シンガポールの医療事情と日本語対応の病院情報。費用高額なため保険は要加入

シンガポールの医療事情と日本語対応の病院情報。費用高額なため保険は要加入

シンガポールは、2018年ブルームバーグが行ったHealth Care Efficient index(医療システムの質やGDPなどから統計)という調査で、香港に続き2位に選ばれています。

平均寿命は82.7歳と長く、医療や医師の質も高く評価されています。

ただ、ここ数年力を入れていたメディカルツーリズムでは、マレーシアやタイなどの他東南アジア諸国と比べると、医療費が格段に高いことから、昨今はメディカルツーリズム目的でシンガポールに来る旅行者は、旅行者全体の4%以下と、減少傾向にあります。

しかしながら、英語が通じる事、医療レベルが高い事などから、医療目的で訪れる外国人は後を断ちません。

また、日本語で受けられる医療サービスの範囲は、一般医から歯科・専門医と多岐に渡ります。

今回は、そんなシンガポールの医療システム最新事情について、ご案内したいと思います。

1) シンガポールの医療システム

シンガポールの医療システムで、主な特徴としてあげられるのは下記の点です。

・一般医と専門医が分かれている。

日本では、初診の時から内科や外科・耳鼻科などの専門医に診てもらいますが、シンガポールでは一般的に、初診時にGeneral Practitioner(GP)と呼ばれる一般医に診てもらいます。

そこで、専門医の治療が必要と判断された場合にのみ、専門医へ紹介されます。

・専門医のシステム

専門医の多くは、私立病院内にクリニックを開業しています。

検査や治療・入院や手術が必要となった場合、開業している病院の施設を利用します。

その為、医師の診察代は専門医のクリニックで支払い、薬代や検査代・入院費や施設使用料は病院へ別途支払うという事になります。

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2) シンガポールの病院種類(公立・私立)

シンガポールの病院には、公立病院と私立病院の2種類あります。

シンガポールは自由診療制度ですので、医療費が病院によって異なり、治療や施術の種類にもよりますが、私立病院の医療費は公立病院の2〜3倍となります。

また、公立病院と私立病院の大きな違いの一つに、医療設備とサービスがあげられます。

公立病院では、待ち時間が非常に長く、サービスもあまり良くありませんが、私立病院では病院によってはコンシェルジュが24時間対応してくれたり、病室がまるでホテルの部屋のような作りになっているところもあります。

どの病院に行ったらいいか迷った場合、保健省のウェブサイトにて、シンガポールでどの病院が家の近くにあるか確認する事が出来ます。

公立/私立共に病院の情報

URL:http://hcidirectory.sg/hcidirectory/clinic.do?task=load

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3) 医療保険について

シンガポールでは、日本のような国民皆保険制度がありません。

その為、基本的に医療費は自己負担となりますが、シンガポール人と永住権保持者は、CPFと呼ばれる強制積立金のうちの一部を、自分または家族の入院治療費の一部支払いに利用する事が出来ます。

シンガポールでは、大病をすると自己破産するとよく言われるほど医療費が高額なので、シンガポールに移住される際は、必ず医療保険に入る事をお勧めします。

現地在住日本人のための医療保険などもあるようです。

SOMPO: シンガポール居住者専用保険

4) シンガポールの医療水準および費用

医療水準

シンガポールの医療水準は比較的高く、2020年のWHOの調べでも、191カ国中6位に位置しています。

医療費

【一般医に外来治療で見てもらう場合】

  • 公立病院へ行く場合:診察料はSGD50(3千7百円程度)ほど。
  • 私立病院へ行く場合:診察料はSGD60(4千5百円程度)ほど。
  • 日系のクリニックへ行く場合:診察料はSGD100〜200(8千円〜1万5千円程度)ほど。
  • 週末などに緊急外来に行く場合:公立の病院でSGD120(9千円)程度ほど。
  • 私立だとSGD200(1万5千円程度)ほど。

【専門医にかかる場合】

初診診察代が公立病院・私立病院共に初診診察代でSGD200 (1万5千円程度)となります。

上記全ての場合において、検査や薬が必要となった際は、この他に検査代や薬代が別途発生します。

【歯科治療の場合】

  • 公立の病院で検診&クリーニングをする場合:通常SGD 60-90(7千円程度)ほど。
  • 私立の病院で検診&クリーニングをする場合:SGD100-150(1万円程度)ほど。

【入院費】

  • 公立病院で入院した場合:施術費および部屋代でSGD2,000(一泊入院/簡単な手術/15万円程度)ほど。
  • 私立病院で入院した場合:施術費および部屋代でSGD5,000(一泊入院/簡単な手術/37万円程度)ほど。

(費用については、病気の種類や手術の内容、また選ぶ部屋などによって大きく異なりますので、ご留意下さい。)

5) 病院で受診するにあたっての注意点

シンガポールで病院にかかる場合、まずGPと呼ばれる一般医にかかります。

そこで専門医の治療が必要と判断された場合には専門医へ紹介を受けます。

最初から専門医へ行くことも可能ですが、あまり一般的ではありません。

一般医に行く場合は通常予約は必要ありませんが、歯科や専門医に行く場合には、事前予約が必要となります。

医療保険に加入している場合、それぞれの病院で利用できる保険が異なりますので、初めて行く病院の場合は自分の加入している保険が利用できるかどうか、事前に確認する事をお勧めします。

また、場合によってはキャッシュレスサービスを受けることも出来ます。

病院へ行く際は、保険証の他にパスポートまたは労働許可証など、身分証明書を必ず持参するようにして下さい。

小さなクリニック以外は、大抵の場合受付を済ませて受付番号を入手する必要があります。

保険を持っている場合には、受付の際に提示するようにしましょう。

救急車を呼ぶ必要がある場合の番号は、995です。

基本的に無料ですが、救急車を呼ぶ必要がないと判断された場合には、費用が発生します。

一番最寄りの病院へ搬送されます。

6) 日本語対応のできるシンガポールの病院情報

シンガポールには、日本人の医師がいる、または日本語の通訳がいる医療機関が数多くあります。

下記に一部をご紹介します。

尚、私立病院によっては、希望すれば有料で日本語通訳サービスを提供しているところもありますので、専門医にかかる場合で英語に不安がある場合には、事前に通訳サービスが可能かどうか確認する事をお勧めします。

一般医

シンガポール日本人会診療所

120 Adam Road, Singapore 289899
一般診療/心療内科/予防接種/健康診断

Japan Green Clinic

#10−01 Paragon, 290 Orchard Road, Singapore 238859
一般診療/予防接種/健康診断

Nippon Medical Care

Gleaneagles Hospital内
3F Annexe Block, 6A Napier Road, Singapore 258500

Raffles Japanese Clinic

#02-00 Raffles Hospital, 585 North Bridge Road, Singapore 188770
一般診療/予防接種/健康診断

Sugino Family Clinic

101 Irrawaddy Road #10-11 Royal Square @ Novena, Singapore 329565
一般診療/健康診断

専門医

Dr L.K.YAP Sergery for Women

#09-07 Mt.Elizabeth Hospital Medical Centre, 3 Mt.Elizabeth, Singapore 228510
産婦人科/不妊治療

Motoko Clinic for women

#11-13/14 Paragon, 290 Orchard Road, Singapore 238859
産婦人科/不妊治療

歯科

JGH Dental Clinic

#10-01 Paragon, 290 Orchard Road, Singapore 238859
歯科一般/口腔外科/小児歯科/歯科検診

Nippo Dental Centre

435 Orchard Road #15-02/03 Wisma Atria Office Tower, Singapore 238877
歯科一般/歯科矯正

Raffles Japanese Clinic 歯科

#02-00 Raffles Hospital, 585 North Bridge Road, Singapore 188770
歯科一般/口腔外科/小児歯科/歯科検診/歯科矯正

7)デジタル医療 最新状況

シンガポールには、Singhealthというオンラインプラットフォーム(https://www.singhealth.com.sg)があり、 ここで公立の病院の予約をすることが出来ます。

また、病院や医師、薬や病気の症状についての情報を調べることも出来ます。

ただ、自身の診察や薬の履歴などは、自分で入力して記録する事は出来ますが、自動的に記録される事はありません。

オンライン診療については、2018年に政府がオンライン診療のガイドラインを定めました。

Covid-19の感染拡大に伴い、シンガポールでもオンライン診療のニーズが高まっています。

現在、11つほどのオンラインポータルでオンライン診療が可能

産後間もない母親が新生児のケアや疾病について相談する事が出来たり、専門医に診察できるポータルなどもあります。

費用は、通常の一般診療でS$20程度(1500円程度)、専門医でS$120程度(9千円程度)となっています。

診察後、薬のデリバリーなども可能です。

シンガポール 知っておきたい最新医療事情まとめ

シンガポールは、医療面や衛生面など、東南アジアの中でも比較的安心して生活できる国と言えるでしょう。

しかし、予想もできないパンデミックの流行など、実際に病気にかかってしまった際、言葉の問題や、病院のレベルなど、不安な面が多くあるかと思います。

シンガポールには、幸い日本語で医療サービスを受ける環境が整っていますが、費用が高額となります。

保険の加入など、渡航前の事前の準備をしっかりされることをお勧めします。

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