【職種別】オーストリアの平均年収と労働事情の解説します

【職種別】オーストリアの平均年収と労働事情の解説します

オーストリア移住、自活に向けてイメージしやすい基準として、まず収入と労働は切っても切り離せない重要なことでしょう。

ここでは世界的平均値をはじめ、オーストリア内における平均年収の調査データを元にそれぞれ項目ごとに分けて、分析しました。

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世界ランキングで見るオーストリアと日本の平均年収

まずはじめに分かりやすい基準として、OECD(経済協力開発機構)発表の加盟国平均年収ランキング(2018年)からご紹介します。

加盟国全35ヶ国で

  • オーストリア:10位 (46,514€=¥5,581,680)
  • 日本:19位 (37,104€=¥4,452,480)

となっています。

※1ユーロ=120円換算

さらにWorldDate infoという色々なカテゴリー世界ランキングを出しているサイトによると、世界77ヶ国中でオーストリアの平均年収は17位、日本は23位です。

ちなみに平均年収入額としてはオーストリアが45,094€で日本は37,778€です。(2015年)

働き手として気になるのは額面に次いで労働時間はどう?

世界の平均年間労働時間はOECDによると1,725時間で、日本はそれよりもちょっと長めの1,745時間で、オーストリアは平均を約150時間下回る1,576時間となっています。

単純に数字だけを見るとオーストリアは日本より労働時間が短く収入は多いのです。とても魅力的に感じますよね。

参照サイト:

ですが、オーストリアの所得税ならびに社会保険料は比較的高額であること、あくまでもここでのデータは平均として示されている数字なのでご注意ください。

※また額面データはユーロで記載し、以下あえて円では換算しません。理由はレートにあり、データの内容上かなりの差額がでますので、ご確認されたい時にその時のレートで換算してください。

ではここからさらに細かく分析していきましょう。所得税などについては後にまた改めて解説します。

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オーストリア州別地域別でみる収入と働き方

居住地域や勤務先地域でどのような違いがあるのか、逆に変わりがないのかを調べてみました。

オーストリアの税務省と労働市場サービス、キャリアについての資料やサイトから分析解説します。

・州別でみる収入額

州名 平均年収額
ウィーン 53,948€
ニーダーエスタライヒ 44,985€
ブーゲンランド 45,138€
シュタイアーマルク 45,789€
ケアンテン 45,818€
オーバーエスタライ 47,383€
ザルツブルク 47,176€
チロル 45,408€
フォアアールベルク 50,816€

上記の表から見ると、大きな都市がある州とやはり観光業が盛んな州は比較的平均年収が高いようです。

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オーストリア人の仕事への趣

この州別平均年収調査に際してアンケートが行われ、キャリアについてのあるサイトで興味深い結果を載せていたので、ここでご紹介します。

参照サイト: Wo und wie man in Österreich am besten verdient

一番平均年収が高かったウィーン市では42%の人が収入に不足を感じていると答えました。

オーストリア西部では約50%の人がより低い賃金でより少ない作業量を受け入れ、またケアンテン州、シュタイアーマルク州では興味深い仕事のために給与の一部を放棄することをいとわないと答えました。

さらにザルツブルク州やオーバーエスタライ州では39%約1/3がより快適な職場環境を望み、そのための低い賃金を受け入れると示しました。

このアンケートからは最も平均収入が高いウィーンで給与に不満を持っている人が多いことになります。

その背景としてまず都市圏内では生活費が高いということが挙げられます。

都心部で働く人はやはり都心部もしくはあまり離れていない所に住み、通勤に1時間も2時間もかける人は稀です。ですので居住費が高くライフスタイルに違いがあります。

郊外に行けば行くほど自然に恵まれ、国内には海こそないものの、山や湖で過ごすことは多くの人の娯楽になり、使うお金も少なくてすみます。

また住む場所問わずオンオフの切り替えがとてもハッキリしています。

企業や会社は働き手を優先し、始業と終業の区切り目をぼかしません。

一般的にオーストリアで浸透していることは、残業が無駄に増えるのは上司の仕事の割り振りに問題があると見なされ、休暇などの確保は社会全体で当たり前になっています。

ちなみに法的に定められている年間で取れる休暇は最低30日間で、土曜日も含めて5週間となっています。

異常事態での雇用と失業

働き方から触れておきたい事として失業に関してがあります。

日本でいう職業安定所に値する機関がオーストリアにもあり、それをAMS(Arbeitsmarktservice)=労働市場サービスと呼びます。※サイトのリンクは後半に

他の項目でもAMSについて出てきますが、求人情報は基より就労するにあたって職業訓練なども斡旋してくれたり、失業手当をもらうのもここからになるので覚えておくとよいでしょう。

失業に関しての最新のデータでは新型コロナウィルスのパンデミック化の影響で悪化しています。日々失業者は増えている状況で、現在(2020年2月)の失業率は下記になります。

  • オーストリア全体 8.1%
  • ウィーン市 12.2%
  • ケアンテン州 10.6%
  • ブルゲンラント州 9.4%
  • シュタイアマルク州 7.2%
  • オーバーエスタライヒ州 5.7%
  • ザルツブルク州 4.7%
  • チロル州 4.1%
  • フォアアールベルク州 5.4%

2月末は全体で40万人になり3月末の時点で失業者は179,000人増加した、というデータがAMSにより発表され、これは過去最高だそうです。

現在、業種で失業者が特に増えているのが、観光業界やケータリングなど飲食関係です。

また異常事態なため、今後外国人の雇用はさらに厳しい状況が懸念されますので特に注目したいところです。

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性別と年齢、学歴、職種でみる収入の傾向

オーストリア内男性の平均年収は女性のそれより38%も多いことが分かっています。

この理由としてあげられるのは女性はパートタイムで働く人が48%に対し、男性は12%弱ということと、同じ職種職歴でも男性の方がより高額な収入を得るというデータもあるようです。

その背景にはやはり出産と育児が大いに関わっています。

男女の平均収入を職種上位順に示した表です。

職種 男性平均年収(33,776€) 職種 女性平均年収(21,178€)
歯科医 118,818€ 歯科医 77,600€
高等学校教員 63,208€ 高等学校教員 46,488€
システム管理者 51,797€ マーケティング管理者 42,851€
ソフトウェア開発者 49,940€ 小学校教員 36,808€
建築主任 49,747€ 銀行員 33,522€
電気技師 45,493€ 税理士 31,030€
銀行員 47,704€ 秘書 26,844€
バスの運転手 36,975€ 介護士 26,274€
配管工 34,397€ 手工業員 22,301€
トラック運転手 32,737€ 販売員 16,428€
自動車修理工 31,472€ 保育士 15,846€
販売員 21,067€ 受付業務 15,335€
警備員 17,914€ 調理補佐 15,027€
コック 17,288€ 清掃員 12,667€

さらに年齢別平均年収を表で簡単にご紹介します。

年齢別 平均総支給月額
20〜29 1,586€
30〜39 2,255€
40〜49 2,664€
50〜59 2,917€
60< 3,913€

大企業(従業員数が1000人以上)は収入額が平均より10%ほど高いというデータがあります。

学位の有無も収入に大きな差があり、学位がある人の平均年収は59,489€に対し学位がない人の平均年収は45,641€となり約14,000€弱の差があります。

職種別での平均年収もいくつかご紹介します。ここでは近隣ドイツ語圏の国ドイツ、スイスとも比較して表にしました。

職種 オーストリア ドイツ スイス
建築士 €37,000 €44,500 €60,850
医師 €94,000 €101,000 €93,800
パン職人 €21,000 €21,000 €47,500
会計士 €34,000 €29,000 €66,700
バスの運転士 €30,000 €26,000 €55,400
電気技師 €31,000 €26,500 €52,000
美容師/理容師 €21,000 €18,000 €40,000
ホテルマン €23,000 €42,000 €50,000
エンジニア €37,000 €59,000 €77,500
コック €21,000 €21,000 €47,500
警察官 €41,000 €45,000 €65,000
電車車掌 €30,000 €26,000 €55,400

特にスイスに関しては生活費、物価自体がおおよそ1.5倍かかるのでそういったことも念頭に簡単な目安として参考にしてください。

関連記事:オーストリアの物価と1ヶ月の生活費は?子育て家族移住は特にメリットあり

またドイツでは生活費の水準がオーストリアより5%安く、収入は全体の平均で5%多いというデータもありますが、税金や保険のシステムも違うので一概に生活のしやすさをここで判断することはできないでしょう。

参照サイト:

補足:ちょっと確認、平均値と中央値の考え方

ここまで平均値として色々とあげてきましたが、平均値とは一般的、もしくは中間層の水準とらえるには少々無理があります。

その理由として、財政関係のサイトによると役人や見習いを除いた統計では平均年収額42,152€を超えるのは全体の1/10になっています。

いわゆる中間層の水準としての年収を中央値として計算すると、年収は33,000€となり、平均年収額を大分下回ります。

さらに上位の1/10の年収が111,200€以上、下位1/10の年収は11,200€以下にとどまります。

要するに極限られた一握りの高額所得者が平均値を上げているのです。こういった数値はこの記事に限らず色々なデータでも注意する必要があるはずです。

必須!オーストリアの税金と保険について

先にも書きましたがあくまでも平均的数値は外枠的な目安に過ぎません。

その内容や事情はそれぞれです。

ですがオーストリア内でいえば総所得額から引かれる税金と保険は定まっています。

オーストリアで就労するならば知っておくべき事ですし、生活をするにあたってのイメージや目安となることなのでぜひ確認していただきたい項目です。

もちろん税金システムと保険のシステムは非常に細かく多岐にわたり設定や決まりがあるので全てを把握するのは大変です。実際にオーストリアで就労している人でも自身で税金や保険の仕組みを熟知されている方は少ないと思います。

ですのでここでは基礎中の基礎のみをご紹介します。

所得税について

基本所得税の税率を示した表です。

1ヶ月の総所得額 1年の総所得額 税率
1,066€以下 11,000€以下 0%
1,516€以下 11,000〜18,000€ 25%
2,599€以下 18,000〜31,000€ 35%
5,016€以下 31,000〜60,000€ 42%
7,516€以下 60,000〜90,000€ 48%
83,349€以下 90,000〜1,000,000€ 50%
83,349€以上 1,000,000€以上 55%

 

この所得税とさらに健康保険/社会保険が引かれます。

中間層の人の実際の手取り額は総支給額の半分くらいになるとされています。

そこにそれぞれの手当て(児童手当、一人親手当、通勤手当、役職手当、など)がプラスされます。

例:1ヶ月総支給額が約3300€で2人子供がいる場合、手取りは約1900€になります。

参照サイト: 専用の計算機能がサイト上に埋め込まれていて、実際の総支給額から所得税、保険料、手当なども入力して手取り額を計算できます。

Finanz.at:https://www.finanz.at/

保険について

健康保険は自動的に雇用主により法定強制保険に登録され、親族もほとんどの場合無料で登録加入できます。

自営業者は営業登録する際に強制的に保険も登録加入されます。保険料は給与額に値するのではなく、その職種が属している保険組合によって決められます。

この保険でほとんどの基本医療費はカバーされますが、民間の追加保険に加入することで、法的健康保険の給付を個別に拡大することができます。

※保険と病院についてはオーストリアの病院事情の記事を参照してください。

実際に日本人はどういう職種についている?

音楽家、ツアーガイド、ホテルレセプション、コンサルティング、レストラン(コック、調理補助、ウェイター、ウェイトレス)、事務秘書、日本語教師、書道講師、日本料理講師、大学講師、翻訳通訳、自営業、など。

お国柄、土地柄でしょう。

筆者の周りでも音楽家としてオーストリア在住の日本人の方は沢山います。

大半の方が音楽留学をされた後にオーストリアで活躍されているようです。

また現地ツアーガイドをしておられる方も一定数いますが、ガイドを仕事にするならばオーストリア内では国家資格が必要です。

この国家試験/資格は日本人のみならず、ガイドの仕事をされるどの国の方も全員必要だそうです。

かなり厳しくコントロールが入るそうなので、勝手に個人事業としてはできません。

ほとんどの職種でドイツ語は必須ですが、インターナショナル系の企業で取引も国外がメインであれば英語でも差し支えないところもあるようです。

関連記事:日本人が海外で働ける職種23選(体験談付き)!有望分野や変わり種も

参照サイト: AMS/ 職種別平均収入と仕事内容の案内、また職業訓練や斡旋、相談もできる公的組合 サービス

オーストリアの平均年収まとめ

今回の記事は数値の羅列になり人によってはイメージしにくいものだったかもしれません。

ですがこういったデータはあくまでも机上のものであって、これらに付属してくる物も、状況もそれぞれです。

ですので数字にはあまり囚われすぎないよう注意ください。

確かにオーストリアは消費税(10%もしくは20%)も含め支払わなければならない税金が高額です。ですが医療費や学費などその恩恵はしっかり反映されていると日本から移住した筆者は実感しています。

今世界は新型コロナウィルス(COVID-19)蔓延で大変な危機にさらされています。

それに伴いオーストリア政府は一早い政策に乗り出し、国民や労働者達への指針と援助策をしっかりと打ち出してくれました。

数多くの個人事業者や企業が大きな損失を伴い休止をやむ得なくされ、そういった中で個人事業者への融資や、企業への援助金といった救済措置を素早く可決しました。素晴らしいことだと思います。

少し今回のテーマから逸れましたが、移住を検討するにあたってこういったこともこ参考にしていただければと思います。

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