今回はアメリカのミズーリ州で正規の留学生として大学に通っているHasegawaさん。
日本の高校から直接志望大学に進学した背景や、アメリカの大学進学に必要なことなどを伺いました。
日本の高校卒業後、すぐにアメリカの大学へ進学!きっかけは?
きっかけは、高校2年生の時に人生で初めて海外旅行でアメリカを訪れたことでした。
私の家族はわりと特殊で、両親がアメリカの大学を卒業しているんです。
通っていた大学で出会ったんです。
いろいろ話を聞いていたので、海外の大学に進学することはわりと身近に感じていました。
でも、本当に英語が苦手で成績も10点20点を取ったりしていました。
全然留学できるような点数ではなかったんですが、高校受験の時にそれなりに勉強しました。
高校の時は真ん中のちょっと下くらいにはなっていたんですが、ずっと苦手意識は消えていませんでした。
実は、高校2年生の春まではずっと日本の大学を志望していたんです。
進路を変えたきっかけは、両親に続いて2つ年上の姉がアメリカの大学へ進学したことでした。
姉の入学式に母と祖母とついていったんですが、そこで初めて見る海外の景色や生きた英語、アメリカの大学がすごくキラキラしていて、すごくインパクトがありました。
動画や映画で見るのとは違う、生で見る海外の世界にうわあーってなって、ここでこれから1人で生きていく姉をすごいなぁと思ったんです。
高校まで英語は習ってきたんですけど、お店に入ってこれ何円?と聞きたくても全然言えなかったり、基本的な英会話が全然できなくて。
そこで初めて英語に対する恐怖を感じて、両親や姉のように英語を話せるようになりたいとすごく思うようになったんです。
帰国して、アメリカ良かったなーって感じだったんですが、高校3年生で志望校を決定しなくてはいけなくなった時に、進路を考え直しました。
日本の大学に行ってみんなと同じようにサークルに入ったり休みの日に友だちと飲みに行ったりアルバイトをしたりして、そのまま卒業して、就活して社会人になるってことが自分のしたいことなのかな…。
と考えた時に違和感があって、ちょっと違うなって思ったんです。
それで、アメリカのことを思い出して、アメリカに行きたいなとすごく感じました。
その時に進路をしっかりアメリカに向けて動き出しました。
・両親にアメリカの大学を勧められることはあった?
それもありましたね。
「アメリカの大学はディスカッションの授業や課題が多いから、すごく勉強はしなくてはいけないけどその分成長できると思うよ」とは言われていました。
でも、英語力の問題があってずっと日本の大学に行くつもりだったので、勧められたときは、あまりしっかりは考えていませんでした。
・ミズーリ州の大学に行きついたきっかけは?
実は姉と同じ大学なんです。
4年制の大学なんですが、姉は3年生になるときに違う大学に転校しました。
トランスファーっていうんですけど、アメリカではこれが主流なんです。
トランスファーする生徒が50%ほどいるんです。
姉が卒業するときに私が入ったので、ちょうどかぶらなかったんですけど。
・どんなことを学ぶかは決めていた?
アメリカの大学は、入る前に専攻をしっかり決めなくてもいいんです。
最初はインターナショナルビジネスを学びたいなと思ったんですけど、1年生の時にいろんな授業を取っていて、アートの授業が面白いなって気づいてそこからアートに専攻をチェンジして学んでいます。
入った後も自由に専攻を変えることができますし、学期の途中でも変えられます。
わりと1~2年生の時に基礎の授業を取って、そこで何をやりたいかを考えて、3~4年の時に専攻をしっかり学んでいくスタイルですね。
大学出願のスケジュール。準備は大変!
日本の大学はセンター試験を受けて、本試験に向けて勉強をしてっていう、2つの試験があるのが通常の流れだと思うんですが。
アメリカの大学は基本的に書類選考で合格が決まるんです。
スケジュールは…ざっくり締め切りが決まっていまして、高校3年生の2~3月くらいですね。
アメリカの大学は8月から9月始まりなので、始まる時期が違います。
大学によっても全然違うので、遅い所は6~7月まで受け付けている所があります。
締め切りまでだったらいつでも出していいので、「この日に提出」ではなくて準備ができたら提出という感じです。
出願に必要な書類。学校からの書類も全部英語でなくてはいけない
・必要な書類は、1つ目に入学願書です。
基本的な個人情報と自己PRエッセイが書いてあります。
アメリカは自己アピールが大事なので、自分をすごい誇張してっていうんですかね。
自分はすごく素敵な人間だから受からせた方がいいっていうアピールをします。
・2つ目は高校の成績証明書ですね。
これはGPAが高いほうが有利です。
GPAは1~5までの評価のことです。
・3つ目は、高校の卒業見込み証明書、高校の先生からの評価書も必要です。
高校の先生からの評価書も先生にすごいお願いをして、すごくいい生徒だっていうことを書いてもらいました。
・4つ目は、銀行の残高証明書、財政証明書
学費をしっかり払えることを証明するために用意します。
・5つ目はTOEFLとかIELTSとかの英語のスコアの証明書です。
私の場合は、締め切りが1月だったので、IELTSのスコアは早く取っておきたかったので、進路を決めた4月から勉強を始めました。
他の証明書も4月から早めにスタートしましたね。
英語で揃えなければならないので、すごく大変でした。
高校からの証明書も全て英語で書かれていなくてはいけないんです。
私の高校で直接アメリカの大学へ進学するのは初めてだったので、先生たちもすごく混乱していました。
最初は「何を言っているんだ」って言われて、とにかく「日本の大学に行くっている考えはないのか」と聞かれましたね。
でも、自分は決めていたので、「アメリカ一本で行きたいです」って言ったんです。
TOIFLとIELTS両方が対象だったんですが、TOIFLはパソコン、IELTSは筆記の試験なんです。
調べたところによると、IELTSのほうが日本人は点数が取りやすいみたいで、自分はIELTS一本に絞って勉強しました。
IELTSの受験料がすごく高くて、1回3万円くらいかかるんです。
なので、1回で取りたかったんですけど、1回目は結構勉強したつもりだったのに全然点数がとれなくてびっくりしました。
一番書類で苦戦したのがIELTSでしたね。
必要スコアがHPにかかれているので、必要スコアが取れなければ出願すらできないんです。
結構プレッシャーでした。
1回目を受けたのが7月で、12月までに書類を送らなければいけなかったので、10月に2回目を受けて、それでも足りなくてすごく焦って、ものすごくがんばって12月のテストで受かりました。
すごくぎりぎりに何とか滑り込んだ感じですね。
IELTSで点を取るポイント
自分は最初日本語の参考書を買って使っていたんですけど、IELTSってまだ日本であまり浸透していなくて、勉強方法の情報も少ないんです。
全部チェックしてどうやって点数を取るかを調べていました。
ケンブリッジが出している試験なので、ケンブリッジが出している英語で書かれている参考書がおススメって書かれていたので注文して、英語で参考書を解きました。
日本人って書くのと話すのが苦手で読むのと聞くのが得意なことと、1回目のIELTSのテストでもスピーキングがすごく悪かったので、スピーキングを伸ばすにはどうしたらいいか考えました。
ALT(Assistant Language Teacherの略)が学校にいるんですけど、その先生のところに毎日通って英語で話す練習をして、とにかく英語英語英語って感じで勉強していました。
絶対にそこはクリアしなくてはいけないので。なんとかクリアできました。
学校の先生には「センター試験を受けなさい」って言われていたんですけど、アメリカの大学に行くことを決めていたので、センター試験は受けない姿勢でいたので。
もしこの大学に落ちたらセンター試験も受けられないし逃げ場がないので、追い込んで追い込んでやっといけました。
全部書類がそろって出した時は達成感がありましたね。
IELTSが合格点に達したときはすごくうれしかったです。
基本的には書類をだせば受かると思います。
定員はありますね。
私が通っている大学は小さいのでアメリカの大学では入りやすいんですが、大きい大学だとIELTSのスコアももっと上がりますし、受かる確率は低くなると思います。
ダメだったときは、違う大学に申請することが多いですね。
出願の期限がずれているので。
ビザはどんなもの?すぐに取れるの?
ビザは大阪にあるアメリカ大使館に申請して、ビザをもらいに面接に行きました。
スケジュール的には12月にアプライをして、結果が1月に届いて、書類が送られてきて、6月くらいにビザの申請に行きました。
その場で申請が通ったかわかるんですけど、届くのは2週間くらいかかりました。
届いたら、自分の好きなタイミングで渡米する感じです。
ミズーリ州の雰囲気と普段のスケジュール
ミズーリ州は名前すら聞いたことない人が多いと思うんですが、アメリカの中央やや右寄りに位置していて、歌手のシェリル・クロウさんとかブラッド・ピットさんが育った場所でもあるんです。
元々フランス領だったので、フランス文化の影響を大きく受けていて、ヨーロッパの街並みがあります。
自分が住んでいるところは田舎なので、すごく森なんです。
通っているのはすごく小さい女子大学で、寮生活です。
大学が全寮制になっていて、基本的に生徒は寮に住まなくてはならないんです。
小さいキャンパスなので、クラスルームから寮まですごく近いので行き来が簡単ですね。
学生生活に専念できる感じですね。
今日は朝8時から授業があって、9時15分まで1限目。
パーソナルファイナンスっていうビジネスの授業です。
まだビジネスにも興味があるのでビジネスのクラスも取っています。
9時15分からアートのクラス、11時からピアノのクラスを取っています。
そしてお昼ご飯を食べて、そのあとにアートのクラス…セラミックスというクラスを取って、そのあとにまたピアノのクラスを取っています。
終わるは大体6時くらいですね。
そして、6時に夕飯を食べてって感じで、結構詰まってますね。
食事は学食で食べています。
平日は基本的に学校で生活をして、休日は田舎なので、車を持っている友達に乗せてもらって、都会のほうに遊びに行く感じです。
学校生活の一番の楽しみは?
友だちとご飯を食べるときですかね。学食で一緒にご飯を食べて。
ほとんど毎日一緒にいるので、家族みたいな距離です。
インターナショナルスチューデントもすごく多いので、集まりやイベントも行われているのでお互い仲がいいです。
いろんな国の友達もいますし、アメリカ人の友達も多いです。半々くらいですかね。
日本人は自分一人だけです。
なので、本当に英語だけって感じです。
1~4年生通して1人だけです。すごく貴重ですね(笑)
アメリカの大学ならではの特徴は?
クラスが参加型なのがほとんどなことですね。
日本の学校は先生の授業を一方的に聞くスタイルが多いと思うんですが、アメリカはディスカッションが多くて、クラスで1回は自分の意見をいうタイミングがあるので、最初の1学期はそれで苦労しました。
英語力もないのに、自分の思考力もなくて、意見をいうのにも慣れていなくて緊張もしました。
それが一番の違いだと思います。
英語もすごく勉強しています。
今はわりと英語で話すのも慣れてきました。
リスニングはもう何を言っているか大体理解できるようになってきたんですが、自分の言いたいことは言葉がつっかえたり出てこないことがあって、まだまだだなと思います。
言語面が一番大きなハードル。乗り切るポイントは?
先生もクラスメイトも全然何を言っているかわかりませんでした。
課題ももちろん全部英語なので、すごく苦戦したんです。
でも、来たからにはもう絶対に負けたらダメだと思って必死にがんばって何とか乗り越えました。
今でもやってるんですが、学期の始めにオフィスサーバーっていう、プロフェッサーがいつでも来ていいよっていう時間があるんです。
それをチェックして、自分の取っている授業の先生のところに行って、自分は英語がうまくできないから、クラスですごくがんばるけどそういう目で見ておいてくださいって前情報として伝えていました。
そうすると、先生もそういう目で見てくれるので。
わからないところはわかりませんとしっかり言っていくのは大事だと感じました。
日本ではそういうのはないですね。
大学生活をうまく送っていくためのヒント
笑顔が大事だなって思いました。
英語が全然わからなかったんですけど、笑顔でいたら周りの人が結構助けてくれるんですよね。
常に笑顔でいることは意識していますね。
アメリカでは歯を見せて笑うことが多いですね。
通りすがりでもHiっていう挨拶は普通なので、知らない相手同士でも挨拶を交わすので笑顔は大事です。
大学の学費、生活費はざっくりどれくらい?
学費と食費、寮費を全て込みで支払っているんですが、1年間でざっと220万くらいです。
日本の私立大学に通って、1人暮らしをすると同じくらいかかるのかな。わからないんですけど、私立だと結構かかりますよね。
ミズーリ州は田舎なので、結構安いと思います。
大学に慈善団体もいて、生徒の奨学金などの資金面もサポートしてくれるので、ほとんどの生徒が奨学金をもらっていて、もっと安い学費の生徒もたくさんいます。
あとは、娯楽の費用とかでしょうか。
アルバイトはキャンパス内だけ!どんなアルバイトがあるの?
学生ビザはキャンパス外では仕事はできないんです。
キャンパス内は法律で許されているので、自分も去年カフェテリアでアルバイトをしていました。
今年からはビデオアシスタントというアルバイトをしています。
毎月行われるイベントなどでビデオ撮影をするんです。
アルバイト代は毎月300ドル位ですかね。
自分の娯楽費用に使ったりしています。
これからやっていきたいことや今後のプラン
今アートを専攻しているんですが、通っている大学がアートのバジェラーディグリーで、4年生もディグリーが取れないので、他の大学に転校するための手続きを行っています。
今は手続き中なので大学は決まっていないんですが、転校先でフォトグラフィーを専攻して、他に興味のあるビジネスを副専攻で取ろうと思っています。
今5校アプライしているんですが、都市は全然違うところです。
まだどこにしようか決まっていないですね。
ミズーリ州は卒業する感じですね。
その後は、大学卒業後にOPDという制度があって、アメリカで大学を卒業した後に1年働けるので、アメリカで1年働くか日本に戻るかはまだ決めていないです。
日本にはない特徴ですよね。
そこから就労ビザが降りることもあるみたいです。
アメリカの大学に入学してみたい方にメッセージ
アメリカに限らず、少しでも留学に興味を持っていたら、ぜひチャレンジしてほしいなと思います。
英語力がないから留学はっていう人もいると思うんですが、IELTSとかTOIFLで高得点を取った人でも現地に行ったら話せなくなってしまうんです。
私も日常会話をたくさん勉強して留学したんですが、いざ現地の人と話す時に頭が真っ白になって、クラスも全然わからなくてすごく苦戦しました。
でも、不安があってもまず飛び込むっていうのが大切だと思います。
反対されるケースも珍しくないと思うんですが、反対の意見を押し切ってでも留学をしてほしいなって思います。
留学先って、親もいないし、仲の良かった友だちもいなくて、全て自分一人でやっていかなきゃいないんです。
慣れない環境で、第一言語じゃない言葉での生活もすごく大変なんですけど、すごくメンタルが鍛えられますし、いろんな国の人と出会うことで自分自身の価値観も大きく広がっていきます。
時間は限られているので、後悔しないようにチャレンジしてもらいたいと思います。
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