はWritingが今度0.5ポイント足りないなどで思い出したくないほどの回数受験しました。
毎回これが最後、これが最後と月に多いときで3回受け続けた私は本当にIELTS地獄におちいっていました。
結論から言うと、私がオーストラリア永住権を取得するまで最初の卒業生ビザ申請してから約5年かかりました。
周りの人からは「そんなにしてまで永住権欲しいの?」、「オーストラリア人見つけて結婚すればすぐビザでるんじゃない?」など色々言われましたが、最後の最後まで、イミグレーションから「ビザの申請はキャンセルされました、28日以内にオーストラリアから出国して下さい」と言われない限りがんばろう、今諦めて帰国したら今までの努力が無駄になってしまうし可能性が0でない限り諦めないと心に決め試験を受け続けていました。
当時の職場の社長、上司や同僚にも、取引先の人にも、語学学校卒業後もずっと付き合いのあった当時のクラス担当の先生にもたくさ励ましを受け、無事に永住権取得の通知が届いたときは本当に諦めなくてよかった、がんばった、努力が報われたなど色々な思いが沸き起こりました。
最後に
申請後1年もしない内に取得できる人もいれば、私のように時間のかかる人もいます。
今の職場で一緒に働いているオーストラリアの大学院を卒業して英語も堪能な同僚も今現在年々採点基準が厳しくなっているIELTSに悩まされています。
私の友人もIELTSの壁に阻まれ永住権を申請する前の段階で18ヶ月の卒業生ビザが切れ、今取り合えず学生ビザに切り替えて試験を受け続けています。
それでも彼女たちも諦めずにがんばっています。
年々ビザの申請条件が厳しくなってきていますが、私が申請したビザ以外にも永住権を申請できるビザはあります。
例えば、ワーキングホリデービザで仕事を見つけその職場からスポンサービザを申請し4年後に永住権を取得した方たちもいます。
これから将来オーストラリアに永住したいと思っている方も現在すでにオーストラリアで生活して永住を考えてる人も申請が難しいと諦めないでその人の状況に見合った申請方法があると思いますのでがんばって下さい。
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