インドは、日本に比べて衛生環境が整っておらず、また気候も過酷な環境であるため、慣れないうちは多くの日本人が体調を崩してしまいます。
感染症も日本に比べて多く、食中毒などにはとても気を付けなければなりません。
また、スパイスや油の多い食事で胃腸の調子を崩すことも多いです。
極端に熱い夏場や、大気汚染の酷い冬場にも、体力が落ちてしまい、病気にかかりやすくなっているので注意が必要です。
そんなときに、知るべきことはインドで発病しうる病気や現地の医療事情・保険についてです。
インド滞在前に、抑えておきましょう。
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1.最も多い!食中毒・下痢
食べ物や飲み物を通しての食中毒は非常に多いです。
食中の細菌で下痢になる一般的な食中毒も多いですが、
- 腸チフス
- パラチフス
- 細菌性赤痢
- アメーバ赤痢
- コレラ
- A型肝炎
- E型肝炎
にかかる外国人も多いです。
しかし、日本人の場合、下痢の原因で一番多いのはスパイスなどの刺激でお腹の調子を崩してしまう刺激性の体調不良です。
<予防策>
- 非加熱の食品を口に入れるのを避けましょう。
- ストリートフードなどは、とても美味しいですが、衛生的にも安全とは言えません。
また、質の悪い油で体調を崩してしまう可能性があります。
ある程度インドの環境に慣れてから挑戦することをお勧めします。
- 生水を避けていても、お店で出されるドリンクの氷で食中毒になる可能性があります。
- 果物などは、スイカやパパイヤなど大きいものでも一個丸ごと買って、周りを良く洗ってから切りましょう。カットフルーツはあまり安全ではありません。
- 揚げ物は古くて質の悪い油で調理されたものがほとんどです。頻繁に食べない方が良いでしょう。
- 空のペットボトルに水道水を入れてミネラルウォーターとして売る詐欺があります。生水は本当に危険なので、出来るだけ路上ではなく店頭で買うか、フタが開けられていないか確認しましょう。
お腹を壊したら?
どれだけ気を付けていても、環境のせいもあり、お腹の調子を崩してしまうことはあります。
まず、下痢だけの比較的軽度な場合は、刺激性の下痢の可能性が高いです。その場合、生理食塩水を飲んで休むことが大切です。
日本からポカリスエットの粉末を持ってきて、調子の悪い時に飲む人が多いですが、それがなくても、エレクトールと呼ばれるインド版のポカリスエットのようなものがあります。
ほとんどの下痢は、これらを飲んで半日から一日休むと回復するケースが多いです。
嘔吐や発熱を伴う場合・・
症状が悪い場合には、迷わず病院へ行きましょう。
ウイルス性の食中毒の場合、抗生物質を服用しなくてはならない場合がありますが、抗生物質を使用した後はる通常よりも免疫が落ちるため、いっそう注意が必要です。
2. デング熱
インドでは、毎年夏の終わる9月ごろから、蚊が大量発生しデング熱が流行します。
道路に粉末状の防虫剤を大量に撒くなど、公共事業としての蚊の対策もされていますが、あまり効果がなく、全国的に非常に蚊が多いです。
特に流行した年には、患者を受け入れる病院の数が足りず、死者が多く出てしまう年もあります。
日本人の場合、一般市民に比べて治療費の高い病院に行くため、治療が受けられない可能性は、ほとんどありません。
しかし、症状はとても苦しいので、出来るだけ予防に心がけてください。
症状
感染してから、通常3日から1週間(長くて2週間)の潜伏期間があり、突然症状が出ます。
頭痛や、非常につらい筋肉痛を伴う発熱が主な症状です。
ほとんどの場合、点滴などで脱水を防いで安静にすれば1週間程度で回復し始めますが、重症化するとデング出血熱、デングショックと呼ばれる症状が出て、最悪の場合死に至るケースがあるます。必ず病院で治療を受けましょう。
<予防策>
とにかく、蚊に刺されないことが一番の予防です。
プラグに差すタイプの蚊除けか、蚊取り線香が一般的に使われています。
夜は、ベッドに蚊帳を設置する庶民も多いです。
外出時には、あまり肌を露出せず、出来るだけ蚊除けを塗りましょう。
デング熱になってしまったら・・
しっかりと水分補給が出来れば自然と回復する病気ですが、重症化すると死の危険も有るため、必ず病院に受診して医師の判断に従ってください。入院になるケースが多いです。
症状がある間は非常に苦しいですが、正しく治療すれば1週間程度で治まってきます。
3. 狂犬病
実際に日本人がインドで狂犬病に感染したケースは聞いたことがありませんが、インドは未だ狂犬病のリスクがある国です。
狂犬病は、発症してしまった場合100%死に至る恐ろしい病気です。
インドは野犬をはじめとした動物が都市の中心部でも多く、狂犬病は猫、リス、コウモリやサルなど、犬以外の動物からも感染します。
<予防策>
まず、日本出国前にワクチンを打っておくことをお勧めします。
狂犬病の予防接種は、初回投与から30日に2度目、数か月後に3回目を行います。
日本出国までに間に合わなかった場合、インド国内の病院でも受けられます。
予防接種を打っても狂犬病にかからなくなるわけではありません。
動物に噛まれたら、速やかに治療を行う必要がありますが、ワクチンの事前投与があった場合、致死率は格段と下がります。
そして、一番の対策は、噛まれないことです。
感染している動物は、凶暴になっているため、様子のおかしい動物がいたら、速やかに距離をおきましょう。
それでも噛まれてしまったら…
速やかに病院へ行きましょう。万が一噛まれた動物が狂犬病に発症していた場合、24時間以内の対処をしないと手遅れになってしまいます。
予防接種を打っても感染します。
ワクチン投与の有無に関わらず、必ず病院へ行ってください。(発症率は下がります)
病院では、5~6日に分けて注射を受ける必要があります。
狂犬病は、潜伏期間が1~2か月ですので、それ以上たっても症状が出なければ安心して大丈夫でしょう。
海外滞在に安心を加えよう!クレジットカードの海外旅行保険
あまり知られていませんが、一般的な旅行保険の他に、クレジットカード付帯の海外旅行保険でも万が一に備えることができます。
解説記事:絶対知るべき!クレジットカードの海外旅行保険。オススメ3つ+アルファを紹介
ポイントは、
・海外では、医療費が人生が狂うほど高額になる場合もある
・クレカ付帯保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2つのタイプがある
・補償期間は90日・補償内容は「治療・救済費用」「携行品損害」「旅行事故緊急費用」
・現金を持ってなくてもOKのキャッシュレス診療などです。
例えば、エポスカード
は無料で持てて、補償がつくカードです。しっかりと事前に準備しておきましょう。
その他
インドでは、風邪も日本より症状が重くなるケースが多いです。
そのため、病院でも、街中の薬局でも、簡単に抗生物質が手に入ります。
薬局で風邪薬と頼むと、当然のように抗生物質が出てくることがありますが、抗生物質の過剰投与は非常に危険なので、医師に確認した場合のみ接種することをお勧めします。
インドの病院事情
インドは、病院も利用者の階級によってピンからキリまであります。値段も、公共の病院と、高級な病院では何十倍も違います。
日本人は、保険を利用することが多いので、設備の揃った総合病院に行くことが多いです。
大きな病院には、海外で学んだ医師も多く、基本的な治療を受けるのには特に問題ありません。
病院の対応はどう?
総合病院では、24時間対応のところが多く、急な体調不良でも安心です。
しかし、日曜日が休みの場合が多く、月曜日は非常に混雑します。
また、近年は外国人をターゲットとした病院が多く、外国人向けのカウンターへ行くと日本人、または、日本語を話せるスタッフが対応してくれます。
体調不良で心細い時には、通訳をしてもらえると本当に助かります。
デリー・グルガオンのおススメの総合病院
日本人の多いデリー・グルガオン地域では、とても安心して行ける病院が多いです。
下記の病院は、日本人も多く通っていいます。設備も整っていて、保険の利用も非常にスムーズに出来ます。
1) Max Super Specialty Hospital, Saket
No.1, Press Enclave Road, Saket, New Delhi-110017
Tel.: 6611-5050, 6611-4545, 6611-4444
Website: http://www.maxhealthcare.in/index.php/hospital-network/max-super-speciality-hospital-saket
2)Fortis FLT. LT. Rajan Dhall Hospital
(A unit of Flt. Lt. Rajan Dhall Charitable Trust)
Sector B, Pocket 1, Aruna Asaf Ali Marg,Vasant Kunj, New Delhi-110 070
Tel.: 4277-6222
Emergency Helpline: 4277-6444 Emergency: 24 hours
3)Indraprastha Apollo Hospitals
Sarita Vihar, Delhi-Mathura Road, New Delhi – 110 076
Tel : +91-11-26925801, 26925858 Extn. 1849
Website: http://www.apollohospdelhi.com/web/
4)Max Hospital, Gurgaon
Block-B, Sushant Lok, Phase I,Gurgaon-122001
Tel.: 0124-6623-000, 0124-6623008
Emergency-4055-4055
Website:http://www.maxhealthcare.in/index.php/hospital-network/max-hospital-gurgaon
Website:http://www.fortishealthcare.com/india/see_your_hospital.php?hospital_id=16/
インドの保険事情
インドでは、日本の国民健康保険のような制度がない代わりに、公共の病院は非常に安く受診できるため、庶民は公共の病院を利用することが多いです。
しかし、とても混雑することと、施設も最低限に限られ、衛生状態も安心できないため、ほとんどの外国人は私立の病院を利用します。
よって、個人、または、雇用されている企業で保険に入っていないと、医療費が全額負担になってしまいます。
海外旅行保険には加入しておこう
旅行の際には、海外旅行保険に必ず加入し、就労で滞在する場合には、必ず雇用先企業の福利厚生を確認しましょう。
保険に加入している場合、上記に例をあげたような総合病院であれば、外国人デスクの担当者から、保険会社に電話をつないでくれます。
また、大手病院は、保険会社と契約を持っているため、その場で建て替えをしなくても、保険会社から病院へと支払いをしてくれます。
その為、患者は、病院からの書類にサインをするだけで手続きが終わる場合が多いです。
海外旅行保険は高額ですが、いざという時を考えると、とても便利です。(歯科は保険対象外なので注意)
もし、大きな総合病院に行くことが出来なかった場合、一旦支払いを済ませて、後から保険会社に申請する必要があります。
また、保険会社への確認の電話も、実費の国際電話になってしまう可能性があります。(保険会社によっては、気を使ってかけ直してくれます)
そのため、病院で受診したら、必ず診断書や領収書を貰いましょう。
現地採用でインド国内の企業に就職した場合、日本の海外旅行保険が福利厚生に含まれず、入院のみの簡易保険に加入となる場合も多いです。
大きな病院だと、一度の受診で1万円近くかかってしまうケースも有るため、必ず加入の保険内容を確認しましょう。
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