オランダは子供の幸福度が高い国として、様々なメディアで取り上げられています。
幸福度が高い理由は、筆者が実際にオランダの現地校へ子ども達を就学させてみて理解できましたが、教育方針が日本とは全く違うもので、戸惑いも少なからずありました。
ここではオランダ移住後の教育を知りたい方へ、実体験を基にお伝えさせて頂きます。
オランダに来て最初の学校はISK
日本で生まれて日本で12歳まで育ち、13歳になる年にオランダに渡った筆者の子ども。
子どもがオランダに来て初めて通った学校は「ISK」(イーエスカー)と呼ばれる移民の子供達がオランダ語を一から学ぶことのできるクラスが用意されている学校でした。
ISKがある現地校以外の学校を選択するのであれば、
- インターナショナルスクール
- 在蘭日本人学校
がありますが、どちらもオランダに長期滞在する場合にはあまり適しません。
インターナショナルスクールは駐在の子どもや英語のみを学んで生きていくと決めているならば大丈夫だと思います。
在蘭日本人学校は日本の教科書を使い、日本のカリキュラムで授業を行ないます。
ただし在籍できるのは15歳まで(中学三年生)です。その後の進路をオランダでと考える場合にはまた先の進路をオランダ語学習を含めて考える必要が出てきます。
ISKの内容
ISKでは本当に様々な理由で移住してきた移民の子供達が沢山います。
クラスの年齢も二、三歳離れた年齢の子供達が最初は一緒に学び、オランダ語の学習がある程度定着してくると今度は年齢によるクラス分けとなります。年齢によってそのクラスで学習できるタイムリミットがあるからです。
オランダ語の授業だけではなく、音楽や美術、体育などの科目が最初にあります。
そしてオランダ語がある程度定着してきたくらいから、数学や理科、英語、社会などの教科が追加されていきます。授業はもちろん全てオランダ語で行なわれます。
日本語しか話せない状態で学校に入学し、実際はどうなのか?
筆者の子どもは中学の一年間を日本で勉強しましたので、英語は習ったものの、がっつり使える英語が身についているわけではありませんでした。
ですから実際は日本語だけ話せるという状況でISKに入学しました。
当時を振り返り、筆者の子供はこう語っています。
「今まで生きてきた中で一番勉強したと思う。それと悔しい思いも沢山したし、日本がすごく平和な国なんだということを知ることができたのも、この学校へ入学した時だと思う。」
そして筆者の子どもはISKに通っている時にはよくこう話していました。
「授業で先生が話していることが全く分からない。」
「実際にオランダ語だけしか使ってはいけない決まりがあるけれど、クラスの人種の割合がイスラム圏の人が多くてアラビア語が沢山飛び交っている。先生も仕舞いにはアラビア語を勉強し始めてオランダ語をアラビア語に訳してあげているけれど、日本語を話せる人は一人も居ないから、本当に不公平さを感じる。」
半年近く筆者の子どもは学校でほとんど話さなかったそうです。
しかし、ISKの先生方は、分からないことが当たり前として受け入れてくれますので、筆者の子どもの様な状況でも個人に寄り添って対応はしてくれます。
必死で勉強したこと、先生方のお陰で、半年を過ぎたくらいから相手が話している内容が耳に入ってくるようになり出したとのこと。
13歳の子どもにとって半年間、会話もできずにただ学校に居るという状況は決して「楽」な状況ではなかったはずです。
母語(日本語)を理解してくれる人は一人も居ない環境ですから。これはある程度の年齢で日本語しか話せない子どもが移住した場合、乗り越えなくてはならない一つの壁だと思います。
こんな状況でも、筆者の子どもはオランダに来て初めての親友もISKでできました。
その子はアラビア語、英語、オランダ語を話す子どもです。二人で話す時にはオランダ語で会話しています。
異国の地から来た二人がそれぞれ母語ではない言語で会話する姿を見る度に、二人が切磋琢磨してオランダ語を習得してきた背景が目に浮かびます。
ISKについて詳しく知ろう
ISKとはinternationale schakelklassenといい、オランダ語のスキルを上げるだけではなく、中等教育レベルの各教科ごとの専門用語スキルを上げることを目的に設立された学校で、オランダ国外から移住してきた子ども達にとっては心強い学校で有り、移民が増えていく国内でもまた、重要な役割を担う施設とされています。
大体、十代くらいでオランダへ移住して母語しか話せない場合は、
- 最初はこのISK
12歳~18歳
入学する年齢がこの年齢までに入学できれば、卒業時にこの年齢を過ぎていても可能 - 系列のBasisschool(バーシススホール)
小学校4歳~12歳まで
に入学します。
オランダ全土にISKのある現地校は存在しますが、学校によって校風や教え方なども様々なようです。
筆者の子どもはLeiden(ライデン)のISKに在籍していましたが、オランダの他の地域のISKからLeidenのISKに移ってくる子ども達も多く、中にはアムステルダムからわざわざ通ってきている子どもも居ました。
その理由としては、何年か他のISKに在籍したがオランダ語が身に付かず困り、転校してきたそうです。
その結果、Leiden校ではオランダ語スキルをしっかり身に付けることができて喜んでいたそうです。中には数々のISKを渡り歩いてくる生徒もおり、その子もLeiden校は多分ISKの中でもかなり良い学校だと話していたそうです。
Leiden校はGoogleの評価ではかなり低いのですが、筆者の子どもを通わせた経験からすると、先生方もオランダ語レベルの段階に応じて少しずつ厳しくなっていく感じで、担任の先生方も比較的しっかりとしていて個人のレベルにきちんと向き合いながら指導してくれるという印象を持っています。
なぜISKを渡り歩いてまでオランダ語を取得する必要があるの?
移民の子ども達はオランダ語が話せないと困る理由として、第二外国語をオランダ語として学び、オランダの社会で働き、生活するだけのオランダ語スキルを持っているという証明になるNT2という国家試験を受けなければならないことにあります。
これが無いと働くことができないのです。
日本人の場合、長期滞在者は個人事業主ビザを取得されている方が多く、当人とその家族を含めて今のオランダの法律ではNT2は免除されています。ですから勉強しなければならない背景も少し違ってきます。
ISK Leiden校公式ホームページ
https://www.davinci-leiden.nl/
ISK検索の際には、「ISK お住まいの都市名(小さな町で検索に無い場合は近くの大きめの都市名で」
3.ISKの後の進路にはどの様な選択があるの?
ISKでの学習が1年を過ぎた辺りから、学習の状況に個人差が見られるようになってきます。
それは先でもお話しした通り、通常の科目が導入されていくからです。
オランダ語に加えて、得手不得手のはっきりする科目が入ってくると成績に差が出てきます。
ISKでは個人の学習の進捗や年齢などから違うクラスへ移ることも度々あります。
成績と年齢的な問題で、本当はHBOのコースへ進みたくてもMBOのコースにしか進むことができないという様な事態もおこります。もちろんMBOを修了してからHBOに進むことは可能ですが、時間が掛かります。
<MBO、HBOとは>
ちなみに簡単に説明すると、MBOは日本で言うところの専門学校のような場所です。VMBOという学校を12歳~16歳の間勉強してから入学できます。
HBOは、日本で言うところの大学のような場所です。HAVOで12歳~17歳まで勉強してから入学できます。
そしてWOは日本で言うところの大学院です。VWOで12歳~18歳まで勉強してから入学できます。
基本的にVWOとHBOのコースは一つの学校の校舎にまとまってあることがほとんどです。しかしMBOは職業訓練学校なので設備や敷地が必要のため、別に校舎が設けられていることが多いです。
詳しくはこちらを参考にオランダの教育
ISKで就学満2年を迎える前に進路を大体決めます。
ここでオランダ語のレベルを筆頭に、現地オランダ校(ISK以外の学校)の学習レベルに必要とされる成績を取ることができていて、尚且つ自分が行きたいコースのある学校へ空きがあれば他校へ転校することができます。
もちろん、ISKのある学校内のコースへ進む選択肢もあります。
筆者の子どもの場合は、この時点でISK以外の学校へ行くことを許可されたので、外部の学校を探し始めました。
オランダは保育園や小学校を一番最初に決める時以外は、それぞれの学校に所属するコーディネーターに転校の一切を仕切ってもらう必要があります。
希望する学校への見学は各自でアポイントメントを取ります。担任の先生から自分の希望する学校へ推薦状を送ってもらい、希望する学校からの返事を待ちます。それらのやり取りを全てコーディネーターが行ってくれます。
基本的には一校だけに希望を出すのではなくて、第二希望、第三希望くらいまで候補を決めておく必要があります。
そして信用問題から、返事が来た学校へは早めにどちらかの返事をすることが大切だそうです。又、ISKの担任の先生に言われたことですが、他校も検討しているということは事実であっても話さない方が良いそうです。
なぜISK以外のオランダ現地校へ転校したのか?
筆者の子どもがISK以外の学校へ行こうと決めたのにはいくつか理由がありました。
これは個人的なとらえ方も有るでしょうから、これが正しいということでここに書いているのではなく、一個人の進路として捉えて頂ければと思います。
一つはイスラム圏の移民が多いことも有り、授業はもちろん休み中や学校内でもアラビア語、英語が飛び交うため、オランダ語のスキルアップには限界があると感じたことです。
そしてもう一つは授業の内容をもう少しレベルアップしてみたいというチャレンジ精神からです。
ISK以外のオランダ現地校ではやはりオランダ語スキルを一番に問われます。その後に全体の成績をどの程度取ってきたのかということを問われます。
ISKで学期毎に行なわれる二者面談(通訳が必要な場合はオランダ語の分かる人、若しくは子どもを同席させても良い)で、行きたいコース、例えばVWOに行くにはどの教科をどれだけ頑張らなければならないのかなどを教科ごとのグラフなどにして見せてくれます。
そうやって計画的に成績を上げていくことができれば、ISK以外の現地校へ転校するチャンスが出てきます。
現地校ではもうオランダ語をフォローしてくれるクラスなどはなく(補習クラスなどは学校によって用意されていることもあるが、有料の場合もある)オランダで生まれて育ってきた子ども達と肩を並べて学習していくのでかなりのチャレンジと言えます。
他校への転校などを希望していて、意欲的に勉強していると担任の先生から学校推薦をしてもらえることもあります。
筆者の子どもは担任に転校の意思を伝えた時に、一校推薦された学校がありました。
しかし子どもの行きたい学校が決まっていたことも有り、そこへは行きませんでした。そして空席が無いなどの結果も有りつつ、第二希望の学校へ転校しました。
VWOコースのある現地校に転校して初日の授業
オランダの学校は学校見学をして入学を許可されれば、その後は学校が指定した日、若しくは新学期から在学生と同様にクラスがスタートします。
日本のように入学式、始業式、終業式のようなものはなく、初日から勉強がスタートします。
筆者の子どもは新学期からのスタートでしたが、最初にキャンプがあり、かなり戸惑っていました。
クラスの子ども達は皆ほとんどが顔見知りです。
そんな中、キャンプの場所だけ指定され事前に保護者がキャンプ道具一式(テントや寝袋など)を現地に届けておき、翌日子ども達はそれ以外の荷物を持って何十㎞の距離を自転車で行くというものでした。
子どもの話からざっとその時の内容を話すと、現地でテントを張り、寝床を作ったら、友達同士のグループでオランダの家庭料理(簡単なもの)を作って食べる。あとは簡単なゲームなどをして、夜遅くまでどんちゃん騒ぎする、ということでした。
事前のテント張りの説明などもなく、「できて当たり前」のぶっつけ本番です。
友達がまだいない筆者の子どもでしたが、クラスの何人かの子ども達が気に掛けてくれ、一緒に活動してくれたそうですが、ISKに居たものの、基本は日本の教育や文化にどっぷり慣れている子どもですから、夜遅くまで続くどんちゃん騒ぎ(オランダではディスコと呼ぶ)には馴染めなかった様です。
23時過ぎに16歳の反抗期の子どもが「ママ、私、もう寝るから。」と電話してきたことは今でも私達の笑い話となっています。
子どもの電話の後ろから爆音の音楽が聞こえてきたことは忘れられません。慣れない作業への疲れだけでなく、不安が大きかったのだろうと想像できました。
日本なら23時に出歩いていたら、大変なことになりますが、オランダではキャンプの時だけでなく、学期末などのお疲れ様会のような名目で夜からディスコというのが日常的です。もちろん学校の先生方は同席しますが、とにかく皆、大音量の音楽の中で懇親を深めます。
会場は学校だったり、施設を貸し切ったり、その時々で違います。
オランダの現地校へ転校し、初日からトップスピードに入ってしまった様な状況からのスタートとなりました。
5.生徒と先生と家庭が一緒になってとことん話し合えるオランダの教育環境
- 担任の先生の指定ができる
- 学校を替える
- 飛び級できる
- 同じ学年をもう一年できる
- 教科を減らすことができる
・・・きっとここにあげた以上の希望が筋の通った理由が有ることが前提ですがオランダの子ども達には許されています。
日本のように「決まりだからできません。」ではなく、
「なぜその様に考えるのか?」
「そうすることが生徒にとって最善なのか?」
を生徒と先生と家庭が一緒になってとことん話し合える環境がオランダの学校にはあります。「こうでなければならない」という観念で大人が子どもに接することがないので、子ども達も自分の意見を言いやすくなります。
筆者や筆者の子どももそうですが、最初はそれがなかなかできませんでした。
「言っても無駄なのではないだろうか?」とどこかで考えてしまうのです。
でも日本人の方はオランダで子どもを学校に通わせるのなら覚えておいて下さい。疑問に思うことや、主張したいこと、理由があることはきちんと相手に話さなければいけません。
例えばこの様なことが実際にありました
知り合いは小学校の1年生になる際に申込用紙に評判の良い先生の名前を書いて、この先生のクラスを希望しますと書いたところ、実際にそうなりました。他にもその様な例は多くあるようです。
友達の子どもは本来は行くべき学年とクラスが決まっていたのですが、本人と親の強い希望で、クラスが始まって間もなく、一学年上のクラスに飛び級しました。
母語と同じくらい英語力もあり、オランダ語のスキルも程ほどにある上、他の教科の成績もある程度良かったので実現しました。
筆者の子どもは転校してから第二外国語、第三外国語としてオランダ語の他に、英語、ドイツ語、スペイン語と選択する必要がありました。転校してすぐの頃でしたので本当に余裕がなく、オランダ語に近くないスペイン語だけはどうしても勉強内容が入ってこなくて困っていました。
そこで担任の先生にスペイン語を勉強するのをもう少し遅らせて、来学年からということに出来ないかということを相談してみました。担任の先生にアポイントを取り、親も一緒に話し合いました。そして後日学校全体で話し合い、「あなたは日本語が話せるので、スペイン語を履修する必要はないですよ。」ということになりました。
本人は勉強しないという選択肢は考えていなかったので、かなり拍子抜けしたようですが、その分他の教科に力を注ぐことができているので、全てが良い結果となりました。
6.オランダ現地校での一日と日本の学校との大きな違い
一日の流れ
こちらは筆者の子ども(中学生)のある1日の時間割です。
始業時間は8時30分。授業は一時限45分授業です。
この日は7時間目までの授業ですが、曜日によっては8時限目まである日もあります。お昼時間(休憩)はとっても短くて、30分間です。このカリキュラムを日々繰り返し、学期末テストなども長期の休み前に組み込まれてきます。
筆者の子どもはいつもお昼ご飯を食べる時間がないと言い、ランチを家に持ち帰る日もしばしばあります。お昼休み前の授業が少しでも延びてしまうと食事の時間と、次の授業の準備や移動時間を入れてしまうと本当に時間がないとのことです。
でもたしかに大人でも厳しい時間配分だと感じています。
時間割の見方
これらの学校の個人情報が入ったアプリをオランダではMagister(マヒスタ)と言います。
予定表のことはAgenda(アヘンダ)と言います。オランダの学校では保育園から子どもの学校のことはアプリや学校のホームページ上の個人ログインページなどによって管理できるようになっていることがほとんどです。
欠席の連絡なども電話連絡ではなく、こちらから行う学校もあります。
時間割の表示の右横に出ている「huiswerk」の表示は宿題がありますよという印。
この宿題マークをクリックすると宿題の詳細が事細かに記載されています。
宿題の内容だけでなく、子どもが宿題を終えているのかどうかということも記載されます。宿題は教科書に付随する問題集を解く、レポートをまとめるなどだけでなく、インターネット上の宿題ページが有り、そこで問題をクリアしていくような宿題もあります。
こちらはISKの時にも同じような仕組みで、問題を理解できているかの前に、この宿題のページを開いているのか、毎日少しずつ取り組んでいるのか、何時間勉強しているのかなどの情報も観ることができてしまうため、ごまかしは効かないようにできています。
先生はそれをきちんとチェックしています。
宿題は日々行われる小テストにも関係してくるため、小テストの日付も親切に記されています。オランダでは日々の小テストの結果も成績には大きく関係し、日本でいうところの学期末テストの様なものだけでなく、小テストの結果も成績に反映されます。考え方によっては、日々努力していればどこかで失敗してもチャンスはあるという感じです。
学校での様子と日本との違い
在学する子ども達はほぼ学校の近所の子ども達が多いのですが、中学校くらいになると車で通うような距離から通学している子ども達も増えてきます。
皆、基本自転車か徒歩で登校します。中学生からは親の引率は必要なくなります。
お昼ご飯は家庭で作り持たせますが、学校内に売店があり、そこでスープやサンドイッチなどを買うこともできます。
ちなみにお昼ご飯は日本の様にしっかりとお弁当を持たせる必要はなく、フルーツ、各種パン類、おむすびといった簡単なもので大丈夫です。
筆者はお弁当を作ろうとしたことがありますが、子どもに時間がないから食べられないと拒否されました。食事の内容で学校から何か言われることはありません。
授業は学校の教育方針によっても多少違いはあるものの、基本的には担任の先生(Menter)がいて、教科ごとに先生がいます。ここは日本の中学校と変わりません。
面談などは担任の先生が行いますが、家庭や個人の問題で心のケアが必要と判断された場合は必要に応じてカウンセリングの先生に引き継がれます。
保護者、子どもが学校へ関わる際に精神的な面で非常に負担が少ないことはオランダに来て大きく感じる日本の学校との違いです。
その他にも学区が設けられていないこと、学用品は筆記用具、リュックサック、ランチ以外必要ないこと、親の役員はボランティアで回っていること、子ども達の服装や髪型などは自由であることなど目に見える違いも多いです。
子どもの率直な意見として、子ども達の服装が自由で髪型や染めたりすることに対しても何も言われないというのは、気持ちが楽とのこと。だからと言って特段目立つような格好をしている子どもも居ないのが現状です。
そして学校で揃えなければならない教材(例えば絵具セットやリコーダーなど)は日本の様にないのだけれど、その分音楽や美術などのレベルは日本に比べるとかなり低いと話していました。
オランダの学校の教科書はレンタル(無料)です。
ですから教科書への書き込みはできません。
汚したり壊した場合には代金を支払う仕組みになっています。学年が終わると全ての教科書を返却します。
そしてインターネットサイトからまた新学年で必要な教科書を選択して注文すると自宅に届くようになっています。
7.オランダ教育の進路の考え方
オランダの教育は親と教師が子どものことを考えフォローしながら社会性のある自立した人に育てていくという考えが根本にあると感じています。
日本の様に高学歴を持てるように育てていく教育というよりも、個人の特性や状況を第一に考えながら最善と考えられる進路を選択していくというのがオランダ流の教育です。
この背景にはやり直しのきく進路であることが大きく関係していると思います。
大学を目指していてもある年齢では学力が及ばず違う進路に進んでも、途中でまた勉強をすれば大学のコースに行くこともできる。また、職を極めることのできるコースを終えてからでも大学コースに進むこともできる。
だから小学校から学年を落としてももう一年同じ勉強するという選択が、子どもにも保護者にも自然なものとして定着しているのだと考えられます。日本の様に「みんなが行くから大学に行かなくては」というような考えはほとんど存在しません。
WO進学率がオランダ全体の10%程度というのも頷けます。
8.親が押さえておくべき、いくつかのポイント
- オランダで初めて通う学校の選択肢はISK、インターナショナルスクール、在蘭日本人学校
- オランダ語を学んでいくのであれば4歳~12歳の子供はISKのあるBasisschool
- オランダ語を学んでいくのであれば12歳~18歳までの子供はISKのある現地校
- 最初の学校探しは各自で行い学校にアポイントメントを取る
- 学校の荷物で自分で用意するものはリュック、筆記用具、ランチのみ
- BSN(居住許可番号)を申請中で番号が出ていなくても学校の入学は可能
※学校の責任者に申請中であることを伝えれば入学後にBSNが得られ次第伝えれば大丈夫 - 子供の先の進路の見当は必要だがオランダのシステムではやり直しはいくらでもきく
おわりに
オランダの教育事情、住んでみて初めて分かったことばかりです。
人が人らしく生きるための教育がオランダにはあります。その恩恵を受けながら大人になるからこそ、また次の世代にも引き継いでいこうという気持ちが育まれるのではないだろうかと感じています。
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