シンガポール永住権取得への道のり。経済的なメリットが決定打に

英金融大手HSBCが調査した海外移住ランキングでシンガポールは3年連続1位を獲得しています。(2016年度版)

今回は、実際にシンガポールへ永住した日本人に、永住権の特徴、取得体験談や注意点などをお聞きしました。

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なぜ、シンガポールの永住権を取得しようと思った?

私がシンガポールで、永住権・PR(Permanent Residence)の取得を決意したのは、シンガポールで働き始めてから5年が経ってからの三十代前半でした。

はじめは全然興味がなかったのですが、この5年の間に徐々に取得の方向に傾いていきました。

しかし、それは「シンガポール永住権が取得したい」というポジティブな動機からよりも、「永住権を取得しておかないと、後々まずくなりそうだ」というネガティブな動機からだったと思います。

その最たるものが、「ある日突然職を失ったら、シンガポールから退去しなければならない。」という不安です。

居住の権利が突如なくなるリスクを取り除くことが、生活の安定に欠かせないと考えるようになりました。

そんな風に感じ始めていた私に、同じ職場の日本人の先輩が、しきりに永住権取得を勧めてきていました。

私が「なんのメリットがあるんですかね」と問うと、一言。

「経済的なメリットに決まってるでしょう」と断言

この先輩のお金にまつわるぶっちゃけトークが、最終的なシンガポール永住権取得の決定打となりました。

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どんな永住権の種類を持っている?

シンガポールの永住権は、入国管理局(ICA)のウェブサイトによると以下、6カテゴリーの外国人が申請することができます。(注1)

  1. シンガポール人もしくはシンガポールPR保持者の配偶者
  2. シンガポール人もしくはPR保持者の21歳以下の子ども
  3. シンガポール人の高齢の両親
  4. 就労ビザ(EP又はS Pass)保持者
  5. シンガポールで就学中の学生
  6. 外国人投資家

私は、4.の就労ビザ(Employment Pass)保持者のカテゴリーで、永住権を申請しました。

私の知り合いの成人日本人PR保持者11名を分類してみたところ、

  • 9名(八割)が女性
  • 2名(2割)が男性

でした。

カテゴリー別に見ると、

  • 8名(7割)が1.のシンガポール人配偶者
  • 3名(3割)が4.就労ビザ(EP)保持者

でした。

ブログ「今日もシンガポールまみれ」の筆者うにうにさんは、「SGの日本人PR者はSG人男性と結婚して配偶者スキームで、もしくは現地採用から労働ビザスキームでPR取得した日本人女性が多い」と分析されていますが、まさにその通りの結果になりました。

私は就労ビザ保持者枠での永住権取得だったわけですが、PRの取り方としては、より狭き門であると言えるかもしれません。

3名いる就労ビザからの永住権取得組の内訳を見てみると、

  • 医療系専門職が1名
  • 文系専門職が2名、

3名全てが大学院卒以上でした。

参照:
注1)https://www.ica.gov.sg/apply/PR/apply_PR_who

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シンガポール永住権取得のメリットや魅力、デメリット

PR取得のメリットは、次の通りです。

メリット

  • 居住の権利が、勤務先の就労ビザに縛られない。
  • 就労が一か所に縛られない。
  • CPF(Central Provident Fund=中央積立基金)加入で、総所得が17%増となる上、複利で高速で金額が増えていく。
  • 天引きされたCPF20%分の所得は、非課税となるため、所得税が安くなる。
  • 社会的なサービスや美術館などがPR保持者価格もしくは無料になる。
  • PR保持者が2名揃えば(夫婦など)、HDB(公団)が購入できる。
  • シンガポール人に何となく親しんでもらえる気がする。

先輩はぶっちゃけトークで、同じ職場で同じような給与水準で、EP保持者A先輩とPR保持者B先輩を比較、5年後、どれだけ総所得が違うか、試算した話をしてくれました。

※EPは、就労ビザのEmployment Pass(エンプロイメントパス)の略

日本円で8桁でした(驚愕)。

利率が8%だった時代には、そういう違いになったのかもしれません。

永住権取得のデメリットもリスト化してみましょう。

デメリット

  • PR取得者の子ども(男児のみ)がPRを取得した場合、兵役の義務があり、拒否すると、ほぼ永遠に、シンガポールに戻ることは不可能となる。
  • 駐在員の場合は、会社からもらっている海外勤務手当などがなくなり、現地採用扱いとなる。
  • CPFに強制加入させられるので、給与の手取り金額が20%減額される。
    (手取り額は減るので、生活水準の見直しが必要)
  • 選挙権がない。
    (そんなものかと思っていたけれど、長期にわたってくると、参政権がないのは不安定だと気付くように)
  • 臓器提供がデフォルト。
    (オプトアプトは一応できるが、臓器提供してもらう場合、優先順位が低くなるなど、現実的ではない)
  • 次はシンガポール国籍取得を期待される。
    (永住権はいいとこどり、と思われる)

経済的なメリットがあってもすぐに申請せず、上記デメリットをよく理解し、受け入れることができるか考えることが必要だと思います。

シンガポール永住権取得の体験談

まず、一番先にしたことは、ICAのウェブサイトで書類提出日のアポをとることでした。

これも先輩からのアドバイスで、アポが取りにくいので、ウェブサイト上で、アポをとりつつ、申請書の記入を進めるのが時間のロスがないとのことでした。

結局私は1か月待ちだったでしょうか。今では考えられない短さです。

私が永住権を取得した当時は、PR申請が電子化されていませんでしたので、ICAのサイトから、申請書をダウンロード、印刷して記入していきました。

申請書類は、カテゴリーによって異なります。

当時独身だったので、自分自身の書類のみの提出でしたが、配偶者、子どもも一緒に申請する場合は、家族の証明書などを出す必要があります。

雇用主の証明は、人事部に書いてもらう必要があります。

事前に人事部の担当者に口頭で永住権申請をすることを伝えておきました。

色々な情報を教えてもらえたので、書類提出の前に根回ししておくといいでしょう。

提出は、コピーも必要です。職場のコピー機を使うわけにもいかず、また街中でコピーするのも、個人情報満載の書類ばかりなので、結局、コピー、プリンターの機能がついた複合機を購入しました。

ICAにもコピーサービスがありますが、混んでいるので、自分で準備したほうがいいと先輩にアドバイスされました。

アポの日は、書類提出がメインでした。

インタビューがある、という経験者もいましたが、私は、書類を提出して、ほとんど会話らしい会話もせず、終了しました。書類は一発でOKでした。

5か月後に封書により永住権取得の知らせを受領、その後、ICAに出頭し、手続きを進めました。

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永住権取得に関して知っておけば良かった予備知識や情報

まず、シンガポールは学歴社会なので、最終学歴をなるべく高めておくといいです。

社会人になっても、シンガポールで働きながら大学院に通ったりして、教育に投資できるといいと思います。

次に、海外からの取り寄せは難しいことも多いので、学歴、成績、その他証明書類の原本、英訳をすぐに取り出せるように、いつも整理して準備しておきましょう

滞在歴が浅いのに、申請をすぐする方がいますが、あまりお勧めしません。

  • 過去6か月の給与明細
  • 過去3年の過去3年間の所得税徴収高通知の提出

が必要です。

3年を待たずに申請した知り合いは、不許可になるほうが多いです。

最後に、納税をきちんとしておくことが大事です。

シンガポールでの納税は給料天引きではなく、自分で納付しなければなりません。滞納があったりすると、マイナスになるでしょう。

最後に、これからシンガポール永住権を取得されたい方へのメッセージ

まず、喜ばしいニュースから。

2017年12月から永住権の手続き申請の電子化が開始しました。(注3)

それまでは、まず、ICAのウェブサイト上で、書類提出のためのアポをとる必要がありました。

しかし、このアポが全く取れなかったのです。

アポをとるために、すでに半年、毎晩コンピューターの前に座っている、と友人がぼやいていました。

アポ待ちのロスがなくなったことは喜ばしいと言えるでしょう

しかし、昨今、シンガポールは永住権取得が著しく困難になっていると言われています

私の周りでも、却下の話がほとんどです。

同業の方々はほぼ却下されているので、私の申し込み時期が非常に幸運だったと言えるかもしれません。

医療系職業の友人は、そんな困難な中でも、あっさり1度目で取得していました。

シンガポールが必要とする人材かどうかがカギとなると思われます

また、在シンガポール歴が浅いと不許可の対象となります。

私は、永住権申請までに滞在が5年に及んでおり、それも、よかったのではないかと思います。

じっくりシンガポールに滞在し、税金を納め、機が熟すのを待つほうがいいでしょう。

また、シンガポール政府は、政策を大胆に転換します

今はPR取得は難しくとも、将来的にがらっと変わる可能性はあるかもしれません。

シンガポール政府の動向を注視し、変化を素早く察知できるといいと思います。

参照:
注3)TODAY:ICA raises fees, introduces e-application system for PR applicants

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