イギリスBBCが調査し公開している「世界に良い影響を与えている国」ランキングで、常に上位にランクしている日本。
日本を良い国だと評価してくれている世界の多くの国々の中でも、特にインドネシアからの評価が毎年かなり高いのをご存知ですか?
インドネシアは世界有数の新日国家と言われており、この結果からも日本に対して良い印象を持ち、より親しみを感じてくれていることが分かります。
では実際にインドネシアに在住し、日々インドネシア人と接している日本人はどのように感じているのでしょうか?
そこで今回はインドネシア在住5年目のMさんに、お話を伺ってみました。
(Photo by Zhao!)
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インドネシア人は本当に親日か?
インドネシア人が親日かどうかと問われたら、私は「はい」と即答します。
なぜなら、インドネシアを初めて旅行した約20年前から現在まで、日本人だからということで嫌な思いをしたことが一度もないからです。
私が日本人だと分かるとインドネシア人は「私の家族が今日本で働いているよ。」などと話しかけてくれ、友好的に接してくれます。
またインドネシアに住み、生活するようになってからは、「こんなにもインドネシアの人は日本に親しみと憧れを持ってくれているんだなぁ…」と日々感じることも。
では私が実際にインドネシアの人が親日だと感じたエピソードを3つご紹介いたします。
1. 友好の証の日本語
私がインドネシア人の夫の実家で結婚式の準備をしていた時のことです。
式の数日前から親類や近所の人々が手伝いに訪れ、その日は式で振る舞う料理を作るために男衆達が肉や香辛料をみじん切りにしていました。
大した手伝いもできない外国人である私は、代わりに挨拶をして回っていました。
するとひとりの年配の男性がいきなり「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、く、じゅう!」と流暢な日本語で数をかぞえてみせるではありませんか!
私は驚き、「日本語がお上手ですね。どうして知っているのですか?」と尋ねました。
すると「日本統治時代に厳しく仕込まれたからね。今でも忘れないよ。」と答えたのです。
私は一瞬「日本のしてきたことを責められるのではないか」と少し身構えました。
しかし年配の男性は終始満面の笑みで私と話をし、日本の歌まで聞かせてくれるのです。
そう彼はただ友好の証として、日本語を披露してくれていたのでした。
3年半に渡る統治の歴史
日本は太平洋戦争時にインドネシアを支配していたオランダに勝利し、その後3年半に渡り統治していた歴史があります。
しかしそれはインドネシア人からすると、オランダによる350年にも及ぶ植民地支配からの解放だったと捉えてくれているようです。
日本が第二次世界大戦に敗れ全面降伏した後、オランダが再びインドネシアを植民地にしようと画策。その後インドネシア独立戦争が始まるのですが、その際には2,000人以上もの日本兵がインドネシア軍に加わり、インドネシアの独立を助けました。
このようにインドネシアでは日本統治時代の悪い面よりも良い面をより評価してくれているため、国民に親日感情が広まっているのです。
日本統治時代にインドネシア人と友情を育んだ日本兵も多くいたようで、定年後に再びインドネシアを訪れ、老後を過ごされた元日本兵の方もいらっしゃるくらいなのですよ!
2.インドネシア人に愛される歌「心の友」
こちらが日本人だと分かると、「ココロノトモ!」と呼び掛けてくるインドネシア人によく遭遇します。
これは別にあなたと私が心の友だと言っている訳ではなく、五輪真弓の歌「心の友」のことを言っているのです。
五輪真弓と言えば別の曲が日本人には有名で、「心の友」を知っている人は少ないのではないでしょうか?
ところがインドネシアでは国民の大半が知っていると言っても過言ではないほどの、最も有名な日本の歌なのです。
ある日インドネシアの親族たちと車に乗っていた時に、カーラジオから「心の友」の曲が流れてきました。
すると車に乗っていた伯母さんから姪っ子たちまでが一斉に「心の友」を大合唱!しかもちゃんと日本語の歌詞で歌うので、これには私もびっくり!噂には聞いていましたが、こんなにも老若男女に浸透している歌なのだとその時初めて知りました。
「心の友」は日本滞在中に五輪真弓のコンサートでこの曲を聞いたインドネシアのラジオ関係者が帰国後放送したのをきっかけに、1985年に大ヒットしたのだそうです。
五輪真弓は1986年にジャカルタでコンサートを行っていますが、自身も「なぜヒットしたのか分からない」と戸惑うほどの熱狂ぶりだったとか。
日本語の歌詞の意味を理解しているインドネシア人は少ないですが、メロディーがインドネシア人の耳に心地よく、親しみを覚える曲なのだそうです。
移住当初はこの曲を知らなかった私も、今ではちゃんと歌えるようになりました。インドネシア人の前で歌うと大変喜ばれる「心の友」は、日本とインドネシアの友好の証となる歌なのです。
3. 日本に興味津々な子供達
私達家族がインドネシアに移住したのは長女が小学校高学年の時。
当時娘は日常生活で使う単語と挨拶程度のインドネシア語しか話せなかったので、学校に馴染めるのかどうか、私も娘もとても不安でした。
ところがそんな不安はすぐに消え、娘は何の問題もなく学校にすんなりと馴染み、毎日楽しく登校するようになりました。
娘が早く学校に馴染めたのは、インドネシアの子供達が日本にとても興味を持ってくれていたおかげなのです。
日本語を学びたいインドネシアの子供達
娘がまだインドネシア語があまりできなかった頃は、インドネシア語・英語・日本語の三か国語の辞書を使い、クラスメイトも日本語の単語を覚えながら娘とコミュニケーションを取ってくれていました。
また日本語を勉強している日本好きの上級生もいたそうで、毎日娘のところにやって来ては日本語を話す練習をしていたのだとか。
そうやってコミュニケーションを取っているうちに、娘のインドネシア語も自然と上達していきました。
インドネシアでは高校生になると第二外国語を選択し学ぶのですが、その中のひとつに日本語も含まれています。
日本文化をテーマにした学園祭を開く高校もあり、日本語を学びたい学生はインドネシアには多くいるのです。
日本のアニメや漫画が大好き
インドネシアの若者の間で広く受け入れられている日本の文化。
中でも特に人気が高いのが、アニメや漫画です。
テレビでは「ドラえもん」や「アイカツ!」が放映され、本屋にはインドネシア語に翻訳された日本の少年・少女漫画がずらりと並んでいます。
娘もアニメが大好きで、学校でもよく漫画を描いていました。
すると絵が上手いとクラスメイトや先生方から褒められるようになり、お友達も娘の絵を真似ながら漫画を描くようになりました。
日本の最新アニメの情報を知っている娘は、アニメや漫画が好きなインドネシア人のクラスメイトと男女を問わず、すぐに仲良しに。
また先生の中に仮面ライダーオタクの方もいて、娘をとても可愛がってくださいました。
このようにインドネシアの子供達も日本に親しみを抱いてくれていたおかげで、娘はお友達とコミュニケーションが取りやすくなり、学校に馴染むことができたのでした。
まとめ
インドネシアではどの世代の人々も、日本に対して良い印象を持ってくれています。
人口が世界で4番目に多いインドネシアは、世界最大の親日国と言っても過言ではないでしょう。「日本が好きだ。」と言ってもらえるのは、とっても嬉しいこと。
これからも日本とインドネシアの両国が更に友好を深め、良い関係を築くことを願うばかりです。
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